『映画プリキュアミラクルユニバース』で大活躍する「スター☆トゥインクルプリキュア」。初めての映画出演について、成瀬瑛美、小原好美、安野希世乃、小松未可子の4人に登場してもらい、先輩プリキュアへの思いや、「スター☆トゥインクルプリキュア」(以下『スタプリ』)チームとしての絆などについて語ってもらったインタビューが、「アニメディア4月号」に掲載。超!アニメディアでは、掲載しきれなかった部分を含めたロング版をご紹介。
「スタプリ」メンバーの成長も観られる映画 ――「プリキュア」の春の映画というと、先輩プリキュアとの共演が恒例です。先輩プリキュアを演じるキャスト陣のアフレコを見た感想を教えてください。
成瀬 すごく息が合っていました! 変身のときのかけ声ひとつとっても、私たち4人はまだなかなか合わず、いかにも“新人”という感じが出ているんですが、先輩たちはそれぞれうまく呼吸を合わせる技を持っているんです。「HUGっと!プリキュア」であれば、キュアエール役の引坂理恵さんがいいタイミングで息を吸い、それにみなさんが合わせる。そういったテクニックを見せていただけて、とても勉強になりました。
小原 私たちがバラバラだということもあって、なおさらシリーズの一体感を強く感じましたよね。でも、映画のアフレコが終わったあと、あるキャストの方に「私たちが4人で一緒に変身のセリフを言ったのは、映画が初めてなんです」とお伝えしたら、「すごく練習したのかと思うくらいに合っているよ」と驚かれていて。「私たちの代は、変身がそろうようになるまでに半年かかったよ」とおっしゃっていたので、これからもっといい一体感が生まれていくのかなとも思えて、この先がすごく楽しみになりました。
安野 TVシリーズはまだ序盤だけど、チームとしてはだいぶ仲がいいよね。私も先輩たちの演技を見ていて、合わせゼリフでリテイクがまったくなく、一発OKだったことに驚きました。あと、みなさんすごく仲よしで、なぜかお互いのモノマネが盛んでした(笑)。モノマネができるのってお互いの個性をわかっているからだと思うし、いじっても笑い合えるぐらいの信頼感があるからだと思うんです。だから、私たちも1年かけて、いずれはみんなのモノマネができるようになりたいですね!
小松 モノマネなんだ(笑)。
安野 みんなもやるんだよ?
全員 わかった!(笑)
小松 希世乃ちゃんが言ったモノマネエピソードもだけど、私は誰かがちょっと噛んじゃったりしたときに、「うちの○○がすみません」と、ほかのみなさんがフォローする姿に“家族感”があるなと思って。そこに愛情を感じましたし、1年間さまざまな出来事を乗り越えてチームが出来上がるというのを目の前で見せていただけた気がして、「プリキュア」のすばらしさを感じました。
――アフレコでの思い出は?
小松 マイクが4本しかないなか、今回はキャストもすごく多かったのですが、そのときにチームごとにワーッと集まっていくのが印象的でした。
安野 「○○組はこっち」みたいな(笑)。
小原 そうそう。何も言わなくても、「スタプリ」の分をあけてくださっていたのもうれしかったです。
小松 居場所をくださっている感じがしたよね。きっと1年後には、自分たちが今いる位置に次のプリキュアの子たちが立つんだろうなと思いましたし、自分たちもそういうサポートができるようになれるといいなと思いました。
――そんな立派な先輩たちに対して、今の段階で「スタプリ」チームが負けない、と言えるものは?
小松 座長のエネルギーです。えいたそ(成瀬)は、本当にもう“一番の星”という感じなんです。
成瀬 わあ、まさにキュアスターだ!
小松 そう! アフレコ経験もあまりないのに、すごく肝が据わっているなと思います。
安野 存在感があるよね。
小松 キュアスターになるべくしてなったっていう感じがする。
小原 本当に!
成瀬 それは、みんなが的確なアドバイスをくれるからだと思う。いい感じに私の肩の力を抜いてくれるんですよ。
小松 私たち、けっこう最初からうまく噛み合っているなと思っていて。私がえいたそを見ていてすごいなと思ったのは、ちゃんと人のセリフを聞けているところ。
安野 そうそう。自分のセリフにいっぱいいっぱいだと、人の声が聞こえなくなっちゃうんだけど、えいちゃん(成瀬)はそれがないんだよね。だから、私たちのセリフにちゃんと影響を受けてくれる。
小原 才能がすごくある方なんだなって思いました。
成瀬 ……そんなところまで。みなさんが私のことをよく見ていてくれるんです。
安野 さっき、みかこし(小松)も言っていたけど、この4人は最初から“しっくり感”がすごいんだよね。
小原 説明しろって言われると難しいんですけど、なんだかピッタリですよね。
小松 それぞれが補い合っている感じはするよね。
安野 バランスがすばらしいと思います。
小松 でも、1年もあると、もしかしたら私たちのそのバランスが一回崩れるなんて展開も起こったりして(笑)。
成瀬 物語的にはありそう!(笑)
小松 途中で心が通い合わなくなるみたいな(笑)。
成瀬 それはそれで青春だよ!
