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「週刊少年マガジン」で連載中の大久保篤のマンガ『炎炎ノ消防隊(えんえんのしょうぼうたい)』がアニメ化され、7月から放送が始まりました。本作の鍵はタイトルにあるとおり「炎」です。
作中の世界では、ある日を境に普通の人間が炎に包まれて暴れ出す“人体発火現象”が起こり始めました。そうした人は「焔(ほむら)ビト」と呼ばれています。主人公の森羅日下部(シンラクサカベ)は、12年前に突然の火事によって母親と弟を亡くしました。彼は足から炎を出すことができる「第三世代」といわれる世代の能力者。取り巻く環境や力によって周囲から孤立しますが、それに負けずに、これ以上被害を拡大させないため、そして母と弟を殺した犯人を追うために焔ビトや炎の脅威と戦う“特殊消防隊”に入って奮闘する……といったストーリーです。
炎や正体不明の火に関する不思議な話は、日本だけでなく世界各地で伝えられており、「炎」「火」といっても、ひとくくりにできない多様な側面を持っています。日常生活に使われる火や、祭礼行事に登場するものなど、その在り方はさまざまです。
不思議な話としては、たとえば「ジャンジャン火(び)」というものがあります。奈良に伝わる怪火で「ジャンジャン」という音を立てながら現れることから、この名がついています。いくつか話のパターンがありますが、多くが死人の霊が火となったものです。そのほか、鳥山石燕が手がけた妖怪画集『画図百鬼夜行(がずひゃっきやこう)』などに登場する「叢原火(そうげんび)」なども有名です。京都に現れたとされる怪火ですが、盗みを働いた僧が罰で火にされてしまった姿であると云われています。
先に書いたように「炎」や「火」にまつわる話は多岐に渡るので一概にこうであるとは言えませんが、いずれも悲しい背景を持つ話が少なからずあるように思います。『炎炎ノ消防隊』の炎も、人の死に関わるものです。炎に立ち向かう特殊消防隊の姿には、非常に考えさせれるシーンもあります。本作は、「炎」にまつわる人間ドラマに着目しながら視聴してみてはいかがでしょうか。
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