いくつもの運命が絡み合うなかで生まれた、DracoVirgoの1stアルバム「Opportunity」。そこに込められた意志に迫る【インタビュー】 | 超!アニメディア

いくつもの運命が絡み合うなかで生まれた、DracoVirgoの1stアルバム「Opportunity」。そこに込められた意志に迫る【インタビュー】

DracoVirgoが、1stアルバム「Opportunity」を2020年1月15日にリリースした。TVアニメ『ありふれた職業で世界最強』のEDテーマ「ハジメノウタ」をはじめ、 iTunesウィークリーランキング1位を …

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DracoVirgoが、1stアルバム「Opportunity」を2020年1月15日にリリースした。TVアニメ『ありふれた職業で世界最強』のEDテーマ「ハジメノウタ」をはじめ、 iTunesウィークリーランキング1位を獲得した「Fate/Grand Order -Epic of Remnant-」4つ目の物語 「亜種特異点IV 禁忌降臨庭園 セイレム 異端なるセイレム」 テーマ曲「清廉なるHeretics」など、これまで発表してきた楽曲も含む全12曲をDisc 1に収録。さらにはMAAKIIIのソロアルバム「兎に角、ジェネシス!!!!!」(2015年) の楽曲をDracoVirgo versionにリアレンジしたものなど、こちらも全12曲収録したDisc 2がセットになったボリューム満点の作品だ。いくつもの運命が絡み合って誕生したアルバムについて、メンバー3人に話を聞いた。


■すべてがリアルタイムという感覚がある。

――今作「Opportunity」は初のフルアルバムにして、2枚組のフルボリュームとなりましたが……。

MAAKIII ガッツリ系になっちゃいましたね(笑)。

――最初から2枚組にしようと思っていたんですか?

SASSY いや、それは全然思っていなかったですね。DracoVirgoの制作スタイルとして、その時々に自分たちのなかで一番ホットなものをやるというか、“今”を大事にしてきたんです。そういうなかでこのアルバムを作ることが決まったときに、すでに9曲ができていて。そこからアルバムにするために、あと3曲を書き下ろそうとなったんですよ。だから特にコンセプトはなかったんですけど、そもそもDracoVirgoが始動する前にMAAKIIIのソロ活動がありましたからね。

――今回のDisc 2には、MAAKIIIさんのソロアルバム「兎に角、ジェネシス!!!!!」(2015年) の楽曲をDracoVirgo versionにリアレンジしたものも収録されていますね。

SASSY DracoVirgoになってからも、最初はソロの楽曲を3人で演奏しながらライブを重ねてきていたので、それも(今作に)入れることに意味があるんじゃないかと思って。これまでの集大成にしようということで2枚組のアイデアが出て、そこに向けて作ってきたんです。

MAAKIII  DracoVirgoという旗を掲げた時点では、楽曲がまだ全然なかったから。とにかく音を出したかったので、まずは私のソロアルバムの曲をこの3人でやりながら模索していた感じですね。そういうなかでFGO(Fate/Grand Order)というゲームをきっかけに「清廉なるHeretics (毛蟹 feat. DracoVirgo)」に参加させていただいたときに、私たちにひとつの方向性が見えてきました。

――「清廉なるHeretics」が大きなきっかけになったと。

MAAKIII  この曲を作ったのは毛蟹さんなんですけど、元々はHIGH and MIGHTY COLOR(ハイカラ)の楽曲をモデルにしていたそうなんですよ。DracoVirgoを始めた段階では“(ハイカラで一緒に活動していた時期以来)久々にこの3人で集まって、なにかやりたい”というだけで、それぞれがどういうことを考えているのかもいまいち見えていなくて。そんななかでこの曲を3人でやったときに、ハイカラ節みたいなものが自然に出たんです。そこから私たちの“今”を見せたいなと考えていたところに、mACKAzが「KAIBUTSU」を作ってきてくれて。いろんな意味で、起爆剤になった曲ですね。

