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<アニメ・マンガ妖怪よもやま話>『炎炎ノ消防隊』のテーマでもある「火」「炎」と妖怪との関係にまつわる話

2019/7/12


 
 アニメ・マンガ作品における定番ジャンルでもある「妖怪」のことを、ちょっとだけアカデミックに解説する「アニメ妖怪よもやま話」。アニメ雑誌「アニメディア」で連載していた本コーナーが「アニメ・マンガ妖怪よもやま話」としてWEBで復活。今回は『炎炎ノ消防隊』のテーマでもある「火」「炎」と妖怪との関係について、奈良県在住の妖怪文化研究家・木下昌美が語る。
  

「週刊少年マガジン」で連載中の大久保篤のマンガ『炎炎ノ消防隊(えんえんのしょうぼうたい)』がアニメ化され、7月から放送が始まりました。本作の鍵はタイトルにあるとおり「炎」です。
 
 作中の世界では、ある日を境に普通の人間が炎に包まれて暴れ出す“人体発火現象”が起こり始めました。そうした人は「焔(ほむら)ビト」と呼ばれています。主人公の森羅日下部(シンラクサカベ)は、12年前に突然の火事によって母親と弟を亡くしました。彼は足から炎を出すことができる「第三世代」といわれる世代の能力者。取り巻く環境や力によって周囲から孤立しますが、それに負けずに、これ以上被害を拡大させないため、そして母と弟を殺した犯人を追うために焔ビトや炎の脅威と戦う“特殊消防隊”に入って奮闘する……といったストーリーです。
 
 炎や正体不明の火に関する不思議な話は、日本だけでなく世界各地で伝えられており、「炎」「火」といっても、ひとくくりにできない多様な側面を持っています。日常生活に使われる火や、祭礼行事に登場するものなど、その在り方はさまざまです。
 
 不思議な話としては、たとえば「ジャンジャン火(び)」というものがあります。奈良に伝わる怪火で「ジャンジャン」という音を立てながら現れることから、この名がついています。いくつか話のパターンがありますが、多くが死人の霊が火となったものです。そのほか、鳥山石燕が手がけた妖怪画集『画図百鬼夜行(がずひゃっきやこう)』などに登場する「叢原火(そうげんび)」なども有名です。京都に現れたとされる怪火ですが、盗みを働いた僧が罰で火にされてしまった姿であると云われています。
 
 先に書いたように「炎」や「火」にまつわる話は多岐に渡るので一概にこうであるとは言えませんが、いずれも悲しい背景を持つ話が少なからずあるように思います。『炎炎ノ消防隊』の炎も、人の死に関わるものです。炎に立ち向かう特殊消防隊の姿には、非常に考えさせれるシーンもあります。本作は、「炎」にまつわる人間ドラマに着目しながら視聴してみてはいかがでしょうか。

 

解説:木下昌美
<プロフィール>
【きのした・まさみ】妖怪文化研究家。福岡県出身、奈良県在住。子どものころ『まんが日本昔ばなし』に熱中して、水木しげるのマンガ『のんのんばあとオレ』を愛読するなど、怪しく不思議な話に興味を持つ。現在、奈良県内のお化け譚を蒐集、記録を進めている。大和政経通信社より『奈良妖怪新聞』発行中。
 
●挿絵/幸餅きなこ 撮影/高旗弘之


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