和氣あず未、4thシングルは「日常」を全4曲で表現【インタビュー】 | 超!アニメディア

和氣あず未、4thシングルは「日常」を全4曲で表現【インタビュー】

アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。2021年7月号には、シングル「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」をリリースする和氣あず未にインタビュー。

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 アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。2021年7月号には、シングル「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」をリリースする和氣あず未が登場。本webサイト「超!アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。

――「Viewtiful Days!」は、テレビアニメ『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』のエンディングテーマ。ポップで明るい気持ちになれます。
 エンディングテーマになると聞いて、曲を聞く前はアニメをしめくくるしっとりしたイメージを持っていました。でも、この曲はオープニングテーマにも負けないくらい元気。このアニメが持つ明るさや温かさも表現していて、作品にピッタリだなと感じました。

――タイトルは、「Beautiful」ではないんですね。
「美しい日々」と「眺める(見つめる)日々」というワードがかけ合わさっているんです。きっと意味が気になって目にとまる方も多いと思います。

――レコーディングでのこだわりを教えてください。
 少しでも多くの方の耳に残るような曲になったらと思ったんです。それもあって、心の底から楽しんでいることが感じられる歌にできたらと考えながらレコーディングをしました。曲も歌詞もすごくテンションが高くてストレートな表現をしていたので、どうやって歌ったらいいかと悩むことはなく、素直に楽しい気持ちをぶつけて歌えました。

――とくにお気に入りのポイントは?
 全部好きなんですが、2番の最初に「サプライズはほどほど」というワードが出てくるんですね。私自身、サプライズという非日常も好きですが、それ以上に家でゴロゴロとゆっくりするのが大好きで。家でのんびりしているほうがより幸せを感じられるので、「ほどほど」というワードにすごく共感できて、とくに気に入っています。

――和氣さんは、『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』にフラットルテ役で出演しています。作品には、どんな印象がありますか?
 普通の女性が過労死をして異世界転生をしたという物語ですが、リアルさと非現実さのバランスがよく、すごくおもしろいです。主人公のアズサさんは、前世を省みて異世界ではスローライフを送ろうと決意している。でも、レベルMAXの強い魔女になってしまったので、その噂を聞いてたくさんの人が戦いを挑みに来るんですね。その全員を倒してしまうけれど、みんなやさしい彼女を慕うようになり、どんどんほのぼのとした物語になっていって、すごく楽しいです。そんな作品にフラットルテとしてだけでなく、エンディングアーティストとしても参加できて、本当にうれしい限りです。

――フラットルテはどんなキャラクターですか?
 ブルードラゴンの女の子で、ちょっと脳筋です(笑)。最初はアズサやレッドドラゴンのライカに歯向かおうとするけれど、どんどん懐いてイヌっぽくなっていきます。感情をストレートに表現するかわいい子ので、ぜひ見ていただきたいです。

「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」初回限定盤

――「記憶に恋をした」は、ノスタルジックでちょっと切ない曲ですね。
 今回のシングルは「日常」をテーマにした4曲が集まっています。そのなかでも「記憶に恋をした」は、過去の恋愛を思い返す日常を描いているんですね。曲を聞いたときは、後悔をしているわけではないけれど、ふと懐かしさと楽しさを鮮明に思い出して、少し苦しくなるような歌だなと感じました。

――歌声は爽やかな印象です。
 過去の青春を思い出すイメージだったので、あまりネガティブに聞こえないように、爽やかさを感じられる歌い方を心がけました。一方で、昔よく待ち合わせで使っていた駅が、いまはもうなくなっている情景を表現した部分は、切なく歌ってほしいというディレクションがありました。時が経って変わってしまい、後戻りはできないということを表現したくて、私も胸が苦しくなるような訴え方を心がけました。

――ほかの2曲についても教えてください。まずは、「2030」から。
「2030」は、歌詞にマスクで口元を隠しているようなワードが入っていて、2020年から2021年の日常を表現しています。作詞・作編曲をしてくださったARAKIさんが、「コロナ禍が過ぎて以前のように戻るのは2030年くらいでは」という話を聞いたことがあるからということで、タイトルは「2030」になったそうです。歌の主人公はポジティブで、おうち時間をどうやって充実させようかとか、もっとかわいくなるためにがんばろうと考えていて、私とは正反対でしたね(笑)。私はどうしてもだらけちゃうので、この歌の主人公を見習わなきゃと思いながら歌っていきました。

