「ネガティブに感じるような歌詞でも、後ろ向きな気持ちは一切込めていない」和氣あず未に聞く「キミトノミライ」の魅力と自身の「ミライ」 | 超!アニメディア

「ネガティブに感じるような歌詞でも、後ろ向きな気持ちは一切込めていない」和氣あず未に聞く「キミトノミライ」の魅力と自身の「ミライ」

5rhシングル「キミトノミライ/Invisible stars」をリリースした和氣あず未にインタビュー。

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アーティストとしても活動する声優の和氣あず未が、2023年4月12日(水)に5rhシングル「キミトノミライ/Invisible stars」をリリースした。「キミトノミライ」は自身がフィナ役として出演するTVアニメ『くまクマ熊ベアーぱーんち!』のOPテーマ曲、もう一方の「invisible stars」は、真っ直ぐなメッセージが綴られた爽やかな一曲だ。そんな楽曲たちの聞きどころや、もし自身の「ミライ」が見えるならいつ頃の自分を見たいのか、お話を聞いた。

[取材・文:M.TOKU]

お客さんの笑い声を聞いたら「やっぱりこれだ!」って思いました

――先日、「2nd LIVE -STAY BEAUTIFUL-」が開催されましたね。声出しが解禁されたライブ。いかがでしたか?

 いま振り返ってみても「めちゃくちゃ楽しかった!」という気持ちでいっぱいです。あんなにもたくさんの人に「あじゅじゅ」って言ってもらえたのが、ほんとうに嬉しくて。ライブで歌いたいと思っていた楽曲たちを披露することもできたので、喜びがたくさん詰まったライブでした。

――和氣さんはアーティストデビューしてから割とすぐにコロナ禍に入って、ライブでの声出しができなくなったんですよね。

 そうなんです。ソロアーティストとしての声出しOKイベントは、デビュー日に池袋サンシャインシティ噴水広場で歌唱したとき以来じゃないかな。あのときの懐かしさも感じつつ、当時よりも応援してくださる方が増えていることを実感できて、何だか不思議な感覚になりました。

――声援があると、拍手などのリアクションとはまた違った嬉しさがある?

 やっぱり声があると安心します。コロナ禍で声出しがNGだったとき、私がMCでみなさんを笑わせようとトークしても、拍手しか返ってこなかったんですよ。もちろん、それだけで嬉しかったですが、なんだか恥ずかしさや寂しさもあって。

――お笑い芸人さんが面白いことをやったのに、笑顔もなく拍手されるみたいな雰囲気に近いのかも?

 それです! 面白いことを言ったつもりなのに笑い声や笑顔が見られないのが、ちょっと寂しくって。お客さんが声出しできないイベントが続くと、それが当たり前になってきて恥ずかしさはなくなりなりましたが、改めてお客さんの笑い声を聞いたら「やっぱりこれだ!」って思いました。

――アニメやゲームコンテンツでのライブやイベントでも声援を浴びることがあったと思いますが、ソロアーティストとなると感覚は違いますか?

 違いますね。コンテンツのイベントとなると「●●役の和氣あず未だから好き」「この作品が好き」という方が多いと思うんです。一方のソロアーティストでのライブとなると、私のパフォーマンスを見に来てくださる方が多いこともあって、お客さんが掛けてくださる声が違っていて。他のコンテンツのライブで「あじゅじゅ」って声援がくることはほとんどないですからね。ペンライトの色もキャラクターのカラーってことが多いですし。

――コンテンツのライブだと、出演する他キャラクターを応援しているお客さんもいらっしゃいます。

 そうなんです。だから、ライブ中に目が合わない方もいて。「こっちは君に目線を合わせたのに、君は別の推しを見ているんだね!」って感じたことが何度かあります(笑)。ただ、ソロアーティストの場合は基本的には私以外の出演者がいないので、目線が合わないってことがあまりなくて。何百もの人に見られるのが以前なら怖いと思っていたかもしれません。でも、こんな機会ってなかないことなので楽しまなくちゃ、と思って。その場にいる自分が主人公と思いながら、みなさんにありがとうと伝えたいなという気持ちで、ステージに立っていました。

――緊張はしなかった?

 ライブ前は緊張しましたが、以前のような「表に出たくない~」という不安はなかったですね。リラックスした状態でライブができたと思います。もともと人前に立つのが苦手だったこともあり、ライブはアフレコなどの仕事より負担がかかるものと正直感じていたんですよ。ただ、今回のライブは「負担だな」とは感じなくて。アフレコやゲーム収録と変わらない気持ちで臨めたんです。以前のように緊張でお腹が痛くなることはなくなったので、もっとライブをやっていきたいですね!

