『なつぞら』ヒロイン・広瀬すずが感じたアニメーターの世界「想像以上に繊細だけど、描くのは楽しいです」【インタビュー】 | 超!アニメディア

『なつぞら』ヒロイン・広瀬すずが感じたアニメーターの世界「想像以上に繊細だけど、描くのは楽しいです」【インタビュー】

4月から放送がスタートした『連続テレビ小説 なつぞら』のヒロイン・奥原なつを演じる広瀬すずが、「アニメディア5月号」に登場。北海道で酪農の仕事をしながら伸び伸びと育った少女・なつが、“漫画映画”の魅力にとりつかれ、上京 …

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 4月から放送がスタートした『連続テレビ小説 なつぞら』のヒロイン・奥原なつを演じる広瀬すずが、「アニメディア5月号」に登場。北海道で酪農の仕事をしながら伸び伸びと育った少女・なつが、“漫画映画”の魅力にとりつかれ、上京して草創期のアニメーション業界に飛び込み、アニメーターとして成長する姿を描く『なつぞら』。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかった部分を含めたロング版をご紹介する。


――放送は始まったばかりですが、撮影はすでに10か月ほど行っていますね。自分が朝ドラのヒロインだと実感したのは、いつでしたか?

 あまり意識したことはないのですが、意識するようになったとすれば、最近かもしれません。1週間のスケジュールを見ていると、なつの「な」と書いてある日が本当に多くて(笑)。それを見て、“ああ、私は本当に朝ドラでヒロインをやらせていただいているんだなぁ”と、この間思いました。ほぼ毎日、1日中撮影しているのですが、現場がすごく楽しいです。

――初めて台本を読んだときの印象はいかがでしたか?

 第一印象は、“まっすぐ!”でした。人物の感情がすごくストレートに、胸に響いてくるといいますか……。とても切ないシーンがあったのですが、ひとりで台本を読んでいたら気持ちがたかぶって耐えられなくなり、「私、もう涙が止まらないんです!」とマネージャーさんに電話してしまったほどです。1ページめくるたびにこれほど心が大きく動かされる台本は初めてかもしれません。「この物語を早く、世の中の皆さんお届けしたい!」という気持ちでいっぱいです。

――奥原なつは、どんな女の子ですか?

 戦争で両親を失い、柴田家にお世話になっているという気持ちがあるからか、どこか相手と距離を作って接する部分があります。だけど、性格的にはとても素直で、何事にも一生懸命に取り組みます。「うれしい!」「幸せ!」など、ポジティブな感情をしっかりと相手に言葉で伝えられる子です。周りのみんなを前向きにさせる、太陽のような力があり、私も見習いたいなと思うぐらい、素敵な女の子です。

――舞台となっている北海道・十勝で、実際にロケも行われました。広瀬さんの小麦色に日焼けした肌が印象的です。

 昨年ロケをしていたとき、本当に日焼けしてしまって……。逆にそれが、ちょっと垢抜けない感じを演出できてよかったです。“チェックのシャツ+オーバーオール”という、朝ドラ(連続テレビ小説)の“元気な女の子の王道”的な衣装も着ることができて、うれしくなりました。共演者の方にも、「今どき、こんなにチェックのシャツとオーバーオールが似合う子はなかなかいないよ」とおっしゃっていただいて、自信を持って衣装を着て、北海道での撮影に臨むことができました(笑)。


――作中の時代は戦後。演じて現代との差を感じるのはどんな部分ですか?

 家族もそうですし、人と人とのつながり方です。なつの生きている時代は、人との関わり方にいい意味で重さを感じます。今はインターネットが普及したこともあり、人とつながる手段や機会が増えましたが、そのぶん関係性が希薄になる場合も多いと思うんです。でも、なつの時代は、手紙1枚でのやりとりにしてもすごく重みがあって、ディープな感じがします。毎日みんなで協力し合って牧場の仕事をして、家族一丸となって生きていく……みたいな、柴田家の家族の在り方も、すごくいいなぁと思いました。

――物語の序盤は、戦争孤児となって柴田家で生活を始める……という点が、なつにとっては大きな出来事となります。撮影時、どんなことを感じながら演じていましたか?

 じつは私自身、親のいない子どもの役を演じることが多くて……。どこかしら孤独を感じる役がこれまで多かったのですが、なつの場合は特に、深い孤独を感じる瞬間が多いです。お父さんとお母さん、そしてお爺ちゃんと仲よく暮らしてはいるのですが、「血はつながっていないんだなぁ」ということを、なつはいつもどこかで意識していると演じながら感じていました。普通に家族の会話をしているのですが、ちょっとしたテンションの違いで、疎外感を感じるような繊細な子なんです。特にお母さんに対しては、血のつながりがないことから気を遣っている部分が多いかもしれません。なつは普段から「ありがとう」と「ごめんなさい」を素直に言える子なのですが、お母さんには、“ちゃんと感謝の気持ちを伝えなきゃ!”と思っているような気がしました。なんというか、本当の親子ではないからこそ“伝えすぎなぐらい、伝えなきゃダメだ!”というような。そう感じました。

――なつはのちに、アニメーターを目指すことになります。広瀬さん自身、アニメの制作現場を目の当たりにして、興味の惹かれる部分はありましたか?

