『終末のハーレム』で感じた切なさを歌詞に。EDテーマ曲「ENDiNG MiRAGE」を歌唱するEXiNA【インタビュー】 | 超!アニメディア

『終末のハーレム』で感じた切なさを歌詞に。EDテーマ曲「ENDiNG MiRAGE」を歌唱するEXiNA【インタビュー】

TVアニメ『終末のハーレム』のEDテーマ曲「ENDiNG MiRAGE」をリリースするEXiNAにインタビュー。

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 アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2021年12月号には、TVアニメ『終末のハーレム』のEDテーマ曲「ENDiNG MiRAGE」をリリースするEXiNAが登場。本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。


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――『終末のハーレム』のED「ENDiNG MiRAGE」は、重みのあるサウンドが印象的です。
 EDということで、まず、どのぐらいのテンション感にするのかを考えました。私がロックを好きでずっとやってきたこともあり、ロック調であることは外せない。でも、せっかくのEDだから激しい曲調よりは、ミドルテンポで歌詞の心情に注目してもらえるほうがいいよね、と制作チームで話し合って、今回の曲調に決まったんです。

――歌詞のテーマは「失恋」。EXiNAとして、このテーマで作詞をしたのは初めてだそうですね。
 テーマは原作を読んでから決めたのですが、すごくセクシーな作品である一方、女性の目線で読むと物語のなかに切なさを感じる部分がたくさんあったんです。『終末のハーレム』は、世界に残された、たった5人の男性と、彼らに選ばれた女性とが、人類を存続させるためにメイティング(子作り)をするという物語。メイティングが一番大切であるという設定ですが、相手の男性をメイティングと関係なく「好き」になってしまう乙女心も描かれていると感じて、その切なさを歌詞にしたかったんです。タイトルには、ヒロインの周防美来から取った「ミラ」を入れましたが、彼女の思いだけではなく、女性キャラクターそれぞれが抱える複雑な思いに迫りたいなと考えて作詞をしていきました。

――レコーディングで大切にしたポイントは?
 歌詞で心情を表現したので、声でそれをより強く表したかったんです。私の声質は、かわいらしさからはちょっと遠いのですが、それを生かして、感情の暗い部分、深さを表現できたらと思い、普段の会話では見えない、女の子の内側に潜む感情を形にするようなイメージで歌いました。

――全体を通して、とくに気に入っているところは?
 2番のBメロに「人狼」というワードが出てくるんですが、曲にすごくマッチしたなと感じています。オオカミって、私は孤独の象徴だと思っているんです。日本には一匹狼というワードもあり、オオカミ男の物語も、どこかもの悲しさがある。自分の本当の姿を隠していることを表現できたワードになったなと思います。

――今回、EXiNAさん自身も、ギターでレコーディングに参加していますね。
 
はい。サウンドプロデュースをしてくださったKasho Daikiさんが、「音楽を一緒に楽しもう」というスタンスの方で、「絶対にできますよ」と誘ってくれたんです。これまで熟練のプロの方の演奏を聞いてきているので自信はありませんでしたが、せっかくの機会なのでと参加をしました。実際、自分でもいい音が鳴らせていると思えましたし、自分の可能性を感じることもできました。

――初回生産限定盤には「ENDiNG MiRAGE」のピアノバージョンも収録されます。
 1枚のシングルに同じ曲を違うバージョンで収録するのが初めてだったので、すごく新鮮でした。同じメロディで、同じ歌詞なのに、違う表情を見せられるいい機会をいただいたと思っています。レコーディングでは、ピアノにどんな声を乗せたら気持ちよく響くかを考えて、歌い方も意図的に変えています。息づかいやクライマックスの切ないパートは、オリジナルと大きく違っているので、両方を聴き比べて楽しんでほしいです。

