デビュー10周年記念イヤー! 中島 愛最新シングルはダブルタイアップ!「慣れることが怖い。つねに人が驚くような新しいことをやりたい」【インタビュー】 | 超!アニメディア

デビュー10周年記念イヤー! 中島 愛最新シングルはダブルタイアップ!「慣れることが怖い。つねに人が驚くような新しいことをやりたい」【インタビュー】

2009年にソロデビューをして、今年はデビュー10周年記念イヤーとして精力的に活動している声優・中島 愛。彼女の最新シングルは『すのはら荘の管理人さん』のOPテーマ「Bitter Sweet Harmony」と『かくり …

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 2009年にソロデビューをして、今年はデビュー10周年記念イヤーとして精力的に活動している声優・中島 愛。彼女の最新シングルは『すのはら荘の管理人さん』のOPテーマ「Bitter Sweet Harmony」と『かくりよの宿飯』の新EDテーマ「知らない気持ち」のダブルタイアップ仕様。カップリングの異なる「すのはら盤」「かくりよ盤」の2枚を同時にリリースする彼女に、レコーディングについてやデビュー10周年への思いを聞いた。

中島愛
「Bitter Sweet Harmony」はなつかしい人の違う一面が見えた曲

――「Bitter Sweet Harmony」も「知らない気持ち」も、すでにアニメのOP&EDで映像とともにオンエアされました。実際に各作品の映像を観た感想は?
 先に『すのはら荘の管理人さん』(以下『すのはら荘』)を観て、そのあとに『かくりよの宿飯』(以下『かくりよ』)を観たのですが、絵が付くと喜びもひとしおです。『すのはら荘』はキャラクターが歌を口ずさんでくれているのがうれしかったですし、『かくりよ』はEDの映像が変わって、歌が話の展開の力になれているのかも、と感じたこともあって、すごく心に染みました。

――まずは「Bitter Sweet Harmony」のお話から聞かせてください。作詞・作曲のkzさんとは、2012年に「Transfer」という楽曲でご一緒されていますね。
 kzさんとご一緒するのは、それ以来でした。私にとってkzさんが手がける曲って「Transfer」のようにデジタルでクールなサウンドというイメージだったので、「Bitter Sweet Harmony」はデモの段階からすごくスウィングしていたのが意外でした。歌詞も甘々で、今回はこういった世界観なんだとビックリして。kzさんとご一緒したいという夢と、以前とは違ったイメージの曲もお願いしたいというふたつの夢が一度にかなってうれしかったです。

――『すのはら荘』は、管理人の春原彩花が主人公の椎名亜樹をかわいがる話なので、歌詞も世界観にピッタリだなと感じました。
 大人になって歌える曲はいろいろな幅があると思うんですが、お姉さん目線というのは考えたことがなかったので新しい発見でした。

――普段、あまり年上目線になることはないのでしょうか?
 そうですね。『すのはら荘』に関わることになって年下について考えてみたら、男女関係なく「年下からもあの人いいな、素敵だな」と思われたいし、「年下男子をちょっとからかってみたい」という気持ちもあると気づきました(笑)。

――歌詞には共感できる部分も多かった?
 年下の子を甘やかしたい気持ちはすごくわかります。だから、キャラクターを作ったりすることもなく、自分の言葉で歌える感じでした。ただ、今の私はまだ先輩に甘えたいところがあるんです。最近は年下の方と共演させていただく機会も増えたので、もう少しお姉さんになっていけたらと思っています。

――kzさんとは、歌詞について何かお話はしましたか?
 じつは、最初はkzさんが歌詞のように誰かに甘えたいタイプなのかなと思っていたんです。でも、どちらかというと元気で強いタイプの女の子が好きだと話していたので、この歌詞はkzさんの願望が詰まっているわけじゃなかったんだなとわかりました(笑)。


――レコーディングはいかがでしたか?
 けっこう悩みました。明るい歌はいろいろ歌わせていただいていますが、“お姉さん”として明るく歌った経験がなかったんですね。明るく元気なこの曲のいい部分を残しつつ、キャピキャピしたかわいさを出さずに歌うにはどうしたらいいのかなと……。明るくて“中島 愛らしい”曲ではあると思うんです。でも、だからこそ新しいことに挑戦した気持ちもあって、大変な部分も多かったです。

