「本気で真面目に考えるのは、やめようと思える作品」の真意――『マジカパーティ』のアニメ・カードバトルホビーの魅力を小松未可子・竹内順子に聞く【インタビュー】 | 超!アニメディア

「本気で真面目に考えるのは、やめようと思える作品」の真意――『マジカパーティ』のアニメ・カードバトルホビーの魅力を小松未可子・竹内順子に聞く【インタビュー】

TVアニメ『マジカパーティ』ケズル役の小松未可子さんとバルニャー役の竹内順子さんにインタビュー。

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(左から)竹内順子・小松未可子
  • (左から)竹内順子・小松未可子
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 2021年4月よりテレビ大阪・テレビ東京系列6局ネットにて放送がスタートしたTVアニメ『マジカパーティ』。同名のカードバトルホビーが原作の本作は、中学生のケズルが「マジカパーティ」に触れたことをきっかけに、「マジカ」(カード)をケズって「マジン」を召喚できる本物の魔法使いになる、というところから物語が動き始める。ケズルはその後、魔法学校「マジカアカデミー」に入学。風船と猫が融合(リミックス)した「マジン」のバルニャーとともに、様々な人たちとカードバトル「マジカパーティ」に挑んでいく。

 超!アニメディアではそんな本作の魅力に迫るべく、ケズル役の小松未可子さんとバルニャー役の竹内順子さんにインタビュー。実際にカードバトルホビーにも触れてもらいながら、『マジカパーティ』の魅力について、マジで語ってもらいました!

(左から)竹内順子・小松未可子
(左から)竹内順子・小松未可子
『マジカパーティ』場面カット
バルニャーとケズル

演じるうえで重視するのはテンション感


――まずは演じるキャラクターの紹介をお願いします。
小松 ケズルは非常にノリがよく、熱血漢で仲間思いな中学生です。オーディションを受けたときは「熱血」という方を重視して、わりと真っ直ぐで勢いよく「いくぜー!」とテンションを上げていました。ただ、アフレコ中に「もっと力を抜いていいよ」というディレクションがあったので、今はいい意味で軽いノリでテンションを上げる、というベクトルに変更しました。普段は真面目でいい子だけども、盛り上がるときはノリノリになる、というくらいの温度感を意識しながら演じています。

――先ほどアフレコを拝見しましたが、普段はわりとフラットな感じ、ただテンションが上がるときはギアが2、3段階上がっているという印象を受けました。

小松 そうなんです。彼は「すごい!」と思った瞬間や燃える場面で、ギアが一気に上がるんですよ。まさに”ノッている”状態になります。テンションが徐々に上がっていく感じではないので、演じる私もパッとギアチェンジする心の準備が必要なんですよ。

『マジカパーティ』場面カット

――続けて、竹内が演じるバルニャーについての紹介をお願いします。

竹内 バルニャーは風船と猫が融合した「マジン」です。私も「軽いノリを意識して」と言われていますが、ちっちゃくて丸いあのフォルムがあまりにも可愛くて、ついつい可愛いぶりっ子に寄せ過ぎてしまいます(笑)。また、バルニャーはケズルからパワーをもらうと「バーンバルニャー」になるのですが、オーディションのときはちょっと低めの声で強さを表現していたんですよ。そしたら、「そんなに強くなくていいです。今はぜんぶ出さなくてOKなので」というディレクションがありましたので、「バーンバルニャー」になってからも余力を残しながら演じています。

小松 「バルニャー」って、すごく健気ですよね。

竹内 そうなの! しかも、すぐに泣いちゃう。

小松 たまに毒づくことがあるけど、なぜか全く嫌な感じがしないんですよね。

竹内 それはこの作品全体の空気がそう感じさせているのかも。少し厳しい言葉や乱暴な言葉遣いも、陽のパワーで包み込まれるようなあたたかさを作品から感じます。あとは、私たちの性格の良さが出ちゃっているんでしょうね(笑)。

小松 出ちゃったかー(笑)!