――ほかに「スタプリ」チームならではだな、と思うことはありますか?
成瀬 フワ役の木野日菜ちゃんがとてもかわいらしいです! マスコット的存在でいてくれるので、すごく癒されます。
小原 木野日菜ちゃんは、人のお芝居を見るのがすごく好きな子なんですね。アフレコ現場では、私の隣に座っているんですが、ちらりと見るとすごい顔をしてみなさんのことを見つめているんですよ。もちろん、アフレコ中なので声は出せませんから、リアクションで「すごいよね!」って表現していたりして。その姿が本編のフワに重なるんです。フワって、喜怒哀楽の表情が一番ハッキリと出る子なので。成瀬さんも選ばれしキュアスターだけど……木野日菜ちゃんもフワになるべくしてなったなと。まさに“木野フワ”以外あり得ないなと感じています。
――映画も公開され、TVシリーズでも4人がプリキュアになり、話も進んでいますが、初対面のときと印象が変わった人はいますか?
成瀬 意外と変わらないですね。
小原 安野さん、小松さんとは、がっつり共演するのは初めてなんですが、面識はあったので、いい意味で印象は変わらないですね。いつもやさしくしてくださるとても素敵な先輩方です。成瀬さんも、最初にキャストが決まってお名前を調べたら「アイドルじゃん!」と驚いたんですが(笑)、初めて会ったときからすごくフラットに接してくださって。会ってすぐ好きになりました。
成瀬 私も最初から素を出せていたかなと思います。
――安野さん、小松さんは、ほかの方の印象に変化はないですか?
安野 意外とないんですよね。えいちゃんは「緊張している」って言うけど、全然そうは見えなくて、マイク前でいつも堂々とした背中を見せて、まんまひかるっていう感じで。物怖じしていない姿は1話からまさにひかるだったし。
成瀬 1話から? 一番ガチガチだったよ?
安野 そう言うんだけど、本当にひかるが全然ぶれていないんですよ。それが凄いなあって。ここちゃん(小原)は収録でご一緒するのは初めてなんですが、やわらかくてふんわりした印象だったのが、実際は目の前の仕事に対してかなりストイックだったので、そういう意味ではいい意味で印象は変わったのかな。スタッフの方に細かく質問をしてくれるので、すごく助かっています。みかこしは姐御力も発揮してくれているよね。
小松 いやいや、それを言うなら希世乃ちゃんは母性を発揮しているし!
成瀬 希世乃ちゃんはいつもやさしいよ!
安野 本当に?
成瀬 本当に!
安野 よし、じゃあどんどん甘えて!
小松 (笑)。私はえいたそに初めて会ったのは、ライブのときだったんですよ。がっつり話したことはなかったんですが、SNSを見ていると、ずっと“バヒューン感”があるなと思っていて。
小原 わかります、その文字だけでも伝わる“バヒューン感”(笑)。
小松 あるよね(笑)。その後、レコード会社のレーベルも一緒になったのですが、まさか声優として一緒にお仕事ができるとは思わなくて。でも、声優としてでもえいたそは変わらずえいたそでしたね。むしろフィールドが変わっても変わらないところがすごいなと思っています。
成瀬 私は演技のスキルもないし、うまくやろうとしても思うようにはならないので、今の時点で声を当てるとしたら素でやるしか選択肢がなかったんですよ。それがいいように作用していたのかな。
小松 セリフを全部覚えるくらい練習しているところもすごいと思うよ。私、覚えられないもん(笑)。
安野 主役だから、セリフ量も多いのに、しっかり覚えてくるよね。
小松 その努力を、普段見せないところもいい。印象は変わらないけれど、そういう努力をしている姿は、ギャップを感じたところかな。
成瀬 ちょっと恥ずかしくなってきました(笑)。でも、私がこうやって頑張れるのも、みなさんのような素敵なメンバーがそろっているからですよ!
