【インタビュー】小松未可子が“素の自分”をクローズアップした2ndアルバム『Personal Terminal』について語る! | 超!アニメディア

【インタビュー】小松未可子が“素の自分”をクローズアップした2ndアルバム『Personal Terminal』について語る!

2ndアルバム『Personal Terminal』が発売中の小松未可子。その制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア8月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含 …

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 2ndアルバム『Personal Terminal』が発売中の小松未可子。その制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア8月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。

――約1年2か月ぶりに発売されるニューアルバムは、どんなテーマにしようと思いましたか?
 前回のアルバム『Blooming Maps』が自己紹介、名刺代わりの1枚になるように制作したので、今回はそこからさらに内面に踏み込んだ作品にしよう、と。リラックスして自然に楽しめるような楽曲が増えたかと思います。プロデュースしていただいているQ‐MHzさんから「歌ってみたい曲はありますか?」とお話をいただいた際に、「Q‐MHzさんのイメージがあまりない曲を聴いてみたい」とリクエストして作っていただいたのが「カオティック・ラッシュ・ナイト」です。この曲は「どこに向かっていくのかわからない不安定さがあり、かつ疾走感のある曲」に仕上がりました。

――Q‐MHzに不安定さを求めるのは、たしかにあまりない気がします。
 現体制になり2枚目のアルバムなので、何かを超えていかないといけない、という意気込みから、今までにない曲を作りたいなという気持ちが出てきたのかなって。新しい挑戦という意味では、「M/MASTER」も当てはまります。これは、イベントのときに“Q‐MHzさんと一緒にやりたいこと”というお題に対して「バンドがやりたいです!」と私が言ったことからスタートしました。イベントで「ドラムをやりたい!」とも宣言したので、実際にドラムを叩かせていただいています。未経験なんですけれど(笑)。

 実はこの曲は、詞を先に作っていただいた作品で、作詞の畑 亜貴さんが「『おまぬけみかこし』『ドSみかこし』『シリアスみかこし』のどれがいい?」と歌詞を3パターン作ってくださったんです。私は今まで人に接するときに、ボロが出ないように、外面を良くしよう、と頑張っていたんですが、Q‐MHzさんに対してはだんだん素の私を見せられるようになってきていましたし、何より歌詞を拝見して「こんなにも私のことを熟知してくださっているのか!」とびっくりしました。皆さんにも素の私を見てもらえたら、という思いも込めて「おまぬけみかこし」にしていただきました(笑)。

――2枚目ということもあって、新しい挑戦の連続なんですね。では、改めて1曲ずつ、曲のポイントを紹介していただければと思います。
1.「Restart signal」
『Blooming Maps』は「また、はじまりの地図」で始まり、「my dress code」で“また会おうね”とあいさつをして終わったんです。そこに続くリスタートなので、1枚目とつながった雰囲気も持っています。2幕開幕のスタートを切る、壮大な曲です。

2.「Jump Jump Halation!」
 幕があがって「さあ行くよ」と、旅に出始めた第一歩のような楽曲です。勢いがあって、ライブのオープニングでも歌えそうですし、無理をせずに勢いづいていくような、思わず歌いたくなる空気感があります。サビでそっとつぶやくパートがあるのがポイントですね。つぶやき部分でハッとしてもらえたらうれしいです。

3.「SPICE MISSION」
 この曲はいち早く春のツアーで披露した曲です。曲を最初に聴いたときに、畑さんが「料理の曲にしか聞こえない」とおっしゃったことから、お料理ソングになりました。料理をしている最中に心の声が漏れてしまったようなワードが並んでいるのに、実際には何を作っているのかわからないところがポイントです(笑)。歌うとすごく楽しいですが、噛みがちなので、今後頑張りたいです。