(左から)竹内順子・小松未可子

――お話を聞いていると、本作は全体を通してテンションの持っていき方を意識するのが重要そうな気がしました。

小松 そうですね。テンションという点でいえば、真面目な場面では「シリアスになりすぎないように、もうちょっと軽めで」というディレクションを最初の頃はよくしてもらっていました。

竹内 最初のうちはそうだったね。

小松 大人が読んでいるととてもシリアスに感じるセリフや場面でも、13歳のケズルにとっては「そうでもないこと」かもしれないんです。逆に、先ほどもお話したように急にテンションが上がるときもある。そういうテンションの調整や少年の心の内を察するのが、演じるうえではいちばん難しいかもしれません。ただ、思い返してみると確かに13歳くらいの男の子って、よく分からないところでテンションが上がっていたような記憶があるんですよね。急に廊下を走りだす、とか。

――私も授業中、停電になってテンションが急に上がって、先生から怒られた記憶があります。

小松 まさにそんな感じです(笑)。

竹内 自分たちが子供の頃は「大丈夫?」っていうテンションの男の子もいたよね(笑)。女の子も急にテンションが上がるときはあるけど、そんなに分かりやすく出す感じではなかったかなぁ。女の子は周りとテンションを合わせるけど、男の子は一人でも一直線にテンションが上がる、という印象があるかも。

小松 この作品に登場する女の子たちもノリはいいけども、突発的にテンションが上がっている感じではないですよね。好奇心旺盛で明るいカンナも、良識的な範囲でノッていて、引くところは引いている印象があります。

竹内 性格的やテンションの話でいえば、ケズルの親友のクラっち。

小松 あの子はいけない子ですよね(笑)。

竹内 どこか腹黒さがにじみ出ている。何か裏がありそう! 今後の彼の言動が楽しみですね。

『マジカパーティ』場面カット

――ちなみにテンションを上げるために、アフレコ前に何かしていることはありますか?

小松 甘いものを食べて脳みそを活性化させるくらいですかね。あとは、現場で次回予告の原稿に目を通しながら、小声で言葉をなぞっているときにスイッチが入ります。次回予告が、いちばんテンションが突き抜けているので(笑)。

竹内 カロリー使うよね。

小松 そうなんですよ!

竹内 一気にテンションのトップにもっていかないといけないケズルは、演じるのが難しいんですよ。例えば、叫ぶようなセリフのとき。本来は息を吸ってからやりたいものだけど、それを一瞬で出さないといけないので、大変です。私はなるべくケズルの邪魔にならないようにと心掛けていますが、ふたりで掛け合っていると段々と気持ちよくなってきて、「小松っちゃん、ごめん。あとはよろしく」状態になります(笑)。

小松 私としては、その勢いのまま突き抜けられるので、全く問題ないです(笑)!

――小松さんは、TVアニメ『HEROMAN』でもジョーイという13歳の少年役を演じていました。それ以外にも少年役を演じていらっしゃいますが、芝居のうえで特別意識されることはありますか?

小松 「少年だから」ということで意識することは、そんなにないですね。どちらかと言えば、キャラクター性を重視しています。例えばケズルなら、やっぱりテンションの持っていき方やノリを大切にしています。

――小松さんにとってジョーイは声優としての初主演作品でしたが、当時は誰かのお芝居を参考にしていましたか?

小松 今でこそ先輩方とご一緒していく中で「この方のこのお芝居が特に素敵だな」ということが分かって、日々研究をしていますが、当時はがむしゃらに演じていたので真似するまでに行きつきもしませんでした。恐らく、技量的にも真似できなかったと思います。どうにか芝居を成立させることで必死でした。また、オーディションを受ける段階で地声を聞いたマネージャーが「小松さんは男の子役のほうがいいんじゃない」とアドバイスをしてくれたんです。それがきっかけで男の子役のオーディションを受けたということもあって、あえて声を作っていませんでした。それがキャラクターの性格や性質ともマッチして、ご縁があったんだと思っています。

――性別や年齢を考慮しながらも、まずはキャラクター性を重視している。

小松 そうですね。「このキャラクターは周りからどう見えるんだろう」ということを客観的に考えて、演じるようにしています。

竹内 小松っちゃんのお芝居は気持ちがいいです。ケズルじゃない役で初めて一緒になっていたとしても、あまりイメージは変わらず同じことを言うと思います。気持ちがいいから、一緒にお芝居をしたくなる。

小松 嬉しいです!

