敏腕教師であるハイネと問題多き4人の王子の成長を描く物語『王室教師ハイネ』。本作で、ブルーノ役を演じる安達勇人と、レオンハルト役を演じる廣瀬大介。ふたりの王子たちに、ハイネや王子たちの秘密について語ってもらったインタビューが発売中の「アニメディア5月号」に掲載されている。ここでは、記事内で紹介しきれなかった部分を含めたインタビュー全文をお届けする。
──おふたりが思うこの作品の魅力はなんでしょうか? とくに「もしかしてオレだけ?」というような、極個人的な意見をうかがえるとうれしいです。
廣瀬 本当に個人的な意見でいいんですよね? だったら……僕がこの作品で一番好きなのは、メイドのヘレーネです! とにかくかわいい! 1話だと、ザッハトルテを持ってきてくれるシーンでしか出てきませんが……いや、そのシーンだけでもすでにかわいいんですよ。でも、この先に登場する頻度がもう少し高くなってくるので、さらに彼女のかわいさが際立っていくんです。
安達 確かに彼女はいいよね。
廣瀬 僕、本当に大好きなんです。
──妹のアデルよりも?
廣瀬 う、うう~ん、レオンとしてだったら、模範解答は「妹が一番」かもしれませんが、廣瀬としてはヘレーネが優勝ですね。また、彼女を演じている松井恵理子さんの演技も素晴らしくて!
安達 テンション、めっちゃ上がってるね!(笑)
廣瀬 自分の心のなかにずっと秘めていた「ヘレーネが好き」という事実を、こうして言える機会があるとは思っていなかったから!(笑) ぜひご注目ください。
安達 僕の個人的なこの作品のお気に入りポイントは、もちろんキャラクターも素晴らしいんですけど、そんなキャラクターたちを引き立てている背景や音楽なんです。カーテンのなびきや、繊細な音楽が本当に素晴らしくて……。
廣瀬 カーテンのなびき?(笑)
安達 作品の優雅さを表わすうえで重要でしょ。あと、カーテンがなびくときのパサパサっていう効果音も、すごく品があるんですよね。ですから、王子たちが王宮内を歩いているシーンなどにぜひとも注目していただきたいですね。王宮で流れている音楽を聴いていたら、僕は思わず紅茶を飲みたくなりますからね。普段はまったく飲まないのに。
廣瀬 お互い方向は違うけど、マニアックすぎて引かれそうな意見を出しちゃった気がしますが、大丈夫ですか?(笑)
──まったく問題ありませんよ(笑)。では、おふたりが演じているキャラクターを紹介してください。
安達 僕が演じるブルーノは、高圧インテリ王子といわれているんですけど、その裏にはトラウマやコンプレックスがあるんですよね。ハイネと出会って彼にプライドを壊してもらって以降、そんな本当の姿が明らかになっていくんです。
──今、「壊してもらった」とおっしゃいましたが、ブルーノにとっては壊されてよかったということなんですよね。
安達 そうですね。ブルーノがハイネとの出会いをきっかけに、今までは隠されていた本来の姿を出せるようになるんです。ハイネ先生の存在はブルーノにとって本当に大きいと思います。
廣瀬 ブルーノは、完璧に見えるけど、ちょっと抜けているところがいいんですよね。まっすぐ前を見すぎていて、周りが見えていないから、いろいろと間違えてしまう。そこがかわいいんです。4人の王子にはそれぞれスキがありますが、ブルーノが見せるスキはかわいすぎます(笑)。急にテンションが上がっちゃうところもまた、バカかわいい(笑)。
──「バカかわいい」といえば、レオンハルトもそうだと思うんですけど、彼は「バカ」の部分がより大きいですよね。
廣瀬 バカかわいい4人のなかで、バカの比重が一番大きいと思います(笑)。レオンハルトはそこが一番の特徴であり、魅力なのかもしれない。彼はいろんなことがわかっていなくても、周りの状況なんか読めなくても、いいんです。
安達 そのバカさがレオンハルトの愛嬌を生み出しているんでしょうね。彼を見ていると、なんというか、すごく母性本能をくすぐられるんですよね。僕は母性を持っていないはずなのに(笑)。
──レオンハルトは男性の母性も引き出しちゃうんですね~。
安達 そうなんです。すごいですよね。しかも、たまにいいことを言うところもあったりするんですよ! 時々ポーンと的を射ちゃう。
廣瀬 バカであるがゆえに、誰も思いつかないことを言えちゃうっていう(笑)。
安達 ブルーノには決して思いつけないことを言えちゃう。そこがブルーノとしては悔しいんですよ。
廣瀬 天才肌なんだよね~。
安達 そう! そこが努力タイプのブルーノとの違いですよね。
──おふたりのお話を聞いていると仲のよさがにじみ出ていますが、現場はどんな雰囲気なんですか?