ネガティブな言葉でも後ろ向きな気持ちは一切込めていないです

ーーそんなライブを経て、この度「キミトノミライ」がリリースされました。本曲は和氣さんがフィナ役として出演するTVアニメ『くまクマ熊ベアーぱーんち!』のOPテーマ曲ですね。

 まず、『くまクマ熊ベアー』のアニメ2期が放送されること自体が嬉しくて。しかも、1期に続いて主題歌を担当させていただけるとは……! とても光栄なことです。「キミトノミライ」は1期のOPテーマ曲だった「イツカノキオク」と同じチームで制作しているんですよ。それも嬉しかったです!

――1、2期続けて主題歌を担当できるのは、当たり前のことじゃないですもんね。

 ほんとうに当たり前じゃなくて。こういうアニメ作品だとキャラクターがOP・EDを歌うことも割と多いと思うんです。本作のEDテーマ曲もユナさん(CV=河瀬茉希)が歌っていますし、1期のときは、フィナとユナが一緒に歌うこともありました。キャラクターとして歌えるのもすごく光栄なことですが、自分が演者として出演している作品で、アーティスト・和氣あず未としても関われることに2倍の「ありがとうございます」の気持ちがあって。貴重な経験をさせていただいているなと思っています。

――改めて、楽曲の聞きどころについて教えてください。

「キミトノミライ」は、「イツカノキオク」の続きとなるような楽曲に仕上がっています。「いつか」という単語がカタカナになっているなど、所々のフレーズが「イツカノキオク」を彷彿とさせるものになっているんですよ。「イツカノキオク」は綺麗なメロディーラインで前向きな部分もあるけれど、どこか儚い、寂しげな感情ものせていました。一方の「キミトノミライ」は、「期待するからこそ 裏切られる」というような後ろ向きに感じる歌詞があれども、その気持ちを乗り超えたポジティブさが詰まっていて。そういう変化も、作品とリンクしていると感じました。

――「イツカノキオク」リリース時のインタビューでは「日常系ほのぼのアニメだけど、実はバックボーンがちょっと切ない部分があって、それが曲にものっている」とお話されていましたね。

 作品全体を通して見ると明るい作品ではありますが、みんなそれぞれで背負っているものがあって。私が演じるフィナちゃんはお母さんが病気で妹の面倒も見ていて、大変な思いをしてきました。ただ、ユナさんがフィナちゃんをはじめ、みんなを色々なところに連れ出してくれて、友達になってくれました。2期では彼女たちがバックボーンを超えた先の世界が描かれているので、楽曲にもより楽しさをのせたんです。ネガティブに感じるような歌詞でも、後ろ向きな気持ちは一切込めていないですね。

――「イツカノキオク」のときは「作品半分、アーティストの和氣あず未半分の気持ちでレコーディングした」とお話されていましたが、今回はいかがでしたか?

 今回も半々の気持ちで歌わせていただきました。フィナ役としては、フィナちゃんからユナさんに向けた楽曲であり、作中のキャラクターの関係性を表現した曲でもあります。アーティストとしては、ずっと応援してくれている親友ちゃんやみんなに対しての気持ちを込めたいと思った曲ですね!

――初回限定盤に付属されるDVDには、本曲のMVが収録されるとお聞きしました。

「イツカノキオク」のMVがモノクロな世界が段々と色づいていくという内容で、今回はその色づいた世界が君と出会ったことでさらに変わっていく、という仕上がりになっています。最初はフレームしかなかった額縁がどんどん華やかになっていく様子は、世界が良い方向に変わっていることを演出しているんですよ。私なりに楽しさを表現しようと思って、ニコニコしながら撮影しました。

自分の将来には自信があるんです

――続いて「Invisible stars」についてお聞きします。こちらはどのような楽曲ですか?

 パワフルで、前向きになれる一曲です。ライブで披露したらすごくテンションが上がる曲になると思いました。ただ、息継ぎする場所がなさそうで、これはなかなか大変そうだなとも感じて。実際、レコーディングはすっごく大変でした。でも大変そうな曲って、聞いていて楽しいし、歌えた時のやり切った感もあるじゃないですか。この曲のレコーディングを終えたとき、まさに「今日はもう歌えない!」と感じるくらいの達成感がありました。

――歌詞のなかでお気に入りのフレーズは?

