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松本梨香と三ツ矢雄二が声優について語るイベントが開催 – 長く業界で活躍するために必要なのは“演技力”と“信念”

TVアニメ『ポケットモンスター』のサトシ役の声優や主題歌の歌手として知られる松本梨香が「声優ブーム」を背景に声優という職業について語る学生向けイベント「声優ってなんだっけ」が、2018年12月22日に東放学園アトリエク …

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 TVアニメ『ポケットモンスター』のサトシ役の声優や主題歌の歌手として知られる松本梨香が「声優ブーム」を背景に声優という職業について語る学生向けイベント「声優ってなんだっけ」が、2018年12月22日に東放学園アトリエクマノ 1k1シアターにて行われた。イベントの第一回目にはTVアニメ『タッチ』の上杉達也役などを演じる三ツ矢雄二がゲストとして登壇。業界で活躍し続けてきたふたりがさまざまなトークを展開した。

(左から)松本梨香、三ツ矢雄二

 イベントがスタートするとまずはゲストである三ツ矢の紹介が行われる。三ツ矢は元々子役としてデビューしていたこと、人形劇の仕事がきっかけで声優という仕事を知ったこと、永井一郎の紹介で『超電磁ロボ コン・バトラーV』のオーディションを受けて主役に抜擢されたことなどが本人の口から語られると、会場に集まった声優を目指す学生たちから驚きの声があがっていた。

 また、三ツ矢が音響監督や脚本家としての顔も持つという話から、最初に関わることになった作品『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』のトークに発展。当時、主役の緋村剣心役について「声優を本職としている人以外で探している」とプロデューサーから相談があった三ツ矢は、宝塚が好きだったこと、作品の線がどちらかというと細かったことから役柄的に合いそうな涼風真世を提案。それが実現したところ、宝塚のことも芝居のことも声優のことも知っている三ツ矢しか涼風の指導はできないだろうということで、涼風にアドバイスをすることになったのだという。また、当初は3カ月の予定だったが涼風から「三ツ矢さんでしかやれない」とお願いされて、そのまま『るろうに剣心』での音響の仕事を続けることになった、という貴重なエピソードも披露した。

 三ツ矢の紹介の後は、本イベントのメインテーマである「声優業界のいま」についてのトークを展開。まずは、三ツ矢自身もそうであった「声優業を始める前から芸能界で仕事をしていた声優さんについて」というテーマをもとにふたりが語り合った。三ツ矢は子役、女優、タレントなどを経てから声優の仕事をメインとする方について「(そういう方々は)業界で生き残る率が高い」とコメント。その理由は、若いうちから“演じる”ということを身をもって知っているからと言葉にした。声の仕事であろうと重要なのは“演技力”。芝居を勉強してきた人が生き残っていく割合として高いのでは、と熱く語った。その言葉を受けた松本は「頭でっかちにならない。縦横無尽に表現できることが大切」と自身の経験も踏まえながら賛同した。


 その後、声の仕事以外に舞台やコントなども経験したほうがプラスになるかという話へ展開。三ツ矢は「引き出しを増やすという意味でも、体を使って表現することを覚えるという意味でもやっていたほうがいい」とコメント。続けて「でんぐり返しをするシーンだと、実際にやったことがある人とない人ではどこに力が入ってどういう声を発すればいいのかの理解が変わってくる」という例え話を交えながら体を使うことの大切さを説いた。松本は体を使うということについて、「三ツ矢さんはマイク前に行くまでに3ターンしていたこともあった」というエピソードを披露。これに対して三ツ矢は「テンションが上がって楽しくお芝居ができるから」とその理由について明かした。なお、松本さんもオヤジギャグを言うなどで気持ちをハッピーにすることがあるのだという。

 続いて行われたのは、用意された疑問についてふたりが答えるQ&Aのコーナー。まずは、声優の新人、若手、中堅、ベテランはどういう区分けなのか、という質問について。三ツ矢は「芸歴によって決まるのでは」とコメントするも「自分の意識のなかでは若手も中堅もベテランもない。人が決めることなのでは」と考えを述べる。併せて、自身がベテランと言われるようになってからも、経験が自分より短い人のほうが上手だと感じることもあり、まだまだ勉強することもあると続けた。

 その後、昨今、アイドル声優という言葉が話題になったことについて、ふたりがトークを展開。三ツ矢は「アイドルって呼ばれるのが良い・悪いというジャッジはできない」と言葉にしつつ、「いずれにせよ、ひとつのことに対して信念をもってやっていくのがパフォーマーとして必要」「そのなかでアイドルと呼ばれたくなければ、それを宣言するのも大切なこと」と言葉にした。対して松本は「声優の歌は聞かないと言われたことがある」というエピソードを披露。重ねて「『そんなの関係ないのに』と思うこともあった」という経験談を踏まえつつ、「結局は自分が掲げたものに対して誠心誠意やっていくのが大切なのでは」と率直な想いを言葉にした。

 トークパートに続いて行われたのは、学生がその場で演技を披露し、登壇者のふたりに感想を言ってもらうというコーナー。今回は一年生、二年生の学年別に同じシチュエーションの芝居を行った。芝居後、松本は「それぞれの距離感が分からなかった。それを気を付けるともっとよくなるのでは」とアドバイス。三ツ矢も「とっても上手に読めました、という感じ。声優さんの喋り方を真似しているようで、自分の言葉になっていない。上手に読んではいるけども人が喋っていないように感じる。リアリティが薄い」と学生たちに本気の指摘。ふたりの言葉や語気から、本イベントや声優という仕事に真剣であるということがひしひしと伝わってきた。

 さまざまなトークを展開してきた本イベントも終了の時間。最後は松本が「私にもためになる話をしていただけたのが嬉しかった。こういうお話を聞ける機会はめったにないので、ひとつでも持って帰ってもらえたら嬉しい」と学生たちへのメッセージを残し、イベントを締めくくった。

 「声優ってなんだっけ」の第2回目は、2019年1月27日(日)に開催。次回は井上喜久子がゲストとして出演する。

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《超!アニメディア編集部》
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