「生きていることの大変さと素晴らしさを教えてくれるゾンビアイドル」種田梨沙・河瀬茉希・田中美海に聞く『ゾンビランドサガ リベンジ』ベストアルバムとフランシュシュの魅力 | 超!アニメディア

「生きていることの大変さと素晴らしさを教えてくれるゾンビアイドル」種田梨沙・河瀬茉希・田中美海に聞く『ゾンビランドサガ リベンジ』ベストアルバムとフランシュシュの魅力

ベストアルバム『ゾンビランドサガ リベンジ フランシュシュ The Best Revenge』の聞きどころと作品の魅力を種田梨沙さん、河瀬茉希さん、田中美海さんにインタビュー。

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(左から)河瀬茉希・種田梨沙・田中美海
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 アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』の楽曲が収録されたベストアルバム『ゾンビランドサガ リベンジ フランシュシュ The Best Revenge』が、2022年9月28日(水)にリリース。本アルバムには、作中で流れた楽曲のフルバージョンほか、ゾンビアイドルグループ・フランシュシュが歌唱する新曲が3つ収録される。

 今回は、フランシュシュのメンバーである水野愛役の種田梨沙さん、紺野純子役の河瀬茉希さん、星川リリィ役の田中美海さんにインタビュー。作品を振り返ってもらいつつ、フランシュシュのメンバーが成長した今だからこそ歌える新曲について語ってもらった。

[取材・文:M.TOKU 撮影:吉野庫之介]


(左から)紺野純子役の河瀬茉希さん、水野愛役の種田梨沙さん、星川リリィ役の田中美海さん【画像クリックでフォトギャラリーへ】

築かれた絆と変わらない魅力

――『ゾンビランドサガ』『ゾンビランドサガ リベンジ』では、フランシュシュのメンバーたちが成長したり、変化したりする様子も描かれました。ここまでの物語を振り返ってみて、それぞれが演じるキャラクターはどのように変わったと感じていますか?

種田 愛は最初こそみんなを引っ張っていく立場でしたが、『リベンジ』ではみんなを頼るようになった気がします。それができるようになったのは、フランシュシュみんなが力をつけていく姿を見て、自分の未練を断ち切れたからじゃないかなと思います。純子に「自分がいない間、フランシュシュをお願いね」って言ったシーンは、それを象徴していたと思います。メンバーにデレる表情や、何かを優しく教える場面も増えて、だいぶ心を許したという印象がありますね。

河瀬 愛ちゃんは、もちろん今もみんなを引っ張らないと、という気持ちはありつつも、チームの一員であるという意識が強くなった気がします。みんなとの距離がグッと近くなって、同じ温度感やノリで色々なことをふざけられるようになりました。愛ちゃんが楽しそうに言葉を返してくれるようになったのが、演じる身としてもすごく嬉しかったですね。

田中 以前の愛ちゃんはアイドルに真剣だからこそ、素人が多いフランシュシュやゾンビになった自分が置かれている状況を受け入れられなかったと思うんです。それでも、愛ちゃんはフランシュシュの中心にいました。いろいろな困難を乗り越えていくうちにメンバーの結束力も高まって、愛ちゃんもみんなに背中を預けてくれるようになった気がします。信頼関係があれば困難を乗り越えて成長できるということを、彼女たちの姿を見て改めて学びました。

――続いて、純子の印象についてはいかがですか?

河瀬 純子は野外ライブを経て、メンバーのことを下の名前で呼ぶようになりました。あの時点で心の距離は近くなっていたと思うのですが、さらに活動を続けていくことで、メンバーが家族のような、親友のような存在になった気がします。一人で端っこに座っていた彼女はもういないんですよね。常に誰かの隣に座っているか、一緒に行動している。集団行動のなかにいるようになりました。モノづくりが上手ということも明らかになって、自分に向いているアルバイトも見つけました。彼女自身が変わったのはもちろん、いろいろな面でみんなの役に立てるようになったのも感慨深いですね。

種田 純子は本当に協調性が表に出るようになりました。感情をむき出しにする場面も増えたと思います。特に、愛がアイドルグループ・アイアンフリルの人と喋っているのを見たときに取り乱した姿は、最初の頃では考えられなかったんじゃないかな。メンバーとの絆が深まったからこそ、不安を言葉にできるようになったんだと思います。

河瀬 ゾンビになる前はソロアイドルとして活動していた彼女が、チームの誰かが抜けるのを嫌がる。それだけで大きく変わったことがよく分かります。

田中 協調性に加えて、積極性も出てきた気がします。最初はおとなしい印象のあった彼女が歌唱力でメンバーを引っ張ったり、みんなと一緒に行動したりしている姿を見ると、成長を感じますね。愛ちゃんがリーダーを任せたい、まとめ役を担ってほしいと思える存在に純子がなったのが、なんだか嬉しいです。親目線で勝手に彼女を見守っていました(笑)。

――リリィについては、何か成長などを感じましたか?

