「音楽は友達。距離を近づけていくのが大切」劇場版『DEEMO サクラノオト』の主題歌でデビューする15歳のアーティスト・Hinanoにインタビュー | 超!アニメディア

「音楽は友達。距離を近づけていくのが大切」劇場版『DEEMO サクラノオト』の主題歌でデビューする15歳のアーティスト・Hinanoにインタビュー

「劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』」主題歌「nocturne」を歌唱するHinanoさんにインタビュー。

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 音楽ゲーム「DEEMO」を原作としたアニメ映画「劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』」が、2022年2月25日(金)より東京・新宿バルト9ほかにて公開。本作は、ピアノを奏でる謎の存在・Deemoと記憶を失った少女、そして彼女らを取り巻く人々によって紡がれる、優しく切ない物語。ミステリアスなストーリー展開と併せて、ピアノで奏でられる美しい音楽の数々も魅力の作品だ。

 そんな本作の主題歌「nocturne」を歌唱するのは、本曲でデビューとなる15歳のアーティスト・Hinanoさん。本作の歌姫オーディションにより世界中の1400名の応募の中から選ばれた彼女が、「鬼滅の刃」や「ソードアート・オンライン」シリーズの劇伴などを手がけ、オーディションの審査員としても参加した梶浦由記さんが手掛けた「nocturne」で作品を彩る。

 今回はデビューしたばかりのHinanoさんにインタビュー。「楽曲は友達」という彼女の音楽に対する想いなどについてお話を聞いた。


「nocturne」ジャケット写真【画像クリックでフォトギャラリーへ】

「本気じゃないなら音楽をやめなさい」の真意

――ついにデビューの日がやってきましたね。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、映画公開日がなかなか決まらない日々が続きました。もしかしたら私のデビューがなくなっちゃうのかなと不安になりましたが、公開日が決まり、日も近づいてきたことで、ようやくデビューするんだという実感が湧いてきています。今はこれからの活動が楽しみだという気持ちでいっぱいです !

――本作の歌姫オーディションを経てアーティストデビューするHinanoさん。元々音楽は好きでしたか?
 
母に聞いたのですが、幼い頃の私は『おかあさんといっしょ』のコンサート映像を朝から晩まで見ていたらしいんです。だからなのか、物心ついてからも自然と音楽が好きでした。聞くジャンルこそ広がってきているものの、音楽が好きという気持ちは今も変わっていません。本格的に歌のレッスンに通い始めたのは小学6年生の頃ですね。

――なぜ歌のレッスンに通いたいと思うように?
 女性ボーカルグループのLittle Glee Monsterさんや様々なメディアで活躍する同世代の子たちを見て、私も歌が上手になりたいと思うようになったんです。それで、母に相談したところ、最初は反対されましたが最終的に「今やっている習い事ぜんぶやめるならいいよ」と言われまして。

――当時はどんな習い事を?
 英語・新体操・ゴルフ・そろばん……等々、色々とやっていました(笑)。

――幅広くやっていたんですね!
 学校の友達がやっているのを見ると、「私もやらないと!」って気持ちになっちゃって(笑)。元々とりあえず何でもやってみたいタイプなので、色々とチャレンジしてきました。でも、それらの習い事は迷うことなく「やめる」と母に即答しました。それで、地元のボーカルスクールに通うようになったんです。

――音楽一本に絞った。
 はい。もうずっと習いたいことだったので、それ以外の選択肢はありませんでした。

――プロとしてデビューすることにはこだわっていた?
 歌う仕事をしたいという夢は持っていましたが、最初は趣味の延長線上という気持ちのほうが強かったかもしれません。ただ、レッスンを続けていくなかで母から「オーディションを受けないなら、レッスン通うのをやめなさい」と言われまして。それが、意識が変わった瞬間です。私の母は、過去にクラリネット奏者としてオーケストラに参加したことがあり、今は音楽の先生をしているんです。それだけに、音楽の世界で活躍できる人は一握りで狭き門ということも知っている。
 今思うと、最初に反対をされたのも「やめなさい」という厳しい言葉をかけてくれたのも、音楽の世界で生きていくことの厳しさを母は知っていたからなんだと思います。真剣に取り組まないと、夢を掴むことはできないから。ただ、当時の私はまだそれが理解しきれておらず、しぶしぶコンテストを受けに行っていた記憶があります(笑)。その後、とあるコンテストを受けたとき、ありがたいことに関東代表に選ばれて全国大会へ出場することができました。そこで、人前で歌うことの楽しさを知ったんです。それからはプロの歌手として活動したいと強く思うようになりました。

