声優・田中ちえ美“中身は大人というかおじさんに近いんです”『4人はそれぞれウソをつく』リッカのギャップについて語る | 超!アニメディア

声優・田中ちえ美“中身は大人というかおじさんに近いんです”『4人はそれぞれウソをつく』リッカのギャップについて語る

読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2022年12月号には、秋アニメ『4人はそれぞれウソをつく』より、リッカ役を演じる田中ちえ美が登場。

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『4人はそれぞれウソをつく』田中ちえ美/リッカ(C)橿原まどか・講談社/製作委員会はウソをつく
  • 『4人はそれぞれウソをつく』田中ちえ美/リッカ(C)橿原まどか・講談社/製作委員会はウソをつく
  • 『4人はそれぞれウソをつく』場面カット(C)橿原まどか・講談社/製作委員会はウソをつく
  • 田中ちえ美
  • 『4人はそれぞれウソをつく』リッカ キャラクタービジュアル(C)橿原まどか・講談社/製作委員会はウソをつく

読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。
2022年12月号には、秋アニメ『4人はそれぞれウソをつく』より、リッカ役を演じる田中ちえ美が登場。

本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

ロリモードと大佐モードのギャップが出るように

――『4人はそれぞれウソをつく』という作品の第一印象は?
原作の絵を初めて見たときは、登場する女の子もかわいく、癒やし系でほのぼとした日常作品なのかなと思っていたのですが、読み進めていくとぶっ飛んだ設定が盛りだくさんで、そのギャップにとても驚きました。

――アフレコが始まって、作品のどんな点がおもしろいなと感じましたか?
メインキャラクター4人とも他人にバレてはいけないウソをついていて、そのウソがバレないように裏と表の顔がころころと変わっていく様子は目が離せず、おもしろいと思いました。でも、そのウソには友情を大切にしたいという面もあり、読み進めていくとみんないい子だとわかるんです。また、女の子が抱える日常の悩みもリアルに描かれていて、ファンタジーとリアルが融合されているところも魅力的だと思います。

――リッカについては、どんな印象がありましたか?
まずは見た目がかわいい! ほかの3人と比べて身長が低く、私の大好きなロリキャラだ! という印象が強かったです。ただ、リッカは見た目がかわいいだけで、中身は大人というかおじさんに近いんですよね。そういうキャラクターは演じたことがなかったので、かなり気合いを入れてオーディションに臨んだことを覚えています。

『4人はそれぞれウソをつく』場面カット(C)橿原まどか・講談社/製作委員会はウソをつく

――一見ロリキャラでありながら、じつは宇宙帝国軍と戦う銀河革命軍の大佐ということで、演じる際には難しい点も多かったのではないですか?
自然なかわいさを持っているキャラクターではないので、無理してロリを作っている感を出す必要があったんです。ロリのときはあえておバカな雰囲気を出してみたり、ちょっと天然感のある発言を意識したりしつつ、大佐モードのときは声を低めに出さなくてはいけなくて。アフレコに入ってからは、スタッフの方から中学生と大佐の差をはっきりと出したいというディレクションをいただき、ひとりで2役を演じているような気持ちでお芝居をしていました。

――正体がバレそうになってあわてるなど、凛々しさとは別の素の部分もよく出てきますよね。
そうですね。リッカはバレたらこの世の終わりぐらいの規模のウソをついているので、バレそうになったときは過呼吸になるんじゃないかくらいの必死さが出せるように心がけています。

――中学生モードと大佐モードの切り替えも多いですよね。
気持ち的な差も声的な差も大きいので、アフレコの最初のころは途中で小休止が必要でしたし、私だけリテイクが入ることも多くて……。でも収録が進んでいくうちに、だんだんとキャラクターがつかめるようになり、休憩なしでキャラクターを変えられるようになってきているので、自分自身も成長できているのかなと。リッカは途中で英語を話すこともあるのですが、そこだけが大佐モードになることもあり、変化が急激なんです。大変ですがやりがいもありますし、自分の新たな可能性を知ることができる役に出会えたなと感じています。

――リッカの本名は「パピポポロ・ヂュルリッカ」ですが、声にするのが難しそうですね。
難しいです!(笑) アフレコで一番苦戦したかもしれません。リッカは名前だけではなくて、たとえば「1098」という数字を「せんきゅうじゅうはち」ではなくて「ひとまるきゅうはち」と言ったりもするので、その独特な言い方も慣れるまで大変でした。じつは2話くらいまでは、台本を暗記するくらい練習してアフレコに臨んでいたんです。そのせいで、違う読み方だと指摘されたとき瞬時に切り替えができなくて。それ以降、この作品はあまり練習しすぎないほうがいいんじゃないか、そのほうが自然なリアクションが出るんじゃないかと思うようになりました。

――アフレコ現場では、スタッフからどんな指示がありましたか?
第1話のアフレコのときから「やりたいようにやってください」というお話がありました。セリフの尺すら気にしなくていいというお話だったので、第1話からかわいい女の子が出しているとは思えないほどの汚い声を出したりしました(笑)。それでOKをもらえたので、どんどんエスカレートしている気もします。

――田中さんが考えるリッカの魅力はどんなところでしょうか?
誰よりも大人で、誰よりも精神年齢が上なので、周りのことをよく見ているところ。誰かが元気がないときには、さりげなく励ましに行けるんですよね。私だったら「大丈夫?」ってストレートに聞いてしまうと思うので、そのさりげなさは見習いたいです。第3話で、文化祭で着たい衣装を聞かれたとき、本当は軍服が着たいのに周りからの期待を察知して「メイド服が着たい」と言ってしまうところも大人ですよね。

