TVアニメ『オリエント』の魅力をOPテーマ・EDテーマを担当する花村想太&Lil' Fang、梶原岳人に聞く【インタビュー】 | 超!アニメディア

TVアニメ『オリエント』の魅力をOPテーマ・EDテーマを担当する花村想太&Lil' Fang、梶原岳人に聞く【インタビュー】

TVアニメ『オリエント』第2クール「淡路島激闘編」のOPテーマ・EDテーマを担当する花村想太さん&Lil' Fangさん、梶原岳人さんにインタビュー。

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(左から)花村想太、Lil' Fang、梶原岳人
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  • (左から)Lil' Fang、花村想太
  • 梶原岳人
  • (左から)梶原岳人、Lil' Fang、花村想太
  • Lil' Fang
  • 花村想太
  • 「Break it down」ジャケット (C)大高忍・講談社/「オリエント」製作委員会
  • 「色違いの糸束」CDonky盤

 別冊少年マガジンで好評連載中のマンガを原作としたTVアニメ『オリエント』第2クール「淡路島激闘編」が、2022年7月11日よりテレビ東京にて放送スタート。本作の舞台は、鬼神の襲来により、人ではなく“鬼”が覇権を握ることになった日ノ本。“最強の武士団”結成を誓い、故郷を飛び出した武蔵と鐘巻小次郎は、旅の途中で出会った服部つぐみと3人で「鐘巻武士団」を結成。鬼を倒す唯一の武器である「鬼鉄刀」を手に入れ、夢への一歩を踏み出した。「淡路島激闘編」では、上杉竜臣率いる大武士団「上杉武士団」や武田尚虎率いる「武田武士団」らと共に、「鐘巻武士団」が淡路島を飲み込んだ巨大鬼神“砲戦竜八岐大蛇”の討伐に挑む物語が描かれる。

 今回はOPテーマ曲「Break it down」を担当する花村想太さん&Lil' Fangさん、EDテーマ曲「色違いの糸束」を担当する梶原岳人さんにインタビュー。物語を音楽で彩る3人に、『オリエント』の魅力やそれぞれの楽曲への印象などについてお話を聞いた。


(左から)梶原岳人、Lil' Fang、花村想太【画像クリックでフォトギャラリーへ】

「高い壁をぶち壊していきたい」という思いを曲に込めた

――「淡路島激闘編」のテーマ曲を担当すると決まったときの率直なお気持ちを教えてください。

花村 『オリエント』第1クール「安芸旅立ち編」に続き作品に関わることができて、本当に幸せです。しかも、今回はLil’とのタッグ。「常識を打ち破る」という『オリエント』の作品イメージを持ったまま、今回はふたりでより高い壁をぶち壊していこうと、気合が入りました。

Lil’ 私、アニメが大好きなんです。休みの日は家から一歩も出ずにアニメを延々と見続けています(笑)。『オリエント』も原作を読んでいたので、お声がけいただけたときはすごく嬉しかったですね。同時に、自分が知っている作品に関わるということでのプレッシャーも感じました。しかも、今回は尊敬している先輩・想太さんとのタッグ。聞いた瞬間は、手汗が止まりませんでした。ただ、想太さんから「高い壁をぶち壊していきたい」という思いを曲に込めたいと聞いたので、私も壁を乗り越えようと思ったんです。プレッシャーに挑む勇気をもらいました。

梶原 作品に関わるのは同じであれども、歌と芝居ではベクトルが異なります。芝居でもしっかりと作品に残せるものを出さなければいけないですし、EDテーマ曲を担当するからには、音楽でも作品を彩っていかないといけない。芝居と歌の両方で関われるのが嬉しい反面、どちらでも作品を盛り上げていかなければというプレッシャーも感じていました。ただ、そこを乗り越えていいものを残したいと思い、アフレコにもレコーディングも一所懸命臨みましたね。

――Lil’さんはふだんからアニメをよく見ているんですね。どういう作品が好きですか?