――「清廉なるHeretics」を経た上で、「KAIBUTSU」が生まれた。

mACKAz 最初はどういうバンドにするかも決まっていなかったんですけど、メンバーにギターがいないこともあって、ヘヴィな曲はやっていなくて。でもFGOのお話をいただいて「清廉なるHeretics」をやってみたら3人ともしっくりきて、“やっぱり(こういう曲が)得意だな”となったんですよね。そこで新しいこともやりたいけど、まずは自分のなかにあるものを素直に形にしてみようかなと考えていたときに、「KAIBUTSU」のメロディと曲のイメージが浮かんだんです。2人に聞かせたら“いいね”と言ってもらえたし、そこからトントン拍子で形になって。それが本当のスタートになりましたね。

SASSY 「KAIBUTSU」を聞いて“じゃあ、こういう楽曲もイケるな”と思って、作ってきたのが「阿弥陀の糸」でした。

MAAKIII  その2曲を私たち自身で嚙み砕いていったときに、ひとつの軸ができて。そこから“いろんなことをやってみよう”という感じで、勢いを増したというか。

――「KAIBUTSU」も「阿弥陀の糸」も2018年に配信リリースされていますが、その都度でやりたいことを形にしていった感じでしょうか?

MAAKIII そうですね。その都度その都度でフレッシュなものを形にして、発散できていたというか。そして、それをまだ温かいうちにライブで届けられていたんですよね。だから(今回のアルバムまでに)2年半かかってはいるんですけど、その間もライブでの演奏を重ねてきたので、今のモチベーションもすごく詰まった曲たちになっているんです。

――ライブで進化を続けている楽曲だから、常に新鮮さを感じられるのでは?

SASSY そうですね。ライブをやっていくなかでだんだんDracoVirgoとしての楽しみを僕らも、会場に来てくれる皆さんと一緒に作れていて。この前のワンマンのときはホーム感があって本当に楽しかったし、“これが正解なんだな”と思えるような温かい空気のなかでやれたんです。本当にホットなものをずっと積み重ねてきているので、「KAIBUTSU」や「阿弥陀の糸」も2年前の曲とは全然感じていないし、むしろ今のほうが逆に感動できたりもするんですよ。そういう意味では、すべてがリアルタイムという感じがしますね。

■偶然もありつつ、根本には必ず意志がある。

――「ハジメノウタ」はTVアニメ『ありふれた職業で世界最強』のEDテーマとして昨年9月にリリースされた曲ですが、アニメの世界観に寄せた部分もあるのでしょうか?

MAAKIII アニメの資料もいろいろといただいていたので、そこはググッと寄り添って考えました。主人公は2人の男女なんですけど、戦いばかりの日々のなかでも恋心が芽生えたりもして。突き進んでいくなかでもオフの時間はあるだろうし、たとえば部屋でくつろいでいるときに湧き出てくる感情や、好きな人を思う気持ちもあると思うんです。そういうことを考えながら自分の髪の毛をドライヤーで乾かしているときに、“おはよう、おやすみ”っていうフレーズが聞こえてきて。

――髪を乾かしているときに浮かんだフレーズなんですね。

MAAKIII その日はそのまま眠りについたんですけど、翌日になっても頭のなかにまだ残っていたので“これはイケるかもしれない”と思って、急いでスタジオに入って曲を組み立てていきました。それをアニメの制作サイドの方たちが気に入ってくださって、そこからすごいスピード感で形にしていったんです。そういうふうに『ありふれた職業で世界最強』というアニメの世界観に触れなければ生まれなかった楽曲ですし、本当に“化学反応”というか、何が起こるかわからないなって思いました。

――『ありふれた職業で世界最強』という作品に出会ったからこそ、生まれた楽曲だと。

SASSY MAAKIIIは、音に呼ばれて曲を作るタイプの人なんですよ。だからタイアップの依頼があって作り始めたとしても、その作品に寄り添ったところから呼ばれたメッセージ性やメロディが先行して出てくるので、すごくいいものができるんです。僕も「ハジメノウタ」を聞いたときに“これ、ユエ(※ヒロイン)じゃん!”と思ったくらいで。そういうものをナチュラルに出せるのが強みだなと感じましたね。

