撮影現場は楽しんだもん勝ち!広瀬すずが朝ドラ「なつぞら」で感じたこと「アニメの見方が、今までと180度変わりました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

撮影現場は楽しんだもん勝ち!広瀬すずが朝ドラ「なつぞら」で感じたこと「アニメの見方が、今までと180度変わりました」【インタビュー】

いよいよ終盤へと差し掛かった連続テレビ小説「なつぞら」。アニメーションの黎明期を描き、女性アニメーターの活躍を描いた本作で、主人公・なつを演じた広瀬すずがインタビューに応じた。 ――朝ドラ100作品目の記念すべき作品で …

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 いよいよ終盤へと差し掛かった連続テレビ小説「なつぞら」。アニメーションの黎明期を描き、女性アニメーターの活躍を描いた本作で、主人公・なつを演じた広瀬すずがインタビューに応じた。


――朝ドラ100作品目の記念すべき作品でヒロインを演じてこられましたが、今、大役を終える率直な感想をお聞かせください。

 人生を長く演じることって、なかなかないじゃないですか。朝ドラとか大河ドラマとか、そのくらいで。だから20歳になったこのタイミングで、子供を産むまでのお芝居をするというのも、試されているのかなと思う瞬間も多少あったりしました(笑)。同世代の女優さんや同業者の方から「100作目だもんね」とか「朝ドラだもんね」と言われることも多くて、今まで自分がやってきたなかでも反響を間近で感じることができたので、それは朝ドラならではだと思いました。

――プレッシャーから精神的に追い詰められたり、体力的に厳しいと思う瞬間はありましたか?

 今までも大変な現場や追い詰められた現場も経験があって、体力的に追い詰められるより、精神的なもののほうが耐えられなかったんです。今回は“ザ・体力勝負”の環境だったので、大丈夫でした。もともと「楽しんだもん勝ち」だと思っていたんですけど、この現場は「楽しい」が勝ってる瞬間が多かったので、途中からは「大丈夫?」とも聞かれない感じになっていたくらい(笑)、「楽しい」がずっと勝ってる感じでした。

――朝ドラのヒロインを演じてみて、何か得たものはありますか?

 年齢の幅ですね。1年間通して、対面して芝居する人たちもその時によって、変わっていくので、しゃべり方やトーンが自然と変わってくるんです。そういうお芝居は、今までやったことがなかったので、大変だと思う瞬間も全くなかったわけじゃないんですけど、これができたら何でもできるだろうなと思います。

――共演者の方から、現場で台本を読んでいるところを見たことがないと言われていますが、座長としてのあり方や撮影中に気をつけたことはありますか?

 それがないんです。現場に私ひとりだけ毎日いるので、迎える側として、みんなが楽しいと思ってもらえたらいいなと。長期で大変だから来ることが嫌になるよりは、「来たい」と思って楽しんだほうが絶対にいいなと思うので。その部分では、人見知りなのですが、割といろんな人と話をしていました。台本は確かに撮影のときは、持って来なかったですが、シーンの確認の時は遠慮なく助監督さんに見せてもらったり、メイク室に並んでるのを借りてます(笑)。だけど、リハーサルで動きを固めてイメージをつけて、(時間が空いて)忘れたくらいで撮影に挑むと、新鮮味が戻ってきて面白かったりもするんです。1週間前にリハーサルをやって、現場に行ったら長ゼリフも思い出すし、その方が新鮮味があって、その場で思いついた言葉のように出てきて、感情が入りやすいんです。意識したことは一つもなくて、ラフにいられたらいいなと思いました。


――前半は十勝での農業がメインでしたが、農業についてのイメージは?

 北海道にいたので、自然と野菜がすごく好きになりました。ゴロッとした温野菜を食べるのが好きになって。これも「ああやって収穫したのかな」とか想像が湧いてきて、遠い感覚だと思っていた存在が、今は近くの存在に変わっています。

――アニメ制作のシーンについては、いかがでしたか?

 本当に線をまっすぐに描くのですら難しかったので、何十枚も練習したんですが、やっぱりプロとは全然違っていて。そうやって時間をかけて1枚描いて、それを彩色の担当者が色をつけて、出来上がったセル画1枚が一瞬でしか使われないんです。そう思うと、すごい世界だと思いました(笑)。出来上がったアニメーションを見るシーンでも、実際に描いたものが長編アニメーションに出てくるのですが、「あのシーン、この1分もないうちに終わっちゃうんだ」と思ってしまいました。東洋動画にはスタッフの人数も大勢いましたけど、それでも「これは、本当に終わるんだろうか」という仕事量で、どれだけセル画を描いたんだろうというのが想像しがたいものでした。今のアニメーションはパソコンを使っている分、その面では楽になったかもしれないですけど、それでもまた違う苦労があると思います。大変なお仕事ですよね。アニメの見方が、今までと180度変わりました。

――なつの妹・千遥(清原果耶)との再会についてですが、清原さんとはあまり会わずに撮影されたと伺いました。実際、千遥との再会を演じた時の心境や、台本を読んだ感想などを教えてください。

 最後の2週で千遥との距離が近くなるんですが、2週じゃ足りないと思うのが本音です。清原ちゃんとは映画でも共演させてもらったことがあったので、近い存在だと思っていました。だから、約30年ぶりの再会となると、掴めない感覚があって。でもその戸惑いが、30年ぶりに会った距離感と似ているのかなとも思いました。30年ぶりに再会した千遥ともう一度家族になりたいというなつの思いがあるから、距離の縮め方や細かい部分でのモヤモヤが自分の中にあって、不思議な感覚でした。どのシーンより千遥との距離感については、難しかったように思います。

――清原さんもそうですが、今回の「なつぞら」は、過去に共演されたことのある方が多いと思いますが、現場ではいかがでしたか?

