今井麻美が声優活動20周年&歌手活動10周年の節目に20枚目のシングルをリリース!「音楽活動をすることで、自分に自信を持てるようになりました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

今井麻美が声優活動20周年&歌手活動10周年の節目に20枚目のシングルをリリース!「音楽活動をすることで、自分に自信を持てるようになりました」【インタビュー】

 今井麻美が、TVアニメ『ぱすてるメモリーズ』のOPテーマ「Believe in Sky」をリリース。アーティスト活動10周年記念シングルであり、今井にとって初のOPタイアップとなる同シングルについて語ったインタビュ …

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 今井麻美が、TVアニメ『ぱすてるメモリーズ』のOPテーマ「Believe in Sky」をリリース。アーティスト活動10周年記念シングルであり、今井にとって初のOPタイアップとなる同シングルについて語ったインタビューが『アニメディア2月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では、記事内でお届けしけれなかった部分を含めたインタビュー全文をご紹介する。

――2019年は声優活動20周年、アーティスト活動10周年ですね。その年に20枚目のシングルをリリースと、キリのいい数字ばかりです。
 もともと面倒くさがりなところがあるので、全部まとめてお祝いできるのはラッキーですし、「よくできた」と自分を褒めたくなります(笑)。それとは別に、18枚目のシングルから19枚目のシングルまで2年ほどかかってしまったので、19枚目から1年経たずに20枚目を出せることには驚きました。

――声優活動20周年に20枚目のシングルを出すというのは、いつごろ聞いたのですか?
 何かの打ち合わせで「次はアニメのOPだから」って、ぬるっと言われたんですよね……。まだ決定ではなかったんですが、私自身、20枚目とか20周年という自覚がまるでなかったので、無事に決まってよかったです。ただ『ぱすてるメモリーズ』のOPと聞いたときは、別の意味で驚きましたが。

――キュートな女の子たちが主人公の作品だから、ということですか?
 そうですね。自分の歌が向いているのは『シュタインズ・ゲート』や『コープスパーティー』のようなダークな世界観か、頑張っても『プラスティック・メモリーズ』のようなさわやかな青春作品までだろうと思っていて。ポップなアニメというのは意外だったので、何度も私で合っているのか、誰かと間違えていないか確認しました。ちょっとネガティブに聞こえるかもしれませんが、私個人としては「合ってるよ~」「間違ってないよ~」のやりとりも楽しんでいるので、あんまり気にしないでください(笑)。

――曲を聴いたときの感想は?
 疾走感があって、キーの上下も激しく、パワーのいる曲だなと感じました。それを乗りこなすという意味で、チャレンジ曲でもあるなと。その段階から「ライブで歌うには、体力をつけなきゃいけないな」と先のことまで考え出したくらいです。

――レコーディングには、どう臨みましたか?
 あまり歌わないような明るい曲でしたから、歌い方もいつもの私のままではなく、今、流行している歌手の方の曲をたくさん聴いて、どういう節回しをしたら今っぽく聴こえるのかを研究しました。声優をやりながら歌もやらせていただいていると、どうしても発音がすごくよくなってしまうんですね。歌詞を聴き取りやすいというのは利点でもあると思うのですが、あえて聴き取りにくく歌うのはJ‐POPのテクニックのひとつだと思っているので、それを取り入れてみたくて。そういう新しいことができたのが楽しかったです。

――さわやかかつ伸びやかな歌だなと感じました。
 ありがとうございます。ただ、レコーディングの段階では『ぱすてるメモリーズ』がゲームとはかなり違う話になっているとしか聞いていなかったので、曲がアニメになじむかどうか、祈るような気持ちでした(笑)。節目の年に自分のフィールド以外でどれくらい通用するのかを試せるいい機会になったと思うので、アニメを観てくださった方が、曲にも興味を持ってくだされば、と。

――実際、オンエアも始まっていますが。
 じつは、参加しているキャストさんから、先のエピソードをチラッと教えていただいていて。それをふまえて今は……この曲が作品の良心というか、ぶれない部分というか、芯というか、そんなものになれたら、と(笑)。とりあえず、「OP詐欺」って言われないといいなと思います。