――では最後に、映画の見どころを教えてください。
成瀬 この映画には、ピトンというミラクルライトの見習い職人が登場します。ピトンも新人プリキュアの私たちと一緒に成長していくので、きっと観ていて愛おしい気持ちになると思います。ぜひ、ピトンのことも応援してほしいです。
小原 妖精たちが、劇場に来てくれた子どもたちに呼びかけるシーンがあるんです。そこで子どもたちがプリキュアを応援することで、この映画は成り立つと思っています。私たちも一生懸命に演じましたし、きっと劇場では子どもたちが一生懸命にプリキュアを応援してくれると思います。そのふたつが合わさることでできる“完成形”を、ぜひ大人のみなさんにも劇場で感じていただきたいです。
安野 「スタプリ」のメンバーが散り散りになった先で、先輩プリキュアたちからいろいろと教わるシーンがあるんですね。そういったシーンのひとつひとつや、影響を受けて一歩を踏み出そうとする瞬間もていねいに描かれていますので、ぜひ「スタプリ」チームがどうやって危機的な状況を打破していくのかを観ていただきたいです。それから、キュアスターのがむしゃらなところ、まっすぐなところがピトンの心も動かしていくので、「思いの強さがすごく大切だ」というメッセージも感じていただきたいです。
成瀬 うまく演じられていたかは客観的には見られていないんです。でも、そのときにできる精いっぱいの思いは込められたんじゃないかと思っています。
安野 うん、こもってたよ!
小松 先輩プリキュアとの掛け合いは、TVシリーズではなかなか観られないので、まずはそこをチェックしてほしいですね。キュアスターもピトンもそれぞれに悩みもがいているのですが、それがきっと見ている子どもたち、大人たちにもリンクする部分があると思うんです。彼女たちが心の葛藤から抜け出していく姿は、観ている方にもすごく力を与えてくれるし、そこが見どころのひとつだと思います。あと、ここちゃんが言ったように、この映画はみんなが観て参加してくれて初めて成り立つ仕組みになっています。登場人物のひとりにもなれる作品ですから、ぜひ劇場に足を運び、子どもたちはミラクルライトを振って、大人たちは心のミラクルライトを輝かせて観ていただけたらと思います。
取材・文/野下奈生(アイプランニング)
PROFILE
成瀬瑛美【なるせ・えいみ】2月16日生まれ。福島県出身。ディアステージ所属。
小原好美【こはら・このみ】6月28日生まれ。大沢事務所所属。
安野希世乃【やすの・きよの】7月9日生まれ。宮城県出身。エイベックス・ピクチャーズ所属。
小松未可子【こまつ・みかこ】11月11日生まれ。三重県出身。ヒラタオフィス所属。
〈『映画プリキュアミラクルユニバース』情報〉
全国公開中
【原作】東堂いづみ 【監督】貝澤幸男 【脚本】村山 功
【声の出演】成瀬瑛美 小原好美 安野希世乃 小松未可子 木野日菜 吉野裕行
引坂理絵 本泉莉奈 小倉 唯 田村奈央 田村ゆかり 多田このみ 野田順子 福島 潤
美山加恋 福原 遥 村中 知 藤田 咲 森なな子 水瀬いのり かないみか 水島 裕
【ゲスト声優】田中裕二(爆笑問題) 梶 裕貴 小桜エツコ ゴー☆ジャス 脳みそ夫
〈TVアニメ『スター☆トゥインクルプリキュア』情報〉
毎週(日)朝8時30分 ABC テレビ・テレビ朝日系列にて放送!
【スタッフ】
シリーズディレクター:宮元宏彰
シリーズ構成:村山 功
キャラクターデザイン:高橋 晃
音楽:林ゆうき/橘麻美
美術:増田竜太郎/いいだりえ
色彩設計:佐久間ヨシ子
【キャスト】
キュアスター/星奈ひかる:成瀬瑛美
キュアミルキー/羽衣ララ:小原好美
キュアソレイユ/天宮えれな:安野希世乃
キュアセレーネ/香久矢まどか:小松未可子
フワ:木野日菜
プルンス:吉野 裕行
公式サイト(東映アニメーション)
http://www.toei-anim.co.jp/tv/startwinkle_precure/
プリキュア公式 YouTube チャンネル
https://www.youtube.com/c/precure
プリキュア公式 Instagram
https://www.instagram.com/precure_curesta
『映画プリキュアミラクルユニバース』公式サイト
http://www.precure-miracleuniverse.com/
©2019 映画プリキュアミラクルユニバース製作委員会
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