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大人から子どもまで誰もが耳にした、あの旋律。主題歌「レット・イット・ゴー」も記憶に新しい映画『アナと雪の女王』が再びスクリーンに帰ってきました(編集部注:最新作『アナと雪の女王2』のメイン楽曲は「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」)。私もさっそく観てきましたが、ちょっぴり大人になった登場人物たちに時の流れを感じました。
前作に続き、アナやエルサに負けじと今回も大活躍(?)したのが雪だるまの「オラフ」です。オラフはアナとエルサが子どものころに作ったもので、前作でエルサが国から逃亡した際に、魔法によって命が吹き込まれました。しゃべって動くことのできる、不思議な雪だるまです。
江戸時代に鈴木牧之(ぼくし)という人が随筆『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』という本を出しました。越後(現在の新潟あたり)生まれの著者らしく、越後魚沼の様子を記録したものです。
この本に「異獣」という不思議な獣が登場します。本書に描かれている絵を見ると、全身毛むくじゃらで、何か荷を背負っています。これは人から食べ物を分けてもらったお礼として、代わりにその人の荷物を背負い、運んであげた様子といいます。
越後ですから、雪も降っていたのでしょうか……。この異獣は、日本における「雪男」のようにして語られることもあります。『北越雪譜』の話を見るかぎりでは、ご飯さえ渡せば悪いことはせず、助けてくれるようです。寒い地域に生息し、人に近い存在。そして気遣う心を持っているところは、オラフと共通するところがあるように思います。
『アナ雪2』では、アナとエルサと共に成長したオラフの姿を見ることができます。そんなオラフを通じて、日本の寒い冬で生きるオバケの姿にも思いをはせてみてはいかがでしょうか……。
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