沼倉愛美4thシングルは『CONCEPTION』のEDテーマ。「“赤ちゃんを作るアニメ”の主題歌らしく(!?)、人を思いやる気持ちをていねいに出しきりました(笑)」【インタビュー】 | 超!アニメディア

沼倉愛美4thシングルは『CONCEPTION』のEDテーマ。「“赤ちゃんを作るアニメ”の主題歌らしく(!?)、人を思いやる気持ちをていねいに出しきりました(笑)」【インタビュー】

声優・沼倉愛美が、ニューシングルをリリース。原作のサブタイトルに『俺の子どもを産んでくれ!』というインパクトのあるワードが使用された『CONCEPTION』のEDテーマ「Desires」を含む全3曲を収録。本人いわく、 …

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沼倉愛美

 声優・沼倉愛美が、ニューシングルをリリース。原作のサブタイトルに『俺の子どもを産んでくれ!』というインパクトのあるワードが使用された『CONCEPTION』のEDテーマ「Desires」を含む全3曲を収録。本人いわく、「男女の関係を表現できている」という1枚や、少し早いが2018年の振り返り、そして2019年の展望について語ってもらった。

「Climber’s High!」を越えたいと思った「Desires

――これまでいろいろなジャンルの曲を歌ってきていますが、今回のシングルはどのような1枚になりましたか?


 表題曲の「Desires」は、わりといろんなものがむき出しになっているんですね。なので、覆われていない感情とか欲望、隠せないくらいの強さみたいものを出せればいいなと思っていました。それに加えて、映像やジャケットなどの目に見えるものに関しては、少し女性らしさを超えた官能的なところまで見せられたら、歌の意味がより引き立つかなと思っていて。比較的曲単体で考えていたんですが、カップリングの2曲がどちらも恋愛的な要素が強くて、それと聴き比べると「Desires」からも恋愛っぽさが感じられるような気がして、男女の関係が表現できている1枚になったかなぁと思います。

――前作の「彩-color-」ではご自身が作詞をされていましたが、今回は3曲とも作詞はされていないんですね。
 そうなんです。「Desires」の歌詞を書くかも、という案もあったんですが、いろいろあってお任せすることになりました。ただ、そういうこともあって、そのときに完成していたシナリオなどはいただいて、ひととおり目は通していました。

――そのときは、『CONCEPTION』という作品には、どんなイメージを持ちましたか?
 正直、すごく難しい作品だなと。シリアスな戦闘ものなのか、ラブコメ系のドタバタ作品なのか、文字だけだと意外とわからない部分が多くて。しかも、そこに原作ゲームのサブタイトル『俺の子どもを産んでくれ!』という強いワードが刺さってきて、ちょっと混乱しました(笑)。でも、そのくらい深みのある作品なんだなとも思っていましたね。

――「彩-color-」のときは、カップリングの楽曲は、ご自身が歌いたいジャンルを提案したとおっしゃっていましたよね。
 そうですね。あの1枚は、私欲に走った1枚でしたね(笑)。

――今回の曲に関しても、何かご自身から提案はされたんですか?
 いえ、ノータッチです。ただ、私が過去に歌ってきたタイアップ曲に「Climber’s High」(TVアニメ『風夏』OPテーマ)というものがあって、これがインパクトもパンチもあって、ファンの方以外にもすごく浸透しているなと感じているんです。私にそれほど興味がなくても、アニメや音楽が好きな人に受け入れてもらえているなと。だから、個人的にはそれを超えたいとは考えていて、「Desires」があがってくる前に、プロデューサーに「そこまでいけたらいいね」という話はしていました。

――実際、あがってきた曲を聴いて“その意見は加味されているのかも”と思いましたか?
 そうですね。あがってきたのがだいぶ挑戦的というか好戦的というか、私にとっても冒険できる曲になっていて、今までと違った見せ方や聴かせ方ができるなとは思いました。