――その大変さは、どう乗り越えたのでしょうか?
 kzさんのディレクションに助けていただきました。kzさんは判断がすごく早くて、私が悩みがちなところを、即判断してくれるんです。「今のは明るすぎました」「ちょっと暗かったです」と指示を出してくださるので、すごく助かりました。

――とくに印象に残っているディレクションは?
 Aメロを歌ってみたら、「暗くならないように」と言われたのを覚えています。Aメロはキーが低めなので、そこで沈んでしまうとOPテーマとしてはよくないんですね。それをジャッジしてもらえて、暗くならずにすみました。大人っぽさを出そうとすると、どうも声が沈んでしまうみたいなんです。

――大人っぽさ、って意外と難しい部分も多いですよね。とくに『すのはら荘』のヒロイン・彩花は大人ではあるけど、アダルトな感じではないし。
 そうなんです! セクシーさや誘惑する感じではなくて、清潔感や安心感を出したかったんです。ただ、年齢を重ねていると自然と年齢が声に出てしまうところもあって、少し声色を調整しながらのレコーディングになりました。

中島愛


「知らない気持ち」は満を持してのバラード

――『かくりよ』の新ED「知らない気持ち」は、しっとりとしたバラードですね。


 これまで、ミディアムテンポの曲やバラードを褒めていただくことは多かったんですが、復帰後はあえてその“カード”は切らず、アップテンポの曲で攻めていたんです。復帰から1年と少し経って、そろそろバラードも歌いたいなと思っていたところに、『かくりよ』のEDのお話をいただき、奥田佳子監督の要望もあってバラードに決まりました。でも、バラードでも新しいことをしたいという気持ちもあって、自分より年下のシンリズムさんと組むことになりました。

――サビの部分でシンリズムさんの歌声が入ってくるのに驚きました。
 最初にシンリズムさんが仮歌を歌ってくださっていてんです。それに私が自分のキーで歌を重ねてみたら、すごくハマりがよかったんですね。それで、スタッフの方と相談して、シンリズムさんに「サビを一緒に歌ってほしい」とお願いしてみたら、快く受けてくださったんです。作品が、大旦那とヒロインの葵の物語でもあるので、男声と女声のボーカルが入ったことで、その関係性も浮かび上がらせることができて、すごくよかったです。

――歌は、感情を抑えているような印象でした。
 (作中の)葵や大旦那はもちろん、どのキャラクターの目線でも捉えられるような余白がある歌詞だなと感じたんですね。問いかけをずっとしているような歌詞だったので、感情のキャッチボールを自分からしようとしたり、押しが強いイメージにはしたくなくて。であれば、あえて引いた感じのほうがいいだろうと思って、語り部のような、どこかナレーションのようなイメージで歌うことを心がけ、感情は抑えめにするように努めました。シンリズムさんの音楽は、感情を押しつける感じがまったくなく、ただそこにあることの美しさが感じられたので、その流れを汲んでいきました。イメージとしては、遠くの人に手紙を書いて、投函しようかな、しないか考えているくらいの気持ちですね。「この声が聞こえていても聞こえてなくても、私の気持ちは変わりません」というメッセージを伝えられたらいいかなと思っていました。

――完成した曲を聴いてみて、客観的な感想は?
 感情を引ききれていない部分もいっぱいありました(笑)。でも、スタッフの方が「その“くさい”感じがいいんだよ」と言ってくださったんです。完全に客観的な目線のバラードはもうちょっと年齢を重ねてからのほうが説得力が出ると思うので、まだ自意識が入っていてもいいのかなと、自分を納得させました。

テイストのまったく異なるカップリング

――「知らない気持ち」と同じシンリズムさんが作詞・作曲された「ポラリス」(『かくりよ盤』収録)は、「知らない気持ち」よりはポップですが、どこかさびしげな感じもあります。
 シンリズムさんの曲は、現代の音楽ではあるんだけど、どこかノスタルジックな感じが持ち味だと思うんです。「知らない気持ち」はそれがバラード方面に出ていますが、「ポラリス」はポップさが前面に出ている感じですね。最初は、まず歌詞に惹かれました。