(左から)竹内順子・小松未可子

カードバトルホビーもアニメも楽しい要素が詰まっている


――続けて、『マジカパーティ』のシナリオを読んでみての感想を教えてください。

小松 スポ根的な熱い展開や感動的な場面があることに加えて、オマージュを随所に入れて主に大人たちがクスッと笑えるエッセンスも盛り込んでいます。本当にウィットに富んだ作品だと思いました。

――そういう意味では、親子で見ても楽しめそうです。

小松 物語の深い部分までは理解できないかもしれない小さなお子さんでも、ケズルたちがノリノリで盛り上がる様子を見て、「なんとなく楽しかった!」と思ってもらえるだろうし、オマージュが分かる人はツッコみながら楽しんでもらえると思います。併せて、「マジン」を通じて物を大切にしようというメッセージも届けているので、親子でもぜひ見て欲しい作品ですね。

竹内 「魔法」を題材にした作品が数多くあるなかで、なかなか目新しいものを展開するのは難しいと思います。そんな中でこの作品からは「だったら、奇をてらうのではなく、もうみんなが好きそうなものを全部ごっちゃにして、軽やかに楽しもうね」という雰囲気を感じました。まさに“ノリがいい”作品に仕上がっていると思います。だから、本気で「真面目に考えるのは、やめよう。楽しまないと損だな」と思ったんですよね。あと個人的にはカードバトルホビーが原作なので、カードバトルホビーから入ったお友達とアニメから入ったお友達がどう意気投合するのか、気になりました。

――カードバトルホビーは、「レッツマジカパーティ!」と掛け声をしながら「マジン」を出す公式ルールがあるそうです。そういう意味では、テンションは近しいものがあるかもしれません。

小松 そうなんですね!

竹内 いいね、最高。

――テンションが低かったので掛け声をやり直す、みたいなジャッジがあっても面白いかもしれません。

竹内 今のはノリが足りていません、みたいな(笑)。

――そうなったら、テンションの参考としてアニメを見てもらうといいかもしれませんね(笑)。

竹内 でも、アニメのテンションを本気で再現しちゃうと周りのお友達に「やめて」と言われちゃう気がします(笑)。言いたくなる気持ちも分かるけど、そこはお友達や親御さんに心配されない程度に、いい塩梅で真似をしてください。

小松 そうですね! よくよくアニメを見ていると、ケズルも周りの空気を読んで喋っているんですよ。彼は、仲間内でいるときに気分が高まったらテンションが上がるタイプで、普段からノリノリな感じではないんです。わりと真面目でいい子ですね。

竹内 さすが今どきの子。空気を読める。

小松 若者言葉などもいくつか出てきますが、それもいい塩梅で真似して欲しいなと思います!

竹内 そういう若者言葉が作中で使われているのに、なぜか昭和のにおいもするんだよね。平成じゃなくて、昭和。

小松 もう令和なのに(笑)。

――カードを削るという要素は個人的に、コミック誌の表紙を開いたページに挟まれている「銀はがし」を思い出しました。これも、昔ながらの要素かもしれません。

竹内 学校ではノートや教科書がだんだんとタブレットになっていて、消しゴムのカスも出なくなってきていると聞いたことがあります。そういう時代とは逆行している部分があるのも、アニメ作品ならではの良さかもしれません。

小松 大人も子供も楽しめる点でいえば、音楽。テンション上がるノリノリな音楽にも注目して欲しいです!

竹内 音楽からもどことなく昭和・平成を感じられるよね(笑)。色々な要素が盛りだくさんだけど、子供たちがどう受け取ってくれているのか、聞いてみたいな。

『マジカパーティ』場面カット

――タカラトミーさんの担当者さんは小学4年生の男の子、2年生の女の子と一緒に作品を見ているそうですが、毎朝ノリノリみたいです。

竹内 嬉しい意見! 語呂と語感がいい言葉が多いから、見ていて自然とテンションが上がるのかも。

小松 確かに!

(左から)竹内順子・小松未可子

――本作にはバルニャーをはじめ、さまざまな「マジン」が登場します。もしお二人がパートナーを組めるとすれば、どの「マジン」がいいですか?

竹内 私、「コメラニアン」がいいかも!

