『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』発のユニット・スタァライト九九組の6枚目となるシングル「Star Diamond」を紹介。露崎まひる役の岩田陽葵と、大場なな役の小泉萌香に、楽曲の聴きどころ、キャラクターとしての歌い方などについて聞いたインタビューが、「アニメディア8月号」に掲載中。超!アニメディアでは、本誌に入り切らなかった部分を含めたロング版をご紹介。
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露崎まひる役 岩田陽葵
――「Star Diamond」を最初に聴いたときの感想は?
小泉 曲を聴く前に、「1stシングルの『Star Divine』に続くかっこいい曲が来ますよ」とスタッフの方に教えていただいていたんです。実際に聴いてみたら、本当にかっこよくて。「Star Divine」に続く代表曲が来たと思いました。
岩田 「Star Divine」や2ndシングルのカップリング「Circle of the Revue」もかっこいい曲ですが、両方の要素を持ちつつも、どちらとも違った情熱的な曲なんです。イントロの部分から、とてもエモーショナルです。
――舞台少女のライバル性を感じられる歌詞も印象的ですね。
小泉 よき仲間であり、よきライバルであるという感じですよね。
岩田 うん、この曲は、一対一対一対一……みたいな感じがあるよね。主張が強いというか、ひとりひとりが何かを伝えようとしているというか……伝わってる?
小泉 うん、伝わってる! 舞台って主役はひとりだし、演劇らしい面も強調されていると思います。
――個々のソロパートはもちろん、ペアやトリオでの追っかけが入っているパートがあるのも印象的です。
小泉 九九組の曲は、どんどんコーラスや追っかけが増えてきているんです。でも、実際に歌ってみると、みんなそつなくこなすというか、それほど難しさを感じさせないのがすごいですね。
――今回のレコーディングは、それぞれ何番目くらいに行いましたか?
小泉 私はあとふたりか3人が残っていたくらいでした。
岩田 私もです。私は(愛城)華恋ちゃんの声を聴きながら歌いました。
小泉 私も(星見)純那ちゃんの声を聴きながら歌った!
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大場なな役 小泉萌香
――すでにレコーディングされた方がいると、歌いやすくなりますか?
岩田 なります。自分がトップバッターのときは、歌詞を書いてくださっている中村彼方さんにディレクションをしていただきながら、手探りで進めていくことが多いのですが、すでに収録した人がいると世界観がわかりやすくて、道しるべになってくれている気がします。
――レコーディングの思い出は?
小泉 「Star Diamond」とカップリングの「舞台少女体操」は同日にレコーディングを行いましたが、「舞台少女体操」がかわいい曲だったので、切り替えが難しくて。「Star Diamond」は「戦っているように歌っていただきたい」とディレクションがあったので、かっこよく歌えるように頑張りました。
岩田 「Star Diamond」は、まひるのパートはあまりないんですが、担当する部分がサビの1フレーズなど、かなり速い部分だったので、どうやって存在感を出すかを考えました。ソロをもらっている以上、さらっと流れて聞こえないようにと試行錯誤しました。
――岩田さん、小泉さんは『スタァライト』が声優初挑戦でした。キャラクターとして歌うことには慣れましたか?
