OxT、約2年ぶりのアルバム『REUNION』をリリース!ふたりは「友情だけじゃない、見えない絆で結ばれている感じがします」【インタビュー】 | 超!アニメディア

OxT、約2年ぶりのアルバム『REUNION』をリリース!ふたりは「友情だけじゃない、見えない絆で結ばれている感じがします」【インタビュー】

約2年ぶりのアルバム『REUNION』をリリースしたOxTのインタビューが、アニメディア10月号に掲載。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかったぶんを含めた特別版を公開。

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約2年ぶりのアルバム『REUNION』をリリースしたOxTのインタビューが、アニメディア10月号に掲載。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかった内容を含めた特別版を公開。今作に込めた思いやふたりの絆、10月に出演が予定されている『P's LIVE! -Boys Side-』への思いなどを聞いた。

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『ダイヤのA』がなければ、今のOxTは存在していなかった


ーーアルバムは当初は6月に発売予定でしたが、コロナの影響で発売が2か月延びました。なにか制作に影響はありましたか?

オーイシマサヨシ 時間的な余裕ができたことで、あらためてラインナップを見直すことができたし、方向性もしっかり打ち合わせをすることができたので、前向きにとらえています。それに、くしくもリリース日が9月10日になったことは幸いでした。9月10日は0910と書くとオクトと読めるので、僕らのなかでは「OxTの日」と呼んでいて、その日にリリースできることになったのはむしろ良かったと思います。

ーー前作『Hello New World』は、「ファンのみんなと大航海に出たい」との意味を込めていました。今作の『REUNION』というタイトルには、どんな気持ちを込めていますか?

オーイシマサヨシ 解散したわけでもないのに、『再結成』を意味するタイトルです(笑)。これは、なにかタスクがあるごとに集まる、僕らの活動スタイルに由来にしています。お互い独立して作家活動やアーティスト活動をしながら、OxTとして活動するときだけ集まっているので、毎日会っている時期もあれば、ひと月に1度会うかどうかという時期もあって。だからタスクがあるごとに、小さな再結成を繰り返している感覚でもあって。そんな2年間にできた曲たちが今回のラインナップになっているので、『REUNION』と付けました。あとここ最近では、アニメ『SSSS.GRIDMAN』のオープニングテーマ「UNION」が、とても反響をいただいたので、「UNION」にもなぞらえたネーミングになっています。

ーージャケ写はスマイルマークみたいなデザインですが、これは再会の笑顔みたいな?

オーイシマサヨシ そこまで深く読み取っていただけてうれしいんですけど、たまたまデザイナーさんが提案してくれたアイデアです。グッズにも使いやすくキャッチーなロゴ感のあるものをとお願いして、デザインしていただきました。それに「あの黄色いアルバム」という感じで、目立って印象に残るデザインが良いなと思って。

Tom-H@ck 棚に並んでいても、ほかのCDと見分けが付いて見つけやすいですし。

ーーハードなサウンドが多くて肉体的な熱さがあった前作に対して、今作はミディアムテンポやバラードの曲が印象深く、エモーショナルな熱さが軸にあるのかなと思いました。

Tom-H@ck おっしゃる通りだなと、今気づきました(笑)。たしかに思っていた以上に、エモーショナルな曲やダイナミックスレンジの広い曲が、前のアルバムとくらべると多いです。そういう意味で今回のアルバムのほうが、曲調の振り幅があります。でもそれは、OxTがもともと持っているカラフルさや、どういうコンテンツにも形を合わせていけるという、OxTらしさがより表れているということなんじゃないかと思いますね。

オーイシマサヨシ 特に『ダイヤのA』シリーズに関連した楽曲が多いので、作品のテーマである高校野球から連想される、青春感や情熱が、自然と言葉やメロディに表現されていて。それによって、前作とは違うおもむきになりました。

ーー『ダイヤのA』シリーズは、OxTにとってどんな存在ですか?