――最初に「Desires」を聴いたときは、EDとは思えないハードな曲調だなと思いました。
 私もです。最初に曲をいただいたとき、「あれ?(OPとEDの)どっちだっけ?」って思いました(笑)。

――『CONCEPTION』という作品のシナリオを知っていて歌うということで、何か意識されたことは?
 作品すべてを音楽で表現するというよりは、作品の一部として、正統派なサウンドが作品を引き立てるくらいの気持ちで歌っていいのかなと。「Desires」は自分のなかにある欲望や感情に振り回されたり、それをなんとかコントロールしようとしたり、ときには身を委ねてしまったり……という感情や気持ちの揺れを表現している部分もあるので、それが作品のどこかとリンクしたら成功だなと思っていました。じつは、最初はタイトルももっと作品に近しい雰囲気のものだったんです。でも、『CONCEPTION』の元永慶太郎監督が、「そこまで寄らず、曲だけでも成立できるものとして作ってください」と言っていただいて、タイトルと、歌詞も少し変わりました。棲み分けるところは棲み分けたので、それをうまく使ってもらおう、みたいな気持ちで歌った部分もあります。

――今回、コーラスなどの重ねも結構多いですよね。
 はい。Dメロは後ろでずっとしゃべるみたいに早口で歌っていたりするので、レコーディングのカロリーは比較的高かったかな。

――ハードな曲なんですが、声にはちょっとした女性らしさ、みたいなものも詰まっているように聴こえてきます。
 「彩-color-」のときから、曲のなかに女性っぽさ、艶っぽさのようなものを入れてもらえるようになったので、それは意識しているところですね。私、『CONCEPTION』のことを勝手に“赤ちゃんを作るアニメ”って言っているんですけど(笑)、女の子と恋愛をすることもあれば、それ以外の方法で信頼を深めていくこともある。人を思いやる気持ちがすごくこもっている作品だと思うので、少し女性としての人の想い方みたいなものを入れていくと、歌詞に臨場感が出るのかなと思っていましたね。でも、考えながら歌ったのはそのくらいで、あとは出てきたものをそのまま出す、みたいな感じでしたよ。素材は全部出しきったので「あとはうまく料理してください」みたいな(笑)。

――9月に行われたファンクラブイベントで、いち早く披露されていましたよね。「ぬー民」(ファンクラブ会員の名称)の皆さんは、すごく盛り上がっていました。
 ミュージックビデオ(MV)でダンサーの方に入ってもらったので、せっかくライブなんだからとダンサーの方に来ていただいて歌ったんですよね。あのときは、曲も全然表に出ていなくて、本当に初披露、初歌唱だったんですが、だいぶ気に入ってもらえたみたいで、手応えはありました。

「I Love You」という言葉は、恥ずかしい?

――カップリングの「I Love You」は、『CONCEPTION』の挿入歌にもなっています。すごくゆったりとしたシンプルな曲です。


 これは、めちゃめちゃ歌いやすかったですね。わりとシンプルなサウンドが好きで、このくらい楽器が少なくて、ゆったりしている曲ってすごく好みなんです。ただ、「I Love You」って恥ずかしいなって最初は思っちゃいました(笑)。

――かなり連呼していますもんね(笑)。
 まさか、こんな歌を歌う日が来るとは、と(笑)。

――歌詞的には、お別れと思ってもおかしくないような、切ないワードが並んでいるんですよね。
 そうなんです。でも、私は別れの歌だとは思っていなくて。どちらかというと「一緒にいるこの日が終わってしまって、あ、仕事に行かなきゃ」ぐらいの気持ち。

――「愛していたかった」と言っているけど、それは今別れる前の時間をずっと続けていたかったという意味?
 そうそう。愛していられる今は続いていて、その気持ちが幸せっていう気分で歌っていましたね。

