2018年10月7日(日)よりTOKYO MXほかにて放送開始予定のTVアニメ『ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士』。『織田信奈の野望』などを執筆する春日みかげによるライトノベルを原作とした本アニメは百年戦争前後の出来事について史実に基づきつつも錬金術といったファンタジー要素も加え、もう一つの「ジャンヌ・ダルク」の物語を描いた作品である。
放送に先駆けて2018年8月3日には『ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士』公式ニコ生「“紳士”発掘計画」を放映。司会に天津向、ジャンヌ・ダルク役の大野柚布子、アスタロト役の東城日沙子、フィリップ役の高田憂希を迎え、キャラクターの紹介やアニメの最新情報の公開、また番組をご覧のユーザーの皆様から”紳士”を発掘するための様々な企画を行った。
今回はニコ生の放映を終えた直後の大野さん・高田さんにインタビュー。作品に関することのほか、お互いの印象など、同事務所に所属する二人ならではの質問についてお答いただいた。
(左から)ジャンヌ・ダルク役の大野柚布子、フィリップ役の高田憂希
史実をもとにしつつファンタジー要素が入っている世界観に引き込まれる
――ニコ生「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」公式ニコ生「“紳士”発掘計画」への出演、お疲れ様でした。出演してみていかがでしたか?
大野:高田さんとは以前にも本作に関するイベントでご一緒したのですが、東城さんとは初めてアフレコ以外でも共演するので新鮮でした。東城さんはすごく愉快な方だと思いましたね。
高田:おそらく、まったく同じことを思われているよ(笑)。
大野:確かにそうかもしれないですね(笑)。もっとクールな方かと思っていたのですが、一緒にいてとても楽しくなる方でした!
――司会をされていた向さんはいかがでしたか?
大野:面白かったです。顔を見ると笑っちゃって……すみませんでした(笑)。でも、私のボケも受け止めてくださって、とてもありがたかったです。
高田:向さんがいないと成立していなかったかもしれないよね。それくらい私たちの話を拾ってくださるし、盛り上げてくださる、お会いする度に素敵な方だなと思っています。放送中は色々といじってしまい申し訳ございませんでした(笑)。
ーーそんな高田さんはニコ生に出演してみていかがでしたか?
高田:アニメ『ユリシーズ』初のニコ生ということで、PVの第二弾が初公開されたり、キャラクター紹介をしたりで作品の雰囲気をお伝えすることはできたのではないかと思っています。あと、アフレコ現場以外でキャストの方とお話することによってそれまでとは違う一面を知ることができて楽しかったですね。大野ちゃんとは二回目ですが……すごかったです。元々噂には聞いていた子だったのですが、改めて「これはマウス(プロモーション)も安泰だな」と思いました。本当にとてつもない後輩が事務所に入っているので、私も頑張らないと!
――高田さんもきっとそのマウスのすごい人の一人ですよ!
高田:とんでもねぇ!
大野:先輩を見ていていつもすごいなと思っています。
――そもそもお二人の関係性は?
高田:大野ちゃんのほうが二期分下の世代になるのかな? 私は「パワフルな子が入ってきた」「小さな怪物が入ってきた」と聞いていてどんな感じの子なのかとワクワクとドキドキでいっぱいだったので、今作で共演できてよかったです。
大野:高田さんはとても元気で賑やか、エネルギー消費が多そうな方だなと思っていましたがそのイメージ通りでした(笑)。ただ真面目で細やかな気配りもできる女性なので、憧れている方の一人です。
高田:ありがとう!
――確かに、今回のニコ生でもいろいろな場面で気配りをされていました。パッション淑女、って感じがしました。
高田:どういうこと(笑)!?
大野:パッション淑女……いいですね!
高田:そんな言葉の組み合わせ聞いたことないわ!
――心からの誉め言葉です!