オーイシマサヨシ 僕たちが出会うきっかけになったコンテンツで、かれこれ7年くらい関わらせていただいています。『ダイヤのA』がなければ、今のOxTは存在していなかったので、とても大切な作品です。

Tom-H@ck アニメでは珍しいですよね、こんなに長く続いている作品というのは。そういう作品に携わらせていただけているのは、本当にありがたいです。今作には、舞台『ダイヤのA TheLIVE』のために作った1stアルバム以前にリリースした曲も収録していますが、「Be The Best! Be The Blue!」はアレンジがまったく違うものになっていて、「Number One」はあらためてミックスし直しています。「Tears of a Genius」はバラードにリアレンジしているので、新鮮に聴いていただけると思います。

ーーおふたりが楽曲提供した、内田真礼さんの「鼓動エスカレーション」と三森すずこさんの「チャンス!」のセルフカバーも収録しています。アレンジがまったく変わっていて、とても楽しく聴くことができました。

Tom-H@ck アルバムのなかでは、いちばんカラフルさを感じてもらえるパートだと思います。

ーー「鼓動エスカレーション」の原曲はポップで弾けた印象でしたが、ギターがメインで格好いいサウンドになりましたね。

Tom-H@ck 今回のリアレンジはZAQちゃんにお願いしました。ZAQちゃんからのデモを聴いて、「ギターはお任せします」という意図を感じたんです。実際にそう言われたわけではないんですけど、デモでギターの音域だけ空いていたから、「きっとそういうことなんだろうな」と思って、それでギターを思い切り足しました。ZAQちゃんらしいかっこ良さもあって、新しい「鼓動エスカレーション」になりました。

ーー「チャンス!」は、曲中に出てくる三三七拍子のリズムが、クイーンの曲っぽくなっていて。

オーイシマサヨシ クイーンの「We Will Rock You」ですね(笑)。みもりんに提供するときにはできなかったアイデアと言うか、『ダイヤのA』ではできないアレンジになりました。みもりんに提供したときは、『ダイヤのA』とのリンクポイントを作るために、スタンドで応援するブラスバンド部の演奏をトレースするというやり方をしていて。OxTバージョンは、ロックで大胆にこの楽曲をリアレンジした結果、躍動感のあるものになりました。僕はアレンジも含めて歌もよく録れたと思って、今作でもお気に入りのひとつになりました。

ライブが久しぶりで、MCのかけ合いがうまくいくか不安(笑)


ーーまた、アニメ『SSSS.GRIDMAN』関連の曲も多数収録しています。表題曲の「REUNION」は、曲としても『SSSS.GRIDMAN』のオープニングテーマだった「UNION」と似ていますね。

Tom-H@ck まさに、そう感じてもらえることを狙って作ったので、ちゃんと伝わっていてうれしいです。コード進行はまったく同じではないけど、ほぼ同じです。メロディの感じも、似てるけど違う、でも似てるという、絶妙なところに落とし込んでいます。

オーイシマサヨシ もともと5月に開催が予定されていた、舞台『SSSS.GRIDMAN』の主題歌として作った曲です。だから、いろいろな部分で『SSSS.GRIDMAN』に紐付けて作っていて。「REUNION」という曲名にしたのもそうですし、歌詞は舞台版で活躍する予定だった、サムライ・キャリバーやマックスたちキャラクターをイメージして書いています。この曲を聴きながら、舞台が開催される日を楽しみに待っていてほしいですね。

ーーDメロの歌詞に〈挑むための絆〉という言葉が出てきますが、おふたりが絆を感じる瞬間はどんなときですか?

オーイシマサヨシ 僕は、悩みごとがあれば仕事のことでもプライベートのことでも、けっこうトムくんに電話するんです。

Tom-H@ck 現場で話を聞くこともあるし。そういう悩みごとを打ち明けることができるのは、絆があるからですね。

オーイシマサヨシ ユニットって一緒にいる時間が長くて密度が濃いぶん、会話がどんどん最適化されて最小単位の言葉だけになっていきがちですけど、僕らにはそういうことはなくて。

Tom-H@ck 最近は、ずっと株の話をしているよね(笑)。

オーイシマサヨシ 「仲良いね」って、よく言われます。

Tom-H@ck それこそDメロの〈ただの友情なんてよりも 遥かに強くて〉という、歌詞のとおりの関係だなって思います。

オーイシマサヨシ 友情だけじゃないし、見えない絆で結ばれている感じがしますね。

Tom-H@ck 作詞を手がけたhotaruは、よくこういう歌詞を書くんです。そのユニットが心の内で思っているであろうことを、代弁するみたいなフレーズを放り込んでくる。

