峯田茉優“自分の好きが詰まった1stミニアルバム”―『WHO ARE ME?』リリース記念インタビュー | 超!アニメディア

峯田茉優“自分の好きが詰まった1stミニアルバム”―『WHO ARE ME?』リリース記念インタビュー

アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年9月号には8月2日にデビューミニアルバム『WHO ARE ME?』をリリースした峯田茉優が登場。

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アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年9月号には8月2日にデビューミニアルバム『WHO ARE ME?』をリリースした峯田茉優が登場。



本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

喜怒哀楽が詰まった濃厚な1枚になりました


――昨年11月のバースデーイベントでアーティストデビューが発表されましたが、最初に話があったのはいつごろでしたか?

 昨年の5月だったと思います。ちょうど友達とご飯を食べていたときに、マネージャーさんから連絡があったんですが、唐突すぎて驚きました。事務所に所属したばかりのころから、いつかアーティストとして歌いたいと話をしていたのでやっとお話があったという気持ちもあったのですが、それよりもやっぱり驚きが大きかったですね。その後、事務所で「本気でやりたいと思うなら考えましょう」と言われたのですが、その場でやりますと即答しました(笑)。

――アーティストデビューにあたり、どんな曲を歌いたいと思いましたか?

 もともとLiSAさんやJAM Projectさんが大好きだったので、ロック系の曲を歌いたい気持ちがありました。また、中学時代からボーカロイドを聞いていて、電子音やボカロ系の曲も掛け合わせられたらと思っていたんです。今回全6曲収録でいろいろな曲を歌えるということもあり、打ち合わせで自分が好きな曲についてもたくさんスタッフの方に伝えました。

――曲については自分で選んでいったのですか?

 歌いたい曲を伝えて、それに合わせて作ってもらいました。どの曲もテーマや希望を出しましたが、なかでもリード曲の「WHO ARE ME?」は一番ワガママを言わせてもらいました。

――それぞれの曲についても教えてください。まずは「WHO ARE ME?」から。

 ロックとボカロを融合したような曲になるといいねというところからのスタートでした。私が強い女性を好きということもあり、我が道を行くような、それでいてついてこいって引っ張っていくような曲がいいなと思ったんです。それから、今回のアーティスト活動で初めて峯田茉優を認識した人にもスルーされないような、インパクトのある曲をお願いしました。

――ものすごくパワーを感じる曲ですよね。

最初にデモをもらったときは、うれしさよりも悔しさが勝っちゃったんです。というのも、私の好みにドンピシャだったから(笑)。私ってこんなにわかりやすい人間なんだと思って、悔しくもありうれしくもあり、みたいな感覚でしたね。タイトルは作詞家さんが考えてくれたのですが、アーティストデビュー1曲目ということもあり、未知数である峯田っぽさが出ているなと感じています。あと、曲とはまったく関係ないのですが、私の自己紹介持ちネタが「だーれだ? みーねだ」って言うので、その雰囲気も感じられてうれしかったです。歌詞に入っている「番長」は、ずっと応援団長をやってきた「長」である自分を感じるし、「だ」を繰り返す歌詞も「だまゆ」という私のニックネームっぽさが出ていて、すごく私らしいんですよね。サビ前の歌詞を一部自分でも書かせてもらったのですが、意味よりも聞いていて気持ちがいい音を重視して書いたので、ドライブなどで盛り上がりながら聞いてもらえたらうれしいです。

――「WHO ARE ME?」のレコーディングはどうでしたか?

 難しかったです。1曲目からこんなに難易度が高いのかと思っておののきました。2番の頭にはラップも入っているし、しかもすごく早口なんですね。歌詞がギュッと詰め込まれていて、実際にイベントで披露したときも噛まないようにするのに必死でした。でも、難しいことに挑戦するのは楽しいし、冒頭でシャウトを入れたのは私からの案だったので、すごく刺激を受けるレコーディングでした。個人的に、私の理想が強い女性なので、この曲が峯田らしいと言ってもらえると、自分の理想に近づけたような気がして、初めての曲がこれでよかったなと思います。

