「bilibili」発のTVアニメ『転生宗主の覇道譚 ~すべてを呑み込むサカナと這い上がる~』が、2025年7月2日(水)よりフジテレビとbilibiliが贈るアニメ枠「B8station(ビーハチステーション)」にて放送中。
本作は、中国の動画共有サービス「bilibili」で2025年5月に配信が開始され、配信から約2週間で再生数1,000万回以上を記録するなど人気を博す最新アニメの日本語吹き替え版。自らの霊獣に呑み込まれ、非業の死を遂げるも転生して新たな命を得た一人の青年が、再び天下一を目指していく姿を圧巻のスケールで描く本格中華ファンタジーだ。
若くして凌霄閣(りんしょうかく)という門派を立ち上げ天下一を目指していたが、悲願達成を目前にして命を落としてしまう樊凌霄(ファン・リンシャオ)役と、そんな彼が転生した青年・流鋒芒(リウ・フォンマン)役の二役を増田俊樹。本作のヒロインで凌霄閣に所属する霊獣師・谷霊(グー・リン)役を石見舞菜香が演じる。
このたびアニメ!アニメ!では、増田と石見にインタビューを実施。作品や演じるキャラクターの印象のほか、本作の主人公が「天下一」を目指しているということで、2人が極めたいことも聞いた。
[取材・文=米田果織 撮影=Ayumi Fujita]
■増田俊樹&石見舞菜香が思う『転生宗主の覇道譚』の魅力

――――中国では配信から約2週間で再生数1,000万回以上を記録するほど人気を誇っている本作。最初に作品に触れた際の印象と、どんな部分が人気に繋がっていると感じたかを聞かせてください。
増田:雰囲気やキャラクター性など、僕がこれまで見て来たアニメーションとは少し違ったものがたくさんある作品だという印象を受けつつ、ジャパニメーションの文化みたいなものを感じる瞬間もあり、国が違っても共通する部分があるんだと驚きもありました。人気の理由を聞かれると……中国でどんな作品が人気なのか把握していないのですが、日本と同じで「視聴者が今見たいもの」「求めているもの」にヒットしているのでしょうね。スケールの大きさを感じるシーンから物語が始まっており、また霊獣と共に戦うシーンも大迫力で見応えがありました。
石見:転生ものというジャンルは日本でも人気ですしね。中国でも人気なんだと驚きつつ、増田さんが言ったように、国が違っても共通するものがあると知れてなんだかうれしくなりました。違いに関しては、「凌霄閣チュチュチュ」というセリフがあって、それが預けているお金を引き出すシーンで使われていたのですが、「きっとこれは中国で流行っているノリなんだろうな」と(笑)。シリアスからギャグへ切り替わるスピード感も日本とは少し違う気がしましたね。
――演じるキャラクターの印象はいかがでしたか?
増田:収録も始まったばかりなので(※取材時)まだ掴み切れていない部分が多いです。樊凌霄に関しては、第1話ですでに流鋒芒へ転生してしまいますから。その流鋒芒に関しても収録した話数までだとまだバックボーンが描かれておらず、「こういうキャラクターだからこう演じよう」というよりか、現段階ではただただ巻き込まれていく様子を演じていますね。
石見:谷霊は、すごくかわいらしいキャラクターだなというのが第一印象でした。樊凌霄のことをすごく慕っていて、彼の転生した姿である流鋒芒から樊凌霄の要素を感じ取っていて、そんな鋭さや樊凌霄への忠誠心を人一倍感じるキャラクターです。

――増田さんはひとり二役を演じられますが、意識的に変化させた部分はありますか?
増田:樊凌霄を録り終わってから流鋒芒を演じたのですが、監督から「樊凌霄よりちょっと高めの声でお願いします」と言われました。それ以外で変化させた部分は、あまりないかもしれないです。キャラクター性を掴み切れていないのと、また、この二人が全く違うと思われる描写もまだそんなに出てきていないので。今はただ、原音から与えられた情報を可能な限り拾いつつ、それを表現できるように演じています。
――石見さんは、監督から何か印象的なディレクションはありましたか?
石見:役作りに関しては完全にお任せいただきました。原音を聞きながらイメージから逸れないように演じたのですが、私自身、吹き替えの経験がすごく少なくて……。原音を聞きながらセリフを読むという作業がまず難しくて、増田さんや他のキャストさんが演じられている姿を後ろから見ながら勉強させていただきました。ただ、すでに出来上がった映像に声をあてる作業は、キャラクターの心情やシーンのイメージがそのまま見て取れたので、演じる上ではやりやすかったです。谷霊はかわいいだけじゃなく、キリっとした表情を見せたり、訴えかけるようなセリフも多いので、原音から受け取ったそのギャップを日本の視聴者の皆さんにもしっかり届けなければと思いながら演じました。
――自身が演じたキャラクターに共感する部分などはありますか?
増田:これもまだ見つかっていないですね。話していて気付いたのですが、今の時点で僕はあまり演じていないのかもしれません。周りから影響を与えられながら進んでいくタイプのキャラクターなので、関わる人物の言葉を「どう受け止めているのか」、また、関わるキャラクターに「何を伝えたいのか」ということばかり考えて演じているので、共通点に関しては、これから見つけていきたいと思います。