Lil’ まずアニメにハマったきっかけが、『新世紀エヴァンゲリオン』なんですよ。夏休みに再放送していたのがたまたま目に入って、一気に惹きこまれました。それから毎夏に『エヴァンゲリオン』を見ることが私の伝統になっています(笑)。あとは……もう本当に色々な作品を見ていまして。梶原さんが出演されている作品もほぼほぼ見ています。(自身が所属するガールズグループの)FAKYとして『ブラッククローバー』のEDテーマを担当できたことが嬉しかったです!

梶原 ありがとうございます!

Lil’ あと、本作に関わる前から『マギ』も見ていました! 本当はもっと色々なお話がしたいのですが……アニメの話をすると、とっても長くなっちゃうんです(笑)。それくらい、色々な作品を見ていますね。

花村 すごいね! 僕は小さい頃に『遊☆戯☆王』のアニメをよく見ていました。あとは『NARUTO』や『ONE PIECE』などが好きですね。Lil’ほどアニメは見ないけども、最近気になっているのは『SPY×FAMILY』。みんなが面白いと絶賛しているので、一度見てみたいですね。

梶原 僕は『ドラゴンボール』が大好きです。『ドラゴンボール』は男ならみんな通る道と思っているくらい、僕の中では最高の作品です。いつか声優として作品に関わることが僕の夢です!

「Break it down」誕生秘話

――続いて楽曲についてお聞きします。まずはOPテーマ曲の「Break it down」。こちらは花村さんとLil’さんふたりで歌詞を書いたとお聞きしました。どのように制作していきましたか?

花村 まずはアニメOP用の89秒尺を作ったのですが、それは色々とヒアリングをしながら僕が考えていきました。1番の歌詞はその流れで完成したのですが、2番は逆にLil’を中心に書いていこうと思って。自分が書いたエッセンスだけ入れてもらえばと伝えて、歌詞を書いてもらうことにしました。

Lil’ 想太さんが書いた歌詞をみたとき、『オリエント』のアニメ映像が思い浮かびました。それくらい作品とリンクしていたんです。また、歌詞を書く際、アニメの世界観と合わせて今回はダンスボーカルとしても戦っていきたいという話を想太さんからいただいたんです。その話を受けて、この歌詞には自分自身の戦いについての想いも込めようと意識するようになりました。

――花村さんはLil’さんが書いた歌詞をもらったとき、どう感じましたか?

花村 僕が知っているLil’は明るくて、いつもムードメイクしている人。ただ、歌詞を読んでからは、家では少しネガティブなのかもと思うようになりました。というのも歌詞が、力強さのなかに後ろ向きな部分が混じっていたものだったんです。自信なさそうに提出してきたし(笑)。

Lil’ バレてました?

花村 うん。もっと自信もって書けばいいのに、と思いました。歌詞をもらって僕が直したのは語感、あとは後ろ向きな部分をもう少しオブラートに包んで何かを一緒に支えるような歌詞にできたらというアドバイスくらいです。言葉の意味は変えずに、それを一緒に力強く歌えたらいいなという気持ちでした。素敵な歌詞だったよ。

Lil’ ありがとうございます!

――レコーディングはいかがでしたか?

花村 楽曲自体は何度も聞いていたのですが、実は2番は仮歌を録らずにレコーディングの日を迎えたんですよ。なので、レコーディング当日に歌ってみて、「こっちのほうが語感がいいな」とその場で変えてしまった部分がいくつかありまして……。本来は家でやっておくべき作業だったのに、申し訳ないことをしました。そんな状況だったにも関わらず、Lil’はすぐに対応してくれたんです。対応力、そして吸収するスピードの速さに驚きました。

Lil’ 音楽人生10数年のなかで、いちばん難しい曲でした……! それだけにレコーディング前から不安でいっぱいでしたが、先輩から「Lil’、いけるやろ」って言われたので、もうやるしかないなと(笑)。実際のレコーディングでも色々とディレクションしていただきましたが、言われれば言われるほど楽しくなって、もっと教えて欲しいという気持ちが強くなりました。

花村 珍しい!

