OxTが待望の1stアルバム「Hello New World」について語る!「カッコよ過ぎて椅子から転げ落ちそうになりました(笑)」【インタビュー】 | 超!アニメディア

OxTが待望の1stアルバム「Hello New World」について語る!「カッコよ過ぎて椅子から転げ落ちそうになりました(笑)」【インタビュー】

ファン待望の1stアルバム『Hello New World』が発売されたOxT。その制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア10月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった …

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 ファン待望の1stアルバム『Hello New World』が発売されたOxT。その制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア10月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。

ふたりで新しい世界を見に行こう

──まず1stアルバムをリリースすることについて、率直なお気持ちを教えてください。

Tom-H@ck OxTとして出す初めてのアルバムで、みなさんも「やっと出るのか!」と待ち望んでくれていたと思います。そういう意味では「お待たせしました!」という感じですね。最終作業であるマスタリングのときに通して聴いて感じたのは、濃い曲ばかりが集まったということ。そういう意味では、押しが強い曲が並んだアルバムになったなと思います。

オーイシ とにかく、うれしいです。ここにいたるまでは、意外と時間がかかったし、ようやく出せるという気持ちですね。たとえば海外の人気バンドのレディオヘッドは、1枚のアルバムを出すまでに5年かかっていて、海外のアーティストでは、何年もかけてアルバム1枚出すのは多いことなんです。レディオヘッドと僕らを並べて語るのも恐れ多いですけど(笑)。それに1曲1曲に全力を注いできた延長上に自然発生的に生まれたという意味では、クリエーターシップにのっとったアルバムなのかなと思うし。たくさんアニメタイアップをいただいた上で、そのまとめとしてこういうアルバムを出せるという点では、ベストアルバムのような感覚もあると思います。首を長くして待っててくれたファンのみなさんが、きっと納得してくれるであろうアルバムになりました。

──まずタイトルの『Hello New World』についてですが、同名の表題曲も収録されています。この表題曲は、おふたりの初ライブでお披露目した曲とのことですが。

Tom-H@ck OxTというユニットの活動開始を発表するお披露目のライブがあって、そのときに1回だけ演奏した曲です。それ以降1度もやらずに寝かせてあって。「1stアルバムを出すときは絶対に入れたいね」とふたりで話していて、今回晴れてリード曲として入れさせていただきました。

──表題曲「Hello New World」は、Tom-H@ckさんが作曲・編曲、オーイシさんが作詞。そもそもどういう曲にしようと?

Tom-H@ck ふたりで新しい世界を見に行こうぜ! という意味合いの楽曲です。

オーイシ 当時は、僕はまだアニメソングに携わらせていただき始めたばかりだったから、これからどんな世界が待っているかワクワクしていた時期で、そこで道を指し示してくれたのがTomくんだったんです。つまり船長であるTomくんに「ついて行きまっせ!」みたいな、下っ端のクルーのような気持ちで作りました。それで、自分たちを海賊とか船のクルーに見立てて、新大陸を発見していくという歌詞になっていて。今回リリースするにあたっては、僕らだけじゃなくスタッフさんや参加したクリエーター、ファンのみなさんを巻き込んで、大航海に出られたらいいなと思って収録しました。その当時Tomくんから、「ふたりで組んだら、アニメのOPのひとつやふたつ簡単に取れるよ。だって僕らじゃん!」みたいな、すごく心強い言葉をかけてもらったことを覚えていて。それがどんどん実現していって、僕も「この人について行けば、きっと成功とか新しい未来が待ってるはずだ」と確信したんです。そういう意味で、歌詞には「黄金航路」という言葉が出てきます。

──Tomさんは、そう言ったことは覚えていますか?