――個人的には、TVサイズにはのりませんが、2番のAメロからBメロの展開がとても好きです。
 うれしい! 私も好きなんです! 1番は作品の世界観がキーワードになっているんですが、2番からは作詞家の森由里子さんが比較的自由に書いてくださっていて。サビ前の「がんばれ私」というワードでは、毎回目が潤んでしまうんです。サビの部分は休むところがなくて、強さを表現しようとしてヘトヘトになっちゃうけれど、このワードで自分を鼓舞できるんですね。ここを歌うのはすごく気持ちがよかったです。

――この曲は、MVも撮影されていますね。
 はい。MVとビジュアル周りを伊豆の高原で撮ってきました。MVといえば、小道具の自転車でひと悶着ありまして。事前にスタッフの方から「自転車に乗っていただきたいんですが、大丈夫ですか?」と連絡があったんですが、私が自転車に乗るとどうしても安定感がなくて危なっかしいので、ずっと封印していたんです。なので、「乗れないんです」と連絡したら、スルーされて(笑)。しかも実際の自転車は、サドルとハンドルの高さが同じという、技術のいるもので。カメラマンのアシスタントの方がいろいろ協力してくれて、なんとか乗れましたが……。ちょうどその撮影の数日前に森さんにお会いして、その話をしたら「私が歌詞に自転車って書いたからだ! ごめんね、頑張って!」と言われたのもいい思い出です(笑)。私をよくご存知の方は「自転車に乗れるなんて、MVの今井麻美は偽物だ!」と思われるかもしれませんが、本物だということだけは伝えておきたいです。

――カップリングの「懐かしい街」は、初めて聴かせていただいたときから、椎名豪さんらしい節回しだなと思いました。
 この曲はゲームのEDではあるんですが、プロデューサーの濱田智之さんと私で、比較的自由にコンセプトを決められたんです。私が音楽をやる上で欠かせない、森さん、椎名さん、そして濱田さんに関わっていただける曲をとお願いしていたので、それが実現した1曲になりました。

――こちらのレコーディングはどうでしたか?
 歌うのは難しかったです。何が難しいのか自分でもわからないんですが、私は曲の持つイメージと実際の曲がなかなかハマらなくて。しばらくふわふわしていましたね。

――この曲は、主人公となる人物が明確に存在していますが、歌うときは主人公の存在は意識しましたか?
 いえ、俯瞰的に歌いました。客観的な絵面というか、自分が自分を見ているようなイメージでした。かなりシンプルなメロディーで、歌い手の技量が問われる曲だと思うので、レコーディングが終わってからは、ひたすらイメージトレーニングをしています。私はイメージトレーニングをするのとしないのとで、ステージで歌ったときの感覚が全然違うんですね。とにかく感覚で生きている人間なので、感覚さえハマればどんなにみんなが難しいという曲でも気にならないので、難しくなくなるように感覚を研ぎ澄ます作業をとても大切にしています。

――この曲は、全体的に温かみのある歌詞が心に残りますね。
 わかります。森さんは描写がお上手な方で、特に2番のAメロあたりはすごくイメージがしやすいですよね。こういった詞に対して、表現をする側としてはすごく腕がなるんです。何もしなければそのままスムーズに入るものなのに、歌うということは複雑化することになりますから。ストレートすぎずに、どう感情を入れるかを考えていくのは、すごく楽しいです。

――3曲目はプロデューサーの濱田さんが作曲を手がけられています。
 20周年なので、ぜひ濱田さんに作ってほしいとお願いしました。でも、最初に上がってきた曲を聴いたら、迷いが見えたんですよ(笑)。注文を付けていいとは言われていたんですが、しばらくそのまま何も言わず。MV撮影が終わって「なんか違うかもです」って連絡をしたら、すぐに新しい曲が届きました(笑)。どうも、濱田さんも方向性をどうしたらいいか迷っていたみたいなんです。2テイク目があがってきたときには、すぐ「歌詞どうする?」とOKを出す前に話を進めたのを覚えています。歌詞に関しては、私が書く予定だったのですが、曲を聴いて、これはプロの方の世界を歌で表現するほうがいいなと思い、今回はコンペで選ばせていただきました。

