――ドラマＣＤから鉄之助と鈴を演じられているおふたりですが、劇場版でそれぞれのキャラクターを演じられての感想を教えてください。
梶 多くの方に長く愛されている本作品。そんななか、僕らはアニメーションという形においてキャラクターたちを演じるのは今回が初めてでした。やはり気持ち的なところで、少なからず難しさはありました。キャラクターとして心を動かすためには、その都度、相手との関係性や過去を、それぞれの役と一緒に過ごした時間が必要だと思うんですね。でも僕らはドラマＣＤのいわゆる「青年期」からスタートしているわけです。「少年期」については原作を読んだり、先輩方のお芝居を拝見したりと勉強はしているものの、その“生きてきた時間”を実際には共に過ごせていないもどかしさ、難しさがあったように感じています。鉄之助でいえば、今回とくに（山崎）烝との関係が肝かなと思うんですが、烝や辰兄（辰之助）と少年時代を過ごした思い出があるからこそ、たかぶる感情もあると思うんです。彼がその思い出と共に生きてきたなかで、今回のドラマをどう感じるのか……途中参加の自分だからこそ、そこはとにかく大切にしなくてはと思い、鉄之助と向きあってきました。
――鈴については、いかがですか？
立花 鈴の場合、いわゆる“いい鈴”と“悪い鈴”がいるんです。ドラマＣＤから既に“悪い”ほうが出ていて、この劇場版ではもうダークサイドに堕ちている感じなので、“悪い鈴”に特化したほうがいいんだろうなと思っていました。原作はこの後もいろいろありますので、そことの差をつけたほうがいいのかな、とも思い、裏で糸を引いている黒幕感をすごく強調したというのはあります。監督からも「もっとねちっこくやっていいですよ」と言われたので、鉄之助の敵としての立ち位置を明確にしようとは思っていました。
――ドラマCDから演じてきたからこそ改めて感じることや思うことを、２人の目線で語ったインタビューの続きは、2018年11月10日(土)発売の『アニメディア12月号』で！
「超！アニメディア」11月のトップを飾っている鉄之助＆辰之助＆丞の描きおろしイラストも、もちろん掲載。
――また「超！アニメディア」では、11月中旬にこちらの対談のロング版を公開予定。ぜひ『劇場版後篇』を鑑賞後に読んでいただきたい内容だ。あわせてお楽しみに！
＜劇場アニメ『PEACE MAKER 鐵』後篇～友命～情報＞
11月17日より全国劇場公開予定
【ストーリー】
慶応四年――幕府軍と薩摩軍の争い“鳥羽伏見の戦い”が始まった。
土方は前線で指揮を執り、山崎は隊医として負傷者の救護にあたる。
しかし圧倒的に不利な銃撃戦、淀城の薩摩への寝返りと、苦戦する新撰組は次第に追い詰められていく。
一方で、思いを寄せる少女・沙夜を身請けするため奔走していた鉄之助は、隊を離れたまま幕府軍大敗の知らせを聞く。
自分は何のために新撰組に入ったのか――屯所へ来て間もない頃、山崎と交わした会話を思い出した鉄之助は、
もう一度刀を手に、隊へと戻る決意をするが……抗うことの出来ない運命の戦いが幕を開ける。
【後篇スタッフ】
原作：黒乃奈々絵（掲載「月刊コミック ガーデン」／WEBコミックサイト「MAGCOMI」)
監督：きみやしげる
脚本：梅原英司
キャラクターデザイン・総作画監督：小磯沙矢香
セットデザイン：岩畑剛一
美術監督：甲斐政俊
色彩設計：土居真紀子
撮影監督：佐藤光洋
編集：後藤正浩
音響監督：亀山俊樹
音楽：中西亮輔
主題歌：「掴んだ影を離さぬように」ジェッジジョンソン
アニメーション制作：WHITE FOX
配給：ショウゲート
特別協力：京都市
【後篇キャスト】
市村鉄之助：梶 裕貴（青年期）／小林由美子（少年期）
土方歳三：中田譲治
沖田総司：斎賀みつき
山崎 烝：櫻井孝宏
市村辰之助：うえだゆうじ
永倉新八：山口勝平
原田左之助：乃村健次
斉藤 一：松山鷹志
島田 魁：岩崎征実
近藤 勇：土師孝也
沙夜：高橋美佳子
大和屋 鈴：立花慎之介
山崎 歩：永島由子
公式HP
http://www.peacemakerk.jp/
@peacemakeranime
©黒乃奈々絵／マッグガーデン・PEACE MAKER 鐵 製作委員会