小泉 純那ちゃんという相方がいるおかげか、当たり前のようにななの声を出せるようになってきていますね。
岩田 まひるは、華恋ちゃん、(神楽)ひかりちゃんと3人か、ふたりに対してひとり、という立ち位置になることが多いので、そこに影響されることはあまりないのですが、「Star Diamond」はふだんのまひるではない一面が強く出ていると思ったんですね。意志の強さが表れているような歌詞をいただけたので、今までとは違う強さやかっこよさを意識して歌いました。
――ななは、アニメを経て怖さのようなものは軽減されているのかなと思います。
小泉 そうですね。アニメでは「みんなのため」に戦っていたつもりでしたが、今は「みんなと一緒に」戦っているようなイメージです。もともと聖翔音楽学園の99期生は仲がよくて、ななはそれを一歩引いて見るような立ち位置だったんですね。でも、アニメを経て、一歩引きつつも、みんなと一緒にワイワイしているイメージになったので、怖さよりもかっこよさを重視しました。
――ライブでの振り付けも楽しみです。
岩田 激しそうだよね。
小泉 ちょっと怖いな……。
岩田 でも、激しい振りのほうがよくない? 私、レコーディングのときはかなり振りしぼって歌って、人には見せられない顔をしていたと思うんです。だから、むしろ激しく動いているほうが歌いやすいんじゃないかなと。
小泉 体が温まっていたほうが歌いやすいかもしれないね。
岩田 うん。全員で歌うパートがあんまりないから、それをどう表現するのかとか、9人での完成形はどうなるのかとか、ライブで披露するのが今から楽しみです。
――カップリングの「舞台少女体操」は、一転してコミカルを極めています。
岩田 「舞台少女体操」はレコーディングが本当に楽しかったんです! ただ、私ももえぴ(小泉)と一緒で「Star Diamond」の前にこの曲を歌ったんですが、「Star Diamond」の曲がものすごく速く感じられて……。
小泉 置いていかれると思っちゃうよね。私、前のめりに歌いがちだった(笑)。
岩田 そのくらいギャップがある、おだやかでかわいい曲です。
小泉 今までに歌ったことのない曲調でしたが、ちゃんと九九組っぽさが出ていて、聴いていても歌っていても楽しいね。
岩田 うん、レコーディングもとにかくまひるのかわいさを前面に出して、楽しく歌って、楽しく終わりました。
――曲の推しポイントを教えてください。
小泉 仮歌を聴いたときから、なぜか泣きそうになったんです。メロディーも歌詞も心に突き刺さる曲だったみたいで。9人が歌っているところを聴いたら泣いちゃうかもと思っていました。レコーディングの前にみんなの歌を聴かせていただいたんですが、思っていたとおり泣いちゃって。みんなすごくかわいく歌っているし、私は自分が感じているよりもみんなのことが大好きなんだなぁ……と感じたんですね。今までもみんなで歌ってきたけれど、九九組が今の9人でよかったなと本当に思って……ってなんだか最後の曲みたいだね。
岩田 こんなに明るい曲なのに(笑)。
小泉 でも、(花柳香子役の伊藤)彩沙も「泣きそう」って言っていたんだよ。どう説明したらいいのかわからないんですけど、心が温まるような、九九組でよかったと感じる曲です。
岩田 言いたいことはわかるよ。ただ、説明するのが難しいよね。
小泉 うん。個性がわかりやすくて、みんなの声がダイレクトに響いてくるところがいいのかな。
岩田 歌詞もいいんだと思うよ。2番のサビは語りかけるようにというディレクションをいただいたんですが、出来上がりを聴いたら、自分が語りかけられているような感じがして。歌詞にもあるように、舞台少女って本当にいいなと思って。この曲が主題歌になるミニアニメ『少女☆寸劇(コント) オールスタァライト』は、前のアニメとは一変して、まったく観たことのない舞台少女たちが観られるんです。舞台の上では凛々しいけれど、やっぱり高校生なんだなと感じられるエピソードがたっぷりで、そういう作品にぴったりの曲になっています。
小泉 すでに振り付けは決まっているので、自分たちが踊れる日も楽しみです。
――豪華盤には、3月に行われたオーケストラライブの映像が収録されたBlu-rayが付きます。
岩田 こんなぜいたくな機会があるんだなって……。
小泉 緊張したよね。でも私は、このオーケストラを携えて歌っているんだという気持ちでステージに立っていたかな。
岩田 もともと『スタァライト』の楽曲って、ライブ映えをすると思っていたんですが、実際に演奏してくださる方が同じステージにいるだけで、何倍ものパワーになるんです。レヴュー曲はもちろんですが、「星のダイアローグ」や「Star Divine」をオーケストラアレンジで歌えたのもうれしくて。音楽の力って無限大だなと感じました。
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※オーケストラライブ“Starry Konzert”より
――小泉さんが歌う前にジェスチャークイズコーナーが入っていましたよね。
小泉 次に「RE:CREATE」という重い曲が来るのに、なぜあんなに体を動かさなければいけないのかと……。ジェスチャークイズとはテンションも全然違うので、クイズが終わったあと、スクリーンに映し出される映像をステージの袖から観て、「ジェスチャーゲームのことは忘れてしまえ、あの感情を思い出せ私」って言い聞かせていました。
岩田 「再演するんだ!」っていう気持ち?
小泉 そう、「ひかりちゃんに勝つんだ!」って思いを自分に込めました。
――ぜひ観てほしいオススメポイントは?
