OLDCODEXが6thアルバム『LADDERLESS』をリリース!YORKE.「いい意味で“Ta_2のやりたい放題アルバム”だと思っているんですよ」【インタビュー】 | 超!アニメディア

OLDCODEXが6thアルバム『LADDERLESS』をリリース!YORKE.「いい意味で“Ta_2のやりたい放題アルバム”だと思っているんですよ」【インタビュー】

OLDCODEXが6枚目となるアルバム『LADDERLESS』を7月31日にリリース。今作は多彩なゲスト作家陣を迎え、これまでと違った色合いを感じさせる1枚に仕上がった。制作への思いについて、ボーカルのTa_2とペイン …

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 OLDCODEXが6枚目となるアルバム『LADDERLESS』を7月31日にリリース。今作は多彩なゲスト作家陣を迎え、これまでと違った色合いを感じさせる1枚に仕上がった。制作への思いについて、ボーカルのTa_2とペインターのYORKE.に語ってもらった。


――ニューアルバムのタイトル『LADDERLESS』の「LADDER」は「はしご」という意味ですか?

YORKE.(以下Y) だと思いますよね? 違うんですよ。最初に思いついたのは「Rudderless」というワードでした。ただ、これだと多少ネガティブに捉えられてしまうかなと思って、それをもじったタイトルにしたんです。僕はライブでは脚立を使うし、親和性もあるかなと。あと、単純に大文字にしてアルファベットを並べたらかっこいいなと思えたんです。

Ta_2(以下T) タイトルに関してはYORKE.に任せているので、意味も聞かなかったですね。YORKE.の考えは俺の考えでもあるし、YORKE.が選んだ言葉に疑問を持つこともない。だから、「なるほど、かっこよくていいんじゃない?」という感想でした。

Y Ta_2とアルバムのテーマについて話していたときから、「~LESS」というワードは使いたいと思っていたんですよ。今回の収録曲は、失ってまた手に入れて、みたいなタイプのものが多かったので。ただ、ロストだと感覚的にネガティブになっちゃうから、そこまで強すぎないけれど、はっきりとした意思表示ができているワードがいいなと思って、「LESS」を選びました。

――今回のアルバムは、どういったテーマを考えられていたのでしょうか?

T 昨年リリースしたシングルは、どれも前を向くために何が必要かを考えながら作ったので、新曲はもっと自分たちの深いところ、深淵にあるものにしたいなと思いました。奥深いところにあるものって、ポップだったり激しかったりするだけじゃない、もっと複雑な色合いのものだと思うんですね。それは、俺たちが作る曲もそうで、ロックにこだわる必要はないんじゃないかと思えるようになって。もともと、俺たちはラウドミクスチャーとしてやってきているんだから、いろいろな要素があって当たり前だし、一色ではないところを表現していきたいなと思って作っていきました。

Y 僕は、Ta_2がどうしたいかを聞いて、どう動けるかを考えるほうが多かったかな。個人で表現するというよりは、どう染まっていくかを考えるスタンスでしたね。今回、曲や歌詞をいろいろな作家の方にお願いしているので、出来上がりをちょっと離れたところから楽しみにしている部分もあります。


――作家の方々が入ってくると、制作への気持ちも変わりますか?

Y そうですね。ちょっと前まではふたりで完結させなきゃいけないという雰囲気が強かったのが、作家の方が吹かせてくれる新しい風のなかでどうパフォーマンスするかというふうに変わってきた感じです。10年近く活動を続けてくると、頭打ちになるイメージもあるかもね。それが違うアプローチによって広がっている実感はありますね。

T 作家の方に入っていただくことで、俺自身はサウンドプロデュースに今まで以上に深く関わることができるようになったんですね。自分の考えているものや表現したいことをダイレクトにやりとりできるのは、すごく楽しかったです。

――作家の方にお願いするときは、テーマは提示しているのでしょうか?

T していますね。2~3個ほどテーマを提示したうえで、自由に作ってくださいとお願いしました。どんなものが出来上がってくるかは予測不可能な部分もありましたが、俺が考えていたものと大きく違った部分はなく、でも作家の方それぞれのインスピレーションが活きているので、納得できるものばかりでした。

――リード曲の「Follow the Graph」は、まさかのバラードです。

T OLDCODEXはハードなバンドだと思っていただける機会も多かったのですが、俺たち自身、楽しく暴れるだけの存在ではないということは考えていました。シングルがパワーの強いものだったからこそ、今回はあえてリード曲をしっとりとしたものにして、いい意味で振り切ることができましたね。

Y このアルバムは、いい意味で「Ta_2のやりたい放題アルバム」だと思っているんですよ。Ta_2のパーソナルな部分がとても色濃く出ている。だから、歌詞は僕が知っている範囲でのTa_2の思い出や考えを代弁しているような感覚で、Ta_2に寄り添うものとして書きました。言葉はダイレクトだけど、ふだん自分が想定する対象よりも、もっと不特定なものに焦点を当てている感じもあります。

T 歌詞に関しては、事前に表現したいことは伝えていたし、とくに俺から何かをいうこともなかったですね。メロディーも明確な対象があるようで、不特定多数にも向けている感覚で作っていたので、歌詞をもらってからはどう歌おうかという考えが頭のなかで膨らみました。

――レコーディングはどんな気持ちで臨んだのでしょうか?

