『未来のミライ』くんちゃん役の上白石萌歌インタビュー「細田守監督は映画の“おとうさん”そのものでした」 | 超!アニメディア

『未来のミライ』くんちゃん役の上白石萌歌インタビュー「細田守監督は映画の“おとうさん”そのものでした」

『バケモノの子』や『おおかみこどもの雨と雪』など、ドキドキ&ワクワクの展開と、心が温かくなる物語で観客の心をつかむ細田守監督の最新作映画『未来のミライ』(スタジオ地図作品)が公開される。今回描かれるのは、甘えん坊の男の …

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 『バケモノの子』や『おおかみこどもの雨と雪』など、ドキドキ&ワクワクの展開と、心が温かくなる物語で観客の心をつかむ細田守監督の最新作映画『未来のミライ』(スタジオ地図作品)が公開される。今回描かれるのは、甘えん坊の男の子“くんちゃん”と、未来からやってきた妹の“ミライちゃん”という、ちょっと変わった“きょうだい”が織りなす時をこえた冒険の物語。くんちゃんの声優を務めた上白石萌歌のインタビューが、「アニメディア8月号」に掲載中。「超!アニメディア」では、紹介しきれなかったロング版をお届けする。


――本作で声優デビューとなりましたが、声優初挑戦で、しかも4歳の男の子を演じるというのは難しくなかったですか?
 4歳の男の子が主人公の映画っていうのは珍しいことみたいで、細田監督も「これは挑戦だ」っておしゃってましたし、自分でも4歳の子を演じるとは思っていなかったので役が決まったときはビックリしました。演技については、声優ではない私が選ばれたことには何か理由があるはずだと思ったので、実写やアニメというジャンルではなく同じ“お芝居”として、俳優として演じました。


――くんちゃんを演じる際に、とくに意識した点があったら教えてください。
 役作りのために保育園に行ったんですけど、小さな子と走ったり遊んだりしながら子どもが持つエネルギーの大きさに驚いたり、好き嫌いをハッキリと言える人間らしさを強く感じたので、そういう部分を大事に演じたいなと思いました。あと、作品を観る方がくんちゃんの声を聞いたときに私の顔が思い浮かばないくらい役と一体化したいなっていうのは意識しましたね。

――細田監督から、なにかアドバイスはありましたか?
 オーディションでは、くんちゃんを4歳の子っぽいイメージと、自分の素のままの2パターンで演じたんです。そうしたら細田監督が「素のほうがが感情があらわになっていてウソがない。本音だけでぶつかる感じがすごくいいから、そのままでいいよ」って言ってくださって。なので、気負わずに若作りもあまりしすぎずに(笑)、生まれた感情をそのまま素直に出すことで無邪気さや真っ直ぐさが表現できたように思います。あとアフレコで印象的だったのは、くんちゃんがお菓子のホワイトロリータを食べて「おいしい!」って言うシーン。普通に録ったあとに細田監督の提案で実際にホワイトロリータを食べて収録したら、本当においしさに満ち溢れてた声が出て(笑)。すごくリアルな声を引き出していただいた瞬間でした! さすが細田監督です。


――上白石さんは、細田監督の作品はすべて観ているほどファンだとうかがいました。実際に一緒にお仕事をしてみてた細田監督の印象は?
 好奇心旺盛で、すごく温かい方でした。本当のお父さんみたいに愛情深いし、それが作品にも表れていて。前に、打ち合わせで細田監督がおうちで撮ったビデオを見せてくださったんですけど、そこに映っていた細田監督がお子さんと触れ合う姿は、まさに映画の中のおとうさんのようでした。また、監督は実際に犬を飼っていらっしゃるんです。作品の中のさまざまな部分が監督の実体験に基づいているので、1作1作が監督の人生の一部なんだなって感じますし、どの作品からも愛情を感じるのは、そういう監督の実体験や思いがベースになって作品が作られているからなんじゃないかなというふうにも思いました。

――本作の中で一番思い入れの強いシーンを挙げるとするなら、どこですか?
 最初に絵コンテでミライちゃんの生まれたての表情を見たときは、色も動きも付いていない状態だったんですけど、すごく感動しました。すごく神々しくて神秘的で、絵のタッチから細田監督の愛も伝わってきて。実際、そのシーンでくんちゃんが思わず息をもらすんですけど、アフレコでは本当に自分の声から息があふれてきて、リアルな感情として「心が動いた!」と思えたので、とくに印象に残ってます。あと、家族が家に集まるシーンではほかの役者さんと一緒にみんなそろって収録ができたので、それもすごく楽しかったです。役者同士のコミュニケーションも細田監督がすごく大事にしてくださったので、とても感謝しています。

――自分の家族とは別に、収録現場でもう1つ家族が生まれた感じですね。
 本当にそんな感じで、「こんな家に生まれたら幸せだろうな」と思うくらい理想的な家族。やさしいおとうさんときれいなおかあさん、かわいいミライちゃん……くんちゃんを演じられて本当によかったです!

