裏名義声優インタビュー~ミッドナイトティータイム~『桜ICE獅子丸』「自然に生じた違いですが、裏名義での芝居は表名義の倍ぐらい吐息感強めです」 | 超!アニメディア

裏名義声優インタビュー~ミッドナイトティータイム~『桜ICE獅子丸』「自然に生じた違いですが、裏名義での芝居は表名義の倍ぐらい吐息感強めです」

裏名義で活躍する声優さんにインタビューする企画「~ミッドナイトティータイム~」。発売中のアニメディア8月号では、『俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~』にて、千葉要役を務めた桜ICE獅子丸さんにお話を聞いた内 …

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 裏名義で活躍する声優さんにインタビューする企画「~ミッドナイトティータイム~」。発売中のアニメディア8月号では、『俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~』にて、千葉要役を務めた桜ICE獅子丸さんにお話を聞いた内容が掲載中だ。超!アニメディアでは、本誌で紹介しきれなかった部分を含めた長文版を展開する。

『俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~』キービジュアル

裏名義のネーミングの由来は飼っている猫です

――裏名義である「桜ICE獅子丸」の、お名前の由来を教えてください。
 裏名義を考えるときに、本名のアナグラムで再構築するのもかっこいいなと思っていたんですよ。で、そのときちょうど目の前に飼っている猫が来まして。僕、3匹の猫を飼っているんです。それで「あ、猫の名前を入れたいな」と思って……もう予想はつきますね。桜ちゃんとアイスちゃんと獅子丸くんという名前なんです(笑)。誰か1匹に選べなかったので、全員の名前を入れて「桜アイス獅子丸」にしよう! ……という流れで裏名義を決めました。さらに、どうせなら「アイス」の部分をミドルネームっぽく、おしゃれに英語にしようと思いつきました。ということで、僕の裏名義は3匹の猫ちゃんからいただきました!

――なるほど。でもこれ、言っても大丈夫ですか?
 あ、そうですね……表名義で猫の話ができなくなってしまう……!(笑) 表名義でも、すでに猫を飼っていることは言っているんですが、名前までは明かしていないので……たぶん……大丈夫……!?

――では、お名前としては「桜・ICE・獅子丸」と別々になるんですね。ファンの方からこう呼ばれたい、というのはありますか?
 やっぱりミドルネームの「ICE」ですかね。でも、みなさん好きなところで呼んでください! 桜でもICEでも獅子丸でも! ひとつの名前でありながら、名前がみっつあるので(笑)。

――今作『俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~』が「桜ICE獅子丸」としてのデビュー作となったわけですが、裏名義でお仕事をされてみての率直なご感想をお教えください。
 いかに裏名義の「桜ICE獅子丸」としてお芝居をしていこうか? ……というのはありましたね。
 ただ、表では元気な役が多かったんですが、今回演じさせていただいた千葉 要くんは、クールだけど人なつっこい、でも過去に何か抱えている……という人。表名義で今までやってきたキャラとは、まったくの別ベクトルのキャラクターでした。そういうこともあって、「この裏名義では新しい人格としてやっていこう」という思いがありました。

――演じる役のキャラクター性の違いが、別人となるきっかけとなった、ということでしょうか。
 そうですね。そうしたこともあって、普段の表名義の演技に比べると、息づかいが若干多いかもしれなと思いました。本編中に、いわゆる「ときめきシーン」があるじゃないですか。そういうシーンで、いつもの倍くらい息づかいに意識を割いた気がします。吐息感強めに出てきちゃったというか(笑)。でも、それで差が生まれるなら、それがそのまま「表」と「裏」の演技の変化になるかなと思いました。

――新しい人格というお話が出ましたが、今後キャストトークなどの場面で「別人格」を作るご予定はありますか?
 ……とにかく「猫好き!!」ってところを推しますかね。でも……やっぱりそういう場面では素の部分が出てしまうのかな。お芝居で「役」を演じるのは楽しいんですけど、自分を別人として演じるのは難しそう。ほかの裏名義を使っている声優さん方がどうやられているのか、そもそも人格を作っているのか? というところは今後勉強していくなかでひとつの課題になってくるかなと思います。

