
時の流れはあっという間で、ついに「平成」も終わりを迎えようとしています。今回は平成のオバケを語るうえで欠かせない作品『地獄先生ぬ~べ~』のお話を交えつつ、時代を振り返ってみたいと思います。
以前に書いたコラムでも少し触れましたが、平成の初期、1990年代は「学校の怪談」ブームがありました。この時代は学校を取り巻く環境が大きく動いた時期でもあります。1992年には学校の週休2日制度が始まり、1996年には小中学生の不登校者数が8万人を超えました。また1997年には痛ましい神戸連続児童殺傷事件が発生しました。この3つの事象を挙げるだけで語るものではありませんが、1990年代は子どもたちが身を置く環境が少しずつ不安定になっていった時期なのかもしれません。
そんな時代にヒットしたのが『地獄先生ぬ~べ~』です。1993年より「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、1996年にはアニメ放送もスタート。ちなみに現在も『地獄先生ぬ~べ~S』として物語は続いています。『ぬ~べ~』で主な舞台となるのは小学校です。「鬼の手」を持つ教師の鵺野鳴介(ぬえのめいすけ)が、妖怪などの怪しいモノから子どもたちを守るために奮闘します。
なかでも衝撃的だったのが、赤マント(A)ではないでしょうか。下校中の子どもを狙う猟奇殺人鬼で、子どもに「赤が好き? 白が好き? それとも青が好き?」などといった質問をします。どれを選んでも子どもたちは殺されてしまうという、なんとも理不尽なヤツなのです。「赤マント」自体は昭和初期に都市伝説として流行したようですが、「学校の怪談」が流行った1990年代に登下校中の怖い話として再ブレイクしたように思います。
『ぬ~べ~』だけでなく、たとえば環境破壊という問題が表面化した時期には『平成狸合戦ぽんぽこ』が生まれるなど、平成の時代を反映したマンガやアニメが生まれました。おそらく「令和」は令和なりのオバケたちが活躍する作品が登場することでしょう。『万葉集』の序文、明るい初春の情景から取って付けられた「令和」。どうか令和に生まれるオバケ作品は明るく、そして愉しいものでありますように。
