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<アニメ・マンガ妖怪よもやま話>『約束のネバーランド』にも登場する「人を食らう鬼」という存在にまつわる話

2019/6/13


 
 アニメ・マンガ作品における定番ジャンルでもある「妖怪」のことを、ちょっとだけアカデミックに解説する「アニメ妖怪よもやま話」。アニメ雑誌「アニメディア」で連載していた本コーナーが「アニメ・マンガ妖怪よもやま話」としてWEBで復活。今回は『約束のネバーランド』にも登場する「人を食らう鬼」という存在について、奈良県在住の妖怪文化研究家・木下昌美が語る。
  

「週刊少年ジャンプ」で連載中の『約束のネバーランド』は、2019年1~3月にTVアニメ第1期が放送。外の世界とは隔離された孤児院にて暮らし、「鬼の食料」として管理・養殖されていた子どもたちが、「鬼」の手から逃れようと脱獄する過程が描かれました。(2019年現在)アニメの放送はいったん終了していますがが、人気を受けて2020年に第2期の放送が決定してします。

 作中に登場する「鬼」は一体全体、何者なのでしょうか。いくつかタイプがあるようで、知性があり言葉を話すモノもいれば、言葉を解さないモノもいます。「鬼」の中で階級もあるようです。「鬼」は主人公たちが便宜上つけているだけなのか、詳しいことはわかりませんが「人食い」「怪物」などと呼ばれることもあります。

 そして、本作の「鬼」の外見は、これまた多岐に渡ります。所謂(いわゆる)私たちの想像するであろう鬼とは全然違うのです。独特なビジュアルで、知性がある「鬼」は、なんと仮面をかぶっています。

 人を食らうバケモノの話は国内外で広く聞かれますが、日本における古い例は、天平5(733)年成立と考えられている『出雲国風土記』の話ではないでしょうか。ここでは「目一つの鬼」がやってきて「佃る人の男」を食らうという記述が見えます。日本では、かなり早くから、鬼は人を食らうものであると認識されていたということことがわかります。また、平安時代末期に成立したと見られる説話集『今昔物語集』などにも、鬼が人を食らう話がいくつか登場します。

『約束のネバーランド』を観ていると、知性を有する「鬼」はこだわりを持って食べる人間を選んでいることがわかります。時代や世界観がまるで違うため当然かもしれませんが、『出雲国風土記』や『今昔物語集』に見えるモノとは、同じ食人鬼でありながら性質が異なるようです。今後、子どもたちと「鬼」との間では、どのような戦いややりとりが繰り広げられるのでしょうか。そして「鬼」には、どのような未来が待っているのでしょうか。子どもたちだけでなく「鬼」の行く末もあわせて見守りたいと思います。

 

解説:木下昌美
<プロフィール>
【きのした・まさみ】妖怪文化研究家。福岡県出身、奈良県在住。子どものころ『まんが日本昔ばなし』に熱中して、水木しげるのマンガ『のんのんばあとオレ』を愛読するなど、怪しく不思議な話に興味を持つ。現在、奈良県内のお化け譚を蒐集、記録を進めている。大和政経通信社より『奈良妖怪新聞』発行中。
 
●挿絵/幸餅きなこ 撮影/高旗弘之


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