【峯田茉優】「WHO ARE ME?」MV short Ver.
――2曲目の「最高以外最低」もテンポの速い曲ですよね。

 もともとEDMやダンスミュージックが好きなので、その系統でお願いした曲です。「WHO ARE ME?」よりはちょっと弱々しさがあるというか、タイトルどおりの思考をしている歌ですね。「WHO ARE ME?」を感情と勢いで歌っているぶん、「最高以外最低」は機械っぽさを出したくて、感情をできるだけ抑えて歌いました。でも、どうしても感情を入れたくなってしまってそれが大変でした。サビのなかにあえて聞き取れなくてもいいかなと思うような歌い方もしているので、そこをどう歌っているのかはぜひ歌詞カードでチェックしてください。

――3曲目の「この指止まれ」は、峯田さんの作詞・作曲ですね。

 いつかボカロ曲を自分でも作りたくて、2年ぐらい前から考えていた曲を自分用に作り替えました。なので、この歌詞は峯田の心情なんじゃないかとか、考察をしないでほしいんです。

――ちょっとダウナーな歌詞ですよね。

 いい歌詞が思いつくときって、ちょっと気持ちが落ちているというか、明け方とかだったりするんですね。この歌詞も確か朝5時くらいに思いついたんです。「この指止まれ」というタイトルには、一緒に行動する人を集める意味と同時に手の震えが止まるようにという意味合いもあるのですが、といって自分に何かあるわけではないんですよ。個人的には魂の重さと言われる「21グラム」を歌詞に入れられたことがうれしいです。それから、無理して笑っているという表現がビジネスポジティブと言われる私っぽさを感じるのかなと思いますが(笑)、あくまでボカロが歌う暗い曲が好きなだけで、私の話ではないです!

――自分で作詞、作曲するときはどんな楽器を使いますか?

 楽器は使わず、メロディーをボイスメモに録音していきます。それをそのまま渡して編曲していただく、みたいな感じですね。唯一、ピアノは3歳から習っていたので、ピアノのスマホアプリを使うことはあります。

――4曲目の「うそつき」は、引き込まれるバラードナンバーです。

 この曲は本当に報われない人の歌です。最初にワンコーラスだけ曲をいただいたときに、水のイメージが浮かんだんです。水のなかで動きづらくなっちゃう、その抵抗感が失恋にピッタリだなと思って、そのイメージで作詞をしてもらいました。私はとにかく影響を受けやすくて、すぐ悲しくなっちゃうのですが、この歌の主人公が本当に気の毒だなと思いながら感情を込めて歌いました。

――5曲目の「アイシダイ」は一転してパーティーっぽい歌ですね。

 この曲は、とにかく中毒性のある曲をお願いしました。恋愛の曲にしたかったのですが、じつは私、無機物や重機が大好きなんですね。それもあって恋愛曲のはずなのに、無機物の推しへの愛を歌った曲になって、ちょっとヘンタイ感が強くなりました(笑)。TikTokで踊りながら歌ってもらえたらと思って作っていたのですが、どちらかというと平成の投稿サイトの雰囲気になりましたね。歌詞は作詞家さんにお任せだったのですが、2番のAメロは私が手を入れさせてもらいました。無機物好きとしてのこだわりを感じてもらえると思います。

――なぜそこまで無機物が好きなのですか?

 心がないからです(笑)。心がないということは、一方的な愛を向けられるんですよ。人間って、物心が付いたらいい記憶もイヤな記憶も持っちゃいますよね。でも、無機物にはそれがない。無機物は愛を知らないと言われるかもしれませんが、愛は私が補っているので大丈夫です!

――掛け合いもできそうな歌詞ですし、落ちサビのシャウトもインパクトがありますね。

「ハオ!」という掛け声は、普通にコールとして収録しましたし、シャウトは完全にオタクの絶叫なので、実際にライブで歌ったら一番盛り上がる曲なんじゃないかなと思います。ぜひ、皆さんも聞く機会があればそのときは「ハオ!」と言ってもらえたらうれしいです。あと、個人的なこだわりはラストの「底」を繰り返したパート。とにかく声の味付けを濃いめにしたらプロデューサーに「汚い声」って言われましたが(笑)、それがいいとも言ってもらえたので、ぜひ濃い味にハマってほしいです。

――ラストを飾るのは、「ENTR'ACTE」。

「アントラクト」と読むのですが、これはオペラ用語で幕間に流れる曲のことなんです。ラストの曲は、次への期待を持てるような前向きな曲にしたかったので、このタイトルにしてもらいました。私が大好きなMr.Childrenさんのような曲をイメージして作ってもらったので、気持ちも乗せやすかったです。私自身も歌っていて勇気がもらえましたし、レコーディング中も自然と笑顔になれた、不思議な魅力が詰まった曲なので、元気のないときに聞いてみてください。

――全6曲、すべて新曲でレコーディングをした感想は?