T 前回のツアーから、自分の歌の長所と短所がすごく見えたんです。それで、今年の年明けくらいからいろいろな人と相談しながら、歌唱法を見つめ直したんですね。そうしたら、歌うのが楽しくなったんですよ。もちろん、今までを否定するわけではないし、これまでも自分なりに納得のいくところを探していましたが、本当の意味で自分の納得できるボーカリストへの道のスタートラインに立てたような、そんな気持ちで臨みました。

――その長所と短所というのは?

T 長所は日本語が得意であること。それから、歌詞に書いてあることをどう表現したらいいのか、その解釈に関しては誰にも負けていないです。

Y たとえば、リード曲を僕が歌うと、洋楽っぽいグルーヴに聴こえちゃうんですよ。でも、Ta_2の歌い方だと曲に対して機械的と言ってもいいくらいに言葉が合うんです。それが、日本語が得意ということになるんだと思います。言葉が曲に合うと、スピード感にもつながるし、攻撃的にも聞こえる。僕だったらやさしく殺しそうな表現も、Ta_2は一撃必殺という感じ。ピッチの感覚は、とてもすごいと思います。

T 短所は無色になれないことですね。

Y それは役者さん独特なのかもしれないね。Ta_2は役に入り込むときの集中力がすごいから、レコーディングでも曲によって声が全部違うこともあるくらいなんですよ。僕が「今のはかわいく聞こえる」とディレクションをすることもあります。ただ、そこからすぐに声を変えられるのは、さすがですね。

T 日常的に日本語をよく使うから、母音が出過ぎちゃうところもあるんだよね。結果、語りに近く聞こえてしまう。子音との連動性をいかに高めるかというのが課題でもありました。

Y それは英語に如実に出るよね。We’reというフレーズがあったとして、Ta_2が歌うと「We here」に聴こえたりします。あと、Ta_2のボーカルブースめちゃめちゃ寒すぎる!

T あれは真空管のマイクを使っていて、温まると音が変わっちゃうから。シャキッとした音にするには、ずっと(スタジオ内を)冷やしていないとだめなんですよ。

Y 18度とかだもんね。信じられないよ。

T のどは丈夫だからね。声が出ないことはないし。

Y それなのに汗だく出ててくるのが不思議なんだよね。絶対、自律神経がだめになってると思う(笑)。

T 前に、YORKE.に言われたことがあるよね。「Ta_2って情緒不安定みたいだよね」って。でも、俺としてはすごくしっくりきたんですよ。気持ちの切り替えが簡単にできるから、YORKE.のディレクションによってすぐ変化をつけられるし、悩むこともない。その情緒不安定さが今回のアルバムではよく出ているのかな。OLDCODEXといえば、ゴリゴリの曲ばかりだと思っている人に、なんか面白そうだなと思ってもらえたらうれしいですね。

――「Follow the Graph」では、ミュージックビデオ(MV)も制作されていますね。

Y これ、撮影が超大変だったんですよ。深夜の1時に集合して、朝の4時くらいに撮影場所について……。働き方改革っていうのは、僕たちには適応されないのかなと思ったくらいで。これはぜひ記事に書いてほしいな(笑)。

T 集合場所に着いたときに「朝早くからすみません」ってスタッフに言われたけど、「夜だろ!」って思ったもんね。準備を始めたのが4時で、撮影のスタートは6時前くらいだったし。それで、俺の撮影が終わったのが夜の9時。

Y 僕は居残りだったから、日が変わるくらいまでは撮影場所にいた気がする。

T 内容に関して言うと、久々にふたりのみで完結するMVになりました。

Y Ta_2がストーリーのなかにより入っていっている感じがするんじゃないかな。スチールの連続みたいな映像になっていて、物語性は強くないから、いろいろな捉え方ができると思う。曲がちょっと悲しい感じだけど、その世界観よりポジティブなものになっていると思います。あと、新兵器も登場して。

T ドローン撮影は初めてだったね。

Y ドローンだとスケール感が変わるから、観ていても面白いよね。

T 音がなくても、観ているだけで楽しめるものを目指して作ったんですよ。今回は、記憶の復刻をテーマに、薄れていくものも強く残っていくものも、1回フィルムに焼き直すような感覚の映像を作りました。映像と言うよりはアート作品のような絵作りを、スタッフにはお願いしましたね。