田中 リリィは生前から子役として表舞台に出ていたということもあり、物語の最初からプロ意識が高かったんです。だから、フランシュシュのなかでは一歩先を行っていたと思うのですが、物語が進むにつれてみんながリリィに追いついて、何なら抜かしていくこともあって。それに焦っていた訳ではないと思いますが、自分も何かやりたいという気持ちでオーディションに参加して、発信力を身に着ける努力をしました。そういう姿から、小さいなりにリリィもフランシュシュのみんなに感化されて、彼女たちを大切に思っているんだということが分かりました。

種田 リリィはしっかり度で言ったらフランシュシュでいちばんかも。(フランシュシュのプロデューサーである)幸太郎に対しても臆さず強気でガンガンツッコんでくれますし(笑)。かと言って、大人っぽすぎる訳でもないんですよね。子供っぽく甘えたり、みんなのことを信頼していると口に出したり、素直な姿も見せてくれます。フランシュシュを照らしてくれる一番星ですよね、リリィは。成長はしていますが、変わらない良さがいちばんあったのもリリィちゃん。リリィちゃんはリリィちゃんのままでいてくれるという安心感がありました。

河瀬 業界のいろいろなことを知っているからこそ、最初は達観しているような印象がありました。みんなより一歩先を見ていて、メンバーに業界のことや少し大人な考え方を教えてくれるようなこともあって。ただ、自分の弱い部分や秘密をみんなに知られてからは、年相応に甘えてくれるようになったと思います。以前は「リリィちゃん」というよりも「リリィさん」という感じでしたが、今は本当にかわいいフランシュシュの末っ子「リリィちゃん」。子供らしい部分がたくさん見られて、私は嬉しいです。リリィ頑張ったね、偉いよという言葉をかけてあげたいですね。

――ほかのメンバーが成長したからこそ、リリィが年相応に見えるようになったのかもしれませんね。

田中 確かに、そうかもしれないですね!

今だからこそ歌える自己紹介ソング

――続けて、今回リリースされるアルバムに収録される新曲について教えてください。まずは「We are Fran Chou Chou!」。

種田 この曲は、新曲のなかでいちばん最後に収録したんです。

河瀬 アルバムのリリースに合わせて開催された3Dバーチャルライブでも、この曲は最後に披露されたんです。最後に自己紹介ソングというのが逆にエモいなと思いました。

田中 この曲って、メンバーのみんなが作詞をしているんですよ。例えば、ゾンビィ1号・源さくらの紹介ソングは6号のリリィが考えています。それぞれがメンバーのことを思いながら作詞をしたと知ってから曲を聞くと、聞き方や見え方がちょっと変わるんじゃないかな。この曲の制作秘話をもっと詳しく知りたいですし、みなさんにも知ってもらいたいです!

河瀬 よく考えてみたら、4号の純子が5号のゆうぎりさんに「それでもいい あいうぉんちゅー」って言葉を贈ったんですね。頑張って韻を踏まなきゃと純子は考えたんでしょうけど、純子にしては珍しさと新しさがありました。

種田 こういうコロコロと曲調が変わる曲を歌ったことがなかったので、個人的には収録も、完成した曲を聞いていても楽しかったです。ラップパートもあるんですよ。

河瀬 ラップ部分は悩みました。収録時は不慣れな感じがいいのか、バッチリできたほうがいいのか、できたとしても声色はどうするのかなど、ディレクターの佐藤さんと協議を重ねたんです。最終的には「ラップのなかで喋り声と歌声を入れましょう」という話になり、冒頭はちょっとトーン高めで、そこからどんどん熱量を上げて歌うという方向性になりました。「もっとラップして!」「もっとカッコつけて!」とヒートアップしながらの収録は、すごく楽しかったです。

田中 純子は作中でラップしない組だったから、ここで披露するんだ、できるようになったんだと驚きました。

河瀬 確かに、あの時は端っこで立っていましたね。

種田 ゆうぎりがリリィのスキャットを歌うのもエモいよね!

