和氣あず未がアーティストデビュー、トラウマを抱えるほど苦手意識があった「歌」への想い【インタビュー】 | 超!アニメディア

和氣あず未がアーティストデビュー、トラウマを抱えるほど苦手意識があった「歌」への想い【インタビュー】

『アイドルマスターシンデレラガールズ』片桐早苗役、『「ブレンド・S」桜ノ宮苺香役、『みだらな青ちゃんは勉強ができない』堀江青役など、さまざまな作品に出演する声優・和氣あず未。目覚ましい活躍をする彼女が、2020年1月29 …

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『アイドルマスターシンデレラガールズ』片桐早苗役、『「ブレンド・S」桜ノ宮苺香役、『みだらな青ちゃんは勉強ができない』堀江青役など、さまざまな作品に出演する声優・和氣あず未。目覚ましい活躍をする彼女が、2020年1月29日(水)に1stシングルとなる「ふわっと/シトラス」を引っさげてアーティストデビューする。

 超!アニメディアでは、和氣さんにインタビューを実施。1stシングルの聴きどころに加えて、自身の音楽に対する想いなどについてお話をうかがった。


ーーアーティストデビューすることが発表された2019年。振り返ってみて、どんな一年でしたか?

 平凡な一年でした。

――……。えぇ!? 色々な作品で和氣さんのお名前を聞くことがあったので、まさか平凡という言葉出てくるとは思っていませんでした。

 確かに、ありがたいことにたくさんお仕事をさせていただき、アーティストデビューすることも発表されるなど、色々なことがありましたね。……そういえば、2018年に占い師さんに占ってもらったら、「来年は落ち着いた一年になります」と言われたんですよ。でも、全然そんなことはなかったです。あれ、平凡じゃないですね(笑)。

――でも、平凡だと思えるくらい日常が楽しかったということ?

 そうですね。毎日が楽しくって!

――Twitterを拝見していてもその楽しさが伝わってきます。

 本当に、あの通りなんです(笑)。悩むこともありましたが、どうしようもなくなってしまうような日はなくって。いま思うと、とても幸せな一年を過ごせたなと思っています。

――それは声優になってからは初めての気持ちだった?

 どうでしょう、声優のお仕事で「どうしたらいいんだろう」って考えることも多々ありましたが、これまでも「それすら楽しい」と思えてきたので。毎年、楽しくはあったんですよね。声優業に慣れたということはないですが、落ち着いて仕事をできるようになってきたのが2019年だったのかもしれません。

――そのなかで、アーティストデビューというのはやはり大きな発表だったかと思います。

 そうですね!

――最初に「デビューしませんか?」というお話をもらったときはどんなお気持ちでしたか?

 2019年の3月くらいにマネージャーさんから「アーティストデビューに興味ない?」と聞かれて。その時は正直に「わたしには、まだレベルが高いかもしれません」と伝えたんです。そもそも、歌は超苦手意識があって、トラウマもあったので。

――トラウマ?

 はい。私、お兄ちゃんが3人いるんですけども、私が幼稚園くらいのときに4人でカラオケへ行ったんです。で、しばらくしたら、勝手にお兄ちゃんが採点モードにしちゃって。そのとき、あまり知らない曲を歌って、7点を出しちゃったんです。

――7点!

 はい。それをお兄ちゃんたちにめちゃめちゃバカにされて! 私が家で歌っていると事あるごとに「7点」みたいに言われていたので、歌にはトラウマがあったんです。

――そんな過去があったとは……。

 でも、この仕事をするようになってから歌う機会が増えて、お兄ちゃんもCDを買ってくれて! それで、トラウマはある程度、克服できました。そういえば、アーティストデビューすることをお兄ちゃんたちに報告したら、働いているけども歌手になりたいって夢も持っている三男から「俺も出してくんないかな」「あず未とコラボできないかな」って言われて(笑)。なんだかお兄ちゃんに認めてもらえたようで、嬉しかったです。

――兄妹でのコラボは日本コロムビアさんにお願いするしかないですね(笑)。

 そうですね(笑)。

――お兄さん方も後押ししてくれるようになっていますが、それでも歌に対して、苦手意識があるんですね。

 そうなんです。歌うことは好きなんですけども、こういう過去があったら人前で歌うことをあんまりしてこなくって。まだ、和氣あず未として人前で歌うことには慣れていないし、苦手な分野なんです。

――これまでも様々なコンテンツで、人前で歌うことがありました。その時とは意識が違う?


 違いますね。キャラクターで歌うときは、私とキャラクターが二人でひとつという感じなので、心強いんですよね。

――キャラクターとして歌うときは、そのキャラクターがいつも寄り添ってくれている。

 本当にそう思えるんです。このキャラクターだったら楽しく歌うだろうな、このキャラクターはどうだろうなど考えながら歌っていたので、変な緊張もしない。あとは、周りに支えてくれるメンバーがいるというのも大きいですね。ただ、ソロアーティストの場合はそのどちらもいない。和氣あず未として歌うことになるんです。だから、不安で。

――アーティストデビューするという意識もそれほどなかった?