高田:ありがとうございます(笑)。
――先ほどから話にも挙がっていますが、今回のニコ生はアニメ『ユリシーズ』の公式番組でした。ニコ生でもお話されていましたが、改めて本作の世界観や物語を教えてください。
高田:舞台としては百年戦争、史実でも本当にあった出来事を軸に話が進みます。主人公のモンモランシはフランス公国の大貴族の息子で、騎士になるための養成学校に通いつつも錬金術や魔術に興味を示して、「賢者の石」にまつわる研究に没頭します。学校では多くの騎士・姫騎士候補に囲まれて充実した日々を送っていました。ただ、「アザンクールの戦い」と呼ばれる戦でフランスが大敗しパリが陥落したことで、騎士養成学校は閉鎖、彼もすべてを失いお尋ね者の錬金術師となります。
大野:その後、逃亡した先の村で出会うのがジャンヌという少女。そこから何とか戦争を鎮められないかというモンモランシと不思議な少女・ジャンヌの物語が動き始めます。
――史実をもとにしながらも錬金術などのファンタジー要素も入っているんですね。その物語においてお二人が演じられるキャラクターについて教えてください。
大野:私が演じるジャンヌはまだまだ子供という、とにかくピュアな女の子です。戦争で家族を失っており、今はフェイ族と呼ばれる小さな妖精さんと家族同然の関係性で一緒に過ごしています。そういう背景もあって戦争がない平和な世界になって欲しいと強く願っている子ですね。
高田:私はブルゴーニュ公国の公女・フィリップを演じています。公女でありながらもその立場になかなか馴染めない、善良公女と呼ばれているくらい優しくて、自分の考えていることをなかなか前に出せないちょっと気弱な女の子ですね。そんなフィリップもモンモランシと同じ騎士養成学校に通っていました。彼らと一緒にいるときはとても楽しそうで……きっと彼らのことを仲間だと感じていたんだと思います。ただ、その関係性も戦争によって変化し、彼女自身が様々な経験をすることで新たな意識が芽生えていきます。
――関係性についても見どころのひとつになりそうですね。ちなみにお二人はオーディション時に春日先生の原作は読まれましたか?
高田:読みました。読んだときは史実をもとにした作品ということもあってか、色々と細かく描かれているという印象を受けました。例えば同じ意味のことであってもフランス軍とイングランド軍で呼び方が違うという点。一方では「ユリス」、もう一方では「ユリシーズ」と呼んでいるといった違いが原作で表現されているんですよね。そういう言葉の使い分けから先生のこだわりを感じました。
大野:物語は実際の歴史通りに動いているのですが、その中に「錬金術」や「ユリス化」などのファンタジー要素が混ざりあっていて、ファンタジーなのに現実的、という不思議な世界観ですごく面白かったです。
――春日先生が『ユリシーズ』より前に書いた『織田信奈の野望』に通ずるところがあり、先生らしさがあふれた作品だなと感じます。ちなみに、お二人は歴史の授業は得意でしたか?
高田:歴史の授業……。
――せ、世界史じゃなくて日本史でも!
大野:あまり得意ではなかったです……。
高田:私もだ(笑)。
大野:(笑)。でも本作に関わらせていただいて、フランスの歴史やジャンヌ・ダルクのことについて少し勉強しました。色々な参考資料を読むうちにジャンヌのことをより好きになりましたね。
――歴史って学んでみると面白い発見や教訓になるようなことがたくさんありますよね。
大野:そうですね。歴史を知ったうえで『ユリシーズ』を見るとまた違った楽しみ方があると思います。
――史実通りのところ、逆に違っている部分を探すのも楽しいかもしれません。
大野:そうなんです! 物語の流れを知っているからこそワクワクすることもあると思うので、そういう楽しみ方もありかと思っています。
――大野さんはジャンヌがお好きということですが、高田さんが歴史上の人物で好きだと思う方は?
高田:伊能忠敬さんです。
――以外なチョイスでした。お好きな理由は?