――カップリング曲の「CARPET」は、どんなふうに作っていきましたか?
 この曲は、サウンドのイメージをDaikiさんに伝えて曲を作ってもらい、その後は私が自由に作詞をしていきました。歌詞のテーマは、「ペット」です。私はフェレットを飼っているんですが、自分としてはすごくかわいがって、愛を注いでいるつもりですし、自分もフェレットから好かれていると思っている。でもペットにするって、自由を奪っていることだから、人間が勝手に幸せだと捉えているだけなのかもしれない。そう考えて、ペットは飼い主に何を感じているのかを軸に、ややダークなイメージで作詞をしました。自分としてはなかなかないテーマだったので、新しいことに挑戦できた気がしています。

――確かに、ペットにすることは、檻に入れて閉じ込めているとも取れますね。
 そうなんです。だから、「檻」と書いて「いえ」と読ませているんです。ハウスっていうけど、そこが檻だと思うと、ペットと飼い主の関係って、かなり複雑ですよね。

――この曲もギターでレコーディングに参加していますね。
 レコーディング直前に、「ソロを弾いてみれば」と提案があったんです。「ENDiNG MiRAGE」のときは、リードではなくバッキングだったのでいけるかなと思ったんですが、ソロと言われて本当に自信がなくて。でも、実際のレコーディングは2回で終わっちゃいました。スタッフの皆さんが「いいじゃん」っていってくれて、私もまんざらでもなく、できるじゃん、みたいな気持ちになりましたね(笑)。

――また、初回生産限定盤には「吹雪」、通常盤には「DiViNE」の弾き語りバージョンが収録されます。
 まず、2曲のほかに自分のエッセンスが強烈に強いものを入れたいと思っていて、それなら私のルーツになる、弾き語りだろうと思っていたんです。正直、このシングルに入れる予定ではなかったんですが、スタッフの方から、「やっちゃおうよ」と提案をもらい、思い切って入れることにしました。「吹雪」は西沢幸奏としてのデビュー曲なので、そのころから応援してくれている人に、EXiNAの曲にも触れてほしいという気持ちがあって選びました。「DiViNE」は直近の曲ですが、以前、配信イベントで歌ったピアノバージョンがすごくハマったんですね。それなら弾き語りもいけるだろうと思ったら見事にハマり。こちらは新しいファンの方々が聞いても楽しんでもらえるのではないかという気持ちもあって選曲しました。

――ジャケットは、オオカミの被り物が目を引きますね。
「ENDiNG MiRAGE」を作ったときに、ずっとワインレッドのイメージがあったんですね。なので、その色を前面に押し出しました。それから、衣装では孤独を表現したくて、歌詞で書いたオオカミからインスピレーションを得て被り物に。本物を連れてくるというアイデアもありましたが(笑)、それはさすがに実現しませんでしたね。


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――では、最後に読者にメッセージをお願いします。
 
最後までインタビューを読んでくださってありがとうございます。『終末のハーレム』のEDテーマをきっかけに、EXiNAのことを知った方もいると思います。私は作品に寄り添いつつ、ギターサウンドや言葉を大切に音楽を作っていますので、もし興味を持ってもらえたら、今回のシングルと合わせて、ぜひ、これからも私の曲をチェックしてみてください。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

プロフィール
EXiNA
【イグジーナ】SACRA MUSICで始動した西沢幸奏のソロプロジェクト。2月23日生まれ。T’s Crime所属。2015年にメジャーデビューを果たし、2019年夏からEXiNAとして活動をスタート。EXiNAとしては、これまでにシングル1枚、デジタルシングル5枚、デジタルアルバム1枚をリリースしている。

「ENDiNG MiRAGE」リリース情報
 EXiNAのニューシングルは、テレビアニメ『終末のハーレム』のEDテーマ。重厚なミドルバラードで、恋を失った女性の切ない心情を歌い上げる。初回限定盤には同曲のMVのほか、アニメのノンクレジットエンディングを収録したBlu-rayを同梱。

発売日:2月9日(水)
レーベル:SACRA MUSIC
価格
初回限定盤2090円(税込)
通常盤1430円(税込)

(C)LINK・宵野コタロー/集英社・終末のハーレム製作委員会

《M.TOKU》
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