小泉 オススメですか……。『スタァライト』のすごいところはですね、全部オススメなんですよ! 自分たちが歌わないところでは、舞台創造科(ファン)のみなさんと同じ思いで聴いていたんですが、「ここが好き!」と言うポイントがたくさんあって。いいところをひとつにしぼりきれないのが『スタァライト』のよさですし、2ndライブとオーケストラライブで同じレヴュー曲をやっても飽きないというか……飽きていたらどうしよう……。
――大丈夫だと思いますよ(笑)。
小泉 そうですよね! みんな「よかった」と言ってくれるし、何度歌っても違う見せ方ができるのが『スタァライト』のよさなんです。だから、全部がオススメです! 毎日観てください! 毎日観ても飽きません!
岩田 (笑)。オーケストラの方が弾いてくださると、いつもとアレンジが変わるので、その違いを楽しめますし、意外な楽器が意外な音を出していたりするのも発見できると思います。音楽を目と耳で楽しんでいただきたいです。
――ライブ中には、スペシャルモノローグ(朗読パート)もありました。
岩田 これも今までにない試みでしたね。『スタァライト』の女神の衣裳を着させてもらったのは初めてなので。
小泉 『スタァライト』を演目としてやってみたくなりました!
岩田 うん。モノローグは4組ありましたが、ひと言で言えば尊い(笑)。第100回聖翔祭が終わってすぐのエピソードなので、そのときの9人の様子を知ってもらえたのがうれしかったです。舞台創造科の方の前でアフレコをするのは初めてだったので、緊張しました。
――夜の部では、スペシャルモノローグで小泉さんが佐藤日向さん(星見純那役)へアドリブを振ったり、岩田さんのお誕生日のお祝いもありました。
小泉 じつは、アドリブ部分は、モノローグの脚本を書いてくださった中村彼方さんが、やったらいいよと言ってくださったんです。
岩田 私たちは知っていたんですよ。ひーちゃん(佐藤)だけが知らなくて。
小泉 私としては、「夜の部でぶちかましてくるぜ!」みたいな気持ちでした。いつも、日向から無茶ぶりをされているので、日ごろの恨みを倍返ししてやろうという気持ちでしたね(笑)。
岩田 でも、返しが素晴らしかったね。
小泉 うん、いつでも純那ちゃんだった。神業でした。
岩田 ワクワクして見ていたのに、泣きそうになっちゃって。
小泉 普通に「純那ちゃん……」って終わっちゃったくらいだもんね。
――岩田さんのお誕生日はどうでしたか?
岩田 うれしかったです!
小泉 泣き出したはるちゃんを、みんなでカバーする団結力が出ていましたね。
岩田 あんなに大勢の方にお祝いしてもらえることなんてなかったので、とにかく感激してしまって。そのあとの九九組のみんなの対応も温かくて、本当に九九組でよかったと思いました。
――11月には横浜アリーナでの3rdライブも決まりました。
岩田 『スタァライト』が始まった場所に、こんなに早く立たせてもらえるっていうことで。気持ちが引き締まります。この夏でパワーアップしていきたいし、とにかく盛りだくさんですね。
小泉 みんな、振り落とされずに、絶対ついてきてくださいね!
――それでは最後に、アニメディア読者へメッセージをお願いします。
小泉 舞台もライブもやらせていただいて、いろいろなイベントに参加させていただけるのも、みんなが私たちのことを知ってくださり、求めてくださっているからこそです。私たちも、みんなに喜んでもらいたいと思うからいろいろなことに挑戦できるので、本当に応援していただき、感謝しています。昔できなかったことが今できていたり、殺陣が上達していたり、歌がうまくなったり、ダンスが踊れるようになったりと、目に観てわかる成長をしてきていると思いますので、これからも私たちの成長過程を見守っていってください。
岩田 この夏は、いろいろな場所に私たちを観に来てください。そして、一緒に『スタァライト』しちゃいましょう!
取材・文/野下奈生(アイプランニング)
PROFILE
岩田陽葵【いわた・はるき】4月3日生まれ。東京都出身。ミライ・プロダクション所属。
小泉萌香【こいずみ・もえか】2月27日生まれ。兵庫県出身。アミューズ所属。
シングル「Star Diamond」
8月7日発売
発売元/ポニーキャニオン
オーケストラライブBlu-ray付き豪華盤:5,556円
通常盤:1,389円(各税別)
「Star Diamond」では、舞台少女ひとりひとりの舞台にかける情熱を9人それぞれが熱く表現した。カップリングの「舞台少女体操」は、ミニアニメ『少女☆寸劇(コント) オールスタァライト』の主題歌。Blu-ray付き豪華盤には、3月に開催されたオーケストラライブ“Starry Konzert”のライブ映像を収録したBDを同梱する。
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