田中 わかります! 3DバーチャルライブのMCでも言ったのですが、ゆうぎりさんは70枚くらいの便せんにリリィへの思いをしたためたらしいんです。さすがにその長さを歌詞にはできないから最初の冒頭2行とスキャットをやることになった、という背景があるらしくって。

種田 その手紙を読んだら絶対に泣いちゃう……。あと、0号・山田たえの「ダンダンダン」っていうリズムパートは、私たちの足音と手拍子を実際に収録して曲に取り入れているんですよ。

河瀬 以前に開催されたライブのときに、たえ役の三石琴乃さんの呼びかけに応じて、お客さんが体を使ってあのリズムを鳴らしてくれたことがあるんです。それを今度は私たちがやる。あのときの感謝をここでレスポンスすることができました。

田中 そういうところも含めて、本当にエモい曲ですよね。自己紹介ソングであり、フランシュシュの絆ソングでもある。最初の関係性のままでは、この曲は生まれなかったんじゃないかな。

種田 佐賀を大事にしているのが分かる歌詞もいい。

河瀬 確かに! 「佐賀から世界を撃ち抜け!」ってワードがいいですよね。

種田 最終的には宇宙まで行っちゃってるし(笑)。

田中 ですね(笑)。

河瀬 フランシュシュは佐賀を盛り上げるために蘇った子たちですからね。やっぱり、佐賀は入れないと。

田中 歌詞が本当にいい。フランシュシュが世界を明るく照らしてくれるようで、元気をもらえます。

フランシュシュは生きていることの大変さと素晴らしさを教えてくれる

――続いて「Beginning」。こちらは愛のセンター曲です。

種田 「『リベンジ』で愛のセンター曲はなかったんです」とスタッフさんに言われたとき、「あっ、『イカの魂無駄にはしない~小島食品工場株式会社社歌~』は愛のセンター曲じゃなかったんだ」と思いました(笑)。

河瀬・田中 (笑)。

種田 でも、愛のセンター曲をいただけたことは、素直に嬉しいですね。作品ファンの方が「この曲、90年代後半から2000年代前半に聞いたJ-POPっぽい」とコメントしているのを見かけたのですが、まさにその通りで! 私も最初に聞いたとき、(音楽制作の)エイベックスさんらしさ全開だなと思いました。

河瀬 この曲って、愛ちゃんが作詞しているんですよ。愛ちゃんが「愚かだと笑われても 一人じゃないから命を燃やし尽くせ!」って歌詞を紡いでくれたのが本当に嬉しい。みんなを信じてくれるようになったんだと、この曲を聞いて改めて思いました。

田中 この歌詞を見ていると、愛ちゃんがアイドルを続けていく葛藤や怖さなどを抱えていたことが、すごく伝わってきます。それでも、一緒に歩んでくれたフランシュシュがいたから、ここまでやってこられたというニュアンスの言葉が入っていることに感動しました。すごくかっこいいですが、泣ける曲でもあります。

種田 「すべてが今 ここから始まる」という歌詞からは、改めてフランシュシュとして頑張っていこうという熱意も感じました。フランシュシュって、精一杯生きている人間に響く歌詞が多いんです。ネガティブな感情を振り返りつつ最後は前向きに「飛び越えて舞い上がれ」と鼓舞してくれるこの曲は、まさにフランシュシュらしさが詰まった一曲に仕上がっていると思いました。

――愛のソロ曲ではないというところが、またいいですよね。

種田 そうなんですよね。みんなで歌っているというところに物語を感じます。

田中 1サビでは追っかけがないのに、2サビで他メンバーの追っかけがあるんです。あのパートを聞いていると、愛ちゃんのところにみんなが駆け寄っていくというストーリーが見えてきました。

種田 歌割りにもこだわりを感じました。その点にも注目しながら歌詞を咀嚼していただければと思います。

――対する「冒険ズンドコドン!」は、また毛色が異なる曲ですね。

河瀬 フランシュシュはこれまで色々なジャンルの曲を歌ってきましたが、最終的にここへたどり着いたんですね。

種田 アルバムに収録される新曲のなかで最初に楽曲データをもらったのがこの曲だったんです。戸惑いました(笑)。

河瀬 確か、私が最初にデータを受け取って、「新曲がきました。ズンドコドンだそうです」ってみんなに伝えたんです。そしたら、「ちゃんまき、君は何を言っているんだい?」という空気になりまして(笑)。そのあと、みんなもデータを受け取って「ちゃんまきが言っていることは本当だった!」って驚いていました。はい、そんな曲です。

種田 噂では、『ゾンビランドサガ』のプロデューサーさんにお子さんが生まれて、教育テレビを見るようになった結果、この曲の構想にたどり着いたとか。あくまで噂ですよ!