高田:浅い知識で申し訳ないのですが、伊能忠敬さんと言えば日本地図を作った方ですよね。お役所の人に「日本地図を作ってくれよ」と頼まれたとしても、日本全国となるととんでもない広さでゴールも見えないですし、歩いて測量しないといけない。私なら断る気がします。私、中学受験をしたのですが、その時も歴史上の人物でだれを尊敬しているかという問いに伊能忠敬さんと書きました。最初は北海道だけの予定だったみたいなんですよ。でも全部作れと言われて取り掛かった。途方もない作業なのにあきらめない気持ちがすごいと思っています。
大野さんをわが子のように見守る沼倉さんと逢坂さん
――好きな歴史上の人物についてお話いただきありがとうございました。ここまでキャラクターや作品のことを中心にお伺いしてきましたが、アフレコ現場の雰囲気はいかがですか? ニコ生でも若手の方からベテランの方まで様々なキャストの方が出演されることが発表されましたね。
高田:確かに、若手から大御所の方まで揃っている現場です。フィリップが登場シーンはわりとピリついている場面が多く、諸先輩方のシリアスな芝居をマイク前で感じられる瞬間がたくさんあってとても勉強になります、特にフィリップはグラスデールと絡むシーンもあり、演じられる平田広明さんと掛け合いをするのですが、平田さんとの掛け合いは緊張感がものすごいですし、学ぶことも多いので楽しいです。
――なるほど。
高田:あと、これは余談ですが、沼倉愛美さんと逢坂良太さんが大野ちゃんのことを我が子のように見守ってくださっているんです(笑)。大野ちゃんが悩んでいるときに声をかけてくださるのが沼倉さんで……。
大野:沼倉さんにはすごく憧れています! ぬーさん(沼倉)は他の作品でも共演させていただいていて、よくお昼ご飯にも一緒に行きます。ぬーさんは本当に可愛らしいなと感じる方なのですが、現場での立ち振る舞いなどがしっかりされているので、ついていきたくなる。また、逢坂さんはキャストの方々に「ご飯行こう」など声をかけていらっしゃってさすが座長だなと感じています。アフレコ現場でお会いする方はそれぞれに尊敬する部分があって、とても勉強になります! 高田さんは真面目な方で……。
高田:とんでもない!
――真剣だからこその行動だと思います。見習わないといけないです。本作はシリアスなシーンからセクシーなシーンまで様々な場面が登場しますが、ディレクションで言われたことで印象に残っていることは?
大野:普段のジャンヌは元気で明るくて子供っぽい感じ、一方でモンモランシとのベーゼによって不老不死の超人「ユリス」に変身してからは見下しているような狂気感を出して、というディレクションを受けたことです。オーディションでは同一人物だと分かるように変身前も後もそこまで変化させていなかったのですが、実際のアフレコでは全く別人くらいに演じてほしいとご指摘いただいたので、今ではハッキリと差がわかるように意識しています。
高田:これはフィリップだけのことではないのですが、音響監督さんが「みんな愛国心があって行動している」と言っていたのが印象に残っています。本作には様々なキャラクターが登場して、それぞれが国を守らないといけない立場にある。立場上、時にはきつい言葉を言ったり、周りから見ると心証がよくないような発言だったりをすることもあるのですが「それも愛です」とアフレコで言われていたんですよね。これはフィリップとしても意識しないといけない点だと思いました。また、フィリップはアニメ的にはまだ発表していないこともあるので、その点も楽しみにしていただければと思います。
――楽しみです! 最後に、本作には「救国の乙女」「気弱なおもらし姫」などキャラクター毎に様々なキャッチコピーがあります。もしお互いにキャッチコピーをつけるとすれば、それぞれ何とつけますか?
