伝説の騎士団「七つの大罪」を中心とした冒険物語『七つの大罪』の最新シリーズ『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 前編』がNetflixにて独占配信される。今回は、本作の主人公となるトリスタン役の村瀬歩、トリスタンの両親となるメリオダス役の梶裕貴、エリザベス役の雨宮天に作品の魅力を語ってもらった。
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村瀬:今回、トリスタン役を務めさせていただきました、村瀬歩です。トリスタンはこの映画の主人公ということでまだまだ未熟な少年なんですが、大事な家族を守るために奮闘していくという役回りになっています。
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梶:トリスタンの父親であり、『七つの大罪』の団長であるメリオダス役を演じさせていただきました、梶裕貴です。詳しくは『七つの大罪』シリーズをご覧ください(笑)。
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雨宮:エリザベス役の雨宮天です。今回の作品では、トリスタンのママ上です。よろしくお願いします。
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――演じたキャラクターはどんなところが魅力的だと感じましたか?
村瀬:すごくエネルギーにあふれているというか、困った人がいたら助けずにはいられないまっすぐさや純粋さ、あと本当にやさしいところが魅力的ですね。パパ上が魔神族でママ上が女神族という、とてつもないサラブレッドなわけですが、その持ちすぎた力に葛藤しつつ、向き合うことで彼が成長していくところには憧れを抱きました。そういうサラブレッドに生まれたかったなみたいな(笑)。また、共感とは少し違いますが、血統ならではの悩みがあると知ることできて、ひとつトリスタンの核に触れた感じがしました。
梶:メリオダスは『七つの大罪』という騎士団の団長であり、魔神族のエリート。エリザベスと結ばれるために3000年もの間、戦いを続けてきた男です。圧倒的な強さを誇りつつも、人間らしいハートを持っているところが魅力的。そんな彼だからこそ、強烈な個性を持つ『七つの大罪』の面々からも慕われているんでしょうね。ある種、根っこから最強の存在とも言えるメリオダスにも、実は弱さや葛藤があって、「それを乗り越えたからこそ今がある」というのにグッとくるんですよ。そういった、(魔神族でありながら)とても“人間らしいブレ”があるところが、彼のカッコ良さの秘訣だと思いますね。家族が増え、それを大切にしているところも本当に素敵!
雨宮:エリザベスの魅力は、相手が誰であってもまず『救いたい、愛そう』からすべての関係がスタートするところかなと思います。敵として立ち向かっている相手だったとしても、その根っこにあるのは『救いたい』という気持ちだったりする。それはなかなか持てない気持ちですよね。『こいつ嫌い』って思ったらバチバチになっちゃうことも多いと思うのですが(笑)、そうならないのがエリザベスの強さであり、大きな魅力。基本的にエリザベスと私は似ていないと思うのですが、エリザベスは自分で決めたことに頑固な部分があると思うんですね。絶対守ると決めたら守り抜くし、そのために行動もしていく。そういう決めたことにアグレッシブなところは、私に似ているかなと思います。
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――今回、親子座談会ということで、まずは両親から息子自慢をしていただけますでしょうか。
梶:いや、もう見るからにかわいいじゃないですか。
雨宮:ね!
梶:容姿も含めて、メリオダスとエリザベスを受け継いでくれているのがわかりますし。
雨宮:そうそう。わかりやすくていいですよね、うちの子。
梶:メリオダスの血というか、その存在感が継承されていると感じられるのは、やっぱり純粋にうれしいですね。トリスタンは、メリオダスとエリザベスが願い続け、ようやく勝ちとった“平和な世界”で育っているんです。だから、ごく普通の子どもと同じように、当たり前のことで悩んだりイラだったりしながら成長していて。そんな姿も含めて、愛しくて仕方がないですね。
雨宮:民からの信頼がある両親がいて、城もあるという、すべてがそろった環境で生まれて育ったのにめちゃくちゃピュアなんですよね。本当に、うまく育てたなっていう気持ちになります(笑)。年齢の割にちょっと幼い感じもかわいいですし、何より「パパ上、ママ上」の呼び方があざとい!
梶:そう呼びなさいって教えた人がいるのかな?
雨宮:だいたいお母さんが、そう呼びなさいって言ったりしますよね。
梶:エリザベスは父上呼びだよね?
雨宮:そうですね。
村瀬:だとしたら、父上、母上って呼ばせようとしたけど、うまく言えなくて「パパ上、ママ上」になったのかもしれないですね。
梶:かわいい(笑)。周りの友達に「パパ、ママ」って呼んでいた子がいたのかな? それでマネしてて混ざっちゃったとか? その経緯を知りたいですね。生まれてから歩き、そしてしゃべるまでの期間に何があったのか。
雨宮:鈴木先生に描いてもらいたいですね! すみません、親バカが止まらないんです(笑)。
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――仲のよさが感じられました(笑)。息子役の村瀬さんから見た両親はどんな人物でしょうか?