石見:私と谷霊は、真逆なタイプな気がしています。谷霊は役目を任せられれば頑張ろうとするし、みんなを引っ張っていける女の子。対して私は、どっちかというと誰かに付いていきたい。先頭に立つよりか、人陰に隠れていた方が安心できるタイプです。髪の長さも違うし……今のところ共通点は見当たらないです。強いて挙げるとするならば、かわいい生き物が好きなところですかね(笑)。
――本作は、主人公が天下一を目指す物語。それにちなみ、お2人が「極めたい」と思っていることはありますか?
増田:僕は、自分を極めたいです。説明が難しいのですが……自分というものが持つもの、自分が信じているものをしっかり周知させるだけの力が欲しいです。自分の中で“非”となるものを極力なくしていきたいという思いが、僕の根底にある気がしますね。でも、そのゴールがどこかと言われると、まだわからないんです。おそらく死ぬ間際に、極めたか極められなかったかがやっとわかるのではないでしょうか。
石見:深い……! その後に言うのは恥ずかしいのですが、私は猫の気持ちを読み取る力を極めたいです。猫を飼っているのですが、最近ようやく表情を見て「今ごはんが欲しいのかな?」「今は甘えたいのかな?」くらいの変化がわかるようになってきました。言葉を交わせない分、その微妙な変化をもっと敏感に掴めるようになりたいです。
――最後に、放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
石見:中国ですごく人気な作品ということで、その日本語吹き替えを任せていただけることは、なんだか橋渡しの役割になれたようでとてもうれしいです。シリアスな物語なのですが、霊獣がかわいかったり、コメディなシーンも含まれていたり、たくさんの要素を持ち合わせている作品です。それこそ日本でも人気の“転生もの”ですので、きっと日本のアニメファンの皆さんにも楽しんでいただけるのではないでしょうか。ぜひ多くの方々に見てほしいです。
増田:日本とは違う文化のもとで作られたアニメーションなので、日本と共通している部分もありつつ、見ていて新鮮に感じる描写もたくさんあります。たくさんの方々に届くよう、僕たちも頑張って収録しています。その熱意やエネルギーが、アニメを通して皆さんに伝わったらうれしいですね。

増田俊樹さん ヘアメイク :小川聖愛(アートメイク・トキ)/スタイリスト:MASAYA(PLY)
石見舞菜香さん ヘアメイク :栗間夏美/スタイリスト:本田雄己

≪タイトル≫
B8station TVアニメ『転生宗主の覇道譚 ~すべてを呑み込むサカナと這い上がる』
≪放送日時≫
7月2日スタート
毎週(水)25時15分~25時45分 ※関東ローカル
※初回は25時25分~25時55分放送
≪BSフジ放送日時≫
7月9日スタート
毎週(水)24時~24時30分
≪キャスト≫
樊凌霄(ファン・リンシャオ)・流鋒芒(リウ・フォンマン):増田俊樹
谷霊(グー・リン):石見舞菜香
白檀殊(バイ・タンシュー):子安武人
白漣素(バイ・リエンス―):日高里菜
段燁(ドワン・イエ):逢坂良太
月彤(ユエ・トン):渡辺明乃
程曦(チョン・シー):小林大紀
≪スタッフ≫
原作:默「※呑天下」(※は魚へんに「昆」、以下同)
総監督:危天行
アニメーション制作:大火鳥文化
日本語吹き替え版
演出:日向泰祐
翻訳:鳥居怜子
音響制作:東北新社
日本版製作:フジテレビジョン、bilibili
≪主題歌≫
【OP】CROWN HEAD 『鬼灯』
【ED】阿薩Aza feat. 林魂&陳鵬傑※ 『登頂 Remix』
※「薩」は「草冠」+「こざとへん」+「産の生ナシ」が正しい表記。
(C)bilibili 改編自嗶哩嗶哩漫画人気作品《※呑天下》 原作者:黙