 絶対にないだろうと思いながら声優業をしていたので、まさかお声がかいただける日がくるなんて想像もしていませんでした。最初は「私は大丈夫です」ともお答えしていたんですけども、マネージャーさんから「一度、ゆっくり話をさせて」と言われて。しかも、マネージャーさんは、日本コロムビアの担当さんと私のデビューについて色々とお話してくださっていたんです。これだけ後押ししてもらっているし、ひょっとしたら、自分にとって新たな一歩となるかもしれない。それなら……と少しずつ思うようになりました。

――そんなお気持ちを抱えながらデビューを迎えられていたとは。

 曲をいただく前は自分自身で歌うというのも考えられなくて。どうやって歌えばいいんだろうと思っていました。

――その不安はどうやって乗り越えた?

 最初のキーチェックでディレクターさんと一緒に歌いやすいキーを探したんですけども、そのときに「普段の話しているトーンで歌えばいい」「ナチュラルなほうが和氣さんらしさが出るし、聞いている人もそっちのほうが嬉しいと思う」と言われたんです。なんだか、自分が知らない私を周りの人が引き出してくれているように感じました。また、キーチェックのタイミングで「この曲はこういうイメージで歌って欲しい」というディレクションもしていただけたので、それを一度持ち帰って家で練習できたんです。予習の時間があったのは本当に助かりました。何より、「ふわっと」と「シトラス」を実際に歌ってみたとき、歌いやすく、イメージもしやすかったんですよね。“私”が思っている“私”と、“周りの人”が思っている“私”が一致していると、そこで気が付きました。自分に合った楽曲ばかりだったので、気持ちも乗せやすかったです。

――レコーディングで言われて印象に残っていることは?

「曲によって声の雰囲気が変わるね」と言われました。私としても「ふわっと」は可愛らしく、「Snow Falls」は大人っぽくと、それぞれ雰囲気を変えて歌ったつもりだったので、その言葉はすごく嬉しかったです!

――続いて、それぞれの楽曲についてお話を聞かせてください。まずは「ふわっと」から。この曲を聴いたときはどのような印象でしたか?

「新しい一歩を踏み込むぞ!」という前向きな曲で、アーティストとしての一歩を踏み出す自分の気持ちと重なりました。また、サビに曲のタイトル通り「ふわっと」という言葉が出てくるのですが、それが、ガツガツしていない私の性格を表すのにピッタリで。いまの状況的にも気持ち的にも重なる部分の多い曲だなと感じました。

―ー初回限定盤AにはこちらのMVが収録されたDVDが同梱されます。

 靴で私が遊ぶMVなのですが、その靴も“新しい一歩”とかけています。このMVは単純に雰囲気がすごく好きですね。あと、綺麗なスタジオで撮影していただいたので、めちゃめちゃテンションが上がりました(笑)。

――以前に別のインタビューで、カメラを向けられるのが苦手だとおっしゃられていました。それは克服できた?

 ダメです、ダメです! 恐らく一生ダメだと思います。

――ということは、MVの撮影も緊張していた?

 めちゃくちゃ緊張していました。でも、その緊張をしている自分の顔を見るのも嫌で……。そう思うと緊張しないほうがいいなと冷静にはなれます。

――その冷静になる方法は斬新ですね(笑)。

 そうかもしれません(笑)。MVの撮影はカメラがたくさん向けられるし、人もいっぱいいるので、なかなか大変でした。いつかカメラを向けられるのにも慣れればいいなぁ。


――その日がくることを願っています! 続いては、もう一曲の表題曲である「シトラス」についてお聞きします。こちらの曲を聴いたときの印象は?

 まずは、切ない、甘酸っぱいという印象を受けました。「ふわっと」とは違い、この曲にはいまの気持ちをのせることができませんでしたが、それでも想像がしやすい、イメージしやすい曲と歌詞だったので、感情を入れやすかったですね。

――歌詞の注目ポイントは?

 全体的にストーリー仕立てになっているので、頭から最後まで注目して欲しいです。個人的に好きなのは、落ちサビの「意味のない恋なら 何もかもとっくに消えてるよ」という部分。この詞から、主人公は昔の恋愛に対して後悔が全くなく、しかも当時のことが今でも大切な思い出になっているということが伝わってきて、切ないけどもキュンキュンしました。2番のAメロも切ない~! でも、この曲の主人公にとっては、これも素敵な思い出なんですよね。

――「シトラス」はMVもストーリー仕立てになっていると感じました。こちらは長野県でロケをされたそうですね。

 はい。長野県の安曇野で撮影しました。安曇野はお父さんとお母さんの思い出の場所で、私の名前もそこからつけられたんです。それを監督さんが知ってくださっていて、ロケ地に選んでくださいました。

――和氣さんはこれまで安曇野に行ったことは?

 小学生くらいの頃に親と3人で行ったことがあります。そのときは「へぇ、ここが安曇野かぁ」くらいの気持ちしかなくって。でも、今回、改めて行ってみたら、自然に囲まれているし、住んでいる方々はあたたかくて、いいところだなと感じました。このMV撮影は一生の宝物になったと思います。

――和氣さんの新たな一歩というタイミングも相まって、エモいですね。

 エモエモです!