4.「Maybe the next waltz」
『ボールルームへようこそ』の1ール目のEDで、聴いたことのある方も多い曲でしょうか。この曲は、『ボールルームへようこそ』という作品がなければ、絶対に生まれなかった曲です。物語性が強い曲でもあるので、アルバムの曲順で聴くと、シングルとはまた違って、心が震える瞬間をより強く味わえると思います。

5.「海辺で逢いましょう」
 少し切ない恋の歌です。ふとした静けさのなかに自分と“あなた”しかいないような空気感で、にぎやかな曲のあとにくるとゾクッとすると思います。レコーディングでは、少し大人ぶるほうがいいのかなと思ったのですが、「どちらかというと部屋でひとり、あぐらでもかきながらひとり言のように歌っている雰囲気で」と言われたので、それを意識しながら歌いました。繊細なタッチの曲なので、少しでも思いを込めて力んだりしてしまうと、この曲の持つ展開の少なさやなだらかさが崩れてしまうような気がしたので、歌うときにすごく気をつけた曲でした。

6.「カオティック・ラッシュ・ナイト」
 先ほどもお話ししたとおり「不安定」を求めてお願いした曲です。共作という形で、作詞にも携わらせていただきました。その当時、仕事に遅刻しそうで慌てて身支度をして、仕事場に着いたら夢だった、というパターンで起きることが多かったんです。そんなリアルと夢の間のような瞬間を形にしたくて、1コーラスぶんだけ詞を書き、「ラストは“夢落ち”にしたいんです」とQ‐MHzさんに伝え、整えていただき完成しました。アレンジはTom-H@ckさんにお願いしましたが、見事に不安定さが表現されています。

7.「Happy taleはランチの後で」
 いきなり現実に戻る曲です(笑)。この曲はストレートに、ライブでみんなと楽しめる曲になればいいなと思って作っていただきました。初めて聴いてもノリやすく、わかりやすい曲で、女の子のかわいらしさも出ていると思います。

8.「Pains」
 この曲は、泣き曲ポジションでしょうか。畑さんが「1曲は泣き曲がほしいよね」とよくおっしゃるんです。それも含めて、私からはアコースティックギターでスタートする曲が聴きたいです、とお願いしました。Q‐MHzさんの曲は私の中で、大きな展開をしたり、奇想天外な部分があったりするイメージなんです。「楽しくてにぎやかで、ロック」。ですが、あえてシンプルな曲も聴いてみたくて、できあがったのがこの曲です。前回のアルバムに入っている「流れ星じゃないから」ほどの盛大な泣き曲ではないですが、痛みと共に切なさが通り過ぎていくようなテイストが素敵だなって。爽やかさがありつつも、少し切なさを感じていただけるんじゃないかな。

9.「M/MASTER」
 ドラムを担当しました(笑)。マリンバを弾けるるので腕のリズムは大丈夫だったんですが、ドラムは脚も使うのですごく大変でした。プロの方が聴いたらとてもつたない音になっていると思いますが、それでも手作り感のある、私とQ-MHzさんのファミリー感がにじみ出た曲になりました。マリンバはメインメロディを叩くことが多いんですが、ドラムはそうではないので、出来ているのか不安で……。完成した音源では「ちゃんと曲になってる!」と感動しました。いつかレコーディングと同じ楽器でライブでも演奏してみたいですが、ボロボロになる予感がします(笑)。

10.「お願いフューチャー」
 あっという間に終わる曲を作ってみたかったのですが、非常にカオスな曲になりました。にぎやかで、パッと始まってパッと終わるのに、歌詞が若干変わっているんですよ。ラップのようにまくし立てる部分も多くて、ライブで噛まずに歌えるかが課題ですね(笑)。

11.「Swing heart direction」
『ボールルームへようこそ』の2クール目のED曲ですが、アルバムにとってもED的な意味合いを持つ曲になりました。この曲は「Maybe the next waltz」の次のシングルで、あんなにも壮大でかつ劇場感のある曲のあとは、どんな曲になるんだろうと思っていたんです。全体的に心が躍るような、ポップかつ繊細で、上品なピアノの音がとても素敵な曲だなと思っています。