――悲しい曲として歌う、という手もなくはないですよね?
 個人的には、イントロがすごくあったかく始まるなと思ったんですよ。永遠の別れが来た感じがしなくて。日々愛する人と過ごしていれば、ちょっとすれ違いがあったりとか、そういうつもりじゃなかったのにとか、伝え方を間違えちゃったなとか、そういうことって誰しもあると思うんですね。モヤッとしちゃう瞬間もあるけど、でも愛しているという気持ちは変わらないんですっていう、そんなイメージですね。個人的には、聴いて癒されてほしいなって思いながら歌いました。

――3曲目の「What You Want」は、これまたテイストの違う曲で。初めて聴いたときは、この歌詞の主人公は、なんてピュアなんだろうって思いました。
 そうですね。恋に恋をして、ひとりでグルグルしている感じがしますよね。歌詞がすごく若い。「「I Love You」」とは目線の違う男女の距離感があるなと思いました。一貫して、相手に焦がれていて、愛というよりは恋という感じがしますね。

――途中、ラップのようなパートもあります。小気味がよくて、聴いていて清々しい気持ちになれるなと。
 じつは、リズムに合わせて最初はカツカツと歌ったんです。そうしたらスタッフから、「もうちょっと、ゆるく歌ってください」と指示があって。なので、滑舌よくというよりは、ちょっとゆるく喋っているくらいのテンションでした。

――先ほど「若い」とおっしゃっていましたが、歌い方的にはあえて年齢感を、歌の主人公に寄せようとはしていませんよね?
 キャラクター性は考えずに、そのときに出てきたものを録ってもらおうくらいの感覚だったかな。アーティストデビューした直後は、キャラクターソングをずっと歌ってきたので、自分じゃない人物像を作ったほうが歌いやすかったんですが、そういえば今回は考えなかったな。

――自分で歌うことになれてきた?
 かもしれないです。今回、歌詞を書かなかったことで、客観的に全体を見ていられて、いいバランス感覚でもの作りができたなという気持ちはあるんです。ちょっと職人っぽい感覚がありましたね。私欲に走った「彩-color-」も気に入っているんですけど、与えられたものをどう形にするかっていうのは、いつも声優としてやっている作業と同じでしたね。

2018年は、自分の人生を考えた年

――ジャケットとビジュアルイメージは、黒が基調のクールな雰囲気ですね。
 私、ビジュアルに関してはそんなにこだわりがないタイプなので、逆に「こうしてほしい」って言ってもらえたほうがありがたいんです。今回は、「黒がいい」とスタッフの方に言われたので、特に異を唱えることもなかったです。

――ビジュアルイメージでは、赤いパンプスが目を引きます。
 このパンプスは、スタイリストの方が持ってきてくれたんです。でも、最初はスタッフのみんなに不評だったんですよ。「寒そう」って(笑)。立って写真を撮ったら、ひざ上から足元が素足なので、「ちょっと寒そうじゃない?」ってプロデューサーに言われて。自分としては「そうかなぁ?」くらいだったんですが、一応ニーハイの黒いブーツとパンプスの2パターンを撮って、最終的にスタイリストの方のセレクトが勝ちました(笑)。

――ジャケットのポイントは?
 これまでのジャケットで髪をまとめているものがなかったし、髪もかなり伸びてきたから、おろしていこうか、くらいの気持ちでした。でも、ヘアメイクの方がかなり時間をかけて、2Dで波を付けてくれたので、すごく素敵な仕上がりになりました。MVはまた衣装が違うんですが、その差も楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。

――MVは、やはりダンスに目がいきますね。
 動きがあるので、より大きく見えるように、チュールをつけたショートパンツとジャケットで撮影しました。振り入れに使える時間が1日しかなかったし、撮影日まで3人がそろわなくて、撮影しながら合わせていった感じでしたね。