 高音が弾けるように出せるのが私の長所だと思っているのでその音が活かせたのがうれしいです。また、バラードはあまり歌ったことがないジャンルだったので、難しいなと思いつつ、お芝居でも使えそうな表現を発見できました。以前、あるアーティストさんが「ダンスでどの瞬間を切り取られても絵になるように動いている」とおっしゃっていたんですね。私もそれを意識して、どこを切り取っても印象に残るような歌い方を心がけて、クセも強めにしました。今後、そのクセの付け方が峯田らしいと思ってもらいたいし、この曲は峯田しか歌えないと思えるような曲も歌っていきたいなと思っています。

――今回収録の6曲のなかで、いまの峯田さんっぽい曲は?

「ENTR'ACTE」です。いつかは自分でも前向きな曲の作詞をしたいと思っていますし、そういう曲をお届けしたい。そんな気持ちが詰まっているので、一番峯田らしいと思います。

――では、いまの峯田さんにとってのチャレンジ曲といったら?

「うそつき」かなぁ……? じつはレコーディング前に「この曲の主人公の気持ちになるために、一番気に入っている服を燃やせばいいよ」ってプロデューサーから言われたんです(笑)。もちろん燃やしませんでしたけど、そのぐらい気持ちを作り込まないといけない曲で、自分とはかけ離れたところが大きかったんですね。また、「うそつき」はミュージカル女優になったような気持ちで歌ったので、ふだんの峯田と比べたら差が大きいという意味で、チャレンジ曲です。

――MVやジャケット写真は、ギラギラとしたイメージが強いですね。

 もともとビビッドなカラーが好きで、衣装はそれを伝えて作ってもらったのですが、本当にイメージにピッタリでした。MVのスタジオもかわいくてカラフルでポップ。撮影の日は一日中テンションが上がりっぱなしでした。MVは、全部スタッフさんに任せたら、またもや私好みの作品になりました(笑)。MVも峯田らしいと思いながら見てもらいたいです。

――いまの峯田さんにとって、ミニアルバムはどんな1枚になりましたか?

 超理想どおり……いえ、それ以上の1枚です。ここまで自分の好きなものやワガママを詰め込んでもいいんだとビックリしましたし、感謝の気持ちでいっぱいです。私にとって宝物の1枚ですから、ぜひ皆さんにとっても宝物になったらうれしいです。ミニアルバムの制作は初挑戦ばかりでしたが、曲のバリエーションも豊富で、聞いていただければ絶対好きな曲が1曲はあります。喜怒哀楽が詰まった濃厚なミニアルバムなので、聞いて後悔はさせません。皆さんの日常に彩りをお届けできたら幸いです。



取材・文/野下奈生(アイプランニング)

■Profile
みねだ・まゆ/11月28日生まれ。長野県出身。ヴィムス所属。本ミニアルバムでアーティストデビュー。声優としての主な出演作は『アイドルマスター シャイニーカラーズ』八宮めぐる役など。

■Information
9月16、17日に長野県佐久市の駒場公園にて開催される『ナガノアニエラフェスタ2023』の16日公演に出演が決定。参加方法などの詳細は、『ナガノアニエラフェスタ2023』公式webサイトをチェック。

■『WHO ARE ME?』
8月2日発売
ドリーミュージック

初回限定盤3300円(税込)
通常盤2200円(税込)

峯田茉優のアーティストデビューミニアルバム。全6曲収録で、自身が作詞・作曲を手がけた「この指止まれ」ほか、全6曲収録。初回限定盤には、「WHO ARE ME?」のミュージックビデオ(MV)やオフショット映像を収録したM-CARDを同梱する。



WHO ARE ME?〔初回限定盤(CD+M-CARD)〕
¥3,300
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
WHO ARE ME?〔通常盤〕
¥2,200
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《超!アニメディア編集部》
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