12.「Romantic noise」
「Maybe the next waltz」の制作段階からデモがあった曲なので、姉妹曲のような雰囲気があります。前回のアルバムに「Catch me if you JAZZ」という曲があって、ジャズアレンジが素敵だなと思っていたので、その延長線上でジャズっぽい要素をもう一度盛り込みたくてできあがった曲です。「じゃあね」「またね」というワードのあるこの曲がラストになったのは、すごく不思議な縁だなと思います。

――タイトルの『Personal Tarminal』にはどんな意味が込められていますか?
 最初は、お皿の上に音が乗っているような意味合いのタイトルも候補として挙がったのですが、なかなかうまく言葉がハマらなくて、考えている最中に「パーソナル」というワードが出てきたんです。さらに、前回のキーワードが地図だったので、今回は指し示す道という意味を表現できたらいいなと思って考えついたのが「ターミナル」でした。「ターミナル」は、いろんな道につながる線がある場所なので、自分の進む道が無限大にあるということも意味できて面白いなと思い、このふたつを組み合わせたタイトルになりました。

――夏リリースということで、小松さんがこの夏にしたいことは?
 夜の首都高をビュンビュン走ったり、海辺をドライブしたりしたいです。とはいえ、水着は着ない予定です(笑)。大人になってからは夏っぽいことを年々やらなくなってきているので、あえてやってみるのも手ですよね。Q‐MHzのみなさんとスイカ割りをしたいです!

――改めて、今回のアルバムは小松さんにとって、どんな1枚になりましたか?
 Q‐MHzさんとのファミリー感のようななものが強くなってきて、それが素敵に作用したアルバムになったんじゃないかなと思います。私も許される範囲のわがままを言えるようになりましたし、それによってQ‐MHzさんの個性に、私の個性も添えられるようになったかなと。

――小松さんが考える自分の個性とは?
 私は、個性や自分の世界を強く持っているタイプではないと思うんです。どちらかと言えば、なりたい自分やこうなっていたかもしれない未来を、歌を通して表現したいタイプなのかな、と。個性が明確ではないからこそ、そういう“あったかもしれない未来”をたくさん作れるのが、私の個性なのかもしれません。ですから、できる限りナチュラルに曲を表現できていたらいいなと思います。

――ナチュラル、つまり自然体だからこそ、どんなテイストの楽曲にも自然に挑戦していけるんですね。
 そうですね。今回のアルバムはライブをイメージして出来上がった曲も多いですし、とにかく音を楽しめるアルバムに仕上がりました。ドライブや通勤のお供にして、お料理テイストの強い曲は料理をするときやカレーを食べるときなどに聴いていただければ(笑)。みなさんの心の近くに、自然に音が届けばいいなと思っていますので、ぜひお手に取って聴いていただけるとうれしいです。

<プロフィール>
【こまつ・みかこ】11月11日生まれ。三重県出身。ヒラタオフィス所属。2012年「Blach Holy」でアーティストデビュー。現在までにシングル10枚、アルバム3枚、ミニアルバム2枚をリリース。現在の主なアニメの出演作は『つくもがみ貸します』お紅役など。

<アルバム『Personal Tarminal』情報>
発売中
トイズファクトリー
完全生産限定盤:5,940円、通常盤:3,240円

 小松未可子のニューアルバムは、今回もQ-MHzプロデュースで、全12曲収録。完全生産限定盤には、52ページのスペシャル写真集や、昨年8月に行われた前作アルバムツアーファイナルの映像、MVなどを収録したBlu-rayを同梱。ハイレゾ音源のフリーダウンロードコードなども封入される。

◆完全生産限定盤


◆通常盤

取材・文=野下奈生(アイプランニング)

《超!アニメディア編集部》
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