河瀬 でも、確かに子供たちも楽しめる曲ですよね。

種田 『リベンジ』のときは、物語中でも子供たちと意外に接点があったよね。

田中 ありましたね!

河瀬 これからさらに佐賀県を盛り上げていく子供たちと一緒に楽しめる曲で嬉しいですね!

田中 令和の子供たちにも刺激を与えていくフランシュシュ。

――でも、年齢も性別も問わず愛されるアイドルって、本当に素晴らしいですよね。

河瀬 ですね。誰も置いていかないアイドル。

田中 ぜんぶの世代をかっさらって、みんなで佐賀を盛り上げていこう!みたいな気概を感じます。

種田 子供に届くだけでなく、大人も忘れていた子供心が甦る曲じゃないかな。例えば、嫌なことがあって落ち込んだ日の帰り道にこの曲を聞いてみたら、きっとどうでもよくなりますよ。何なら「シュッポシュッポシュポ 次の駅」って小声で歌いながら電車に乗ったら、「明日もがんばろ」って思えるはず。

河瀬 確かに! ちょっと楽しくなれそうですね。

種田 最後にちゃんと「生きてるってすばらしいよ」「歌えば笑顔になるよ」って言っていますから。

田中 童心に帰って歌えば、心が救われるかも。

種田 お子さんがいる方はお子さんと一緒に歌ってみてほしいです。あとは着ぐるみと一緒に歌ってみたいですね。ゾンビの着ぐるみとか。

田中 怖い(笑)。

河瀬 MVがあったら、衣装は歌のお姉さんっぽいものになるかもしれないですね。

――いろいろと展開が楽しみな一曲ですね。本日は貴重なお時間をありがとうございました。最後に、今のフランシュシュをアピールするとすれば、みなさんはどういうアプローチをするか教えてください。

種田 彼女たちはゾンビ。一度死んでいるんです。そのことを念頭に置きながら曲を聞くと、歌詞がさらに心に響くんですよね。これは他のアイドルさんにはない魅力じゃないかな。

田中 一度死んだ彼女たちが頑張って生きて、アイドル活動をやっているという姿はすごく輝いて見えます。彼女たちを見ていると、「明日も頑張ろう」って思えるんですよね。みんな死んじゃっているのは悲しいことだけども、そこを力に代えることができるアイドルグループがフランシュシュ、そして『ゾンビランドサガ』だと思います。

種田 本当に、生きていることの大変さと素晴らしさを教えてくれるアイドルだよね。

河瀬 ですね。今回のアルバムで自己紹介ソング、平成っぽい曲、教育系と、新たなジャンルの曲がフランシュシュに増えました。もうほとんどのジャンルを制覇したような気がします。なので、みなさんにも刺さる曲が1つはあるはず。つまみ食いでもいいので、ちょっとでも興味を持っていただけたら嬉しいです!

アルバム『ゾンビランドサガ リベンジ フランシュシュ The Best Revenge』リリース情報
発売日:2022年9月28日(水)
金額:3,850円(税込)
収録内容
1.ChouChouture
2.REVENGE
3.We are Fran Chou Chou!
4.大河よ共に泣いてくれ
5.風の強い日は嫌いか? FranChouChou cover
6.目覚めRETURNER (Electric Returner Type "R")
7.Beginning
8.激昂サバイブ
9.ぶっちゃけてフォーユー
10.光へ(with7号ver.)
11.冒険ズンドコドン!
12.追い風トラベラーズ
13.夢を手に、戻れる場所もない日々を
14.イカの魂無駄にはしない~小島食品工場株式会社社歌~
15.佐賀がサガであるために~テーマ~
16.佐賀がサガであるために~ジングル~
17.breath of SAGA
18.風の強い日は嫌いか?
19.50と4つの忘れ物
20.STOMP!!!!!
21.NOPE!!!!!
22.リトルパラッポ
23.目覚めRETURNER (3号ソロver.)
24.命
25.今日はカレーだイェイイェイイェイ
26.Showdown
27.夕さりの露
28.激昂サバイブ(Complete Edition)
29.Never ending saga

※商品の収録内容、仕様、特典は予告なく変更になる場合がございます。

(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会

《M.TOKU》
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