 ドラマ、映画、CMで共演した中でも仲のいい方が集まってくれましたが、近すぎて実の姉とお芝居するくらいのやりづらさもありましたね(笑)。リリー・フランキーさんは5回目の共演ですが、初めてちゃんとしたからみがありました。坂場一久役の中川大志くんは同い年で、同志のような感覚です。20歳になって夫婦役で共演できて、不思議だねって話をしました。特に仲のいい人たちだから恥ずかしいですけど、大好きな人に囲まれる環境は幸せだなと思いながら撮影していました。だからこそ、“楽しい”という思いがずっと勝っていたのかもしれないです。大志くんとの夫婦役ってどんな感じなのかと思っていましたが、逆に仲が良くなかったら夫婦を演じるのは難しかったかもしれません。

――十勝のロケでの思い出やプライベートで行ってみたい印象的な場所はありますか?

 同じ場所なのに、季節で全く違う景色なのが面白いと思いました。真っ白になったり、全部緑になったり、色々な景色が見られて、毎回新鮮な気持ちで撮影できました。そこでしか生まれない感情も、なつを通して感じられたのが印象的でした。「この感情は、ここでしか生まれなかったな」という事が本当に多くて。それはロケに行かないと分からなかったかもしれません。天陽くん(吉沢亮)の家はタイミングがあれば、また見に行きたいですし、馬で走った山は特別な場所になっている感じがありますので、ひとりでのんびり行ってみたいです。

――ドラマの中で結婚、出産を経験されましたが、結婚観や子育てについての思いに変化はありましたか?

 なつには仕事を続けたいという思いもあって、妊娠が分かってからも「辞めたくない」と思い続ける姿に、どんな反応があるのか気になりました。客観的に見ると、やりたいことを優先にしすぎてしまっていると思う瞬間もあったんです。ですが、共感してくださる方もいらっしゃいました。今まではむしろ、子供が好きなので早く欲しいと思っていました。だけど今は、なつの葛藤がわかるし、無邪気に子供が欲しいと思う気持ちは無くなりました。 “犠牲”という言葉を投げかけられるシーンがあったのですが、数日間引きずりました。現実で考えると、永遠に悩むだろうなと。だからこそ、全国のお母さんはすごいなと思います。

――なつには3つの家族がありますが、それぞれの立ち居振る舞いの違いは、どう感じますか?

 なつのベースを作ってくれた柴田家には、感謝が自然と生まれてきました。どこかに“育ててくれた人たち”という思いが多少あるんですが、本当の家族だと、その意識はないのかなって。10代のなつは常に感謝の思いがあって、それが切なさや血がつながっていないことの葛藤につながるんだと思います。上京して亜矢美(山口智子)さんの「風車」にいるときは、お兄ちゃん(咲太郎・岡田将生)――本当の家族がいるので、心の開き具合が変わったというか、一気に立ち振る舞いが変わったと思います。東京に出て来たということや亜矢美さんのテンションもあって、ある意味、気持ちいい環境だったなと。それとは違う居心地の良さが、自分が作って開拓した坂場家にあって。どれもテンションが違うし、空気感が違う。それが面白かったです。

――終盤の見どころやメッセージをお願いします。

 やはり千遥ですね。自分で開拓した家族はあるけど、子供の頃からの自分の家族は奥原家なんです。両親は亡くなりましたが、お兄ちゃんと千遥と3人で会うことが、なつの人生において最大の願いだったので、30年近く会えなかった分、そこをこの先の人生で埋め行きたいと思うくらい、情が溢れ出ているのが演じていてもすごく感じました。いろんな人がなつの周りにいて、出会いや再会、別れがあるからこそ生まれたアニメ作品を、大切な仕事仲間の人と作っていて。北海道の人にも、東京の人にも届くようなアニメ作品を作ろうとしているので、なつの集大成のようです。好きな人と好きなものに囲まれた人生なんだなと思います。いろんな運の強さ、巡り合わせがあるんだと思わせてくれるような時間がたくさんあるので、見ている方にも自分と照らし合わせて、いろんなものを見つめ直したり、感じてもらえる作品になったらいいなと思います。

プロフィール
広瀬すず/1998年6月19日生まれ。静岡県出身。AB型。主な出演作は映画「ちはやふる」シリーズ、ドラマ「学校のカイダン」など。劇場版アニメ「バケモノの子」で声優にも挑戦。10月8日(火)から初舞台「Q:A Night At The Kabuki」に出演する。


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〈連続テレビ小説『なつぞら』情報〉
<総合>[月~土]午前8時~8時15分/午後0時45分~1時(再)
<BSプレミアム>
[月~土]午前7時30分~7時45分/午後11時30分~11時45分(再)
[土]午前9時30分~11時(1週間分)
【ダイジェスト放送】
「なつぞら一週間」(20分) <総合>[日]午前11時~11時20分
「5分で『なつぞら』」 <総合>[日]午前5時45分~5時50分/午後5時55分~6時
※放送予定は変更される場合があります。

脚本/大森寿美男
制作統括/磯 智明 福岡利武
プロデューサー/村山峻平
演出/木村隆文 田中 正 渡辺哲也 田中健二
出演/広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 草刈正雄 他
語り/内村光良

『なつぞら』公式サイト
https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

《超!アニメディア編集部》
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