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「温泉むすめ」Adharaの1stライブが開催 ― 星に集いし乙女たちの物語がいま、始まる【レポート】

2019/8/5


 日本全国の温泉をモチーフにしたキャラクターと声を担当する声優たちが、全国の温泉地を盛り上げるべく、歌と踊りで人々に“笑顔と癒し”を与えるアイドル活動を行うプロジェクト「温泉むすめ」。そのプロジェクトから誕生したグループ・Adhara初の単独ライブ「Adhara 1st Live ~SEIRIOS~」が2019年5月26日(日)に秋葉原P.A.R.M.Sにて行われた。出演者は黒川姫楽役の田中美海、乳頭和役の三上枝織、白骨朋依役の新田ひより、こんぴら桃萌役の吉田有里、湯の川聖羅役の野口瑠璃子。2019年3月に行われた同じく本プロジェクト発の3人組グループ・AKATSUKIのライブ同様にチケットは完売、注目度の高さがうかがえるライブとなった。

「Adhara」。「おおいぬ座イプシロン星」の別名でアラビア語では「乙女たち」という意味。他のグループとは違ったパフォーマンスの「キレ」や音楽性を持たせたいという想いから生まれたこのグループ。そんな彼女たちの1stライブは、ジャコモ・プッチーニのオペラ「トスカ」より「歌に生き、愛に生き」から始まった。彼女たちの曲ではない、アナウンスも特にない状況に、会場はすでに乙女たちの世界に包まれた。

 本ライブでは「星に集いし乙女の物語―プロローグ―」「覚醒 sinfonìa」と新曲を2曲披露。さらに、朗読劇の間に楽曲を挟むというミュージカルのような独特の構成で展開した。朗読劇では、一等星シリウスと二等星アダーラ(イプシロン)の二つの星から生まれたドラマを繰り広げる。黒川が、修道士の湯の川、道化師の白骨、鍛冶屋の見習い職人のこんぴら、魔女の乳頭と、それぞれ悩みを抱える乙女たちと出会い、そして彼女たちと共に歩んでいくというストーリーは、絶対的なセンターである「黒川」を中心としたアイドルグループである彼女たちに沿っているようでもあった。

 ライブ本編後のアンコールでは、「咲かせよ 沸かせよ バンバンBURN!」「青春サイダー Ver. Adhara」「追伸、ありがとう」と温泉むすめの全体曲とメイングループである「SPRiNGS」の楽曲を披露。最後までAdharaの空気に支配されたまま、ライブの幕は閉じた。

 見どころの多かった本ライブだが、本稿ではそれぞれの芝居、パフォーマンスに注目して紹介していく。

黒川姫楽役・田中美海
生まれついて高貴で優雅で麗しい雰囲気を持つカリスマ性のある温泉むすめ、また、その発するオーラでむすめたちを惹きつける魅力があるという黒川。Adharaの絶対的センターでもある。田中は表情、堂々としたパフォーマンス、落ち着いた仕草で演じる温泉むすめを体現。黒川を秋葉原に君臨させた。普段は“推しコンテンツ”の話になると話も涙も止まらなくなる彼女と異なるその姿は、役者として確かな実力を持っている証でもある。本ライブでは、楽曲でも朗読劇でも田中の表現者としての力と魅力に多くの人が惹きつけられた。Adharaの楽曲は黒川だけ違う立ち位置やパフォーマンスを披露することが多い。それは身勝手なものではない、信頼したメンバーと共にいるから。それがライブ、朗読劇から伝わってきた。

乳頭和役・三上枝織
あまり目立たない自分とは対照的な「魔法少女」が大好きな乳頭。今回演じた人里離れた森に暮らす「魔女」はそんな彼女と似ている部分があると感じられた。「魔女」はAdhara(黒川)という星と出会ったことで、自らの運命と境遇を変える決意をする。人ごみを嫌う彼女がライブで躍動するのは、黒川という星が近くで輝いていて、自らも「魔法少女」のようなキラキラ存在になれるから、なのかもしれない。今回の舞台で三上は確かなパフォーマンス力で全曲を難なくこなしているようにも見えた。一方で、他のメンバーと比べて控えめな動きをしていたのは、黒川をより際立たせることを意識していたからではないだろうか。キャラクター性も感じられる三上のパフォーマンスは、流石の一言である。