オーイシマサヨシ でも歌う側としては、それがまんまとモチベーションにつながっているんですよ(笑)。歌詞を自分に投影した時点で、「この歌は他人ごとじゃないな」となって、自分の言葉として表現することができて、歌の熱量につながります。でもそれが、プロの作詞家の技術なんだと思います。

Tom-H@ck そうかもしれない。

ーー今作には、アニメ『SSSS.GRIDMAN』の原作になった、『電光超人グリッドマン』のエンディング曲「もっと君を知れば」のカバーも収録。シングル「UNION」のカップリングでは、主題歌の「夢のヒーロー」をカバーしていましたが、90年代の楽曲の魅力はどんなところに感じますか?

オーイシマサヨシ 僕は90年代のJ-POPが好きなので、「夢のヒーロー」も歌って気持ち良かったです。そこで感じたのは、骨太さがあると言うこと。メロディと歌詞の骨格の太さみたいなものが、90年代のJ-POPにはあったなと思います。キャッチーさのあるわかりやすいメロディと歌詞の言葉が、自然と耳に飛び込んできます。それに骨太だから、どんなに現代風アレンジを施しても崩れないんです。どんな肉付けをしても、骨がしっかり浮き出ると言うか。それと近年のJ-POPは、洋楽が多く流入したことによって、聴くための曲が増えているんですけど、90年代の曲は一緒に歌うための曲だなと、実際に歌ってみて感じました。

Tom-H@ck 僕も、90年代から2000年代初頭のJ-POPを聴いて育ったのですが……90年代の曲は、鉄板的に使われているコード進行のパターン数がそれほど多くないので、メロディの存在が大きいと思いますね。音符の長さとか余韻の取り方とか、そういうところに時代感が表れています。

ーーまた、前作にも収録していたアコギとエレキのインスト曲の第2弾「O vs T #2」も収録していますね。

オーイシマサヨシ ライブでよくギター対決をやるので、それをそのままレコーディングした感じです。何度もライブでやっているので、あうんの呼吸という感じで録れました。

Tom-H@ck シビアに録り直しもしているんですけど、一発録りに近い雰囲気で録ったので、ライブのような空気感を感じていただけると思います。

ーーライブと言えば、10月17日に舞浜アンフィシアターで開催される『P's LIVE! -Boys Side-』に出演。OxTとしてライブをやるのは、約半年ぶりくらいになりますね。

Tom-H@ck 今作に収録の新曲も、少しやれたら良いなと思っています。オーイシさんは、配信イベントに出ていたよね?

オーイシマサヨシ はい。楽しかったんですけど、目の前にお客さんがいないから、モチベーションの上げ方が難しかったです。そういう意味では、お客さんの存在のありがたさをあらためて感じました。『P's LIVE! -Boys Side-』は、久しぶりにファンの方とお会いできるという期待感で、今から胸を膨らませています。

Tom-H@ck 僕は、OxTとしてステージに立つのが久しぶりすぎて、MCのかけ合いがうまくいくか不安で(笑)。

オーイシマサヨシ じゃあ、MCのリハーサルをやりましょう!

Tom-H@ck いや、その前に曲のリハーサルをしたほうが(笑)。

取材・文/榑林史章

プロフィール
OxT【オクト】『けいおん!』シリーズの楽曲や、MYTH & ROIDなどで知られるTom-H@ckと、「ようこそジャパリパークへ」や「君じゃなきゃダメみたい」などを手がけているオーイシマサヨシで、2015年に結成。アニメ『ダイヤのA』、『オーバーロード』などの楽曲を手がけている。

REUNIONリリース情報
前作『Hello New World』から、約2年ぶりとなる2ndアルバム。『ダイヤのA』関連曲を多く収録し、胸に炎が燃える熱さや、汗、涙といった、エモーションがあふれる作品。「ゴールデンアフタースクール」などシングル曲や、「Tears of a Genius」のバラードバージョンなども収録している。
「REUNION」ジャケット写真
発売日:発売中
価格:
初回限定盤4,500円(税抜)
通常盤3,000円(税抜)
《中筋啓》
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