――否定的なワードが並ぶのが印象的ですね。
 いきなり候補がたくさん届いて、すぐ決めろと言われて(笑)、最初にいいと思ったのがこの詞でした。否定的なワードは私も気になったのですが、この歌詞は森のなかに閉じこもっている人が、「来ないで」と言いつつ、実は来てほしいと思っていると感じたんですね。相反する感情を表現するというのは、腕の見せどころじゃないかと思い、こちらに決めました。やっぱり記念のシングルだから、挑戦も大事ですよね。

――ここでこれまでの活動についてもうかがいたいのですが。まず声優活動20年を振り返ると?
 声優生活20周年と言っていますが、最初の10年は全然仕事がなかったので、自分のなかではアーティスト活動とともに声優もやっとできるようになったという印象です。正直なところ、最初の10年はカウントしないでほしいくらい(笑)。ただ、そうしてしまうと、最初に演技をさせていただいた、大切なスタートの役もなかったことになってしまうから、今は最初の10年も大事にしないといけないと思えるようになりました。

――では、アーティスト活動をしてきた10年を振り返ると?
 正直なところ、アーティスト活動を始めた最初の数年は、声優の片手間に歌をやるって情けないと思っていたんです。声優としての仕事もないのに、歌なんて逃げなんじゃないかって。でも、自分はアーティスト活動をしながら声優としても成長してきたと感じているので、今は歌にも自信を持っていきたいなと思っています。今でもまだまだ修行中で、ヘコむことのほうが多いけれど、演技を入れながら歌い、表現することに関しては、プロの歌手の方よりも秀でていたいと思って。今でも歌のうまい人には憧れますが、「そこには届いてないけど、自分らしさがあるじゃん」と、ここ4、5年で受け入れられるようになってきた感じです。

――それでも、自分の歌を模索している?
 今でももがいていますね。私は単純なところがあるので、自分の歌でもすごいと感じたら素直に喜べるんですね。でも、逆にやりたいと思ったことに技量が追いつかなかったとき、すごく落ち込んでしまう。次はもっとうまくできるようになってやると奮起して、ライブで歌い続けていくうちに完成形が見えてくるパターンも多いんです。お客さんからすると「CDの段階で完成させろ」と思うのが当然ですが、ライブのようなやり直しのきかないステージで、その瞬間にできる最高のものをチョイスする力は少しずつ研ぎ澄まされてきたと思っていて。だからこそ、ライブでいいものもできていくと思えるようになりました。

――今井さんが思う、歌のうまさとは?
 私が好きなのは、表現力が豊かな曲。でも、うまいと思い憧れるのは、技術的な意味での歌唱力がある人。ただ、技術的なものは自分に合わないし、それをやってしまうと「私らしさ」が消えてしまう。私らしさがなくなれば、技術のある人に一生かなわなくなるのもわかっているので、「自分なり」というのを突き詰めていくというスタンスでいけるようになりつつあるのかな。スタッフはみんな私の性格を知っているので、「歌が下手だ」と言っても軽く流してくれます(笑)。でも、そういうスタッフがすごくありがたいんです。

――自分としては、長く続けてこられた秘訣はどんなことだと思っていますか?
 そうですね……。秘訣とはとても言えないんですが、無知だったから続けられたのだと思っています。だって、アルバイトをしながら、そのうち仕事が来ると思っていたんですよ(笑)。今にして思えば、どこからそんな自信が出たのかと思うじゃないですか。でも、それこそが私を支えてくれていたので、その無知さに今は感謝しています。

