「神宿・一ノ瀬みかのヲタ話」第21回は『日本沈没2020』にアクセス！

「超！アニメディア」にて連載中の「神宿・一ノ瀬みかのヲタ話」。原宿発の5人組アイドルユニット「神宿」の最年少センター、一ノ瀬みかさんにアニメやゲームのことを語っていただいています。21回目は少しだけ拡大版！先日Netflixにて配信がスタートした『日本沈没2020』についてお話しいただきました。

“生きたい”
私がこの作品を見た後の感想です。

　今話題のNetflixオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』は湯浅政明監督によるリメイク作品で、原作は小松左京さんによる小説。本作はリメイクの仕方がかなり大胆で、現代社会にフィーチャーされた作品になったと思います。

　主軸となるのは都内に住む父、母、姉、弟の4人家族で、父は日本人、母はフィリピン人で子供たちはハーフという家族構成です。

　ある日、それぞれがいつも通りの日常をそれぞれの場所で過ごしていた時に、突如として大地震が日本を襲いました。それにより、日本各地域で地割れや津波、噴火や有毒ガスなどの災害が一気に起こりました。そんな中でもなんとか家族の絆で集結し、みんなで乗り切ろうとする一家に、様々な試練が降りかかってきます。時には胸が熱くなるような、時には残酷で涙を流してしまうような、気づけばこの家族を心から応援している自分がいました。

　私が思う、この作品のポイントは『“武藤家”というひとつの家族に焦点を絞っている』点。全編を通して、フィーチャーしているのは常に、この家族の事です。視聴前は他の場所に視点を飛ばしてみたりする事で、作品の進み方や伏線の回収が自然と成り立っていくものと思っていました。ですが、そういった描写はあまりなく、ただただ家族に焦点を当てているんです。私は、あえて他の出来事が見えなったことで、主観的な視点が強まると感じました。そして、主観的に見えてくる描写によって、自分が現実世界で実際に災害にあった時と同じ目線になるんだと思いました。

　ですが、「リアリティ」という言葉からは少し離れているという印象も受け、実際にはなかなか起こらないような事がストーリーの中で巡っていきます。そんなありえないような場所での死や、ありえないような場所での出会いが、ドラマになっていると思いました。

　この作品を見て、おそらく誰もが考える事があると思います。それは、「実際に自分がこういう事にあったらどうするか、またはどうなるか」という事。私には正直、わかりませんでした。2011年の『東日本大震災』時は小学生くらいでしたが、その時はまだ幼かったこともあり、命の危機や日本の危機をあまり感じていませんでした。その震災で生活・経済などがどうなるのかなどの知識もほとんどなかったので、当時はあまり実感が湧いていなかったのかもしれません。ただ、この作品を拝見したことで、「備えあれば憂いなし」という事は意識しなければならないと感じています。家にしっかり防災リュックを用意して、いつでも“その時”に備えていく事は、私たちができることです。

『日本沈没2020』は波乱万丈なアニメーションストーリーですが、決して他人事とは思わないで観ていただきたいです。今の世の中、すでに「ありえないと思っていた事」が「ありえる」世界になってきています。

　私たちは必ず備え、生きましょう。

『日本沈没2020』作品概要
配信日：Netflixにて全世界独占配信中
エピソード：全10話
キャスト：武藤歩：上田麗奈／武藤剛：村中知／武藤マリ：佐々木優子／武藤航一郎：てらそままさき／古賀春生:吉野裕行／三浦七海:森なな子／カイト:小野賢章／疋田国夫:佐々木梅治／室田叶恵:塩田朋子／浅田修:濱野大輝／ダニエル:ジョージ・カックル／大谷三郎:武田太一
原作：小松左京『日本沈没』
監督：湯浅政明
シリーズディレクター：許平康脚本：吉高寿男音楽：牛尾憲輔キャラクターデザイン：和田直也色彩設計：橋本賢撮影監督：久野利和音響監督：木村絵理子編集：廣瀬清志
アニメーション制作：サイエンスSARU　ラップ監修:KEN THE 390
主題歌:「a life」大貫妙子 & 坂本龍一(作詞:大貫妙子/作曲:坂本龍一)
製作：“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners