亜咲花が「この世の果てで恋を唄う少女」をリリース「力を抜いて“無の状態”で歌ってミステリアスさを表現」【インタビュー】 | 超!アニメディア

亜咲花が「この世の果てで恋を唄う少女」をリリース「力を抜いて“無の状態”で歌ってミステリアスさを表現」【インタビュー】

伝説的なゲームを原作とした話題のTVアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のOPテーマ「この世の果てで恋を唄う少女」を歌う亜咲花。志倉千代丸の作詞作曲に苦戦したとのことで、それだけに思い入れの強い楽曲になったと …

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 伝説的なゲームを原作とした話題のTVアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のOPテーマ「この世の果てで恋を唄う少女」を歌う亜咲花。志倉千代丸の作詞作曲に苦戦したとのことで、それだけに思い入れの強い楽曲になったとのこと。同曲のほか、自身が英語で作詞したカップリング曲など、楽曲制作の裏側を聞いた。


■この世の果て=この世のいちばん端っこ

ーー亜咲花さんは、TVアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のOPテーマ「この世の果てで恋を唄う少女」を歌っています。アニメのタイトルと曲のタイトルが同じなので、作品の顔となる曲ということですね。

 おっしゃる通りです。作詞作曲の志倉千代丸さんが、「作品そのものを書いたから、曲名をつけるときに、このタイトルしか浮かばなかった」と、おっしゃっていました。その話を聞いて、なおさら自分がこの作品を音楽で背負っていかなきゃ! という責任も感じました。

ーープレッシャーがあったんですね。

 はい。と言うのも原作のゲームは、私が生まれる前からある伝説的な作品です。もともと1996年にPCゲームとして発売されたのが最初で、翌年にセガサターン版も発売されて。当時からの根強いファンの方が多くいらっしゃって、最近リメイク版がNintendo Switchからも発売されました。そうした経緯を経て、このタイミングでのTVアニメ化ですから。ファンのみなさんの、20年数年越しの期待を背負っています!

ーー作詞作曲は、亜咲花さんのデビュー曲「Open your eyes」を作った志倉千代丸さんで、民族っぽいイントロが印象的です。

 珍しいイントロだなって。でも曲が進むとだんだんEDMになっていく変わった楽曲構成です。志倉さんの曲は転調するものが多くて、特に今回の曲は、“志倉節”と呼べる楽曲になっているんじゃないかと思います。

ーー最初に聴いて、やっぱり難しそうだなと?

 はい。これを私が歌えるのか? って少し怖かったです。でも、何度も聴いていくうちに、自分のなかでどんどんイメージが固まっていったので、レコーディングではそのイメージのまま歌おうと思っていたのですが、実際はそう簡単にはいきませんでした。


ーーレコーディングで、何があったんですか?

 いつもならこういうアップテンポの曲は、パワフルすぎるくらいに歌ってちょうど良かったので、今回もすごくパワフルに歌ったんです。でも、ミステリアスなサウンドに対して歌がパワフルすぎて、どうしてもアンバランスになってしまって。そういう経験は初めてだったので、私もスタッフのみなさんもすごく悩みました。それで、加減を少しずつ変えながら何度も歌っていくうちに、力を抜いて“無の状態”で歌うとミステリアスさが表現できるというところに辿り着きました。

ーー本当ならメロディや歌詞に合わせて感情をたっぷり込めていくけど、あえて感情を抑えて歌っていると。

 そうです。感情を入れないことで、ミステリアスさやクールさを表現することができました。なので今回のレコーディングは、感情を抑えるというコントロールが大変でした。ただ心を無にしすぎるとロボットが歌っているみたいになるので、若干の感情を入れつつ、でも決してパワフルすぎない。そのバランスを取るのが、本当に大変です。

ーー志倉さんからは、何か「こう歌ってほしい」みたいな指示は?

 特に指示はいただかなかったので、自分で考える必要がありました。志倉さんが作詞作曲された3rdシングル「Play the game」のときもそうで、課題を与えられているみたいな感じです。毎回歌詞を読み込んで歌い方のイメージを膨らませるので、想像力が身につきました。

ーーでも妄想は得意じゃないですか。

 二次元の世界で、妄想ばっかりしているので、それはだいぶ役立っています(笑)。でも今回は、歌詞の世界感がすごく独特なので、解釈するのはだいぶ苦戦しました。いちばんグッと胸に響いてきたのはサビで、というフレーズです。運命と奇跡は似ているようだけど、同じではない。この一文で、ふたりの出会いは奇跡のようだけど、もともと決まっていたことなんだと表現していて。そういうシンプルなことを、こんなにもかっこよく表現できるのは、本当にすごいなって改めて感動しました。

ーー音域が広いのも志倉さん楽曲の特徴ですね。

 いつも大変です。裏声っぽい部分は、地声でいくか裏声で行くか迷ったんですけど、最終的に地声と裏声の中間のミックスボイスで歌いました。地声だとめちゃめちゃパワフルになるし、ファルセットだと弱すぎてしまう。オケとのバランスも含めて、ミックスボイスで表現させていただきました。

ーーMVもミステリアスな映像ですね。

 この世の果て感をどう出すかを監督が考えてくださって、それで、水の上で流木と共に立つという映像に辿り着きました。

ーー表情もクールでミステリアスです。

 実は表情を出すのが、いちばん大変でした。MVの撮影は毎回楽しくて、自然と口角が上がってしまうんですね。気づくとニヤけてしまって、ミステリアスな表情を維持するのが大変でした。「また顔が笑ってる。真顔になって!」と、何度も注意を受けました(笑)。DVD付盤にはMVと、そのメイキングも収録されているのでいろんな角度から楽しんでほしいです。

ーーちなみに、亜咲花さんが「この世の果て」だと思うことは?

 たまたま早起きをして朝日を見たときに、街の向こうに半分だけ太陽が顔を出していて、それは“この世の果て感”がありました。「この世の果て=この世のいちばん端っこ」みたいなイメージだったんです。だから歌ったときも、地球のいちばんすみっこに女の子がいて歌っているような、孤独感みたいなものをイメージしていました。

■洋楽を取り入れたアニソンを歌うのが夢

ーーカップリングの「My Love」は英語の歌詞で、亜咲花さん自身が作詞。こういうR&Bテイストの曲を亜咲花さんが歌うのは、すごく珍しいですね。

 そういう珍しいのを狙いました。表題曲がアニソンチックなので、カップリングは英語で、アーティストとしての側面をより出したいなと思いました。候補曲を選んでいく段階の最後に送られてきたのがこの曲の原曲で、それはアコースティックギター1本だけのしっとりしたアレンジだったんですけど、メロディがすごく良くて。アレンジによってはブルーノ・マーズっぽくできるんじゃないかと思って、そのイメージでアレンジをしていただきこの形になりました。

ーーブルーノ・マーズとか、洋楽を聴くんですか?

 たくさん聴きますよ。最近はアリアナ・グランデ、テイラー・スウィフト、ケイティー・ペリーなど、女性アーティストが多いです。自分のなかでは、こういう洋楽っぽさをアニソンに取り入れて歌っていきたいと思っていて。いつかは「My Love」みたいな曲調の楽曲も、アニメの主題歌で歌ってみたいですね!

ーー歌詞は、どういうテーマで書かれたのですか?

 前回作詞をさせていただいたのが、ことしの年明けにリリースしたミニアルバム『19BOX』に収録の「Kill Me One More Time?」だったんですけど、そこでは大人っぽい背伸びをした恋愛観を歌ったので、今度は19歳らしい等身大の恋愛観を書きたいと思いました。単なる恋愛ソングではなくストーリー性を持たせて歌詞を書いたから、「Kill Me One More Time?」のときとは、まったく違った印象を抱いていただけるんじゃないかと思います。

ーー最初から英語で書くんですか?

 はい。アメリカに住んでいたことがあったので、英語は得意です。ほとんど英語ですけど、強調したいところだけ日本語にしていて。たとえば「愛してる」という言葉は、日本語で言うのは照れくさいけど、英語で「I Love You」にすると恥ずかしさが和らぐような気がしていて。みんなが普段言えないことを、私が代弁するような形で歌っていますね。

ーー等身大の恋愛観を書くのは、自分の部屋を覗かれるような感覚で、恥ずかしさはなかったですか?

 まったくなかったです。自分の取説を読んでもらうみたいな感覚です。「みんな、亜咲花はこうなんだよ!」って。自分のことをもっと知ってほしくて、自分が恋愛をするならこういう恋愛がしたいと思っているんだよって書いています。だからファンのみなさんは、「亜咲花はこういう恋愛がしたいんだな」って、知ってもらえたらうれしいです。アニメファンのみなさんには馴染みが少ない曲調かもしれませんが、今後はライブやイベントで歌っていくので、こういう“横ノリ”の曲の良さも、どんどん伝えていけたらいいなと思っています。

ーーそして、デビュー曲「Open your eyes」のライブ音源も収録。

 表題曲が志倉千代丸さんの作詞作曲で、「Open your eyes」も同じく志倉さんなんですね。今回収録されているのが昨年秋のBDライブの音源なんですけど、デビューのときから約2年くらいですね。ライブを重ねて成長してきた「Open your eyes」を、ぜひ聴いてほしいです。

ーー間奏などでとかけ声がかかっていたり、ライブ感がすごくありますね。

 デビュー当時は、もっとシットリ系のイメージで、と声がかかることもなかったんです。でも何度か歌ううちに、自分でも煽り方が分かってきて。次第にとかけ声をかけてもらうのが定着していったんです。ライブを経て楽曲がどんどん成長していっている感じがして嬉しいです。だからこれを聴いていただければ、亜咲花のライブはこういう風に盛り上がればいいんだなって、想像していただけるんじゃないかなって思います。

ーーそして秋に1stフルアルバムのリリースと、バースデーライブが決定しています。

 デビューして3年目で、ついにです。これまで数多くのアニメやゲームの曲を歌わせていただいてきたので、デビュー3年で早くもアニソン歌手人生の集大成のような、いろいろな曲を収録したいと思っています。また10月6日、20歳の誕生日を記念したワンマンライブの開催も決定しています。誕生日は10月7日なので10代ラストライブです!ことしは予定がたっぷりなので、ファンのみなさんはしっかりついてきてくださいね!

取材・文/榑林史章

〈PROFILE〉
亜咲花【あさか】10月7日生まれ。愛知県出身。2016年にTVアニメ「Occultic;Nine-オカルティック・ナイン-」のED「Open Your eyes」でCDデビュー。これまでシングル5枚とミニアルバム1枚をリリースしている。今年8月に開催されるライブイベント「Animelo Summer Live 2019 -STORY-」への出演する。

〈リリース情報〉
「この世の果てで恋を唄う少女」
発売中
5pb.Records
DVD付盤:1,900円
YU-NO盤:1,500円(各税別)

※ギャラリーはこちら。クリックすると拡大できます。

(C)MAGES./PROJECT YU-NO

《超!アニメディア編集部》
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