Tom-H@ck 覚えてます。でも僕としては、そんな深い意味で言ったわけではなくて。でも「絶対にそうなる」と、確信は持っていました。

オーイシ 僕は「すごく大胆なことを言ってる」と思ったけど、Tomくんは経験からそういう確信を持っていたと思いますね。

カラフルさがコンセプトのひとつ

──アルバムの新曲についてお聞きしますが、Tom-H@ckさん作曲の「Dailyーgoーround」は、すごくオシャレなサウンドの曲ですね。

Tom-H@ck 最新のサウンドをアルバムに入れたら面白いんじゃないかと思って、海外で流行している“トロピカルハウス”というジャンルを取り入れました。最近のアニソンではあまり聴いたことのないタイプの曲になっていると思います。収録曲を並べて聴いたときに『オーバーロード』のタイアップ曲が多くて、それらの曲は、ロックで疾走感があって、ヒップホップな感じもあるものが多いんです。そうすると、たとえば毎日カレーだと飽きるから、たまにはほかの料理も食べたいよねっていう感覚になるじゃないですか。それと同じで、違う色を入れたいと思って作りました。

──アニメタイアップ曲は、アニメという元ネタや制作側からの要望もあるわけですが、ノンタイアップの新曲を作る場合は、どういうところから作っていくのですか?

Tom-H@ck OxTはライブが盛り上がるユニットなので、ライブでやったら面白いよねというものが第一にあります。あと、こういうサウンドを出したら業界的に面白いんじゃないかというクリエーター的な遊び心とか。僕の場合は、そういうことを考えながら曲を作っていきました。

オーイシ 僕の場合も考え方は基本的に同じで、今作に収録されている「Around the world」は、OxTでは今までなかったリズムで展開していっている曲なのですが、僕のなかでは、マリリン・マンソンとか往年のハードロックというイメージが強いです。OxTはデジタルロックユニットという看板も掲げているので、ラウドなサウンドで、ライブでみんなと一緒にノレるイメージを持って作った記憶があります。

──今作ではさまざまなクリエーターが参加していますが、それもアルバムを作る上でひとつコンセプトにしていたことなのでしょうか?

Tom-H@ck 僕たちのコンセプトのひとつに“カラフル”というのがあって、それはふたりともが長い間この業界で活動してきて、幅広くいろいろなジャンルの楽曲に対応できるという意味での“カラフル”です。そういう僕たちが持つカラフルさがありながら、今回のアルバムでは、いろいろなクリエーターに参加していただくという意味でのカラフルさもあります。自分たちが携わらず、信頼のおけるクリエーターにすべて任せている曲もあって。たとえば1曲目の「Introduction」は、収録曲の要素を散りばめてリミックスしているのですが、ebaくんというクリエーターに作っていただきました。序章感があって、これまでの軌跡みたいなものも感じてもらえる曲になったと思います。

──オーイシマサヨシさんのソロ楽曲「君じゃなきゃダメみたい」のOxTバージョンも収録されていて、これはポルノグラフィティなどを手がけている本間昭光さんのアレンジです。とてもクールでオシャレなサウンドですね。

オーイシ コードワークも変わっていて、もともとの明るい印象から、アーバンで少し暗くてオシャレなイメージになっています。でき上がったものを聴いたときは、あまりにかっこよくて椅子から転げ落ちそうになりました(笑)。

Tom-H@ck 本間さんがアレンジしたJ-POPを数々聴いてきた、本間さんのファンの僕でさえ本当に驚きました。普段のいろいろな制約のある制作のなかで生まれたストレスを、ここですべて発散しているんじゃないかというくらい(笑)、大胆にかっこよくやっていただきました。僕たちが思いつかないアプローチがたくさんあって、すごく勉強になりました。

オーイシ 本間さんのインテリジェンスが爆発しています。コードワークひとつ取っても、セクションごとにまったく違うことをやっていて、サウンド的な面白さがすごく出ています。料理なら“舌鼓を打つ”って言いますけど、このアレンジを聴いたときは“耳鼓”を打ちました。

──作詞家の方には、どんなふうにお願いをしたのですか?

