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<アニメ・マンガ妖怪よもやま話>乗り物だって妖怪になる!?江戸時代に描かれた「車」の妖怪にまつわる話

2019/9/2


 
 アニメ・マンガ作品における定番ジャンルでもある「妖怪」のことを、ちょっとだけアカデミックに解説する「アニメ妖怪よもやま話」。アニメ雑誌「アニメディア」で連載していた本コーナーが「アニメ・マンガ妖怪よもやま話」としてWEBで復活。今回は江戸時代に描かれた「車」の妖怪について、奈良県在住の妖怪文化研究家・木下昌美が語る。
 
 
 子どもたちは、そろそろ夏休みを終えようとしているころでしょう。休み中には新幹線などの乗り物に乗って、どこかに出かけたという人も多いのではないでしょうか。
  
 新幹線といえば、『新幹線変形ロボ シンカリオン』が大人気です。実在する新幹線がロボットに変形するという夢のような設定に、子どもはもちろん、大人もワクワクが止まりませんでした。アニメとしては2019年12月に劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA‐X』も控えています。
  
 乗り物で思い出されるのは「朧車(おぼろぐるま)」という妖怪です。鳥山石燕という江戸時代の絵師が描いた『今昔百鬼拾遺』という本に登場します。画を見るかぎりでは、どうやら牛車のようで、車の内側から大きな顔が飛び出していて、一度目にすれば忘れられない、インパクトのあるビジュアルです。画の脇に「昔賀茂の大路で、おぼろ月の夜、車のきしる音がした。(外に)出てみれば異形のものだった。車争いの遺恨であろうか」という、解説文が添えられています。
  
「車争い」とは、祭り見物などで牛車を止める場所が原因となり、互いの従者が争うことです。『源氏物語』で賀茂祭の際、葵上と六条御息所の従者たちが争った話は有名でしょう。この事件がきっかけで、六条御息所は生霊と化します。「朧車」は、この六条御息所のように車争いでの忘れがたい怨みにより生まれたモノなのでしょうか。詳しいことはわかっていませんが、乗り物は古くより人の生活において欠かせないものです。人に近い存在だからこそ、妖怪化したのかもしれません。
  
 劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA‐X』に登場する新幹線、シンカリオンたちの活躍も今から楽しみです。映画のタイトルにも含まれている「ALFA‐X」はアニメの76話(最終話)のラストシーンでチラリと大宮駅を通過しましたが、どのように展開するのでしょう。公開が待ち遠しいです! 

 

解説:木下昌美
<プロフィール>
【きのした・まさみ】妖怪文化研究家。福岡県出身、奈良県在住。子どものころ『まんが日本昔ばなし』に熱中して、水木しげるのマンガ『のんのんばあとオレ』を愛読するなど、怪しく不思議な話に興味を持つ。現在、奈良県内のお化け譚を蒐集、記録を進めている。大和政経通信社より『奈良妖怪新聞』発行中。
 
●挿絵/幸餅きなこ 撮影/高旗弘之


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