――とくに、どの歌詞が印象に残りましたか?
 2番のAメロです。私も「ポエムを書いたノートはどこにあるんだろう」とか、「マンガを書いていたノートはちゃんと処分したっけ」とか(笑)、子どものころの記憶を思い出しました。歌詞的には青春感が強いんですが、10代のような気持ちで歌うのではなく、学生時代の通学路や学校の机の中にあった教科書とか、具体的な場所を思い浮かべながら歌うと、この曲のノスタルジックさが出るんじゃないかと思って、考えすぎずに映像を思い浮かべながら歌いました。神戸出身のシンリズムさんと茨城出身の私とでは、見ていた通学路の景色や校舎、聞こえていた音も違うと思うんですが、私の持っているものとと彼の洗練された感じがいい感じにミックスされたんじゃないかなと思います。

――「すのはら盤」に収録される「悲しみと共に」は、『重神機パンドーラ』の9話の挿入歌です。これは、「ポラリス」とはまたテイストがガラッと変わりますね。
 この曲は、『パンドーラ』の9話の、このシーンで流れる挿入歌という、ピンポイントな作られ方をしたからこそ、とくに強さがある曲だと思います。これまでは、“OPやEDを歌っていて挿入歌も”という形はあったのですが、挿入歌だけでの参加は初めてで、すごくありがたくもありつつ、プレッシャーも感じました。

――歌詞を見たとき、まず言葉数の少なさが印象に残りました。
 本当に美しい歌詞で、雷が落ちたような衝撃を受けました。作詞をしてくださった岩里祐穂さんのことは、ひとりの人として尊敬しているんですね。その方が書く「人生の真理」みたいなものを20代で歌わせていただけるとは思わなくて。こんなに重たいものを背負った曲を、なぜ私に頼んでいただけたのかということに、じつは悩んだんです。でも、誰に聞くわけにもいかないので、とにかく自分のなかで落とし込みました。

――どういう結論に、たどり着いたのですか?
 この曲はジャジーなので、本当ならもっと人生経験を重ねた方が歌うイメージなんです。でも、そうじゃなくて私ということは、青さがあってもいいということなんだろうなと想像しました。「知らない気持ち」では感情を抑える努力をしましたが、この曲は真逆の気持ちで歌いました。この世界観がわかるとか深い人生観を持っているとか達観したつもりで歌うとウソになってしまう気がしたんですね。どうしても出てきてしまう叫びや悲しみ、諦めがあることを正直に伝えることがいいだろうと。細かいディレクションはいただかなかったので、きっとこれでよかったんだろうなと思っています。

――CDに収録されることになった今、この曲にはどんな印象を持っていますか?
 私の歌手としてのターニングポイントになる曲だなと思っています。まだ聴いたことのない方、触れたことのない方にも、試聴でもいいから聴いてもらいたいですし、中島 愛が歌ったレパートリーのなかに、こんな曲があるということを知ってほしいです。

――挿入歌として流れたときに、ファンの方から反応はありましたか?
 じつは、私が歌っていると気づかなかった方も多かったみたいです。今のところ、「この歌、超よかったよ!」、みたいな熱い感想よりも、しみじみとした感想が多いですね。きっと、この曲は受け止めるのに時間がかかるだろうな。みんなの体に染みわたって、みんなが飲み込んでからこの曲への解釈とか、感想がにじみ出てくると思います。この曲は、30代になっても40代になっても歌っていきたいので、今はライブをやるのがすごく楽しみですね。具体的に、この曲を歌いたい場所の夢はあるんです。

――その夢を聞かせていただけますか?
 ラスマス・フェイバーさんのライブのゲストとしてビルボードライブ東京に立たせていただいたことがあるんです。その場所に自分のライブで立って、生演奏でこの曲を30代、40代とそれぞれの年代で歌えたらいいなと思っています。できれば、いつか曲を書いてくださったヒイズミマサユ機さん(H ZETT M)に演奏していただけたらうれしいです。15周年までにかなえられたら素敵ですね。

10年やってきたからこそ、新しいことに挑戦していきたい

――「Bitter Sweet Harmony」のミュージックビデオ(MV)は、イラストと実写を組み合わせた演出が新鮮でした。


 私はグリーンバックで楽しく歌って撮影しました。完成したMVを見て、イラストレーターのちゃもーいさんがイラストの細部にまでかなりこだわってくださっていたので、すごくうれしかったです。カラフルな世界観や、ファンタジーとリアルが行き来するMVは初めてだったので、ビジュアル面でも新しいところが見せられてよかったです。