小松 かわいいですよね。

竹内 かわいいし、あの子は「ポメラニアン×お米」の「マジン」だから、きっと食いっぱぐれることがない(笑)。「フクロック」もいいなぁ。

小松 時間をきっちり管理してくれるので、マネージャーに向いていそうです。でも、急に休暇とるからなぁ(笑)。

竹内 そうだった(笑)。

小松未可子
「楽しい!」といいながら丁寧に削る小松さん
小松 うーん……パートナーと言われたら、悩んじゃうなぁ。一緒にいたいのは絶対に「バルニャー」! でも、「バルニャー」を殿堂入りとするならば、やっぱり「フクロック」かなぁ。私、朝に弱いから「フクロック」にぜひ起こして欲しい。

竹内 私は……「ワニスケ」! 「スケボー×ワニ」の「マジン」で、全力で突っ走るタイプだから、渋滞のときでも現場に間に合うかもしれない。かわいい系もいいけど、結局は役立つ「マジン」を選んじゃいました(笑)。

竹内順子
一生懸命削りながら、「ちゃんと削って出たゴミはちゃんと捨てなきゃ!」と言葉にする竹内さん
――本日は色々とお話くださりありがとうございました。最後に、改めてそれぞれが感じるアニメ・カードバトルホビー『マジカパーティ』の推しポイントを教えてください。

小松 朝からとにかくテンションを上げてくれるアニメです。いい意味で色々なことをふっとばして「どうでもいいや」と思える、ノリと勢いがある作品なので、自然と前向きな気持ちになれるんじゃないかなと思います。ケズルとバルニャーがまともだと思えるようなどんどん濃いキャラクターが登場するので、その点も楽しみにしていてください。カードバトルホビーで面白いなと思ったのは、やっぱり「マジカギア」を使って「マジカ」の色々なところを削れるところ! なかには熱を感知して何度も削れる部分(感温印刷)が存在する「マジカ」もあるので、それが斬新だと思いました。まだ作品を知らない方もぜひ一度、「マジカ」、そして『マジカパーティ』に触れてみて欲しいです!

竹内 昨今は戦うアニメが多いですが、こんなに明るいバトルはありません。この先はシリアスな展開も待っているかもしれませんが、現状は明るい戦いを繰り広げているので、明るい未来がくることを一緒に見守りましょう。カードバトルホビーのほうは、色々な「マジン」がいる点が魅力だと思います。コンプリートして「マジカブック」を埋めたくなっちゃう! 集める楽しさがあるというのが、私的推しポイントです。ぜひお財布と相談しながら、コンプリートを目指してみてください(笑)。

(左から)竹内順子・小松未可子

【プロフィール】
小松未可子【こまつ・みかこ】11月11日生まれ。三重県出身。ヒラタオフィス所属。主な出演作は『EDENS ZERO』レベッカ役、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』マァム役、『半妖の夜叉姫』せつな役 ほか。

竹内順子【たけうち・じゅんこ】4月5日生まれ。埼玉県出身。尾木プロ THE NEXT所属。主な出演作は『NARUTO -ナルト-』うずまきナルト役、『デジモンアドベンチャー:』ゴマモン役、『Yes!プリキュア5』夏木りん/キュアルージュ役 ほか。

TVアニメ『マジカパーティ』作品概要
【放送情報】
テレビ大阪・テレビ東京系列6局ネットにて毎週日曜9時30分~放送中
【スタッフ】
原作:タカラトミー/電通
メインキャラクターデザイン:大村祐介
原案:イシイジロウ
監督:ウシロ シンジ
シリーズ構成:加藤陽一
キャラクターデザイン:長森佳容
美術監督:Scott MacDonald
色彩設計:近藤直登
撮影監督:柚木脇達己
編集:後田良樹
音楽:朝倉紀行
EDM楽曲制作:Music Plat
音響監督:えびなやすのり
制作:オー・エル・エム
【キャスト】
ケズル:小松未可子
バルニャー:竹内順子
フクロック:比嘉良介
ディスコウ:間宮康弘
クラっち:船戸ゆり絵
アーニャ:近藤玲奈
ワニスケ:安元洋貴
カンナ:長江里加
ジャグージャ:宮園拓夢
シルヴァー:西山宏太朗
ワンナイト:佐藤拓也

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