――この曲は「Viewtiful Days!」に負けないくらいのポップさがありますね。
 私自身は、歌詞はポジティブだけれど、今の状況は決してポジティブとはいえないなと思ったので、どう歌ったらいいかちょっと難しさも感じていたんですね。でも、レコーディングに立ち会ってくださったARAKIさんが、「すごくポジティブに歌ってください」とディレクションしてくださって。
 リハーサル後の本番でも「この状況もいい方向に考えてください」とお話があったので、いまを楽しんでいる雰囲気を想像しつつ、好きな人にもっとかわいい自分を見てもらうんだという前向きさを込めて歌いました。テンション的には「Viewtiful Days!」に近いですが、「Viewtiful Days!」がほっとできる雰囲気なのに対して、「2030」はいまのハッピーを伝えたい気持ちが強いので、ポジティブさは「2030」のほうが強めに出ていると思います。

――もう1曲の「hopeless」は、気持ちが落ちている印象でした。
 ほかの3曲と違い、この曲はどん底の日常を歌っています。歌の主人公は心にぽっかりと穴が開いてしまっている。美しいメロディが苦しさを増すイメージだったので、苦しさを強めに表現したら、作詞の金子麻友美さんが「聞いている人が悲しくなってしまうので、苦しさは少なめで」とおっしゃって。本番では心を失って、何も考えられないくらいの気持ちで歌いました。前向きなだけが日常ではなく、苦しさも日常にはあるものなので、それは避けずに歌えたかなと思っています。「hopeless」まで聞いてくださったら、ぜひ「Viewtiful Days!」に戻って、心を癒やしてください。

――「Viewtiful Days!」ではミュージックビデオ(MV)も撮影されていますね。
 お料理やヨガ、ガーデニングなど、おうちでスローライフを送っているような映像になりました。MVの監督の方は、「あじゅじゅ(和氣の愛称)がやっていそうなことをイメージしました」とおっしゃってくださったんですが、じつはどれも全然やっていなくて(笑)。ヨガも、お手本の映像を見ながらマネをしただけなのに、フラフラになってしまったんです。そんなシーンもそのまま映像に残っていますし、ほかにも大笑いをしたりどうしたらいいのか迷っていたりする姿もあって、私の日常に近い姿が映ったMVになりました。

――ちなみに、おうち時間はどんなことをして過ごしていましたか?
 もともとゲームが好きなので、ずっとゲームをプレイしていました。でも、時間がありすぎるとやっぱり飽きちゃうんですよね。それからは、家で料理に挑戦しましたが、だんだんとお仕事ができるようになってからはまたやらなくなっちゃいましたね(笑)。

――アーティスト写真は、マスクが印象的です。
 2020年から2021年にかけて、みんながつけたものといえばマスクだと思うので、アーティスト写真ではおしゃれなマスクをつけて、ファッションの一部として楽しんでいる雰囲気で撮影しました。配信版のジャケットと、CDのバックカバーは不織布のマスクをバッチリつけています。これは、「マスクのせいで、あじゅじゅの顔が見えないじゃないか! いままでの日常って本当に素敵だったんだ」と感じていただきたいというスタッフの方のアイデアです。

――今回のシングルで、新しい挑戦はしましたか?
「hopeless」での感情のない表現は、これまでにはなかったことでした。過去、アルバムで「Tuesday」という失恋ソングに挑戦したときは、ネガティブな感情を歌うのは難しいなと感じていたんです。でも、「Tuesday」は、失恋への感情がはっきりと見えていたので、後悔の気持ちを歌に乗せられたのですが、「hopeless」はそれができなくて。心が空っぽになりながらも、しんどい気持ちは表現したかったので、そこは新しいチャレンジになりました。

――では、最後に読者にメッセージを。
 今回のシングルは「日常」がテーマなので、共感してくださる方もたくさんいらっしゃると思います。歌詞のなかには、こんな日常の過ごし方もいいなと思わせてくれるワードも多いので、ぜひそれぞれを聞いてポジティブになっていただきたいです。また、「記憶に恋をした」や「hopeless」では、切なさも感じつつ、それを乗り越えてこれからもがんばろうと思っていただけたらうれしいです。ぜひ、4曲ともじっくり聞いてください!

「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」通常盤

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

プロフィール
和氣あず未【わき・あずみ】9月8日生まれ。東京俳優生活協同組合所属。これまでにシングル3枚、アルバム1枚をリリース。声優としての主な出演作は、『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』フラットルテ役、『ウマ娘 プリティーダービー』スペシャルウィーク役など。

「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」リリース情報
 和氣あず未の4thシングルは、全4曲収録。「Viewtiful Days!」は、自身がフラットルテ役で出演しているテレビアニメ『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』のエンディングテーマ。スローライフを満喫する楽しさをポップなメロディと歌声で表現している。

発売日:6月16日(水)発売
レーベル:日本コロムビア
価格:
初回限定盤2200円(税込)
通常盤1650円(税込)

Information
「和氣あず未 1st LIVE -超革命的恋する音楽会-」は、東京・中野サンプラザにて7月18日(日)開催。昼公演15時開演、夜公演18時30分開演。詳細は公式webサイトをチェック。
《M.TOKU》
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