 ひとりで何千枚もの絵を描いて、それを1枚ずつつなげて動画にして……アニメーターの方のお仕事って、本当にすごいと思いました。想像以上に繊細な世界だなぁと感じています。最近は描くシーンの収録が多く、私もよく練習していて、けっこう楽しいです。人物が振り向く動作だけでも20〜30枚ぐらい描く必要があるのですが、ちょっとずつ、ちょっとずつ線を変えて、丁寧に描いていると、つい集中してしまって周りが見えなくなることもあります……。

――北海道で酪農の仕事をしていたことが、アニメーターの仕事に活きているなと感じる点はありますか。

 この物語には“開拓”という言葉がよく出てきます。粘り強く動物と接して、自ら解決の緒を見つける……など、牧場の手伝いをしていたころから、なつにも“開拓精神が強いなぁ”と感じる部分がありました。そういう彼女の、大好きなものに集中して、進むべき道を自ら切り拓いていく力は、アニメーターを目指すなかでも間違いなく活きていると思います。撮影中、そう感じる瞬間がたくさんあります。失敗してただ落ち込むのではなく、それをバネにどう這い上がっていくかを模索できる心の強さは、間違いなく北海道での生活で培ったものだと思います。

――開拓精神や粘り強さは、広瀬さんご自身も持っているほうですか?

 常に持っていたいなぁとは思いますが、どうだろう……?(笑) もともと負けず嫌いで、完璧主義っぽいところがあるので、私も“できなくて悔しい!”という気持ちをバネにして、頑張れる部分はあります。

――朝ドラのヒロインは体力的にも大変……というお話を聞いたことがあります。今後、“粘り強さ”が大切になってくるかもしれませんね。

 そうですね。だけど、今のところ “朝ドラって大変……”とはぜんぜん感じていないんです。ずっと演じていられるのがうれしい! こんなに長い期間、ひとりの人物を演じたことが今までにないので、撮影が毎日楽しいし、ありがたい気持ちでいっぱいです。

――ヒロインを演じるにあたり、何か心に決めていることなどはありますか?

 撮影が長く続いていくにつれて、周りのスタッフさんや演者の方々も疲れが溜まってきます。そんな疲れを吹き飛ばせるぐらいのパワーを持って、撮影に挑もうといつも心がけています。これは、初めて主演をやらせていただいたときから心がけていることです。やはり、ヒロインが現場に与える影響力はとても大きいですから。自分ができることを精いっぱいにやって、笑顔を忘れず、最後までエネルギーにあふれた現場を保てたらいいなぁと思っています。

――『なつぞら』は、連続テレビ小説100作目、新年号の1作目としても注目されています。撮影もまだ続くかと思いますが、意気込みを聞かせてください。

 なつと同じように私も、いつも周りの人たちに恵まれ、私自身、めぐり合わせの運がとても強いと感じています。このような大切な節目で作品に関われることはとても光栄なことだと思う反面、至らぬ私で申し訳ないという気持ちもあります。だけど、せっかくいただいたチャンスなので、これからも楽しみながら、なつを演じていきたいです。

(プロフィール)
【ひろせ・すず】6月19日生まれ。静岡県出身。フォスター・プラス所属。

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〈連続テレビ小説『なつぞら』情報〉
4月1日(月)〜9月28日(土) 全156回(予定)
<総合>[月~土]午前8時~8時15分/午後0時45分~1時(再)
<BSプレミアム>
[月~土]午前7時30分~7時45分/午後11時30分~11時45分(再)
[土]午前9時30分~11時(1週間分)
【ダイジェスト放送】
「なつぞら一週間」(20分) <総合>[日]午前11時~11時20分
「5分で『なつぞら』」 <総合>[日]午前5時45分~5時50分/午後5時55分~6時
※放送予定は変更される場合があります。

脚本/大森寿美男
制作統括/磯 智明 福岡利武
プロデューサー/村山峻平
演出/木村隆文 田中 正 渡辺哲也 田中健二

出演/広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 草刈正雄 他

語り/内村光良

『なつぞら』公式サイト
https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

撮影/高旗弘之 ヘアメイク/河北祐介 スタイリング/梶原浩敬(Stie-lo) 衣装協力/LIMI△feu

《超!アニメディア編集部》
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