――そうだったんですね。
 それから、コンテストでの実績が認められて、芸能事務所さんが運営する養成所に通わせていただけるようになりました。週6で歌やダンス、ラップのレッスンをしていて、放課後になるとすぐに養成所へ行っていたので、中学校生活の思い出はあまりありません(笑)。養成所でのレッスンは1年半ほど続いたのですが、結局事務所に所属することは叶いませんでした。その後も様々なオーディションを受けましたが、結果は残せず。この時期はちょっと辛かったですね。

――そのとき、プロになる道や音楽をやめようとは思わなかった。
 はい。ドラマに影響されて別の道を目指そうと思うこともありましたが、すぐに「やっぱり歌以外の道に進むことは考えられない」と思い直しました。興味のあることは多いんですけど、どれも音楽をやめてそっちの道に進もうと思うほどではなかったんです。

――それだけ音楽が好きなんですね。
 そうかもしれません!

――その後、本作の歌姫オーディションを経て、アーティストデビューの夢を掴んだんですね。
 はい。グランプリをいただくことができ本当に光栄です。これまで応援してくれた皆様に、そして、これから出会うたくさんの方々に、私の歌をお届けできるよう頑張りたいという気持ちでいっぱいです。

ミュージカルを見て感じた「生で音楽を届ける素晴らしさ」

――今回、Hinanoさんが主題歌を担当することになった劇場版『DEEMO サクラノオト』は、ゲームが原作のアニメ映画です。Hinanoさんはゲームやアニメなどはお好きですか?
 小学生の頃は『プリキュア』シリーズを見ていました! 人形遊びが好きだったので、フィギュアもたくさん持っていたんです。その後は特定のアニメを見ることはあんまりなかったのですが、「nocturne」の作詞・作曲を手掛けている梶浦先生が劇伴を担当されている『鬼滅の刃』にドハマりました。コロナ禍での自宅学習期間では、勉強以外の時間は歌のレッスンか『鬼滅の刃』に触れるかのどっちかしかしていなかったです(笑)。

――そこまで!
 はい。ゲームに関しては、実はスマホのなかに50個くらいアプリが入っておりまして。

――多いですね!
 気になるゲームがあったら、すぐにダウンロードしてしまう癖があるんです(笑)。特にとあるパズルゲームにハマり過ぎて、気が付けば2000レベルを超えていました。今日も50レベルほど進めてきたばかりです。

――す、すごい!
 あとは『どうぶつの森』が好きで、そのためにゲームのハードも購入しました。

――ちなみに、その他でハマっていることや趣味は何ですか?
 映画鑑賞ですね。特にミュージカル系の作品が好きで、最近だと『THE GREATEST SHOWMAN』や『RENT/レント』を見ました。

――ミュージカルは生で観劇するのも好き?
 好きです! コロナ禍前は『劇団四季』さんの公演を3ヶ月に1回くらいの頻度で見に行っており、つい最近、会員にもなりました。あとは「宝塚歌劇」さんの公演もついこの前拝見しました。見ているときは、生で音楽を届けられるってやっぱり素敵だなって、いつも感じています。やっぱり私は、音楽から離れられないんだと思います。

音楽は「友達」

――改めて、今回リリースされる「nocturne」についてお話を聞かせてください。
 
劇場版『DEEMO サクラノオト』に寄り添った静かで美しい曲です。最初は「歌えるかな」と不安でしたが、曲をいただいて練習して、キーチェックなどもしていくうちに「nocturne」への理解が自分のなかでどんどん深まっていきました。「知り合い」から「友達」になれたんです。

――「知り合い」から「友達」に?
 どの楽曲をいただいたときもそうなのですが、私にとって「音楽」は「友達」なんです。最初は「知り合い」から始まって、日々接していくうちに、だんだんと「友達」になっていく。そして、毎日のようにその曲と向き合うことで「親友」になる。そうやって歌との距離をなくしていくというのが、私の音楽への向き合い方なんです。