――CD初収録となるアニメ『ULTRAMAN』の主題歌「Sight Over The Battle」についても聞かせてください。

T この曲は『ULTRAMAN』に俺たちなりに花を添える曲として作りました。この作品はウルトラマンがいなくなったあと、残された人たちの話なんですよね。ウルトラマンがいなくても異星人はやってくるから、戦わなくてはいけない。難しい、重いテーマだなと思ったんです。光の巨人がやってきて、いろいろなことが変わったはずなのに、人間は地上に縛られているし、ウルトラマン因子を持つ進次郎でさえも最初はまともに空も飛べないし……。でも、変わったことは確実にあるから、それを音で表現したいと思って。シンセサイザーで星々や空のきらめきの音を出したり、バンドサウンドで地に足がついている重さを表現したりしました。ウルトラマンって、かっこよさもあるけど、悲哀もある、ジレンマを抱えたヒーローなんですよね。だから、胸の内から絞り出るような切なさや慟哭を表現したいと思って作りました。

Y 僕はウルトラマンが子どものころから好きで、よくごっこ遊びもしていたんだけど、ふと歌詞を書くにあたって「ウルトラマンはなぜ戦っているんだろう」と思ったんですね。戦うことには原因があるはずで、それはなぜなくならないんだろうと。それこそ身近でいえば喧嘩や小競り合いはどうしてなくならないのか、その争いがあるから成り立っているものもあるのかと考えた結果、かなり壮大になりましたね。そのなかで、ウルトラマンに、似合うかっこよさと、バトルにとらわれている感覚を表現しつつ、子どものころのウルトラマンが勝てばうれしかったときの気持ちとは違う、俯瞰した見方を歌詞に落とし込んでいきました。

T レコーディングに関しては、あんまり覚えてないんですよ。集中して入り込んで、そこにある歌を歌うだけだから、歌いました、くらいしかなくて。ほかのアーティストのみなさんが、いろんな思い出があるのがすごいなと思っているくらい。何しろ、歌い慣れている曲じゃないから、どうしても集中せざるを得ないんですよね。

Y それはあるかもしれないね。普通バンドだと、何度もライブで演奏して、それを形にしていくけど、タイアップのある曲はまず作ってから、ライブで歌う形になるから。Ta_2はレコーディングスタジオで、「おなかすいた」しか言っていなかった気がする(笑)。

――毎回、YORKE.さんのアートワークのジャケットも楽しみなのですが。

Y 制作は現在進行中です。

T 初回限定盤は、すごい仕様になっているので、超楽しみにしていてほしい。

Y Ta_2がやりたいっていってスタートしたんですが、シンプルだけどテクスチャーがあるというか……。

T 日本人で、このパッケージは初めてなんじゃないかな。手に取って、人に見せたくなるような仕様です。

Y 形式にこだわっていないというところもポイントかな。あ、形は四角ですけど。

T 俺は、ライブを動く美術館にしたいと話しているんですね。それと同じで、CDも飾っておいておきたくなるようなアート作品にしたい。置いておくだけでテンションがあがったり、変化を与えるのが俺たちのジャケットや作品だったらうれしいなと思って。それを初回限定盤では達成できていると思います。

――10月からはツアーも始まります。

T 今年の10月で結成10年になるんですが、俺たちにとって規模の大きさというのはそれほど大事なことではないんです。それこそ、結成当時は自分たちで機材を運んだり、設営したり、グッズも売っていたんですよ。そのことを思い出して、もう一度足もとを見たいなと思って、結成当初よく回っていたクラスの会場をリクエストしました。それから、キャパシティーが小さくなると、今まで行ったことのない場所にも行きやすくなるんですよ。ライブって、近いようで遠い、遠いようで近い、みたいな矛盾をはらんでいるから、それを一回リセットしたら見えてくるものがまたあるんじゃないかなと。

Y 僕としては難しいことも多いですね。ライブハウスによって、会場のサイズや規模が違うので、できること、できないことの差が激しいんですよ。スケールの大きなことを表現したいのに、会場が小さいから大きく魅せられないというのは違う気がするし……。あと、小さい会場だとステージの見やすさの違いも出てくると思うんですね。アートをしてもステージが見えないのでは意味がないし……。これからスタッフの方と共に試行錯誤していく形になるのかなと思っています。でも、とにかく、そのステージで何ができるかという気持ちは、ずっと忘れちゃいけないなと思っています。

T 今回のツアーは、2個エンジンを積んでいるような感覚で臨んでいます。今回は第一段階目。二段階目も考えていますから楽しみにしていてほしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

PROFILE
【オルドコデックス】2009年結成。ボーカルのTa_2とペインターのYORKE.によるユニット。これまでにシングル16枚、アルバム5枚、ミニアルバム3枚をリリース。精力的かつ挑戦的なライブ活動を行うことでも知られている。

リリース情報
『LADDERLESS』
7月31日発売
発売元/バンダイナムコアーツ
初回限定盤:3,500円
通常盤:3,000円(各税別)

※画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大できます。

 

 TVアニメ『Free!-Dive to the Future-』のOP「Heading to Over」ほか、新曲7曲を含む全11曲を収録。初回限定盤には、リード曲「Follow the Graph」のミュージックビデオ、メイキングを収録したDVDを同梱する。

《超!アニメディア編集部》
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