お互いをライバル視していたi☆Risの10年、山北早紀と茜屋日海夏が明かす「抵抗があった活動」と気持ちの変化【インタビュー】 | 超!アニメディア

お互いをライバル視していたi☆Risの10年、山北早紀と茜屋日海夏が明かす「抵抗があった活動」と気持ちの変化【インタビュー】

i☆Risの山北早紀さん・茜屋日海夏さんに新曲「Anniversary」についてインタビュー。

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(左から)山北早紀・茜屋日海夏
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 声優とアイドル活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Risが2022年11月7日(月)に初のベストアルバム『10th Anniversary Best Album ~Best i☆Rist~』をリリース。本アルバムには、これまでi☆Risが発表してきたシングル曲・MV曲27曲を収録。また、全てのファンに対する気持ちをメンバーがしたためた手紙を歌詞に編纂した新曲「Anniversary」も収められている。本アルバムの発売日をもってデビュー10周年を迎えるi☆Ris。その軌跡の一端を山北早紀さん・茜屋日海夏さんにお聞きした。

[取材・文:M.TOKU 撮影:吉野庫之介]


(左から)山北早紀さん・茜屋日海夏さん【画像クリックでフォトギャラリーへ】

武道館のあとはどうする? 試練の時

――2012年11月7日にデビューシングル「Color」をリリースしてから、もうすぐ10年が経ちますね。10周年を迎える、今の率直なお気持ちをお聞かせください。

山北10年……。そんなに長く続けている感覚が今はまだなくて。気づいたら10年経っていたというのが正直な気持ちです。ただ、10年続けられるグループってなかなかいないと思うので、自分たちがそこに入れたのはちょっと不思議な感じではあります。実感はないけれど、数字を見ると改めてすごいな、ここまでやってきたんだなと感じますね。

茜屋私もぜんぜん実感が湧いてなくて。ただ、学生に置きかえると小学校の6年間と中学校の3年間、そして高校に通って1年が経ったということになるんですよね。そう考えると、かなりの年数が経ったんだと思います。

――グループとしての活動はもちろん、そもそも10年続けられることって、それほどたくさんはない気がします。

茜屋確かに。私は強いて言うなら、お芝居をしたいという気持ちは10年続いているかな。10年間続けてやっていることって、なかなか思いつかないですね。

山北物理的に10年続いていることは……一人暮らしくらい(笑)? i☆Risの活動と同時に上京してきたので、一人暮らしも10周年です。でも、本当にそれくらい。10年も続くことってあんまりないですね。

――この10年を振り返ってみて、「この時期はi☆Risにとって試練だった」と思うことはありますか?

茜屋何度かあるのですが、2016年に日本武道館でライブをやった後は大きな試練だった気がします。アイドルって、武道館を目標にして頑張るグループも結構いらっしゃると思うんですよ。そこに私たちが立てるというだけで感無量でした。振り返ってみても本当にすごいことだったなとも思います。ただ、そこで終わりじゃないんですよね。i☆Risとしてはこの後、どうしていけばいいんだろうと悩みました。

山北私は……新型コロナウイルス感染症の感染拡大の時期はi☆Risにとっても試練の時だったと感じています。2019年に行ったツアーがすごく好評で、続くパシフィコ横浜・国立大ホールで開催した「i☆Ris 7th Anniversary Live ~七福万来~」もチケットが完売。テレビなどに出演する機会もあって、さらに飛躍できそうなムードでした。実際、2020年のツアーのチケットの売れゆきも今まででいちばん好調だったとも聞いていましたが、そのタイミングで新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、なかなか思うように活動ができなくなりました。そんななかで、メンバーのひとり・澁谷梓希が卒業することに。それまでメンバーが抜けることがなかったので、いきなり状況が変わることに戸惑いました。ダンスのポジションが変わったり、歌割りが増えたり……。新しいことを覚えるよりも、これまで培ってきたものを変えて覚え直すのがしんどかったですし、気持ちとしても辛かったです。

――それぞれのポジションに思い入れや6人でやってきた思い出もありますもんね。

山北そうですね。大変でした。ただ、それを乗り越えたからこそ今があるとも思っています。

――そんな試練を乗り越えて10周年を迎えるi☆Ris。山北さんはリーダーを務めています。i☆Risのリーダーとして、大切にしていること、意識していることはありますか?

山北私、基本的には何もしてないと思うんです(笑)。ただi☆Risのメンバーって、「私が仕切って引っ張っていくからね」という感じの人がリーダーだと、たぶん誰もついていけない気がするんですよね。オーディションに受かって活動をはじめたばかりの頃は特に、みんなお互いがライバルという感じで、鋭い目つきでバチバチやっていたので、これは一歩引いた方がいいなと思ったんです。なので、大事なときにまとめるくらいのリーダーでいようと思ってやってきました。大事なところでは敢えてピュアな雰囲気でいる事もちょっと意識していたかも。「がんばろっ(はーと)」みたいな感じの言葉をかけていました(笑)。

――そうやって、場を和ませていた。

山北そうですね。深刻になり過ぎないリーダーを目指していました。

――そんなリーダーの姿は、茜屋さんにはどう映っていましたか?