Lil’ FAKYの活動では私がディレクションする側なので、ディレクションしてもらうのが久々だったんです。そういうこともあって、今回のレコーディングでは色々な発見がありました。自分の足りていない部分がまだまだあることに改めて気づけたので、とても貴重な経験になったと感じています。

花村 と、謙遜していますが、Lil’は本当にすごかったんです。あまりにもクオリティが高かったので、僕は途中で帰りました、もう大丈夫ですって。

Lil’ 想太さんは「最後のサビの部分、ちょっとキーを上げてみて。出来なかったらいいよ。お疲れ~」と言いながら出て行きました(笑)。

花村 アレンジしといてねってお願いだけしてね(笑)。後日聞いたら、ちゃんとやってくれていました。男女デュオの楽曲制作では、だいたい女性パートを決めてその3~5度下のキーを男性が歌うようにしているんです。ただ、今回はそうではなく女性キーを僕が歌って、その3度上をLil’に歌ってもらうようにしました。つまりは、キーがものすごく高い曲なんです。自分でも難しい曲になったと思っていますが、武蔵たちのように「強い相手にも負けない」という気持ちを持って、この楽曲を歌っています。

――梶原さんは「Break it down」を聞いてどのような印象を受けましたか。

梶原 すごすぎて逆にため息しかでなかったです。爆弾が飛び交っているような声の圧力、作品に沿った歌詞が胸に刺さりました。魂を削りながら歌っていると感じるくらいのエネルギー量に圧倒されましたね。僕も見習いたいと思います。

花村 ぜひ、ファンのみなさんに宣伝をお願いします(笑)。

梶原 みんな「Break it down」ヤバいよ!

1曲通しての説得力が段違い

――今度はEDテーマ曲「色違いの糸束」について教えてください。こちらは梶原さんが歌唱されていますね。

梶原 作品に寄り添いつつも、自分のパーソナルな部分にも通ずる曲だと感じました。というのも、僕は強さを表ではなく、内側に持っていることが多くって。元気な役を演じる機会が多いですが、それとは裏腹に、自分の芯が内側で留まりやすいタイプだと自分では思っています。「色違いの糸束」は、込められている思いは大きいけれど、それを思い切り歌い上げるよりもそっと押すぐらいの曲だと感じました。それが、僕のパーソナルと合っている気がしたんです。

――花村さん、Lil’さんは聞いてみていかがでしたか?

花村 歌詞のひとつひとつが本当に聞き取りやすかったです。声優さんなので言葉の立て方が綺麗なんだなと思いました。また、歌声から優しさと芯の強さを感じましたね。きっと梶原さんは、気が強いけども大人というタイプだと思います(笑)。

梶原 大人かどうかは分かりませんが、当たっている気がします!

Lil’ すごい、歌占いできそうですね。

花村 今後もやっていこうかな(笑)。

Lil’ ぜひ! 梶原さんの歌は抑揚がしっかりと利いていて、歌声から物語を感じました。お芝居をされているからだと思うのですが、1曲を通しての説得力が段違いなんです。OPがあって、本編のストーリーを経てこの楽曲がEDで流れたときに、すべてを包み込んでくれる。そんな気持ちになれる曲だと思います。

梶原 ありがとうございます!

――テーマ曲を担当してみて改めて思う『オリエント』の魅力について教えてください。

花村 夢を追い求めるときって、必ず何かにぶち当たると思うんです。例えば、誰かに夢をバカにされたり、止められたり、上には上がいるんだよって言われたり。中でもいちばん邪魔してくるのは、自分自身。心のなかではやりたいことがあっても、それを口に出せない、言葉にできないって経験が僕にもあります。

Lil’ 意外です。

花村 小学生の頃に書いた文集で、本当は歌手になりたいって書きたかったけど、パン屋って書いたことがあって。だから、夢を語れなかった武蔵の気持ちがすごく分かるんです。夢に突き進むだけではなく、夢を抱くこと、言葉にすることへの葛藤から『オリエント』では描かれています。それが非常に印象的でした。だからこそ、主題歌には「間違いと笑われても、それを笑い返せるくらい強い心が持てたら」という想いを込めています。この作品を見て、夢への想いが顕著に変わりましたね。

