アニメ!アニメ!では、「妹さえ」の魅力を深掘りするためスタッフ陣へ全6回にわたって連載インタビューを実施。第1弾として今回は原作・シリーズ構成の平坂読先生へ、本作が誕生した経緯や実体験がどれだけ作中に反映されているのか、さらに先生ご自身の「〇〇さえあればいい」をうかがった――。
[取材・構成=胃の上心臓(下着派)]
『妹さえいればいい。』
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■「カントクさんがイラストなら、すぐに打ち切りはない」
――まずは『妹さえいればいい。』が誕生した経緯を教えてください。
平坂読先生(以下、平坂)
元々作家物をずっとやりたかったんです。でも、中々売れ筋のジャンルではないことから二の足を踏んでいました。そんな時に担当編集の岩浅さんからカントクさんと組んで新しい企画をやりませんか? と持ちかけられて、カントクさんがイラストをやってくれるなら少なくともすぐに打ち切りになることはないだろうということで、始めることにしました。
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――そんな本作のTVアニメ化が決まった時に、どのような想いがありましたか?
平坂
アニメ化は前作『僕は友達が少ない』から今回で2回目なので、もちろんすごく嬉しいというのはあるんですけれど、作業の忙しさや放送中のストレスとかもよく知っていたので、不安なところはありました。それでもやはり「いいアニメになってほしい」という期待が一番大きかったです。
――そういったご自身の経験は、同じライトノベル作家である羽島伊月や不破春斗らキャラクターたちに生かされているところがあるのでしょうか?
平坂
ええ。とくに春斗がそうですね。べつに前作のアニメが失敗だったと思っているわけではないのですが、アニメ化がいいことばかりではないということはちゃんと描きたいなと。
――劇中ではお酒やゲームなど、平坂先生ご自身の趣味趣向や遊び心が散りばめられています。そのほか「こだわり」や「遊び」の描写はありますか?
平坂
実在のライトノベルや漫画がたくさん出てくるんですけれど、それは実際に自分で読んだ好きな作品を出しています。あと、そんなには使っていませんが、中の人ネタも出していたりしますね。例えばオーバーロード的な人や、パンツマンガ先生ですね。
――春斗や三国山蚕ですね。蚕の好きな妹は、原作では藤田 茜さんが演じられたあの妹キャラでしたね。
平坂
あれを書いた時はまだキャストが藤田さんに決まっていなかったので、偶然でした。
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――アニメ化する際に、原作者としてここは守りたいと思った大切なポイントは?
平坂
原作の雰囲気を崩さずキャラがブレないように、ということですね。ただそのまま原作をなぞっていくのではなくアニメとして1話1話をまとまりがあるように最適化しつつ、全12話を見直したときにこれはいいアニメだったなと思ってもらえるよう心がけました。