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<アニメ・マンガ妖怪よもやま話>『空挺ドラゴンズ』にも登場する「龍」にまつわる話

2020/2/17


 

 アニメ・マンガ作品における定番ジャンルでもある「妖怪」のことを、ちょっとだけアカデミックに解説する「アニメ妖怪よもやま話」。アニメ雑誌で連載していた本コーナーが「アニメ・マンガ妖怪よもやま話」としてWEBで復活。今回は、アニメ化もされた『空挺ドラゴンズ』でも話題の「龍」という存在について、奈良県在住の妖怪文化研究家・木下昌美が語る。
 

 飛行船に乗りながら「龍」を狩って生活している「龍捕り(おろちとり)」たちの姿を描くマンガ『空挺ドラゴンズ』がアニメ化されました。
 
 本作に登場する龍はさまざまです。ビジュアルの違いだけでなく、小さなものから大きなものまでサイズも異なります。空を泳ぐように飛ぶさまは美しく、思わず見入ってしまいます。「龍一頭で七市(ななまち)賑わう」といわれ、搾油されたり食用に使われたりと用途がとても幅広い点も特徴です。作中では龍を食べるシーンも多く、そのおいしそうなことといったら……。思わずノドがゴクリ。
 
『空挺ドラゴンズ』は架空の世界が舞台と思われますが、龍に関する話は日本のみならず世界中で聞かれます。日本では古く弥生時代には、すでに中国大陸から龍のモデルが伝わっていたようです。
 
 しかし、ただひと口に龍といっても『空挺ドラゴン』同様、国内だけでいろいろなバリエーションがあります。物語に登場するだけでなく、梵鐘(ぼんしょう)の鐘身を懸垂する部分のフックに用いられたり、兜のモチーフとしても人気です。それらを読んで、見ていると、どうやら時代ごとにそのビジュアルにも変化があることがわかります。
 
 また『古事記』『日本書紀』などに登場するヤマタノオロチ。こちらは大蛇ですが、形態的に見ると、ギリシア神話に登場する多頭の毒蛇ヒュドラや、ヒンドゥー教の蛇神ナーガに通ずるものがあるという説もあります。ヒュドラはのちに西洋でドラゴンとなり、ナーガはのちに東洋で龍となったともいわれるので、ヤマタノオロチもそうしたものの延長線上にあるのかもしれません。
 
 ヤマタノオロチの話は、ほんの一例です。そのほかにも日本ではありとあらゆる神話や説話、縁起などに龍が登場し、ときに信仰の対象として、ときに祭礼で用いられるなど、私たちの生活に根づいた存在となっていきます。しかし、龍に限ったことではありませんが、近ごろは本来内在していたであろう龍の神獣のような意味合いは薄れているように思います。
 
 そうしたなか『空挺ドラゴンズ』では今後、龍がどのように描かれ、また人と関わっていくのでしょうか。新しい“龍像”が出来上がっていくのではないか……と期待しています!

 

解説:木下昌美
<プロフィール>
【きのした・まさみ】妖怪文化研究家。福岡県出身、奈良県在住。子どものころ『まんが日本昔ばなし』に熱中して、水木しげるのマンガ『のんのんばあとオレ』を愛読するなど、怪しく不思議な話に興味を持つ。現在、奈良県内のお化け譚を蒐集、記録を進めている。大和政経通信社より『奈良妖怪新聞』発行中。
 
●挿絵/幸餅きなこ 撮影/高旗弘之


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