――ジャケットもイラストとコラボレーションしていますね。
 復帰後のジャケットはナチュラルなスタイルを貫いてきたんですが、そろそろ遊びを入れたいという思いを汲んでくださって、今回はちゃもーいさんに、ジャケットに使用するイラストもお願いしました。あと、歌詞カードをタテに開くと全身が見られるのもポイントです。今は配信版を聴いてくださる方もたくさんいらっしゃいますが、CDを買ってくださった方にも喜んでもらいたいと思ってこのアイデアになりました。

――中島さんは今年でデビュー10周年。まだまだ新しいことに挑戦していきたい気持ちが強いんですね。
 CDを出すたびに、新しいことをやりたい意識が強いんです。「これ、見たことある」とか、「前のあの感じと一緒だね」となりたくないなと思いながら制作をしているんです。でも、ひとりではアイデアも限られてしまうので、多くのクリエイターの方々と一緒に制作をさせていただけて本当にありがたいです。たった10年の活動なので、それ以上に年月を重ねて活動されている先輩の方からすると、まだ“ひよっこ”なんですが、「慣れ」って怖いなと感じています。10年やってきて「アップテンポな曲はこういう感じで歌えばOKをもらえるな」とか「こういうコメントを出せば大丈夫」だとか、経験を頼りに乗り切ってしまったらということに危機感を覚えているんです。だから、とにかく新しいことをやっていきたい。リスナー、音楽ファンとしての私には、アーティストの方々に「ビックリさせてほしい」と期待することが多いので、その影響もあるのかもしれません。ただ、20年くらい経ったら、自分らしさを貫いていくのもありかなと思っています(笑)。

――ちなみに、今年は平成最後の夏になりますが、ぜひやってみたいことはありますか?
 じつは、すでにやりたいことはやってしまったんです。私、アイドルグループのNegiccoさんのファンなんですけど、7月21日に新潟の朱鷺メッセで15周年記念のライブがあったんですね。彼女たちのアルバムで作詞をさせていただいたので「もしかしたら関係者席で?」と思ったんですが、どうしてもNegiccoのファンとして観に行きたいという思いが募って、チケットを取って誰にも内緒で行ってきました。その後、新潟観光中に登った山で、うぐいすとオニヤンマと私しかいない空間を堪能できました。

――もうやり残したことはない?
 そうですね……。今回、リリースイベントでは初めて仙台に行けることになったので、イベントにかこつけておいしいものを食べたり、そのまま観光したりしたいです(笑)。

――6月25日に中島さんが発信された、『マクロスF』のランカ・リーの「星間飛行」のリリースからちょうど10年のツイートが、かなり話題になっていましたね。
 10年前の夏に、たくさんの人が思いを馳せてくださったんだと思うと、すごく感動しました。みんなの10年前の人生に、あの曲が紐付いているんだなぁと改めて感じました。

――6月から始まった10周年イヤー、今後の挑戦も楽しみにしています。
 まだまだ発表されてない楽しいこともたくさんあります。このCDも含めて、今後の私の活動に興味を持って追いかけてもらえたらうれしいです。よろしくお願いします。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

<PROFILE>
中島 愛【なかじま・めぐみ】
6月5日生まれ。茨城県出身。e-stone music所属。2009年1月にシングル「天使になりたい」でソロ活動を開始。これまでにシングル11枚、アルバム4枚をリリース。声優としての主な出演作は『すのはら荘の管理人さん』(小薗井舞子)、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(シャルロッテ・エーベルフレイヤ・ドロッセル)など。

<リリース情報>
シングル「Bitter Sweet Harmony/知らない気持ち」(すのはら盤)


シングル「知らない気持ち/Bitter Sweet Harmony」(かくりよ盤)


フライングドッグより発売中
各1,404円(各税込)

<イベント情報>
シングル発売記念インストアイベントを下記日程で開催
8月11日(土)東京・ソフマップAKIBA①号店マップ劇場
8月12日(日)宮城・アニメイト仙台、ゲーマーズ仙台店
※参加方法などはショップの公式サイトをチェック
※情報掲載時には参加券の配布が終了している場合もございます。ご了承ください

シングル購入者抽選招待イベント開催
9月15日(土)東京都内にて、プレミアムライブ&本人による特典お渡し会の開催が決定。詳細はCDに封入されているチラシを参照。応募締めきりは8月19日(日)23:59まで。

中島 愛公式サイト
http://e-stonemusic.com/mamegu/

中島 愛公式Twitterアカウント
@mamegu_staff

《超!アニメディア編集部》
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