――その楽曲について考えたり、練習をしたりしていくうちに距離が縮まっていく。
 はい。離れることもたまにありますが(笑)。でも、そうなったらそうなったで次の日からもう一度距離を縮められるように、仲直りできるように頑張ります。

――人間関係と同じですね。
 そうです。私にとっていただいた曲はひとりの人間と同じ。「友達」なので、その良さをどんどん引き出して、みんなにも好きになってもらいたいんです。

――素敵なお話、ありがとうございました。改めて、「nocturne」で注目して欲しいポイントを教えてください。
 やはり、作品とのリンクですね。歌詞もメロディーも劇場版『DEEMO サクラノオト』だからこそのものになっています。ぜひ映画を見てからフル尺の音源も聞いてみていただきたいです。

――レコーディングはいかがでしたか?
 レコーディングで歌うまでは本当に緊張しっぱなしでした。電車でスタジオに向かう途中も「大丈夫かな?」と心配で、心配で……。でも、歌い出したら一気に緊張がほぐれました。レコーディング中は楽しくて、「もう終わり!?」と言っちゃったくらい、時間が早く過ぎていきました。

――初めてのレコーディング。どのようなディレクションがありましたか?
 まだ人前で歌った経験が少ないこともあり、梶浦先生からは「聞いている方々が心地よいと思う歌を歌ってみてください」というアドバイスをいただきました。どうも私は、お客さんが聞きたいところで逆に抜いてしまう癖があるみたいで。それを直せたらもっとよくなると言っていただきました。今後もそういったところを意識して歌っていきたいと思います。

――2月23日にリリースされたCDには、オリジナル曲「はじまり」も収録されています。
 最初は「nocturne」だけでデビューだと思っていたら、「もう一曲あります」と言われて驚きました。この曲を聞いたとき、これまで私が感じてきた悔しさ、喜びなどがそのまま音楽に乗っていると感じました。曲を聞いていると、苦しいこともあったけども乗り越えられた日々を思い出して、改めて歌を諦めなくてよかったと感じられます。自分が経験してきたことが歌詞になっていたので、レコーディングでも歌いやすかったですね。

――レコーディングではどのようなことを言われましたか?
 自分の好きなように歌ってくださいと言っていただいたので、本当に自分の思ったままを歌いました。スムーズにレコーディングが進み、ずっと楽しかったです。

――夢であったアーティストデビューを果たしましたが、今後はどのようなことをやっていきたいですか?
 歌手としてはもっと歌唱力をつけて、世界に通用するアーティストになることを目標に活動していきたいです。日本はもちろん、いつかは海外でもライブがしたいですね! あとは、いまお芝居についても勉強しているので、それも活かしていきたいです。ミュージカルにも出演できたらいいな! アーティスト活動を軸としつつマルチに活動していきたいですね。

――ご自身で作詞・作曲をするというのはいかがですか?
 作曲は未知数過ぎて想像できませんが、作詞はいつかはやりたいです! ただ、まだまだ人生経験が浅いのでまずは色々なことを体験して、それを歌に込められるようにしたいと思います。

――最後に、改めて「nocturne」の推しポイントを教えてください。
「nocturne」は映画に寄り添った一曲ですので、ぜひ作品を見てから聞いてみてください。私は映画を拝見したとき、アトラクションのような楽しさが詰まっていると感じました。音楽がとても心地よくて綺麗なので、劇場の大きなスクリーンと音響設備で楽しんでいただければと思います!

取材・執筆/M.TOKU

1stEP「nocturne」リリース情報
形態:CD+DVD
品番:PCCA-06115
価格:2,750円(税込)
発売元:ポニーキャニオン
【CD】
1.nocturne
2.はじまり(オリジナル曲)
3.あいたい
4.Fluquor
5.YUBIKIRI-GENMAN
6.Aurarobe
7.Re:you~ 彼の地を知りえたとして ~
8.Red Storm Sentiment
【DVD】
1.nocturne Music Video
2.nocturne Music Video Making
3.あいたい Music Video

《M.TOKU》
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