堀内まり菜、『はたらく魔王さま!!』ED曲「水鏡の世界」への想いとは――「未来にある希望を感じて、勇気をもらえました」 | 超!アニメディア

堀内まり菜、『はたらく魔王さま!!』ED曲「水鏡の世界」への想いとは――「未来にある希望を感じて、勇気をもらえました」

雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。
2022年9月号には、TVアニメ『はたらく魔王さま!!』EDテーマ「水鏡の世界」で初タイアップを務める声優アーティスト・堀内まり菜が登場。

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堀内まり菜(アーティスト写真)
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アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。
2022年9月号には、TVアニメ『はたらく魔王さま!!』EDテーマで初タイアップを務める声優アーティスト・堀内まり菜が登場。

本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

■陽だまりのようなシングルになりました

――「水鏡の世界」はテレビアニメ『はたらく魔王さま!!』のエンディングテーマです。ソロでのタイアップは初めてになりますね。
プロデューサーの方からタイアップのお話を聞いたのですが、あまりにもさらっと言われたので驚きのほうが強かったです。小さいころからアニメが好きで、いつかアニメの主題歌を歌いたいと思っていたので、喜びの気持ちでいっぱいになりました。

――『はたらく魔王さま!!』という作品への印象は?
タイアップのお話がをいただいてからアニメ1期を一気見したのですが、シリアスなシーンとコミカルなシーンのギャップがおもしろいなと感じました。それぞれ境遇や立場が違うキャラクターたちが、お仕事を通じて支え合ったり切磋琢磨したりしながら寄り添っていく。絆が結ばれていく物語に、すごくやさしい気持ちになれました。

――EDテーマにはどんなイメージがありましたか?
毎話最後を締めくくる曲なので、聞いている人を包み込むような、背中を押してくれる温かいイメージがありました。

――「水鏡の世界」の曲を聞いたときの感想は?
すごく温かい気持ちになりました。それでいて、聞いていくうちにどんどん新しい物語が広がっていくような感覚があったんです。ここで終わらない、未来にある希望を感じて、勇気をもらえました。

――歌詞でも希望を感じますね。
そうなんです! 人には言えない孤独みたいなものって、誰しもあると思うんですね。そういうモヤモヤを抱えていても笑うたびに新しい光が見えると歌っているので、いろんな立場の人との絆を伝える『はたらく魔王さま!!』という作品のテーマにも通じるものがあると思います。

――レコーディングでは、どんなことにこだわりましたか?
まず、nano.RIPEのきみコさんと佐々木淳さんが作ってくれた歌詞と曲を自分のなかに落とし込むことを考えました。メロディを付けずに歌詞を何度も声に出して読んだり、相手に話しかけるようにしてみたり。メロディに関しては、ラララだけで口ずさんでみて、音が上がるところはどんな感情なのかなと分析もしました。歌詞に出てくる「あの子」をもうひとりの自分に置き換えて練習したので、実際のレコーディングでは、2人の自分が重なったような、ひとつになれる喜びを感じながら歌うことができました。たくさんの方に向けるというよりは、隣の人に寄り添えるような歌にしたかったので、あまり大声で歌わないように、ひとりよがりにならないことを強く意識して歌いました。

――nano.RIPEの2人からは、どんなディレクションがありましたか?
きみコさんからは「大サビの部分を一番伝えたいので、なりふり構わずに『あの子』を救うような一直線の思いを込めてほしい」とアドバイスいただきました。私もnano.RIPEさんのライブから、いつも強さを感じていたので、その強さを込めるつもりで歌いました。

――レコーディングで難しかったところはありましたか?
距離感です。2番のBメロはとくに聞く人の隣にいる感じを強くしたかったんですが、ディレクターの方から「やりすぎると声がか弱くなってしまう」と言われて。逆に、声を響かせようとすると今度は距離が遠くなってしまうので、そのさじ加減が大変でした。最終的には、隣に座りながら相手の目を見るイメージで歌いました。少しずつ音が上がっていく旋律なので、一緒に手を引きながら前に引っ張っていくような気持ちを込めつつ、力強さと包み込む思いを両方バランスよく表現できたと思います。

――テレビサイズとフルサイズでは、また少し感じ方が変わりますよね。
そうですね。テレビサイズのなかに、どれだけ表現が組み込まれているのかを痛感しました。フルサイズだと、ラストのサビが個人的にお気に入りです。触れられないけれど、それでも寄り添えるというところに落ち着く流れがとても好きなので、ぜひ聞いてほしいです。