――ワード数が多いから、リップシンクは大変じゃなかったですか?
 大変でした! 踊りながら口を動かすのが思った以上に間に合わず、「合ってないよなぁ……」って思いながら踊る、みたいな(笑)。でも、踊りをメインに撮ると決めていただいていたみたいなので、かなり時間をかけてダンスシーンは撮っていただき、いいとこ取りしたものでMVはできています。

――今までのMVはバンドと一緒に歌っていることも多かったですが、今回はないんですね。
 バンドのシーンはほぼなくて、合間のアタックとして撮らせてもらった感じですね。音作りの筋みたいなものは、「叫べ」のときから変わっていないんですが、見せ方をそろそろ変えたいなと思っていたところだったので、そういう意味でもこれまでのMVとは違った雰囲気になっているんじゃないかな。「My LIVE」(アルバム『My LIVE』収録)のときにも「振り付けを入れたらどうだろう」という話をしたのですが、これはいろいろあってできなくて。プロデューサーがそのときのことを覚えてくれていたかどうかはわからないけど、「新しく沼倉さんができることとして、振り付けを入れる」って言ってもらえたのはすごくうれしかったです。

――ちょっと早いですが、2018年もそろそろ終わりが見えてきました。今年はどんな1年でしたか?
 新しいことをいろいろ始めましたね。引っ越しもしたし、30代に足を踏み入れたし。自分のことを振り返ったり、今後の自分というものを考える時間も増えたりして、老後のこととかを考えるようになりました。
 死ななければ生きていけるという楽観的な部分もあるんですが、やっぱりできることはしておいたほうがいいなと思って。防災グッズをそろえようとか、体力をつけようとか……。30歳になったということも大きくて、「迷ったときはこっちに行こう、こっち側を選ぼう」という、人生のぼんやりした筋道みたいなものを決めたんですよ。それからズレずに、周りの人を大事にしていけたら、何をしてもいいだろうと。そんなに重い感じじゃないんですけど、自分の人生を考えるようになった年でした。

――それを踏まえて、2019年はどんな年になりそうですか?
 とりあえず、国立競技場の完成を楽しみにしています(笑)。あとは、人間らしい暮らしを……。

――人間らしく暮らしていないんですか……?
 家のことは、最低限しかやらなかったんですよ。ただ、このままだと嫁に行けないなと思って(笑)、何か勉強しようかなと思っています。

――では、最後に読者へメッセージをお願いします。
 今回は、また違った歌や映像を、違った形でお聴かせし、お見せできる1枚になったと思います。CDで聴くのと、アニメのEDとしてキャラクターと一緒に聴くのとでは、たぶん印象が違ってくるんじゃないかな。それも含めて、この曲がどう育っていくのかを楽しみにしているので、アニメ共々楽しんでいただければと思います。この先は、リリースイベントやフェスなど、年内にお会いできる機会もありますので、思い出をみなさんと一緒に作っていきたいです。よろしくお願いします。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

<PROFILE>
沼倉愛美【ぬまくら・まなみ】4月15日生まれ。神奈川県出身。アーツビジョン所属。2016年11月にシングル『叫べ』でソロ活動を開始。これまでにシングル3枚、アルバム1枚をリリース。声優としての主な出演作は『新幹線変形ロボ シンカリオン』(男鹿アキタ)、『RELEASE THE SPYCE』(半蔵門雪)、『うちのメイドがウザすぎる!』(鴨居つばめ)など。

<リリース情報>
シングル『Desires』
フライングドッグより10月31日発売
初回限定盤:1,944円


通常盤:1,404円


<イベント情報>
『Desires』発売記念イベントを下記日程で開催
11月25日(日)13:30 東京・アニメイト池袋本店9Fイベントホール
12月2日(日)17:30 大阪・animate O.N.SQUARE HALL3F
※イベント参加券についての詳細は、【https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=101297】まで。

沼倉愛美公式HP
http://numakuramanami.com/

沼倉愛美公式Twitter
@numakura_manami

《超!アニメディア編集部》
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