Lil’ 『オリエント』は1から……いや0からやらなければいけないという困難と何度もぶつかる作品だと思っています。そのなかで登場人物たちが確実に成長している姿が印象的ですし、痛みを抱えながらも立ち向かう彼らを見ると、心が熱くなります。『オリエント』は、私自身がもっと真剣に生きようと思える作品ですね。

梶原 登場人物それぞれに感情移入できるのが『オリエント』の魅力だと思います。僕が演じる尼子勝巳は武士団の当主子息なので、団員を率いて前に立たなければいけません。そして、団員に不安を与えないように、敵に力が及ばないと分かっていても、それを表に出してはいけないんです。その葛藤は僕の仕事にも通ずるところがある気がしていて。僕たちのやっている仕事は、自分の実力や限界が分かっていても、それを越えていけないときがあるんです。だから、尼子に感情移入することができました。

――続けて、「淡路島激闘編」で楽しみにしていることを教えてください。

梶原 いつも僕がアニメに出演するときに楽しみにしているのが、お子さんからの応援。僕自身がアニメやマンガ好きの少年だったので、子供たちが抱く主人公や敵キャラがかっこいいなという気持ちが、よく分かります。『オリエント』は子供も楽しめる作品だと思っているので、演じている身としてはぜひ子供たちにも見て欲しいです。そういう声が届いたら、本当に嬉しいですね。子供も大人も作品を楽しんでもらえたらと思います。

花村 「激闘編」ということで、戦いがメインになってくると思います。そのなかでも、『オリエント』は心情の部分まで細かく描いてくれるので、それがすごく楽しみです。声や映像が付くことで、より迫力も出ると思っています。

Lil’ まだ詳しくは言えませんが、ここからはそれぞれの心の動きがすごいと思うんです。声が付いた状態であれば、キャラクターたちの気持ちがストレートに入ってくるので、今から楽しみで仕方ありません。あと個人的に猿渡みちる推しなので、早くあのかわいい姿を見たいです!

花村想太& Lil' Fangプロフィール
4オクターブのハイトーンボイスで存在感を放つDa-iCEの花村想太とパワフルで圧倒的な歌声で魅了するFAKYのLil' Fangによるタッグ。花村想太はDa-iCEにて仮面ライダー50周年記念映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』の主題歌「Promise」や、TVアニメ『オリエント』第1クールのOPテーマ「Break out」の作詞作曲を手がけ、Lil' FangはFAKYにて「第36回東日本女子駅伝」大会応援ソング「It's a small world」の作詞作曲、オトナの土ドラ『リカ ~リバース~』主題歌および映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』主題歌「99」の作詞を手がけるなど、ともにクリエイティブ面でも高い評価を受けている。

梶原岳人プロフィール
声優として精力的に活動し、2020年には第14回声優アワード新人男優賞を受賞。代表作は『炎炎ノ消防隊』森羅日下部役、『古見さんは、コミュ症です。』只野仁人役、『ブラッククローバー』アスタ役など。幼少期から親しんできた"音楽"を新たな表現として届けるため2020年11月にアーティストデビュー。

TVアニメ『オリエント』第2クール「淡路島激闘編」放送情報
2022年7月よりレビ東京、BSテレ東、AT-Xにて放送中
【テレビ東京】毎週月曜25時30分~
【BSテレ東】毎週木曜24時30分~
【AT-X】毎週火曜23時~  
※AT-Xリピート放送:毎週木曜11時~/月曜17時~
<配信情報>
dTV・アニメタイムズ・Huluにて毎週月曜26時~先行配信中。ほか見放題/都度課金サービスでも毎週金曜24時~随時配信

「Break it down」配信情報
2022年7月11日(月)より配信中

「色違いの糸束」リリース情報
発売:2022年7月20日(発売中)

(C)大高忍・講談社/「オリエント」製作委員会

《M.TOKU》
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