ZAQ、TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』第2期オープニング主題歌をリリース「作品こそが『イノチノアカシ』かなと思います」【インタビュー】 | 超!アニメディア

ZAQ、TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』第2期オープニング主題歌をリリース「作品こそが『イノチノアカシ』かなと思います」【インタビュー】

TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』第2期オープニング主題歌「イノチノアカシ」を歌うZAQのインタビューが、アニメディア9月号に掲載。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかったぶんを含めた特別版を公開。 …

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 TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』第2期オープニング主題歌「イノチノアカシ」を歌うZAQのインタビューが、アニメディア9月号に掲載。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかったぶんを含めた特別版を公開。楽曲に仕掛けられたギミックやレコーディングエピソードなどを聞いた。


新しい風を吹かせたくてIKUO(B)、鈴木浩之(Dr)を起用

ーー『ムヒョロジ』を見ての印象と、その上でどんなところに焦点を当てて「イノチノアカシ」を作ったのか教えてください。
 1期は、前半は1話完結で幽霊の正体はなにかとか、生きているときにどういう人生を歩んでいたかにスポットを当てた推理モノという印象でしたが、後半になるにつれてバトル主体の物語になって、2期が本当に楽しみになりました。「イノチノアカシ」は、2期で描かれるムヒョとロージーの絆のストーリーに重きを置きながら、他の魔法律家たちも含めたバディ同士の絆を意識して作りました。そのなかで、ロージーのムヒョに対する憧れやついて行くんだという覚悟を表現しています。

ーームヒョは天才で、助手のロージーは自分に自信がないんですよね。
 少年ジャンプには、凡才の主人公と天才のライバルという構図が多いのですが、『ムヒョロジ』は凡才と天才がバディを組んでいるというところが、これまでのジャンプ作品とは違うところだと思います。それに今までのジャンプ作品は、凡才の主人公が天才のライバルを超えていこうとしますけど、ロージーはムヒョについていくという意識があって。作詞では、そこでどうロージーが成長していくかを意識しました。今までZAQが関わってきたジャンプ作品は、友情・努力・勝利というナンバーワンを目指すものが多かったので、今回のような作品に携わって新鮮でしたね。

ーーアッパーのロックサウンドで、演奏に参加したミュージシャンもそうそうたるメンバーですね。
 今回は新しい風を吹かせたいと思ったので、初めての方にも参加していただきました。イントロは曲のデモを作った段階から高速のスラップベースにしようと決めていて、私の歌とタイマンするように演奏できる方は誰かいないかと、SNSでぼやいたんですね。そうしたら知り合いのベーシストの方が、「IKUOさんがヤバイですよ」と教えてくださって。アニソンをあまりやられていない印象だったんですけど、お声がけさせていただいたら引き受けてくださって。T.M.Revolutionさんのバックなどをやられている方で、めちゃめちゃ上手くて、レコーディング中はずっと聴き惚れていました。レコーディング自体は昨年だったんですけど、当日がIKUOさんのお誕生日だったということもあって、記念すべき日になりました。

ーードラムの鈴木浩之さんも、初めましてのミュージシャンですね。
 今まではずっと、かどしゅんたろうさんに叩いていただいていたのですが、ドラムでも新しい風を吹かせたいなと思って。ちょうどそのころにUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんとお話をする機会があって、「どなたかご存じのドラマーさんはいないですか?」と聞いたら、「最近めちゃめちゃやってもらっているのが鈴木さんで……」と、紹介していただいたんです。すごく上手くて、レコーディング中はブースのなかにいるんですけど、すごく笑顔で、まるでライブで叩いているみたいに演奏してくださるんです。IKUOさんと鈴木さんで、最強のリズム隊になりました。

ーーそしてギターは、fhánaのyuxuki wagaさん。
 wagaさんとは同い年というのもあって、以前から仲良くて。今までも何曲かお願いしたことがあって。編曲をお願いしたこともあるのですが、エモーショナルなギターを弾かれる印象で、上手いのはもちろんですけど、耳に心地の良いギターを弾かれるんですよね。私はレコーディングで、「もっとこういう風に」とギターの演奏に要望を伝えるほうなので、コミュニケーションがしっかり取れる方が良いなと思って。それにリズム隊のおふたりが初めての方だったので、顔なじみの方もいたほうがいいかなというのもあってお願いしました。

ーーwagaさんには、実際にどういう要望を?
 ギターソロを何回か弾いてもらったんですけど、メロディ的なものよりは「ウヨヨヨウィ〜ン」みたいな(笑)、文字にするのは難しいと思いますけど、そういうSE的なものが良いと伝えて、フレキシブルに対応していただきました。