Tom-H@ck 音楽に限らずどんなクリエイティブの場面でも、いちばん面白いものができるのは、そのクリエーター自身が楽しんで作ることだと思っています。だから作詞家さんに対しても編曲と同じで、「自分が書きたいことを書いてほしい」という感じでお願いしています。

オーイシ 僕の場合もテーマなどを伝えることはないけど、毎回仮歌は自分でデタラメ英語で適当に歌っているんです。「Around the world」は、その仮歌の語感に似た言葉をチョイスして書いてほしいとオーダーしました。つまりメロディーに対して口当たりがいい言葉ということで、それはお客さんが聴いたときに耳障りがいいということにも繋がります。稲葉エミさんは、その意図を汲み取りつつ、今のスマホやタブレットの世代をモチーフに、とても面白い歌詞を書いてくださいました。

Tom-H@ck 僕も仮歌を歌うんですけど、オーイシさんと同じ感じで、ここにこういう語感の言葉を入れてほしいというところは、語感重視のデタラメな英語を入れています。海外では、こういう作り方が多いんです。言葉の意味ではなく、メロディーに対する言葉の響きで全部持っていく感じというか。

OxTは、自然に世界に行くユニット

──アルバム全体を通して“世界”というキーワードも感じられますが、OxTとしての活動の先には、海外も見据えていますか?

Tom-H@ck 狙わずとも自動的にそうなっていくと思っています。『オーバーロード』は世界的に人気のアニメですし、「Clattanoia」も海外でも人気の楽曲だし。僕らが意識せずとも、自然に世界に行くユニットだろうと思っていますね。

オーイシ たとえば「Clattanoia」は、僕はむしろ日本のユーザー向けにメロディーやコードを紡ぐ意識で作っていて。それに対してTomくんがアレンジすることで、海外でもウケるワールドワイドなものになる。そういった化学反応が起きるのが、OxTなのだと思います。

──ちなみに、アルバムタイトルが『Hello New World』ということで、最近見つけた新しい世界はありますか?

オーイシ 僕は新しいアコースティックギターを手に入れました。ヤマハのギターなんですけど、まだライブでも使っていないので、10月のツアーでお披露目できるように、それまでに手になじませたいなと思っています。

Tom-H@ck 時代が進むと機材も変わり、それに合うスピーカーも変わるわけで、新しいスピーカーに買い替えたいと思ってます。スピーカーは音楽を作る人間にとっては命みたいなもので、スピーカーが変わると作る音楽も変わるほどなんですよ。だからそろそろ新しいものを買いたいなと……思ってるだけですけどね(笑)。

──では最後に、読者にメッセージをお願いします。

オーイシ さまざまなアニメタイアップ曲もたくさん収録していますし、ベスト盤的な部分もあります。聴き応えのある作品で、買って損のないものになったと思います。それに1stアルバムは、泣いても笑っても今回の1枚だけです。特に海外のアーティストで、1stアルバムが結果的にいちばんの名作だったと言われることが多くて、そういう意味では1つの名作が誕生したと思っています。ご興味のある方は、ぜひお手にとっていただけたらうれしいです。

Tom-H@ck 右に同じです(笑)。粒ぞろいなアルバムになってますので、ぜひたくさんの方に聴いていただきたいです。MVを収録したBD付き初回限定盤がオススメですよ。僕らのMVはショートバージョンは公開していますけど、フルサイズはYouTubeで観られませんので。それにOxTはライブが楽しいので、アルバムを聴いて、ライブにもぜひ足を運んでください。

<プロフィール>
【オクト】アニメ『けいおん!』などのキャラクターソングの提供や、MYTH & ROIDの活動でも知られるサウンドクリエイターのTom-H@ckと、ヒット曲「ようこそジャパリパークへ」の作詞・作曲・編曲や、シンガーソングライターとしての活動でも知られるオーイシマサヨシで2015年に結成。アニメ『オーバーロード』シリーズの楽曲など多数のアニメテーマソングを手がけている。

<アルバム『Hello New World』情報>
発売中
KADOKAWA
初回限定盤:4,320円/通常盤3,240円

「Clattanoia」や「GO CRY GO」など、『オーバーロード』シリーズの楽曲を中心に、新曲を多数収録。ほかにOxT結成のきっかけになった表題曲、ライブでおなじみのギターバトルを再現した「O vs T」や、さらに「君じゃなきゃダメみたい」のOxTバージョン、「オーバーロード」ゲームアプリ「MASS FOR THE DEAD」テーマソングなども収録。

初回限定盤

通常盤

 

取材・文=榑林史章

《超!アニメディア編集部》
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