レジェンド声優・内海賢二の声がAI 音声で蘇る― 朗読付き電子書籍「YOMIBITO Plus」制作秘話インタビュー | 超!アニメディア

レジェンド声優・内海賢二の声がAI 音声で蘇る― 朗読付き電子書籍「YOMIBITO Plus」制作秘話インタビュー

AI音声による朗読付き電子書籍「YOMIBITO Plus(ヨミビト・プラス)」が電子書籍ストア「Reader Store」にて独占配信となる。その制作過程を賢プロダクション代表・内海賢太郎に聞いた。

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AI音声による朗読付き電子書籍「YOMIBITO Plus(ヨミビト・プラス)」が、2023年3月29日より電子書籍ストア「Reader Store」にて独占配信となる。

「YOMIBITO Plus」は、名作文学を AI音声による朗読とテキストで同時に楽しめる新しい形の電子書籍。 AI音声の作成には、株式会社CoeFontの最新の合成音声技術が活用されている。

今回、AI音声を作成した声優は、『鬼滅の刃』宇髄天元役などでお馴染みの小西克幸と、「第十七回声優アワード」新人声優賞を受賞した梅田修一朗。小西が芥川龍之介の『羅生門』、梅田が太宰治の『走れメロス』を朗読する。
さらに、『北斗の拳』ラオウ役、『Dr.スランプ アラレちゃん』則巻千兵衛役などを演じた内海賢二の声を、生前の音源を元にAI音声で再現。声優界のレジェンドのAI音声で、誰もが知る日本名作文学が楽しめるという。

今回、「YOMIBITO Plus」のキーマンとなる賢プロダクション代表・内海賢太郎氏に、AI音声の制作過程について話を聞いた。

内海賢太郎(うつみ・けんたろう)
声優事務所 株式会社賢プロダクション代表取締役社長。
父は声優の故・内海賢二氏、母は声優の野村道子氏。2024年に創設40周年を迎える賢プロダクションには「YOMIBITO Plus」に参加した小西克幸、梅田修一朗ほか、多数の声優が所属している。


[取材/文:阿部美香 撮影:藤井五木]

■「YOMIBITO Plus」プロジェクトに参加した理由

内海 朗読付き電子書籍を出されている「YOMIBITO」さんとは、昨年からのお付き合いになります。昨年は弊社所属の男性声優4名(谷山紀章、林勇、畠中祐、新祐樹)がミステリー小説を朗読させていただきました。
そして今回、お声がけいただいたのが「YOMIBITO Plus」という新しいプロジェクト。前回は、小説全部を読み上げましたが、今回は生の朗読ではなく、AI合成音声を作り、その声で朗読をするというお話でした。

賢プロダクションとしても、弊社の声優の朗読がAI音声で再現されるのは、初めてのことです。果たしてどの程度、どのレベルまで実現できるのか?には私自身もとても興味があり、現役では小西克幸、梅田修一朗の2人、そして故・内海賢二のAI音声作成にも協力させていただきました。

■AI音声の今について思うこと

内海 あくまでも私個人の考えになりますが、技術の進化の早さを感じています。AI音声に関しては、やはりこの10年程の間、弊社にもいろいろな会社さんから、AI技術を使った声の商品化についてのご提案やご相談をいただくこともありましたし、声優業界内でもAI音声に関する話題をよく聞くようになりました。

実際に、役者のAI音声を提供している事務所さんもいらっしゃいます。特にここ数年は、技術面での進化をすごく感じます。普段の暮らしの中にも、例えばカーナビ音声ですとか、AI音声が日常生活の中にどんどん入り込んできていることは実感しますし、一般の方がそうと気づかなくても、一応プロである僕らはつい聞き耳を立て、「なるほどここまで来たか」とも感じます。

声優ビジネスに関わる身としては、やはりAI音声の発達に脅威を感じる部分が多少ある……というのが、正直なところです。今回、「YOMIBITO Plus」さんとコラボレーションさせていただいたのも、最新のAI音声技術の実際のところはどうなのだろう?という、素朴な興味と関心に後押しされました。