安達 すごくいい雰囲気ですよ。キチンとやる時はやる、そして休憩のときはみんなで他愛のない話をしたり、ディスカッションもしたりという感じで。
廣瀬 最近は、最初のころよりもだいぶ空気が柔らかくなったよね。
安達 あ、そうだね。
廣瀬 最初のころは、リヒト(第五王子)役の蒼井翔太さん以外はみんなガチガチだったんです。
──蒼井さんは最初からリラックスしていた様子だったんですか?
廣瀬 そうなんです。蒼井さんは本当に頼りになりますよね。周囲に目を配って、気を遣ってくれるんです。自分の芝居とは関係のない場面もよく見ていて、わざわざ近くに寄ってきて、「もしかしたらここはこうしたほうがいいかもしれないよ」というようなアドバイスをこっそりしてくれたり。
安達 そうなんだよね~。本当に頼りになります。
──第二王子・カイ役の安里勇哉さんは、現場ではどんな様子なんですか?
廣瀬 安里さんは……とにかく微笑んでいます。
安達 そう! 微笑んでる!(笑) まさに佇まいがカイですよ。
廣瀬 客観的に現場の様子を見ていることが多いような気がしますね。
安達 安里ちゃんがいると、現場が落ち着きますね。本当にカイみたいな存在。何もしゃべらなくても、いるだけでムードがよくなるんです。
廣瀬 しかも、4人の王子役のなかで誰が一番話しかけづらいかといったら、安里さんだよね。
安達 そこもカイっぽい(笑)。
廣瀬 黙っていると、少し怖いような印象も持たれがちだと思うんです。蒼井さんはいつでもウェルカムで、オープンな雰囲気なんですよね。安達さんも話しかけやすいけど……いや、待てよ? 安達さんって最初はこんなキャラクターだと思ってなかったんだよな~。
安達 え? どういうこと?
廣瀬 こんなチャランポランだとは……。
安達 誰がチャランポランだ!(笑)
廣瀬 最初は、見た目も声もかっこいいし、「オレってイケメンだぜ」みたいな、ちょっとすかした感じの人だと思っていたんです。それが、よく話すようになってから、「あ、この人は未知の生物なんだ」ということがわかったんですよね。
安達 未知の生物って、そんなこと初めて言われたよ!
──安達さんの廣瀬さんへの印象は?
安達 今はこうしてすごく仲がいいですけど、彼への第一印象は、当時は髪がすごく長かったこともあって、「バンドのボーカルがアフレコに来た!」というもので(笑)。でも話してみたら、大ちゃんってすごくお茶目だし、接しやすくて、「あれ? かわいいぞ!」と(笑)。それで、僕たちは自然とすぐに仲よくなっていったという感じですね。
──ハイネ役の植田圭輔さんは、現場でどんな役割を果たしているんですか?
廣瀬 中間管理職という感じ?
安達 あ、そうかもしれない!
廣瀬 しっかりしているから、基本的にツッコミ担当なんです。ですから、5人でトークをするときには、司会を任されることも多いんですよね。
安達 ちゃんと周りを見ているよね。
廣瀬 うん。視野が広いんです。まさに先生らしい感じですね。
──では、4人の王子のなかでご自身に一番近いのは誰だと思いますか?
廣瀬 僕はリヒトかなぁ。末っ子感あるところが、特に似ていると思います。僕も実際に末っ子なので、しっかりしているところはあるけど、ちょっとツメが甘いというリヒトの末っ子特有の性質がよくわかるんです。それに、大人びたことをして背伸びをしたいという感じも、「そうそう!」と思いますね。
安達 似ている王子か~……僕は結構、レオンの要素を持っているかもしれない。
廣瀬 頭がちょっと足りないところ?
安達 誰がおバカだ!(笑) そうじゃなくて、自由奔放みたいなところ!
廣瀬 あ、なるほど。確かに、安達さんは自由奔放という感じがしますね。
安達 マイペースで、好きなことは好き、嫌いなことは嫌いっていう。
廣瀬 そうそう! マイペース! 人の話、聞いてないもんね。
安達 うん。……いや、聞いてるよ!
廣瀬 向かい合って話していると、安達さんって僕の顔じゃなくて、顔の斜め上くらいの空中を見ているんですよね(笑)。「どこ見てんの?」「絶対に聞いてないじゃん!」ってよく思ってます。
安達 いや、聞いてるよ! 顔もちゃんと見てるし。
──シャイだからあまり目をジッと見られないんじゃないですか?
安達 ……そ、そう、シャイなの!(笑)
廣瀬 こういう、取り繕うのが下手なところ、本当にレオンっぽいですよね(笑)。出演者全員が安達さんのことを「かわいい」って言ってますからね。まさに愛されキャラです。
──では、自分は王子としての資質はあると思いますか?