完成した通常版と完全版を見てやっと安心できた

――原作コミックスを読んだ際のご感想を教えてください。
 ふみちゃんが役者としての要くんを知っていてくれたから、読み始めは「要くんルートもあるかも!」と思って読んでいたんですけど、ふみちゃんの心はやはり七瀬さんに向いているので、やっぱり要くん視点からすると「叶わない恋」なのかなって。要くんを演じる僕としては、やはり少し寂しかったですね。

――千葉 要くんのアプローチ方法ですが、ご覧になっていかがでしたか?
 すごく奥手な男の子なんだなぁと(笑)。良くも悪くも恋愛に慣れていない。今まで人気役者としてやってきているわりに、相当疎いですよね。でも、相手に好意を伝える芯はしっかりあるというか、ちゃんと自分の気持ちを伝えようとする意思はある。恋に擦れていなくて、真っ白なイメージです。過去にいろいろあって、その経験を踏まえての今の要くんですけど、それでも彼は白いなって思います。純粋な子ですね。事務所や業界に対してもいろいろ思うところはあるんでしょうけれど、それでも要くんは汚れていない。純粋な子という印象です。

――恋に奥手な要くんですが、彼に恋のアドバイスをするとしたら、どんな助言をしますか?
 そうですね……「そのままの君でいて」ですかね。要くんの場合、七瀬さんとふみちゃんが会話しているのを遠くから見て、嫉妬してしまう感情が生まれるのは当然だと思うんです。でも、そこでひねくれないで、そのままの要くんでいてくれればと思います。3人の恋の行方がどうなっていくかはまだわからないんですけれど、もしこの恋が叶わなくても、要くんには良い出会いがあると思うので、そのままの彼でいてほしいなと思います。

――千葉要とご自身で、似ているところはありますか?
 人なつっこさは結構似ているなと思いました。事務所の先輩や、一緒にお仕事をしている仲間たちからも「ICEはちょっとくっつきたがりだよね」と言われるので、そういうところは要くんに映し出せているかなと思います。あと、僕もゲームがすごく好きなので、好きな物の話になるとテンションがあがるというか、「これが好きなんだ!」って気持ちが出るところは似ているなと思います。ただクールやミステリアスな部分は全然似ていないですね(笑)。

――本作は通常版と完全版でキャストが異なる仕様ですが、これを最初に聞いたときどう思われましたか?
 すっごく緊張しました! 初めて表名義のキャスト表を見たときに「永塚拓馬さん……か……!」と思って。とても光栄なことなんですけれど、その分プレッシャーで……。スタジオに入る前日までひたすら映像を見続けて、「永塚さんならどう演じるんだろう、どんな息づかいなんだろう」と考えたり、ボイスサンプルを聴いて「こういう演技でくるかな……」とか。演じる人は別でも、同じ「千葉 要」にしたい気持ちがあって、いろんな研究をしましたね。もう本当、ずーっと胃が痛かったです。スタジオに入ってからもずっと胃を抱えている状態で……。共演者の方々からも「いつまで緊張してるの!?」って言われるくらい。終わった後、「全然大丈夫だったよ」とありがたいお言葉もいただいたんですけど、自分のなかでは落ち着かなくて、ずーっと緊張と腹痛を抱えていました。
 でも完成した通常版と完全版を見て、やっとひと安心できました。オンエア版の要くんの演技を聞いてみたら、思い描いていたものと近いものでしたので。もう本当、キャスト表をもらってからオンエアまでずーっと胃が痛かったですね、僕は! また、ふたつの作品を聞き比べることでいろんな発見もありましたので、新たな成長の糧となって、ありがたいことだなと思っています。