――ちなみに、ご自身が4歳くらいのころは、どんなお子さんでしたか?
 小さいころはすごく人見知りで、どちらかというと大人しくて車に乗ったらすぐに寝ちゃう、わりと手のかからない子だったみたいです(笑)。逆に姉は昔から人見知りもせず、活発で外で走り回るような感じだったらしいので、私たち姉妹は、くんちゃんとミライちゃんに少し似てるかもしれないですね。

――5月にはフランス・カンヌ国際映画祭で作品が上映されました。以前パリを訪れた際に、「私、カンヌに行く!」と言った夢が叶った舞台でもあったそうですが……。
 そうなんです! 4年前にファッション誌の企画でパリに行ったときに「カンヌに行く!」って宣言していて(笑)。でも、4年経ってその夢が現実になったことには私自身が一番驚きました!

――現地での反響はいかがでしたか?
 日本での公開前に海外の方の反応を見るのはすごく緊張しましたが、みなさんすごく感情豊かに作品を観てくださっていたのが印象的でした。赤ちゃんへの愛おしさや子どもの可愛らしさってやっぱり万国共通なんだなと思いましたし、客席からの熱いスタンディングオベーションを受けて、「今この瞬間に作品が生まれた」って感じて鳥肌が立ちました! あと、細田監督とオルセー美術館に行ったのも貴重な体験でした。私は美術が好きで大学でも勉強していて、細田監督も西洋美術に影響を受けていることが多いそうなので、展示されている作品を一緒に見たり、気になる作品を説明していただいたりして、すごく贅沢な経験でした。

――さて、作品の中でくんちゃんは時をこえる冒険に出ます。上白石さんなら、過去と未来のどちらに行きますか?
 興味があるのは未来ですね。でも、自分がどうなってるかは見ないと思います。私、占いにあまり左右されたくないので、「今日の占い」の結果とかは1日の終わりにチェックするようにしてるんですよ。答え合わせみたいに(笑)。だから、自分の未来も知ってしまうと面白くないので、「未来のスマートフォンはどうなっているのかな?」とか「どんな技術が進んでいるのかな?」とか、そういうことが知りたいですね。逆に過去に行けるなら、前世の自分の姿を見てみたいです。どんな人だったのか気になります(笑)。

――では、最後に読者にメッセージを。
 『未来のミライ』は、監督の愛とこだわりが詰まった作品です。ひとつひとつのシーンがすばらしくて人物も情景も秒単位の作画に惹かれるし、すごく鮮明にその場の空気感や臨場感を感じられると思うので、くんちゃんと一緒に不思議な旅をお楽しみください。私も祖母や祖父を誘って家族でこの作品を観たいと思っているので、みなさんも家族やお友達など、大切な人と一緒に観ていただけると嬉しいです!

取材・文/今里ハル


<映画『未来のミライ』情報>
公開:2018年7月20日(金)

監督・脚本・原作:細田守『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09)、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『バケモノの子』(15)
キャスト:上白石萌歌 黒木華/星野源 麻生久美子 吉原光夫 宮崎美子/役所広司
オープニングテーマ・主題歌:山下達郎
企画・制作:スタジオ地図

◆ストーリー
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。
ある日、甘えん坊のくんちゃん(4歳)に生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。
そんな時、くんちゃんはその庭で自分のことを“お兄ちゃん”と呼ぶ、
未来からやってきた妹、ミライちゃんと出会います。
ミライちゃんに導かれ、時を越えた家族の物語へと旅立つくんちゃん。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。
待ち受けるみたこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男や幼い頃の母、
そして青年時代の曽祖父との不思議な出会い。
そこで初めて知る様々な「家族の愛」の形。
果たして、くんちゃんが最後にたどり着いた場所とは?
ミライちゃんがやってきた本当の理由とは――

映画公式サイト
http://mirai-no-mirai.jp/

映画『未来のミライ』公式 Twitter
https://twitter.com/mirai_movie

スタジオ地図公式 Instagram
https://www.instagram.com/studio_chizu/

©2018 スタジオ地図

 
《超!アニメディア編集部》
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