廣瀬 安達さんは王子っぽい気がしますね。浮世離れしているところが。
──確かに、王子っぽさはあるような気がします。
安達 気づきました? じつは僕も気づきました(笑)。
廣瀬 またバカっぽい返し方!(笑) でも、とにかく、みんなに愛されるという点は、王子の資質としてバッチリだと思います。一方の僕はといえば……王子よりも王子の側近が向いてるかな。
安達 僕の側近ということ?
廣瀬 いや、あなたの側近ではない(笑)。でも、王子になるよりも、王子を支える側に回りたいですね。
──このふたりが王子と側近だったら、王子は側近に言いくるめられたり、だまされたりしそうですね(笑)。
廣瀬 目に浮かぶ(笑)。
安達 そうかも! でも……楽しい国ができそうじゃない?
廣瀬 楽しいけどバカな国(笑)。でも、その国は険しい顔をしている人がいなそうですよね。
安達 うん。間違いなくいないね。
──その国の国民になりたいです(笑)。さて、『ハイネ』はアニメと同じ主要キャストでの舞台化が決まっていますが、おふたりの頭のなかに、すでに舞台のこともあったりするんですか?
安達 僕は舞台のことをよく想像したりしています。アニメと舞台とでは、同じキャストの同じセリフでも違って聴こえるような気がするんですよね。ほかにも、ライブならではの舞台でしか生まれない要素も出てくるでしょうし。そういうことが楽しみで仕方がないんです。
廣瀬 僕は、舞台のことはまったく頭にないんです。今は、まだ収録が残っている最終話のことしか頭になくて。
安達 それ、一番いい答えかも!(笑)
廣瀬 早く最終話の台本を読みたいんですよね。キャストでグループLINEを作っているんですけど、そこでも「最終話の台本、来た?」「来てない?」という会話を結構しているんです。本当に待ち遠しくて。それにしても……すでに舞台のことを考えているなんて、安達さん、意外としっかりしてるんだ(笑)。
安達 気づくのが遅いよ!(笑)
廣瀬 あ、でも、僕も「舞台の演出家はどなたが務めるんだろう?」というようなことは考えることがあるかも。
安達 それは確かに気になるところだね。
廣瀬 それに、あまり考えていなくても、僕も楽しみで仕方がないというのは、安達さんと一緒なんです。
──こちらも本当に楽しみです。では最後に、『ハイネ』の2話以降の見どころを教えてください。
廣瀬 1話のラストで、ブルーノのメガネがキランとしていましたね(笑)。
安達 意味深なラストだったよね。2話で、ブルーノとハイネ先生がぶつかるわけですが……ブルーノはここから崩れていきます(笑)。
廣瀬 崩れるといっても、いい意味でなので大丈夫です。
安達 そう。1話からのギャップを楽しんでいただきたいです。
廣瀬 レオンハルトはといえば、ハイネ先生に対してつっけんどんだったのが、じょじょに心を開いていきます。アニメ本編で彼がハイネ先生の手を取るシーンがあるんですが、その描写が極めてレオンハルトっぽいので、ぜひ注目してください。それに、今後のレオンハルトの成長っぷりも、この作品の見どころのひとつだと思うんです。そんなところにも注目していただけたらうれしいですね。
安達 ある意味感動的だよね。
廣瀬 レオンハルトのテンションがずっと高めなのは変わりませんけど(笑)。とにかく、最終話までお見逃しないよう、よろしくお願いします!
安達勇人プロフィール
あだち・ゆうと 7月28日生まれ。茨城県出身。ランウェイフィールド所属。主なアニメの出演作は『ALL OUT!!』石清水澄明役、『アクエリオンロゴス』剣嵜総役、『ナンバカ』トロワ役など。
廣瀬大介プロフィール
ひろせ・だいすけ 6月3日生まれ。東京都出身。ケッケコーポレーション所属。主な舞台の出演作はミュージカル『ヘタリア』イギリス役、舞台『刀剣乱舞』一期一振役、アプリ『A3!』斑鳩三角役など。
<TVアニメ『王室教師ハイネ』情報>
2017年 9月 ハイネ+4王子 同ーキャストで舞台化も決定!
テレビ東京にて、毎週火曜日深夜2:05~
テレビ大阪にて、毎週火曜日深夜2:05~
BSジャパンにて、毎週土曜日深夜0:00~
AT-Xにて、毎週水曜日夜10:30~
AT-Xリピート放送:毎週金曜午後2:30~/毎週日曜朝8:30~/毎週火曜朝6:30~
※各配信サイトでも配信中!!!
http://heine-royal.com/onair/
王室教師ハイネ 公式サイト
http://heine-royal.com
公式Twitter
@heine_PR
PV
https://youtu.be/Zb3xSrejKx0
(C)赤井ヒガサ/SQUARE ENIX・王室教師ハイネ製作委員会