――そうして苦心して演じた「千葉 要」ですが、ご自身で点数をつけるとしたら何点ですか?
 僕的には120点の演技のつもりで演らせていただきましたが、もちろんまだまだ部分も多いので、今後の成長の余地を考慮すると……50点か60点くらいでしょうか。もし本作のアニメ続編があるのなら――というかあってほしいんですけど! もしまた要くんを演じられるチャンスがあるなら、もっともっとブラッシュアップした彼を演じたいです。ストーリー上も、この後はもっといろんな表情の要くんが登場しますし、それに負けないように桜ICE獅子丸として、ちゃんと要くんの芯の部分を皆様に伝えられるように頑張っていきたいと思っております。

千葉要

濡れ場を演じる先輩方の集中力はただただ圧巻

――そもそもティーンズラブ(TL)というジャンルはご存じでしたか?
 はい、知ってます! 僕、ネットカフェでいろんな漫画を読みあさるのが趣味なんです。主に好きなのはバトル漫画なんですが、最近恋愛漫画もよく読んでいて……それでTLも好きなんです!

――要くんとの共通点がもうひとつありましたね。
 あっ、そうですね(笑)。

――TLというジャンルに対しての印象はいかがですか?
 読み方が人それぞれになるなと思っています。登場人物の誰かの視点で読むとか、それを俯瞰して見る神様視点だとか。「何度でも味わえる作品」という印象です。
 それぞれの心境が事細かに描写されているので、感情移入がすごくしやすいですよね。「こういう恋愛もあるんだ」と読んだだけで心がえぐられるような感覚になったり、舞い上がってしまう感情を得られたり……。いろんなものを与えてくれるジャンルだと思っています。

――心理描写が巧みな印象はありますね。
 だからより没入できるというか……作品に入っていけるのかなと思います。

――そんなTLの人気をアニメ化したのが本作ですが、アニメ化されたことによって増した魅力はどういったところでしょうか。
 アニメ化すると、感情を視覚的にとらえやすくなりますよね。もちろん漫画を読んでいても感情表現は心に刺さるんですけど、一瞬垣間見せる表情だとか、一瞬で変わる感情の変化だとか! 「ここってもしかして、こういうことだったのかもしれない」という新たな発見ができるのも、アニメ化ならではだと僕は思っています。元々心理描写が事細かなのに、アニメ化によって声優さんの言い回し、息づかい、そして表情の切り替わりの瞬間といった、アニメならではの要素も加わって、より深いものになっていったと感じます。

――表情で言うと、要はコマとコマの間が描かれるというイメージでしょうか?
 そうなんですよ! ぬるっと表情が変わると「あ、ここの感情若干引きずってるのかな」とか、新たに見えてきてしまう。それが魅力ですね!

――TLの現場と、一般作の現場では何か違いはありましたか?
 普段との違いは……普段のアニメのアフレコだと、まず「濡れ場」がないじゃないですか。だからそこが一番大きいですね。普段の現場でも、先輩たちの演技から勉強させていただくことが多いのですが、「濡れ場」のいやらしい雰囲気はもちろんのこと、何より演じる先輩方の集中力にただただ圧巻というか。聴いている僕も集中して聞き入ってしまう感覚がありました。

――「濡れ場」というと、高度なコミュニケーションという印象があります。
 そうなんです。たとえば攻める側がバンッと行ったとき、受け側がそれをどう受け止めてあえぐか、というのが……。テストを聴いているだけでも、こんなに高度なコミュニケーションなのかと驚きます。相方の声優さんとの信頼関係が、こうも一瞬で構築されるのかと。僕はまだ一度も濡れ場を経験したことがないので不安もありますが、いつか自分も演るのが楽しみです。

――そのほかに収録時の感想や、印象的だった出来事はありますか?
 濡れ場のシーンって、雰囲気ができあがっているためだと思うのですが、一発OKってことが多くて、そこが本当にすごいと思いました。すごく繊細な作業じゃないですか、濡れ場でのやりとりって。それを一発でバシッと決められる力量が本当にすごい。佐和真中さんの「濡れ場」を間近で見させていただいて、たくさん勉強させていただきました。