高田:先ほどもチラッと言いましたが、大野ちゃんは小さい怪物と聞いていたので、そのイメージから「ミニマム戦士」ですかね。ちょっとジャンヌの印象も引きずっちゃっていますが、ちゃんと声優としての武器を持って戦っている気がするので!
大野:高田さんは……やる気と元気と勇気がある淑女?
高田:あ、ありがとう(笑)。
――やる気と元気はいつもおっしゃられていますもんね。
高田:いつも名乗るときに言っているやつです(笑)。
大野:でも本当に淑女だなと思っています。
高田:ありがとう、何だか恥ずかしいですね……終わりましょう!
――本日はありがとうございました!
■プロフィール
大野柚布子【おおの・ゆうこ】11月2日生まれ。愛知県出身。マウスプロモーション所属。主な出演はアニメ『魔法少女サイト』朝霧彩役、『音楽少女』雪野日陽役、ゲーム『ラピスリライツ 〜この世界のアイドルは魔法が使える〜』カエデ役ほか
高田憂希【たかだ・ゆうき】3月16日生まれ。福岡県出身。マウスプロモーション所属。主な出演はアニメ『やがて君になる』小糸侑役、『NEW GAME!』涼風青葉役、ゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』依田芳乃役ほか
<TVアニメ『ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士』作品概要>
TOKYO MX:2018年10月7日(日)より 毎週日曜 22時~
サンテレビ:2018年10月7日(日)より 毎週日曜 23時30分~
BSフジ:2018年10月8日(月)より 毎週月曜 24時~
■イントロダクション
「織田信奈の野望」の春日みかげによる歴史ファンタジー「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」が待望のアニメ化。貴族の息子でありながら魔術や錬金術の研究に没頭する少年モンモランシは、パリの王立騎士養成学校でブルターニュ公の妹リッシュモンら、多くの騎士・姫騎士候補に囲まれ、慌ただしくも充実した日々を送っていた。だがアザンクールの戦いでの大敗によって、フランスと彼らの運命は一変する。パリが陥落し、騎士養成学校も閉鎖され、すべてを失いお尋ね者の流れ錬金術師となったモンモランシは、逃亡先の村で不思議な少女ジャンヌと出会う…。
■スタッフ
原作:春日みかげ(集英社ダッシュエックス文庫)
イラスト:メロントマリ(集英社ダッシュエックス文庫)
監督:板垣伸
シリーズ構成・脚本:金月龍之介
キャラクターデザイン・総作画監督:澤田譲治
総作画監督:一ノ瀬結梨、髙橋成之、西田美弥子
美術設定:高橋麻穂(ちゅーりっぷ)
美術監督:菊名 香(ちゅーりっぷ)
色彩設計:石川恭介(J.C.STAFF)
撮影監督:町田 啓(チップチューン)
編集:武宮むつみ
音響監督:納谷僚介
音楽:岩崎琢
音楽制作:ランティス
助監督:矢野孝典
アニメーション制作:AXsiZ
■キャスト
モンモランシ:逢坂良太
ジャンヌ・ダルク:大野柚布子
アスタロト:東城日沙子
リッシュモン:沼倉愛美
シャルロット:大西沙織
フィリップ:高田憂希
ラ・イル:石上静香
バタール:桑原由気
アランソン:間島淳司
ザントライユ:高橋英則
ニコラ・フラメル:糸博
ヘンリー五世:日野聡
ベドフォード公:興津和幸
ラ・トレムイユ:阿部敦
ジャン無怖公:斧アツシ
グラスデール:平田広明
赤髭のジャン:玄田哲章
カトリーヌ:富田美憂
エンリル:子安武人
トマス:諏訪彩花
ナレーション:石塚運昇
■原作情報
「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」(集英社ダッシュエックス文庫)1~4巻好評発売中
原作:春日みかげ イラストレーション:メロントマリ
公式サイト
ulysses-anime.jp
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前半 http://live2.nicovideo.jp/
後半 http://live.nicovideo.jp/
©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