白骨朋依役・新田ひより
相手を挑発するような過激な発言が多く、周囲に勘違いされることもある白骨。しかし、実は心優しい少女で、自分のキャラクターの出し方に迷走して、今の形になっている。朗読劇で演じた道化師は彼女の迷走や心の内を表していたのかもしれない。ライブで新田は他のメンバーよりも激しめの動き、また爪を立てるような仕草を披露。尖ったキャラクターでいようとする彼女らしさがひとつ、ひとつの動きに詰まっていた。しかし、その動きは決してセンターである黒川の輝きを邪魔しない。激しく動くところは動き、黒川を立てるところは立てるというバランスは、見事であった。

こんぴら桃萌役・吉田有里
温泉むすめとしては歴史が浅いこんぴら。うどんが大好きで、いつも独自の鼻歌に乗せてうどんを打つ彼女が朗読劇で演じたのは、鍛冶屋の見習い職人。打っているものが違えど、同じ職人、そして失敗が多くも愛嬌があって許されるという彼女と似た役柄ではあるが、自身の失態で黒川を傷つけてしまいそれを悔いるなど、明るさ以外の内面も描かれていた。ライブで吉田は、やや大きめの動きで懸命にパフォーマンスをする。その姿は先輩たちに迷惑をかけないために躍動する、こんぴらのようであった。また、吉田のハイトーンボイスは会場の後ろまで届き、存在感を示す。しかし、白骨同様に黒川の輝きは邪魔しない。だからこそ、Adharaのメンバーなのである。

湯の川聖羅役・野口瑠璃子
慈愛あふれる癒し系の看護キャラで「歩く病院」とも言われている湯の川。常に笑顔でニコニコしているのでまるで聖母のような癒しオーラに溢れている彼女が朗読劇で演じた修道士という役は、まさにイメージ通りである。朗読劇では、人から姿が見えなくなった湯の川が、自身の姿を唯一認識できたAdhara(黒川)の輝きに惹かれ、そして彼女についていく。その様子は黒川と湯の川の関係にも通じるところがあるのかもしれない。今回のライブで野口は喉を傷めており、本調子ではなかった。時折見せる表情からその悔しさがにじみ出ていたが、一方で咳をしながらも、そこから「辛さ」を思わせない。マイクには絶対に咳を乗せないようにしようとする朗読パートや、懸命にパフォーマンスするライブでの姿を見て、胸が熱くなった。

 私が感じた以外にもさまざまな物語が今回のライブには詰まっていた。新曲が披露され、少年エースではマンガの連載もスタートしたAdharaが今後、どんな活躍をするのか、どんな場所で輝いていくのかも見届けていきたい。

画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大します。

 

Adhara 1st Live ~SEIRIOS~ セットリスト
<本編>
OP:歌に生き、愛に生き《トスカ》/ ジャコモ・プッチーニ
M1:星に集いし乙女の物語―プロローグ―(新曲)
ドラマ:湯の川聖羅 編 白骨朋依 編
М2:孤高のピエロ
ドラマ:こんぴら桃萌 編 乳頭和 編
М3:純情-SAKURA- Ver. Adhara
ドラマ:黒川姫楽編
М4:覚醒 sinfonìa(新曲)
М5:イプシロン進化論
<アンコール>
М6:咲かせよ 沸かせよ バンバンBURN!
М7:青春サイダー Ver. Adhara
М8:追伸、ありがとう
ED:ミサ・ソレムニス ニ長調 作品123 Ⅴ.アニュス・デイ / ベートーヴェン
<新曲担当作家>
星に集いし乙女の物語―プロローグ―覚醒 sinfonia
作詞:月宮うさぎ(ULTRA-PRISM)
作編曲:小池雅也(ULTRA-PRISM)
<ドラマクレジット>
ドラマプロット:中恵光城(マウスプロモーション)
ドラマシナリオ:佐藤寿昭
ドラマ監修:エンバウンド

 



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