――ご自身が「濡れ場」を演じるなら、どう演じたいというビジョンはありますか?
 攻める側の場合は、やっぱり……相手が入りやすいような攻め方をしたいですね。自分のペースにならずに、セリフ以外の吐息などで「こういう入り方をしてほしい」とリードできるような攻め方をしてみたいです。相手に「あ、こう来てほしいんだな」というのが伝わる攻め方というか。
 それで受ける側では……。攻める側とは逆で、向こうが「こうしてほしい」というのを受け取って、返せたらなと思います。攻める側が考えるものを120%で返していきたいです!
「吐息」ひとつを取っても、普通のセリフ回しよりもパターンを作れると思うんです。押し殺したり、漏らしたり。出すときも何パーセント出すのかとか……。そういうのを巧みに操れるような濡れ場を、相手役の声優さんと作り上げていけるようにしたいですね。良くも悪くもふたりきりの世界を築きたいです!

今は「BL演ってみたい欲」がすごいです

――今後、「裏名義」でどんなお仕事をしてみたいですか?
 BLの攻役をやってみたいですね。すごく興味があります。

――どんな攻キャラを演じてみたいですか?
 へたれ攻ですね! それと……欲張りですけど総受とかもやってみたいですなぜか。今は「BLやってみたい欲」がすごいです。

――BL作品の魅力とはどんなところでしょうか?
 同性同士だからこそ「いろいろわかってる」じゃないですか。なので男女とはまた違う、同性同士だからこその深みまで絡んでいけるのかなと感じています。BLの深みのさらに深いところまで演じてみたいですね。セリフでのコミュニケーションももちろんですが、濡れ場独特のコミュニケーションを大事にしていきたいです。

――最後に読者へメッセージをお願いします。
 僕はあがり症で、インタビューとかはあまり得意ではないんですが、アニメディアさんに載っているインタビューはよく読んでいます。作品愛やキャラクター愛が詰まったすてきなインタビューばかり載っているので、ぜひこれからもよろしくお願いします!

――ご自身の話でなくて大丈夫ですか?(笑)
 えっ! そうか(笑)。あっ、えーと、これからもたくさんの「僕」をお届けできたらなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!!

プロフィール
桜ICE獅子丸【さくら・あいす・ししまる】某若手男性声優の裏名義。TVアニメ『俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~』が、初の裏名義出演作。TLのみならず、BLジャンルでの活躍にも強い意欲を見せている。今後の活躍が期待される裏名義声優のひとり。

俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~
●YouTubeコミックフェスタアニメ公式Channelほか で通常版を無料配信。大人向け完全版を「ComicFesta アニメ」限定で配信中
●DVD(OA版・完全版)、Blu-ray(完全版)各7月15日発売予定
DVD(OA版):5,800円、DVD(完全版/R-18):6,800円、Blu-ray(完全版/R-18):7,800円(各税別)

STAFF
原作/neco 監督/熨斗谷充孝 脚本/佐和山進一郎 キャラクターデザイン・総作画監督/永井泰平 音響監督/えのもとたかひろ 音響制作/スタジオマウス 制作/ピカンテサーカス アニメーション制作/マジックバス 製作/彗星社

CAST 
七瀬蒼甫/駒田 航(通常版)・佐和真中(完全版) 星谷ふみ/山岡ゆり(通常版)・はちみつこ(完全版) 千葉 要/永塚拓馬(通常版)・桜ICE獅子丸(完全版)

STORY
都会の人気サロンで、アシスタントとして働く星谷ふみ。憧れのカリスマ美容師・七瀬蒼甫の厳しい指導の下、日々努力していたが、とある悩みがあった。それは蒼甫の距離が近いこと。彼の指先が触れるたび、動揺してミスをしてしまうのだ。ある日の閉店後、ふたりの距離はさらに近づいて――。

リリース情報
シチュエーションCD発売中
『俺の指で乱れろ。~閉店後のサロン、意地悪に焦らされて』

■原作/neco
■発売日/発売中
■価格/2,500円 (税別)
■発売元/彗星社
■キャスト/佐和真中

TVアニメ『俺の指で乱れろ。~閉店後のサロン、意地悪に焦らされて』
https://oreyubi.cf-anime.com/

(C) neco/Suiseisha Inc.

《超!アニメディア編集部》
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