 全体的に好きですが、2番Bメロの「靴紐をぎゅっと結んだら 何度でも新しいわたしになる」って考え方は、すごく素敵だなと思いました。新しい自分になるのが怖いと感じる方もいらっしゃると思いますが、この歌の主人公は新しい自分になることに、喜びを感じているんです。色々なことに挑戦したいという気持ちが歌詞から伝わってきました。

――なるほど。

 あと、2番頭の「後悔だって必要なんだ 道に迷った日のこと (無駄じゃないよ)」という歌詞も印象的でした。私は後悔することはあれども、それを引きずるタイプじゃないんです。加えて、自分に自信がある訳じゃないのに、自分の将来には自信があるんです。そういう自信のある感じが、この歌の主人公に似ている気がしました。

――なぜそれほどまでに自信が?

 うーん、お母さんを見ているからかも。私のお母さん、すごく幸せそうなんですよ。だから、今は料理も家事も何もできないけれど、将来はきっと私も幸せなおばあちゃんになるんだろうなって(笑)。

――ポジティブですね! でも、そういう考え方を少しでも持つのが、幸せへの一歩なのかもしれません。

 意外と何も考えない方が上手くいくこともある気がします。何か悩みを抱えている方は、この曲の主人公みたいに自分を信じてみると、解決の糸口がつかめるかもしれません。この曲は「もっと元気を出して!」というメッセージを込めて歌ったので、すべての方に聞いていただきたいですね!

――本シングルのリリースイベントでは、「タロットカードおめくり会」が行われました。和氣さんご自身は最近タロットカード占いへ行きましたか?

 去年行きました。私、タロットカード占いが大好きなんです!

――おぉ! そのときの結果は?

 ぜんぶよかったんですよ。最初に仕事運を視てもらったのですが、「この月はすごく収入が多そうです」「ここで大きい仕事や予想外の仕事が入ってきますよ」と言ってもらえて! 金運は「ちょっとこの月は使い過ぎちゃうので気を付けてくださいね」と教えていただきました。そういうのを聞くのが楽しいんです。

――信じる・信じないよりもまずは、聞いているのが楽しいから占ってもらっている。

 そうなんです。でも、「当たらないな」と思ったことはあまりなくて! 色々な店舗で占ってもらうのですが、どこでも大体同じようなカードが出てきたり、同じようなことを言われたりするんです。それに、占いって信じた者勝ちみたいなところもある気がしていて。もしポジティブなことを言われたら「楽しみ」ってワクワクしながら生きられるし、ネガティブなことを言われたとしたら「この時は気を付けよう」と気が引き締まる。当たる・当たらないじゃなくて、自分の気持ちをワクワクさせるものだと思っているので、私は行っちゃいますね。

――最初から疑ってかかっちゃうと、結局は何も信じられない。

 ですよね! 私、催眠術を受けてみたいんです。信じているので。

――どこかで催眠術企画をやってもらいますか!

 いいかも! やってみたいなぁ。

――催眠術をかけてもらったら、苦手なことが得意になるかもしれません。

 確かに! ……あれ、でもそう言われると、何だかかからない気がしてきた。私がカメラに向かってアピールしたくなることなんて、あり得るかなぁ?

――し、信じればきっと!?

 まずはそこからですよね! いつか催眠術企画、やってみたいです。

――そんなタロットカード占いが好きな和氣さん。もし、ひとつだけ自分の未来が分かるとすれば、いつ頃の自分を見てみたいですか?

 おばあちゃんの頃や近しい自分の将来も見たいけれど、いちばんは50代の自分を見てみたいかも。

――50代の自分が何をしているか見てみたい?

 ですね。おばあちゃんになったら孫と日向ぼっこしながら寝ているような気がしますが、4、50代の自分はいったい何をやっているんだろうな。どんな家に住んでいて、貯金はどれくらいなんだろうか。そういう現実的なことを見たくなっちゃいますね(笑)。私、食べるのが好きなので、このまま食べ続けると4、50代の頃にはどんな姿になっているのか……。将来には自信がありますが、そこは気になりますね。今から運動しようかな。

――好きなものは食べ続けるけれど、そこは運動でカバーする。

 もう一生好きなものを食べていたいと思っているので! 好きなものを食べるのを我慢する未来は来てほしくないので、今から気を付けようと思います(笑)!

和氣あず未 5thシングル「キミトノミライ/Invisible stars」リリース情報
発売日:2023年4月12日(水)
初回限定盤(CD+DVD):2,090円(税込)
通常版(CD):1,430円(税込)
CD収録内容:
M1.キミトノミライ
M2.Invisible stars
M3.キミトノミライ(Instrumental)
M4.Invisible stars(Instrumental)
DVD 収録内容:「キミトノミライ」ミュージックビデオ+メイキング映像

《M.TOKU》
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