茜屋自分は絶対にリーダーになれないと思うくらい、ぜんぶ担ってくれた気がします。メンバーみんな性格もぜんぜん違うし、オーディションで集められたばかりの頃は志も6人それぞれが違っていてバラバラ。そんなメンバーを支えることは、なかなかできることじゃないですよ。恐らく心労もすごかったと思います。この10年やってくれたことに感謝しています。

――オーディションで集められたばかりの頃は、それぞれ価値観も違ったんですね。

茜屋そうですね。私は映像などのお芝居をやりたかった気持ちがありました。もちろんi☆Risの結成につながった「アニソン・ヴォーカルオーディション」を受けたのは自分の意志でしたが、声優とアイドルをやることになるとは想像もしていなくて。

山北私はそのオーディションと同時に、エイベックスのアイドルオーディションにも応募していたんですよ。それくらいアイドルをやりたかったんです。むしろ、声優としての活動は大丈夫かなと少し不安もありました。

――なるほど。それぞれ色々な想いを持っていたんですね。ただ、活動していくうちにそれぞれの面白さも感じられた。

山北そうですね。私は声優専門学校に通っていたのですが、そこで芝居をやることの難しさや気持ちの作り方に悩んだ事があって。なぜか人前で芝居をすることが恥ずかしかったんですよ。ダンスも歌も人前で披露することが恥ずかしいと思わないのですが、芝居で別の人になる自分には抵抗がなぜか生まれてしまって。恐らく自信がなかったんだと思います。ですから最初は声優活動への不安が大きかったですが、この10年で芝居がとても楽しくなったんです。苦手意識があることも、やってみるもんですね。

茜屋アイドル活動の楽しさも分かってきましたが、私は自分のままでステージに立つのがまだときどき恥ずかしいと思っちゃいます(笑)。

山北なんか、私たち真逆だね。

茜屋そうだね。それくらい気持ちも価値観も個性も、それぞれ違うものを持ったメンバーが集まったのが、i☆Risです。

みんないい女になった

――デビュー10周年となる2022年11月7日には、i☆Risの10年が詰まったアルバムがリリースされます。本アルバムには、みなさんがファンの方々への思いをしたためた手紙の内容を歌詞に反映した新曲「Anniversary」も収録されるとお聞きしました。

山北実は初めは「こういうこと書いたら歌詞に使われやすいかも」なんて邪な気持ちをちょっと抱えながら書き始めまして……。ただ、途中からそうではなく、素直に思ったことを一からぜんぶ書いてみようと決めたのですが、提出期間に間に合わなくて(笑)。それくらい、ファンの方々に伝えたいことが多いんです。恐らく、レポート10枚以上は書ける。文字に書き起こしてみると、すごく愛されていたんだということを実感できました。感謝の気持ちでいっぱいです。

茜屋私も「歌詞にするんだったら、こういう言い回しの方が使いやすいかも」と考えながら書いていました(笑)。ただ、構成など何も気にせず書いたほうが自分の気持ちがそのまま出ると書いているうちに気付いてきて、どこにどう着地するのか考えずに、思ったことを書くようにしたんです。結果、私も結構な枚数になりました(笑)。手紙を書いたことで、みなさんに支えられてきたから今があるということを改めて実感しています。

――みなさんの想いものった「Anniversary」。完成した曲を聞いたときの感想を教えてください。

山北前シングルの「Queens Bluff」がオシャレてイケイケだったのに対して、この曲はすごくシンプル。それだけに、想いも真っ直ぐに伝わる曲だと思いました。ラストの「ありがとう」をはじめ歌詞もストレートで、メロディもいい意味で王道アイドルがラストに歌うものみたいな感じがします。

茜屋5人体制になってからはオシャレで大人な曲や聞かせる曲が多かったので、久々にストレートで爽やかな曲がきたなと思いました。まだ1度もライブで披露してないですし、みなさんにどう受け取ってもらえるのかが楽しみです。

――本アルバムの初回限定盤とBlu-ray付き通常盤には「Anniversary」のMVが収録されているとお聞きしました。こちらはどのような内容になっていますか?

山北「Anniversary」にふさわしい、私たちのこれまでを振り返るようなMVです。i☆Risの写真をみんなで見ながら「こんなことあったね、あんなことあったね」と話していました。その様子が収められています。撮影では、10年目にして「メンバーでいちゃいちゃしてください」というオーダーがあって(笑)。写真ではたまにそういうこともありましたが、動画ではなかったと思うので、本当に恥ずかしかったです(笑)。そういう雰囲気もちゃんとMVに収録されています。

茜屋わりとみんな素の表情をしていたよね。

山北カメラ目線でバッチリ決める!っていう感じはそんなになかったよね。

――実際に写真を見ながら思い出も振り返っていた?