ーーZAQさんの前回の曲「Against The Abyss」は、すごくエモーショナルでスケールの大きなロックでしたが、そのときとは曲の雰囲気をがらりと変えたいという気持ちはあったんですか?
「Against The Abyss」はダークな重いサウンドで、音も歪みまくっている感じでした。今回は少年ジャンプの作品でもあったので、主人公感やOP主題歌感が欲しいと思って、リズム的には軽快なものを目指しました。それでいてクラブでかかっていてもおかしくないような、ノリやすい曲にしようと。

作品こそが、ZAQの「イノチノアカシ」かなと思います

ーーアニメ制作サイドからは、楽曲に対してなにか要望はあったのですか?
 基本的には「ZAQさんにおまかせします」という感じだったんですけど、「『ムヒョロジ』の持つダークでミステリアスな感じは残してほしい」と。でも、重すぎないという要望がふんわりとあったので、メジャーコードを使ってないんです。

ーーメジャーコードではないけど、決して暗くは聴こえないですよね。
 リズムが軽快で跳ねているから明るく聴こえるんですけど、コードをひとつひとつ辿るとけっこう暗めに作ってあって。あと、歌のテンションで無理矢理、明るく持っていった感じもあって。

ーーたしかにパワフルに歌っているのも印象的です。
 パワーで押しきりました! とくにイントロで歌っている早口のところは、IKUOさんのベースがとても格好いいので、それに負けないようにと思って歌いました。またBメロの部分は、幽霊の不気味さを出したいと思って早口言葉のようにしたんですけど、自分で作ったのに舌が回らなくて大変でした。マ行がうまくいえなくて(笑)。

ーーBメロの声が加工してあるのは、幽霊感を出しているんですね。
 はい。それにヘッドフォンで聴くと、右から聴こえたり左から聴こえたり、声がクロスして聴こえたりするギミックになっていて。霊が周りをヒュンヒュン飛び交っているような感じをイメージしました。だから、その部分の歌詞は、幽霊の気持ちを歌っているんです。

ーーちなみにZAQさんって、心霊体験はあったりするんですか?
 まったく霊感がなくて。催眠術も、信じていないとかからないと言いますよね。それと同じで、幽霊の存在を信じていないから、私の前には現れないのだと思います。それに生きている人間のほうが、よほど怖いと思いませんか(笑)?

ーー『ムヒョロジ』もそうですよね。悪霊ももとは人間で、周囲の人間の悪意や怖さによって悪霊になってしまう姿も描かれていて。
 そうなんです。今回はタイトルを付けるのにすごく悩んだんですけど……「イノチノアカシ」というタイトルを付けたのには、そこにも理由があって。命と幽霊は縁が遠いものと感じるかもしれませんけど、幽霊という不確かなものに「イノチノアカシ」という強気なタイトルを付けたのは、幽霊が人間だったときに何を残したかや、何を証しとして生きてきたかということを表現したかったんです。ムヒョやロージーたち登場人物が命を燃やす理由だったり生きる理由を込めているのと同時に、幽霊たちが人間だったときに何を証しに生きてきたかということも込めて、ダブルミーニングのタイトルになっています。

ーーZAQさんにとっての、「イノチノアカシ」はなんですか?
 音楽です。私は毎回、「この曲が遺作になってもいい」というつもりで作っています。これが最後の曲で、SNSで拡散されてもまったく恥ずかしくないものという意識です。だから作品こそが、ZAQの「イノチノアカシ」かなと思います。

ーーカップリング曲は、どんな感じになりそうですか?
 けっこうおしゃれなロックですね。シャッフルロックと言うか、現代的な感じです。ここ最近は熱いサウンドが多かったんですけど、隙間の多いサウンドを作りたいなと思って。歌詞は今のご時世に投げかけるじゃないけど、ここ数ヶ月の自分の思いを込めました。

ーーステイホーム期間中は、ZAQさんは何をやっていましたか?
 ZAQは曲を作る仕事があったので、基本的にずっと曲と向かい合っていました。でも、みなさんもそうだったと思いますが、最初は外に出られないことがストレスで、SNSも更新しないでいたんですね。そうしたら「大丈夫?」と、心配する連絡がたくさんきて。ミュージシャン仲間と話をしたら、みんな同じような気持ちだったようで、お互いに気持ちを吐き出し合って乗り越えることができました。アーティストは基本的に孤独だから、気持ちを共有できる相手がいないとつぶれてしまうということが、今回のことでよりはっきりしました。

ーーでは最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
 ZAQも早いもので、今回で19枚目のシングルになります。今回の「イノチノアカシ」は、久々にアッパーのロックチューンで、ライブでも盛り上がること間違いない曲ができたので、ライブができるようになったときにはぜひ遊びにきてください。今後はせっかく楽器もできることだし、インスタライブなど配信もやっていこうと思っていて、SNSなどで随時告知するのでチェックしてください!

取材・文/榑林史章

「イノチノアカシ」リリース情報


発売日:発売中
レーベル:ランティス
価格:1,200円(税別)

《超!アニメディア編集部》
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