――リッカに共感できる部分はありますか?
私もお仕事で人前に出るときは、とくに明るく元気に振る舞うんです。もちろん、皆さんと一緒に過ごせる時間が楽しくてたまらないからそうなるのですが、家ではそのテンションがまったく出ないんです。とくに家族とのSNSでのやりとりは絵文字も使わず「うん」とか「はい」とかくらいですませてしまって。相手によって態度が変わっちゃうところは、リッカに共感に近い気持ちを持っています。

――リッカと仲よしの千代、関根、翼はどんなキャラクターでしょうか?
千代さんはおしとやかでかわいいものが好きな女の子。でも、実際は強くてカッコよく、おバカで被害妄想が強くて目が離せない、守りたくなるようなキャラクターです。村上奈津実ちゃんが可憐さとはかけ離れた声を出しているところにも注目です(笑)。関根は人の心が読める能力者なのですが、その能力のせいで辛いこともたくさんあったと思うんです。でも、本人はケロッとしているところがすごい。佐倉綾音さんの緩急のあるツッコミが素晴らしいです。先々のお話でツッコミ&委員長キャラなだけではないことも判明していくのですが、生い立ちと相まって応援したくなります。翼はとにかく不憫。お姉さんの指示で無理矢理女子校に通わされているのに、周りに合わせてくれるやさしさがあるんですが、男だとバレちゃいけないと葛藤することが多く、応援したくなります。ただ、時々弾けて「女でいいや!」と吹っ切れちゃうことがあるんですね。そのときの潘めぐみさんのお芝居が本当におもしろいので、ぜひ見てほしいです。

TVアニメ「4人はそれぞれウソをつく」ノンテロップOP

――田中さんは村上さんとのユニット・NACHERRYでOP主題歌「エクリプス」も歌っていますね。
いままでのNACHERRYはポップとロックを合わせたような曲が多かったのですが、「エクリプス」はロックに全振りしつつメタルっぽさもある曲になりました。これまでのNACHERRYを知っている方には新しさを感じてもらえると思うし、初めて知った方はカッコいい曲を歌っているユニットがいると気になってもらえるような曲です。歌詞のところどころに作品にちなんだワードもたくさん出てくるので、ぜひ作品と一緒に楽しんでもらいたいです。

――では最後に、物語のこの先の見どころを教えてください。
最初は自分の身を守るためにウソをついていた4人が、だんだんと友情を守るためにウソをつくようになっていきます。それぞれのキャラクターの家族についても掘り下げられていきますし、たとえばリッカと千代、関根と翼とか、4人ではなく2人ずつの関係にもスポットが当たっていくので、ぜひ深まる友情とその関係性の変化を楽しみにしていてください。

MegamiにQuestion

Q.自分のチャームポイント
A.いまは鼻です
以前は「目」だったのですが、最近メイクさんや声優友達から「綺麗な鼻だね」と言われることが増えたので、「鼻」です。

Q.自分のニックネーム
A.ちぇみー、田中
『サクラクエスト』という作品でご一緒した安済知佳さんに「ちぇみー」と付けていただきました。「田中」は私のことをいじってくるときに呼ばれることが多いですね。

Q.自分の声の特徴
A.意外と低い
地声を聞いた方に言われることがあるんです。大佐モードのリッカのほうが、素の声に近いのかな。

Q.自分の性格
A.心配性
アフレコの前は心配しすぎて寝られなくなることがありますし、ライブやイベントも待機しているときには震えています。

Q.いま、ハマっているものは?
A.『スプラトゥーン3』
発売当日はバタバタしていてプレイできなくて、最近やっと始めました。でも、私シューティング系のゲームが苦手で、すぐイライラしちゃうんです(笑)。それでやめようと思って一度は距離を置くんですが、すぐにまたコントローラーを手にしてしまって。まさに沼ですね。

Q.ウソをつくのはじょうず?
A.瞬きが多くなってバレます(笑)
ウソをつこうとしても、まず瞬きが多いって指摘されるんです。その時点でバレているし、顔にも全部出ちゃうみたいです。占いでも「ウソをつけないタイプ」と言われたことがあるので、上手にウソはつけないと思います。

Q.学生時代の思い出は?
A.放課後に行っていたカラオケ
友達とカラオケに行って、アニソンなどをよく歌っていました。それから、きつい坂道をぜーはー言いながら自転車で登っていました。

Q.本作のキャッチフレーズ
A.令和に大丈夫? このエグさ
いまの時代にこの表現は大丈夫なのかな? と思うシーンがたくさんあるんです。ギリギリ感を楽しんでください(笑)。

(C)橿原まどか・講談社/製作委員会はウソをつく

[取材・文/野下奈生(アイプランニング)]
※本稿の内容は「メガミマガジン」2022年12月号でインタビュー時のものです。

■プロフィール
田中ちえ美(たなか・ちえみ)/10月6日生まれ。静岡県出身。ステイラック所属。主な出演作は、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』天王寺璃奈役、『サクラクエスト』織部凛々子役など。

■『4人はそれぞれウソをつく』
毎週土曜日深夜2時よりABCテレビほかにて放映中
女子校の中学2年生であるリッカ、千代、関根、翼は、とても仲のいい4人組。しかし、じつはそれぞれ宇宙人、抜け忍、超能力者、女装男子と誰にも言えない秘密を抱えていた。その秘密がバレないよう、ウソで取り繕う4人だが……。


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