村瀬:まず、ふたりとも強い。パパ上には憧れや尊敬の気持ちがありつつも、複雑な思いもあると感じています。パパ上って、トリスタンが戦いから逃げようとしているところを見透かしている様子があるんですよね。パパ上からの愛情も理解しているし、自分のためを思ってくれているのもわかるけど、もう少し僕の気持ちもわかってよ、みたいな距離感なのかな。一方でママ上のことは、強く信頼している感じがします。3人で食卓を囲んだ際にパパ上にたしなめられて逃げたときも、ママ上は追いかけてきてくれると信じている。実際に来てくれるから、心を開いて甘えたくなっちゃうんでしょうね。
梶:でも、エリザベスも優しいだけじゃないんだよね。
村瀬:そうなんです。芯がしっかりしている。それに3人とも頑固なんですよね。トリスタンはふたりのことをすごい人だとわかっているけれど、力が制御できないことは話したくない。その頑固さは、DNAのなせる技なのかなと思います。
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――『前編』のストーリーで注目してほしいポイントを教えてください。
梶:トリスタンを主人公とした新しい物語の幕開けであることはもちろんですが、そこには『七つの大罪』で一貫して描かれ続けてきた“愛”というテーマも変わらずに存在しています。今回も、それがひとつの鍵となってくるかと。バトルやファンタジーといった刺激的な要素もありつつ、ネガティブな部分も含めて“人間の気持ち”というものが丁寧に表現されているところが、この作品の素敵なところだと思うので、本作に関しても、そのあたりに注目していただきたいです。
個人的な、そして具体的なオススメポイントを挙げるとすると、家族3人で食事をしているシーンがすごく好きでしたね。広い王宮の広い会食部屋の隅で、小さなテーブルを囲む彼らを見た瞬間、キュンとしました。
雨宮:個人的には、母になったエリザベスを見ていただきたい。何千年も生きる種族ではありますが、精神的に大人になったと思うんです。自分としても今までのエリザベスから成長した気持ちで役作りをしたので、親になったメリオダス、エリザベスにも注目していただけたら新鮮に感じられるんじゃないかなと思います。母感をすごく出して演じたんですよ。『母ちゃんじゃー!』っていう気持ちで(笑)。
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――母性あふれる母ちゃんでしたね。
雨宮:エリザベスを演じてきた8年間、ずっと『母性を出して』とリテイクを受けていたんですよ! 母性リテイクですよ!(笑)母性はまだまだ私の課題ではありますが、大人になったエリザベスからより強い母性を感じていただけたらうれしいです。
村瀬:すごく母性ありましたよ! 僕はトリスタンが城の外で妖精族や巨人族と話すとき、ちょっと背伸びをした感じが好きなんです。外に出たときは、リオネスを背負うものとしてカッコつけている。そこに少年らしさや愛らしさを感じました。本当に、両親の愛情を受けてすくすくと育ってきた感じがにじみ出ているので、それを見ていただきたいです。
――ちなみに、梶さんは父性を意識したりしましたか?
梶:僕はとくにしていませんでした。これまで自分がメリオダスを演じさせていただいてきた時間、歴史があるので、トリスタンを相手に喋れば自然と出るかな、という感じでした。メリオダスは人間族ではないので、年齢に伴う身体的変化に関しても、あまり複雑には考えませんでした。
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――本作のタイトル『大罪』を受けて、お三方が最近やってしまったささやかな罪「プチ罪」を教えてください。
梶:僕は、夜にお菓子を……。
雨宮:食べるんですか? あんまり食べなさそうなので意外です。
村瀬:ストイックなイメージがありますよね。
梶:意識的に絞っているタイミングでは、極端に食べなかったりしていたんだけど、最近は「今日も一日頑張ったんだからいいよね」って思うようになっちゃって……。
雨宮:夕飯は食べるんですよね? そのあと寝る前にとか?
梶:そうそう。ちょっとつままないと、もう気が済まないんですよ(笑)。だってほら、寝たらまた次の日が始まっちゃうでしょう? その前に「最後のハッピーを」と思って。
村瀬:スタッフロール的な?
梶:エンドクレジットが終わったあとの、おまけのもう1エピソードみたいな?
雨宮:Cパート的な。
梶:そうそう!(笑)食べちゃうことが喜びであり……プチ罪ですね。
雨宮:私も食べ物系なんですが、すごく大きくて立派な梨をいただいたんですね。ジューシーで美味しくて、お値段は聞かなかったんですが、いいものだと思うんです。それを半分食べて残りは明日の自分に残しておこうと思ったのに、美味しすぎて手が止まらなくて。2切れを残すのが精一杯でした。
梶:わかる! 梨っておなかいっぱいにはなるんだけど止まらないよね。
雨宮:ほぼ水分ですからね。
村瀬:わかります。シャインマスカットとかも食べたら止まらないですよね。
雨宮:水分系はするする入っちゃうんですよね。バナナだったらそうはいかないんですよ。
梶:僕はいけちゃいそうだけど(笑)。
雨宮:いっちゃうんですか(笑)。あんまりにも残せなかったので、翌日の自分に『ごめん』って思いました。
村瀬:僕も食べ物話なんですが、僕は結構塩辛いスナックが好きなんです。そのときは身体のことも考えてトウモロコシ粉や米粉で作った糖質オフのお菓子を食べていたんですね。すごく美味しいんですが、ちょっと物足りなくて一緒にクリームチーズを食べてしまって……。
梶:それは……(笑)。
村瀬:交互に食べていたら、どんどん食欲が増していって、結局糖質オフの意味がなくなっちゃって。
梶:それはどれくらいの頻度?
村瀬:週に1、2回くらいですね。
梶:それでやめられるなら偉いよ。僕は毎日だから。
雨宮:でも、チョコレート1個くらいだったら……。
梶:1個じゃ我慢できないの。夕飯は抑えられるのに、最後の最後で、結局我慢できない(笑)。
村瀬:やめようと思っても食べ始めると止まらなくなりますよね。
雨宮:やめない理由もいっぱい出てきますよね! 昨日は我慢したしとか、先週頑張ったしとか。
梶:「もう1個くらいいいよね」ってなっちゃう。自分へのご褒美みたいなところがあるので。
雨宮:きつい現場だったけど、頑張った! って。
梶:思う思う!よくやったよ~!って。
村瀬:共感の嵐が巻き起こっていますね(笑)。
梶:いや、これもう罪じゃないんじゃないかな?
雨宮:自分を大事にしているから、罪じゃなくていいと思います!
梶:判決の結果、無罪です!
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