――ミュージックビデオは、『オズの魔法使い』のイメージだそうですね。
ダンサーの方がライオンとブリキの人形役を担当してくれています。3人でパーティを開いて紅茶を飲むシーンがあるんですが、じつはちゃんと振り付けがついているんですよ。また、湖の真ん中はヘアメイクさんが近寄れないので、自分で髪形を直しながらの撮影でした。前日からスタッフの皆さんがたくさん準備をしてくれたので、楽しく撮影できました。

――カップリング曲の「私たちだけの森」は、新津由衣さんと堀内さん共同での作詞・作曲ですね。
由衣さんとは、ファーストアルバム『ナノ・ストーリー』でもご一緒していて、脳内で描いているイメージがすごく一致するんです。それもあって今回も一緒に作ることになりました。

――どんなテーマで作ったのですか?
今年の2月にファーストライブを行って、その日に感じたことを曲にしました。有観客のライブだと、聞き入ってくれる方はもちろん、泣いたり笑ったり、いろいろな受け止め方をしてくれるんだと発見も大きかったですね。これまでもSNSやお手紙で皆さんからメッセージをいただいていたけれど、実際にライブで顔を見たからこそ感じた楽しさを表現したくて、私から皆さんに向けて、音符で手紙を書くような感覚で詞を作っていきました。曲に関しては、もともとカントリーっぽい音楽が好きだったので、ライブのあとに森で打ち上げをしているようなイメージで作りました。

――制作するときは、歌詞が先ですか?
だいたい歌詞が先ですね。私がおおまかな歌詞を作り、それを由衣さんに見てもらって話し合いながら仕上げていくんです。曲は歌詞を作りつつ、口ずさみながらピアノを弾いたりして形にしていく感じです。1コーラス作って、曲のイメージを伝えてそれを取り入れてもらって、また作るという繰り返しでした。

――歌声はラフな印象でした。
この曲はまさにラフな歌い方をしたかったんです。レコーディングのときは洋服をデニムにしたり、メイクも変えたりしてまず雰囲気作りをしました。歌うときは、自分も皆さんも動物になって森に集まり、みんなでパーティをするような感覚で。足を組んでギターを弾いて「みんなで歌おうよ!」と誘うような歌い方を意識しました。ライブで皆さんがペンライトを振ってくれた光景も歌詞で表現しているので、そこを感じてもらえたうれしいです。

――1stアルバム、1stシングルとリリースしましたが、今後のアーティストとしての目標を教えてください。
私は星や星座、神話が好きなので、プラネタリウムでライブをしてみたいです。2月のライブで、皆さんと直接お会いして音楽を楽しめる時間のありがたさを改めて感じたので、たくさんライブができるといいなと思っています。今回のシングルは、合いの手を入れられるところもたくさんあるので、ライブで皆さんにもやっていただけるとうれしいです。ライブで絆を深めていきたいです!

――このシングルは、自分にとってはどんな1枚になりましたか?
私は音楽を通して皆さんと笑顔になれたらと思っているのですが、それを表現した、私にとって陽だまりのようなシングルになりました。いまの自分に表現できるすべての思いを込めたので、この曲を聞いて前を向いて、またがんばろうと思ってもらえたらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

■Profile
堀内まり菜(ほりうち・まりな)/4月29日生まれ。東京都出身。Apollo Bay所属。
「ちゃおガールオーディション2007」に入賞し、小学館「ちゃお」のモデルとして活躍。2010年より成長期限定ユニット「さくら学院」のメンバーとして活動後、2021年にソロアーティストデビュー。現在は声優アーティストとして幅広く活躍中。

■Information
「水鏡の世界」の発売を記念して、9月3日に“1対1”オンラインおしゃべり会を開催。
参加方法などの詳細は、公式webサイトをチェック。

■「水鏡の世界」
発売中
バンダイナムコミュージックライブ
1320円(税込)

表題曲はテレビアニメ『はたらく魔王さま!!』のEDテーマ。第1期『はたらく魔王さま!』のEDを担当したnano.RIPEが楽曲を提供しており、堀内の澄んだ歌声と未来への希望を感じさせる爽やかなナンバーに仕上がっている。カップリング曲「私たちだけの森」は、堀内とシンガーソングライター・新津由衣【にいつゆい】が共作で作詞・作曲を手がけたポップチューン。

TVアニメ『はたらく魔王さま!!』EDテーマ 「水鏡の世界」
¥1,320
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

メガミマガジン2022年9月号 [雑誌]
¥1,137
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《アニメディア編集部》
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