■小西克幸・梅田修一朗のAI音声による「YOMIBITO Plus」作品の感想

内海 今回、現役からは、ベテランの小西と新人の梅田という、キャリアの違う2人が参加しましたが、それぞれの声の特徴、読み方の特徴はよく再現されていると思いました。梅田は本人の癖というのでしょうか、結構語尾が上がっていく喋り方をするのですが、そこがすごく特徴的に表れていると思いましたし、彼自身の声質もまさにそのまま表現されています。梅田をよく知っている人でも、「本当に喋っているんじゃないか?」と思ってしまうかも知れないです。

小西のほうは、彼自身が変幻自在と言いますか、作品や役柄によって声を自在に使い分けるタイプですので、今回はどの小西の部分が、一番この朗読に合っているかがポイントだったのかなと思います。そう思いながら作品を聴くと、割とこう……淡々とした感じになっていた。声質もまさに小西ですし、その小西の声がフラットに淡々と原稿を読み上げている、という表現になっている点は、とてもクオリティが高いと感じます。

もちろん生の朗読ではないので、細かい部分では若干、違和感はあるかも知れないですが、どちらも僕の耳にはとても素直に入ってきましたね。

■“故・内海賢二氏の声をAI音声で蘇らせる!”というチャレンジ

内海 弊社の現役声優だけでなく、内海賢二のAI音声による朗読作品にも挑戦したいというお話をいただいた時は、正直すごく迷いました。事務所の代表としても、息子という家族の立場でも。そこで、うちの母(声優・野村道子氏)とも話し合いをしました。母ももう85歳になりますが、AI音声というものにすごく興味もあったのか、「実際どうなのか聴いてみたい」というようなことを、僕には言っていました。

私自身も5年、10年前から、試験的なAI合成音声の現物を聞かせてもらうことはありましたが、当時はまだまだ喋りも滑らかではなかったですし、一聴して作られた音声だなと感じました。内海賢二の持ち味は、とても抑揚が大きい、独特の節回しです。そういう内海賢二ブランドのような、今まで築き上げてきたものがあるので、正直なところちょっと微妙というか……実際どうなるのかな? どう仕上がるのかな?というのは、OKを出しながらも心配ではありましたね。



インタビューの続きはこちら!

本インタビューの続きは「YOMIBITO Plus特設ページ」にて公開中。AI内海賢二が朗読する「YOMIBITO Plus」作品を聴いてみての気持ちや、AI音声との今後の共存について語っている。あわせて、AI音声の技術のキーマンとなるCoeFont・早川尚吾氏のインタビューも公開中だ。AI合成音声技術の特徴や、制作の難しさなどを話してもらった。
ぜひ、上記特設サイトをチェックしてほしい。

【書籍詳細

◆内海賢二が読む名作文学(夏目漱石、宮沢賢治)【内海賢二(AI音声):朗読音声付き】
https://bit.ly/3JEi6U5

・収録作品: 『吾輩は猫である(一)』『坊っちゃん(一)』 夏目漱石 ※朗読音声は冒頭 部分のみ 『雨ニモマケズ』 宮沢賢治
・配信開始日:2023年3月29日(水) ※2024年3月28日(木)までの期間限定配信
・出版社:ソニー・ミュージックエンタテインメント
・価格:無料 ※Reader Store への会員登録(無料)が必要です。 ※電子書籍ストア「Reader Store」にて独占配信。

【「YOMIBITO Plus」シリーズ作品】

◆羅生門【小西克幸(AI音声):朗読音声付き】
https://bit.ly/3JGiMrU

・配信開始日:2023年3月29日(水) ※2024年3月28日(木)までの期間限定配信
・出版社:ソニー・ミュージックエンタテインメント
・価格:無料 ※Reader Store への会員登録(無料)が必要です。 ※電子書籍ストア「Reader Store」にて独占配信。

◆走れメロス【梅田修一朗(AI音声):朗読音声付き】
https://bit.ly/3Z3aFvm

・配信開始日:2023年3月29日(水) ※2024年3月28日(木)までの期間限定配信
・出版社:ソニー・ミュージックエンタテインメント
・価格:無料 ※Reader Store への会員登録(無料)が必要です。 ※電子書籍ストア「Reader Store」にて独占配信。


YOMIBITO Plus特設ページ

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