――今井さんは、2018年6月に行われた原由実さんのラストライブで、原さんと一緒にステージに上がっていましたよね。
 はい。あれはとても素敵なライブでした。

――レーベルメイトであった原さんは、アーティスト活動休止を決断しました。そして今井さんは「もう少し続ける」と言っていました。そんな今井さんにだからこそうかがいたいのですが、今井さんにとって、歌とはなんですか?
 ……苦しさの象徴でもあり、喜びの象徴でもあるもの、でしょうか。私は子どもの頃から歌が本当に好きで、本能的に歌っているような子だったので、それを形にするときには必ず産みの苦しみを味わうんです。だけど、私の歌は、楽しいだけでは絶対にできあがらない。ライブでもそうなのですが、散々無理だと言いまくって心配させてステージが始まったらノリノリで、終わったら「あぁ楽しかった」というのがパターンなんですね(笑)。最初の苦しみや不安がないままだと、何も生み出せないのが私の歌なんだと思っています。原さんが活動を休止すると決めたとき、私が思ったのは「自分にはその勇気がないな」ということでした。自分から歌を切り離すことができるのかと考えたら、とてもできない。コンプリートアルバム『rinasita』をリリースしたときに、30代も終わるし、新しいことを始めるいいきっかけだと思って、これを最後にしようかなとも思ったんです。でも、そのときからすでに表現者を続けていく上で、歌は不可欠なものになってしまっていて、歌をやめたら表現をすることから気持ちが離れてしまうかもしれないとも感じて。逆も然りで、演技をやっているから歌も歌っていける。歌と演技がガッチリと手を結びすぎて、どちらかをお休みすることはたぶんできない。なくなったら困るし、あって当たり前とも思わない。だけど、切り離せない大切な自己表現のひとつ。それが私にとっての歌なのだと思います。

――なるほど。表現者として、歌も大切な表現の場のひとつであると。
 そうですね。実は私、もともと人前に出るのはあまり得意ではないんです。人前に出て何かをしたいという願望はあっても、恥をかくだけだからやめておけ、と思っちゃう。でも、歌っているときはゾーンに入るというか、ものすごくいろいろなものが研ぎ澄まされるので、まさに修行の場であると感じていて。私は声優であるかぎり、修行の場である歌を手放したくないんだと、ちゃんと理解できるようになりました。苦手な人前に出て行けるのも、修行だからなのかな。なかなかうまく言えませんが。

――ありがとうございます。長く活動してきた今、ファンの方に伝えたいことはありますか?
 ライブに来たりCDを買ったりするのは娯楽の一部ですし、みなさんは「ミンゴスがライブをやるなら行く」とか、「CDを出すなら買う」とか、当たり前のように言ってくれますが、大事な時間を私に割いてくださるというのは、とても重みのあることだと感じています。とにかく、みなさんの好意に甘えるだけではなく、つねに全力で仕事をやっていきたいと思っています。

――では、最後へ読者にメッセージを。
 細々と仕事をしていた私が、音楽活動をさせていただけたことによって、自信を持てるようになれました。私は、だいぶふわふわとした生き方をしていますが、それでも自分がやると決めたものに対して責任を持つことの大切さはわかっているつもりですし、それが歌にも表れているのだと思っています。歌を聴いてもらえたら、私の思いや、悩んだりしつつも頑張っているということも伝わると思いますので、ぜひその思いを受け取っていただけたらうれしいです。

<プロフィール>
【いまい・あさみ】5月16日生まれ。山口県出身。EARLY WING所属。2009年4月にソロデビュー。これまでに、シングル19枚、アルバム5枚、企画アルバム2枚をリリース。声優としての主な出演作は『シュタインズ・ゲート』シリーズの牧瀬紅莉栖役、『縁結びの妖狐ちゃん』暦雪揚役など。

<シングル「Believe in Sky」情報>
発売中
5pb.Records
10周年記念盤:3,024円、通常盤:1,944円
 声優・今井麻美のアーティスト活動10周年記念シングル。表題曲は、TVアニメ『ぱすてるメモリーズ』のOPで、今井にとって初のOPタイアップとなる。伸びやかな歌声が印象的で、さわやかさを感じさせる1曲だ。カップリングの「懐かしい街」はゲーム『夢現 Re:Master』のED。ほかにカップリングを1曲収録。10周年記念盤には、表題曲のMVなどが入ったDVDが付く。

10周年記念盤

通常盤

取材・文=野下奈生(アイプランニング)

《超!アニメディア編集部》
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