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「週刊少年ジャンプ」で連載中の『約束のネバーランド』は、2019年1~3月にTVアニメ第1期が放送。外の世界とは隔離された孤児院にて暮らし、「鬼の食料」として管理・養殖されていた子どもたちが、「鬼」の手から逃れようと脱獄する過程が描かれました。(2019年現在)アニメの放送はいったん終了していますがが、人気を受けて2020年に第2期の放送が決定してします。
作中に登場する「鬼」は一体全体、何者なのでしょうか。いくつかタイプがあるようで、知性があり言葉を話すモノもいれば、言葉を解さないモノもいます。「鬼」の中で階級もあるようです。「鬼」は主人公たちが便宜上つけているだけなのか、詳しいことはわかりませんが「人食い」「怪物」などと呼ばれることもあります。
そして、本作の「鬼」の外見は、これまた多岐に渡ります。所謂(いわゆる)私たちの想像するであろう鬼とは全然違うのです。独特なビジュアルで、知性がある「鬼」は、なんと仮面をかぶっています。
人を食らうバケモノの話は国内外で広く聞かれますが、日本における古い例は、天平5(733)年成立と考えられている『出雲国風土記』の話ではないでしょうか。ここでは「目一つの鬼」がやってきて「佃る人の男」を食らうという記述が見えます。日本では、かなり早くから、鬼は人を食らうものであると認識されていたということことがわかります。また、平安時代末期に成立したと見られる説話集『今昔物語集』などにも、鬼が人を食らう話がいくつか登場します。
『約束のネバーランド』を観ていると、知性を有する「鬼」はこだわりを持って食べる人間を選んでいることがわかります。時代や世界観がまるで違うため当然かもしれませんが、『出雲国風土記』や『今昔物語集』に見えるモノとは、同じ食人鬼でありながら性質が異なるようです。今後、子どもたちと「鬼」との間では、どのような戦いややりとりが繰り広げられるのでしょうか。そして「鬼」には、どのような未来が待っているのでしょうか。子どもたちだけでなく「鬼」の行く末もあわせて見守りたいと思います。
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