MAAKIII 私のなかでも、本当にユエちゃんが語り掛けてくるような感覚があったから。あとからコミック版を読んでいるときにハジメ(※主人公)に向けて、ユエが曲を作っているということを知って。元々は知らなかったんですけど、「ハジメノウタ」はまさにハジメのことを意識してユエが書いた曲をイメージしていたのでビックリしました。そういう意味でも面白かったし、運命を感じましたね。

――運命的に楽曲と作品がシンクロした。「“KALMA”」と「ABRACADABRA」のMVは、それぞれ専門学校のHAL東京とHAL大阪の学生たちがチーム対抗で制作したアニメーション映像になっていますが。

MAAKIII 本当にありがたいことに、そういうきっかけを作っていただいて。まさに「Opportunity」というか、いろんな“機会”をいただいてできあがったアルバムだと思います。

――どちらもDracoVirgoの曲ながら、異なる世界観のアニメーション映像になっているのが面白いですよね。

SASSY  DracoVirgoって、そういう余白があるんです。学生さんの解釈を聞いて、“ここの音でこういうふうに思うんだ”と感じられたこともすごく楽しくて。僕らが(メンバー内で)デモを出すときもそういう感じなんですけど、そこで起こる化学反応は作曲に近い気がしましたね。

MAAKIII 自分たちの曲について、改めて気付かせられる部分もあって。具体的な映像になったときに、私自身も思い描き切れていなかった情景まで見せてくれたので、それはすごくうれしい出来事でした。

――「RYUKYU」にもハイカラの前身バンドにあたるアンチノブナガのメンバーが参加していたりと、本当にいろんな運命が絡み合って完成したアルバムのように感じます。

MAAKIII 前から一緒にやりたいなという気持ちはあったんですけど、それがこのアルバムのなかで実現できたというのは全然狙っていなかったことで。“やっぱり呼ばれるんだな”って思いましたね。

SASSY まさに「Opportunity」ですね。

――1stライブツアーのタイトルにも使われていましたが、「Opportunity」という言葉への思い入れも深い?

MAAKIII そうですね。“Chance”とは違って、(“Opportunity”には)偶然の意味を含まなくて、意志があるというところにすごく惹かれているんです。もちろん何も考えずに行動したところから生まれるものもあるけれど、まず“DracoVirgo”という旗を掲げたところに意志があって。そこからの出会いや偶然もありつつ、その根本には意志があるというところで「Opportunity」というタイトルを掲げてツアーもやってきたんです。だから1stアルバムのタイトルも「Opportunity」しかないなって、自分の中では思っていました。

――これまでの集大成であり、これから先にもつながっていく作品ができたのでは?

MAAKIII そうですね。希望が見えるというか。でも「ここでやめても悔いはない」と言えるくらい、本当にやりきったという感覚もあって。

mACKAz 本当にやり切りました。今できることは、全部入れられたと思います。これから先どうなるかは僕らにもまだわからないですけど、その都度で楽しいことを実験的に繰り返していって、気付けばまたこういった形で自分たちの歴史を振り返ることができればいいのかなと思いますね。

取材・文/超!アニメディア編集部

【プロフィール】
DracoVirgo(ドラコヴァーゴ)
MAAKIII(Vocal)、mACKAz(Bass)、SASSY(Drums)からなるバンドプロジェクト。力強さとしなやかさを併せ持った表情豊かなヴォーカル、高度なテクニックを伴うベースとドラムが他では体感することのできない高揚や陶酔をもたらす。また、ワンマンライブでは幻想的な空間に異世界を感じさせる音楽とVJ映像のコラボレーションで見事なドラヴァゴ空間を作り上げ、その場にいる多くの観客を魅了している。

【リリース情報】
1st Album「Opportunity」
2020年1月15日発売
UMCK-7048/9 ¥3,600+税
初回生産限定デジパック仕様


【ライブ情報】
[DracoVirgo ワンマンライブツアー2020]
DracoVirgo “Opportunity 2020〜Rainbow Butterfly Tour〜”
2020年1月25日(土)東京・Shibuya WWW
OPEN/START 17:30/18:00
お問い合わせ ディスクガレージ TEL:050-5533-0888(平日 12:00〜19:00)
※一般ライブチケット発売中

【公式サイト】
http://dracovirgo.jp/

《超!アニメディア編集部》
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