茜屋振り返りながらみんなで爆笑していました。初期の頃ってちょっと垢ぬけない感じがあったので、「この感じは、きっとこれくらいの時期だな」と話しながら、年代順に並べて遊んでいました(笑)。

――i☆Risさんはダンスパフォーマンスにも定評があるグループです。この10年でダンスパフォーマンスへの取り組み方や考え方に変化などはありましたか?

山北初期の頃は当時のアイドルのダンスの流行にのっとりとにかく元気に、パキパキ踊っていました。みんな全力で激しく踊っていた気がします。最近は「とにかく元気に!」という感じではなくなりましたね。

茜屋抜くことを覚えたよね。みんなおしとやかに踊れるようになってきた気がします。

――他のアイドルさんや声優ユニットさんを参考にされることもありましたか?

茜屋ありましたね。初期の頃はモーニング娘。さんを参考にしていました。ライブ前は自分たちの曲ではなくて、モー娘。さんの曲を振りコピしてウォーミングアップしていました。

山北してた、してた! 懐かしいなぁ。

――これからのi☆Risさんのダンスパフォーマンスも楽しみにしています。最後に、10周年を迎えたいま、改めてそれぞれが思うi☆Risの強みを教えてください。

茜屋やっぱりライブが強いなって思います。歌唱力のポテンシャルが高いので生歌でやっていますし、生でハモることも多いんですよ。それに、ファンの方々も含めて個性豊かな方がたくさん(笑)。会場に来ていただければそれらを全て体感できると思いますので、ぜひ一度ライブに来て欲しいですね。

山北みんないい女になったなと思います。艶感が出てきた気がしますね。メンバーのほとんどが女性アイドルが引退する事が多い年齢の峠を越えました。そういう大人のアイドルグループに少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ私たちに会いに来てください!

「10th Anniversary Best Album ~Best i☆Rist~」リリース情報
発売日:2022年11月7日(月)
初回限定盤(3CD+2BD)
価格:1万3,750円(税込)
収録内容:
・【DISC-1】(CD)SG曲&MV曲+新曲1曲
・【DISC-2】(CD)シングル曲&MV曲
・【DISC-3】(CD)FC会員ファン投票ベスト10
・【DISC-4】Music Video集(Blu-ray)
・【DICS-5】新規撮り下ろし長編映像(Blu-ray)
通常盤(2CD+BD)
価格:5,830円(税込)
収録内容:
・【DISC-1】(CD)SG曲&MV曲+新曲1曲
・【DISC-2】(CD)シングル曲&MV曲
・【DISC-3】Music Video集(Blu-ray)

通常盤(2CD)
価格:3,630円(税込)
収録内容:
・【DISC-1】(CD)SG曲&MV曲+新曲1曲
・【DISC-2】(CD)シングル曲&MV曲

(CD)SG曲&MV曲+新曲1曲収録曲
1.Anniversary
2.Color
3.ウィーアー!
4.イチズ
5.§Rainbow
6.幻想曲WONDERLAND
7.徒太陽
8.Make it!
9.ミラクル☆パラダイス
10.Realize!
11.ドリームパレード
12.ブライトファンタジー
13. Goin'on

(CD)シングル曲&MV曲
1.Ready Smile!!
2. Re:Call
3.Shining Star
4. Memorial
5.Changing point
6.Endless Notes
7.アルティメット☆MAGIC
8.FANTASTIC ILLUSION
9.ハピラキ☆Dream Carnival
10.Summer Dude
11.Cheer up
12.12月のSnowry
13.ハートビート急上昇
14.Queens Bluff

(CD)FC会員ファン投票ベスト10収録曲 ※初回限定盤に収録
1.ありえんほどフィーバー
2.Happy New World☆
3.YuRuYuRuハッピーデイズ
4.Spending
5.Thank you forever!
6. One Kiss
7.キラキラGood day
8.5STAR☆(仮)
9.イノセントイノベーション
10.鏡のLabyrinth

Music Video集(Blu-ray)収録内容 ※初回限定盤、通常盤(2CD+BD)に収録
1.Anniversary ※新曲
2.Color
3.ウィーアー!
4.イチズ
5.§Rainbow
6.幻想曲WONDERLAND
7.徒太陽
8.Make it!
9.ミラクル☆パラダイス
10.Realize!
11.ドリームパレード
12.ブライトファンタジー
13.Goin'on
14.Ready Smile!!
15. Re:Call
16.Shining Star
17. Memorial
18. Changing point
19.Endless Notes
20.アルティメット☆MAGIC
21.FANTASTIC ILLUSION
22.ハピラキ☆Dream Carnival
23.Summer Dude
24.Cheer up
25.12月のSnowry
26.ハートビート急上昇
27.Queens Bluff

新規撮り下ろし長編映像(Blu-ray)収録内容 ※初回限定盤に収録
1.Anniversary -Off Shot Movie
2.10th Anniversary 座談会&インタビュー映像

《M.TOKU》
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