――続いて、「ナイショの気持ち」。こちらは明るい曲調が印象的です。

 メロディーが明るくて、歌詞も可愛らしい曲です。この曲の主人公は、自分の気持ちをいつかは伝えたいけど、まだ伝えられないという、少し臆病で純粋な子。目が合ったら胸が苦しくなったり、知らない気持ちが溢れて止まらなかったりしているから、きっと初恋なんでしょうね。でもその気持ちをまだ伝えられない。ピュアで可愛らしい主人公をイメージしながら歌いました。

――1stシングルにはもう一曲、冒頭でも少しお話があった「Snow Falls」が収録されています。

 発売日にぴったりな冬の曲です。今回収録された4曲のなかでは一番切なくて、ちょっと年齢を上げた大人っぽい曲なんじゃないかな。この曲は「シトラス」と同じく、過去のことを思い出しているんですけども、こっちの主人公は後悔しているんですよね。だから、歌っていても胸が苦しくなりました。その切なさが曲を通じて伝わればいいなと思っています。

――お話をうかがっていると、和氣さんは歌ううえでも物語を大切にされているんですね。

 そうかもしれません。歌詞も物語になっているもののほうが歌いやすいかも。感情移入がしやすいんですよね。


――そんな和氣さんが今後、アーテイスト活動をしていくなかでやってみたいことは?

 アーテイスト活動をされている方って、皆さん自分自身でお客さんを沸かせられるじゃないですか。それって本当にすごいことだと思うんです。私は今までキャラクターとしての煽りをやったことはあれど、「てめーら行くぞ~!」みたいな、自分自身の気持ちでの煽りをやったことがなくって。いつかはやる日が来るのかな。和氣あず未個人として、お客さんを沸かせるような煽りをやってみたいですね!

――声優仲間の芹澤優さんは煽りがお上手ですよね。

 せりこ(芹澤優)は本当に煽り上手! ふたりでラジオもやっているのですが、彼女はそもそも人間性が素晴らしい。自分に自信が持てるのって、めちゃめちゃ強いと思うんですよね。私は自分を信じてなさすぎるので、尊敬しています。

――作品でご一緒されてから仲が良い鬼頭明里さんも2019年にアーティストデビューされました。

 そうなんですよ! 仲の良い子がみんなデビューしていくんですよね。ライバル……というよりかは、みんなを見て、勉強させてもらっています。

――レーベルメイトでいえば、富田美憂さんが一足先にデビューされました。

 とみー(富田美憂)は私が最初に主役をやったアニメ作品で一緒だったんです。もう出会ってから3、4年くらいになるのかな。あの頃と比べると大人になって……。あぁ、もう20歳かぁ。いつかはとみーと一緒のステージに立って歌う日がくればいいな。

――本日は貴重なお話ありがとうございました。最後に、和氣さんにとって「歌」や「声優」はどういう存在になりましたか?

 そうですね……。「声優」は本当に夢だったんです。もちろん今は仕事になっていますけども、なれたこと自体が嬉しくて、こんなに楽しいことってあるんだと毎日思えています。だから、「声優」は“私の支えになっているもの”かな。「歌」に関しては、和氣あず未として歌う日がくるとは思っていませんでしたので、この機会に何かをつかめればいいなと思っています。苦手意識があったものが私自身をどんな風に変えてくれるのか、いまは楽しみでもありますね。

text=M.TOKU

プロフィール
和氣あず未【わき・あずみ】9月8日生まれ。東京都出身。東京俳優生活協同組合所属。主な出演作は『私、能力は平均値でって言ったよね!』マイル役、『ウマ娘 プリティーダービー』スペシャルウィーク役、『世話やきキツネの仙狐さん』仙狐役 ほか。

 発売情報
和氣あず未 1stSINGLE「ふわっと/シトラス」
1月29日(水)日本コロムビアより発売
(初回限定盤A)COZC-1617〜18 CD+DVD ¥2,000+税
(初回限定盤B)COZC-1619〜20 CD+DVD ¥2,000+税
(通常盤)COCC-17736 定価:¥1,500+税

<CD収録楽曲>
1.ふわっと 作詞:金子麻友美 作曲・編曲:持田裕輔
2.ナイショの気持ち 作詞:cotton*、RAMS 作曲:cotton*  編曲:ツカダタカシゲ
3.Snow Falls 作詞 : 宮崎京一 作曲 : 宮崎京一、Yo-Hey 編曲 : 宮崎京一、飯田涼太
4.シトラス 作詞:宮嶋淳子 作曲・編曲:トミタカズキ
<DVD収録内容>
(初回限定盤A)「ふわっと」Music Video/Making Movie
(初回限定盤B)「シトラス」Music Video/Making Movie

 

和氣あず未 日本コロムビア公式サイト 
https://columbia.jp/wakiazumi/

和氣あず未 音楽STAFF公式Twitter
@staff_azumi

《超!アニメディア編集部》
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