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『revisions リヴィジョンズ』谷口悟朗と平川孝充に聞く制作秘話 現実的に最大限のクオリティのものを作り出すための工夫とは

2019/1/16


 高品質で世界基準のアニメ作品を世界にも打ち出していく新アニメ枠・フジテレビ「+Ultra」。その第2弾として2019年1月9日より『revisions リヴィジョンズ』の放送がスタートした。今回は、谷口悟朗監督と平川孝充CG監督にインタビュー。映像面を中心にお話をうかがった。

リヴィジョンズ(左から)谷口悟朗監督と平川孝充CG監督

――『revisions リヴィジョンズ』は世界基準のアニメ作品を世界に打ち出していく新アニメ枠・フジテレビ「+Ultra」での放送ですが、制作するうえで海外を意識した点はございますか?

谷口:海外にも配信するから特別意識したというよりかは今回のお話をいただいて「そちら側でもいいんだな」と感じました。

――「そちら側」というのは?

谷口:海外と日本のアニメファンの違いのひとつが、日常系や萌え系のアニメが好まれるかどうかという点だと思います。海外だと日常系や萌え系はそれほど受けがよくありませんから。本作は海外にも視野を広げてということであれば、世界の人たちにも受け入れられるジャンルでやれる、日本のアニメが本来持っているドラマとしての面白さに気づいてもらえるような作品作りができる、と思ったんですよね。そういう点にも注目していただけると嬉しいです。

――本作は本格的なSF作品で、渋谷の街の一角が未来に跳ばされるという展開になります。この着想に至った経緯について教えてください。

谷口:すごくがっかりするようなことを言いますと、予算と現実の制作進行を考慮した結果です。アニメーション作品を作る際、まずは制作予算や制作体制を現実的に考えます。今回で言うと白組さんを中心にCGという軸で作っていく、そして白組さんはまるまる12話分やるのが初めてとなると、どういう事が起きるかわかりません。白組さんに無理していただくという進め方もできなくはないですが、その結果、大事故が起きてしまっては元も子もないですよね。だから、現実的なラインについてシリーズ構成の深見真さんなどと話して、美術点数などをある程度限定できる「街の一部が未来に飛ばされる」という発想に至りました。

――なるほど。谷口監督が手掛けられたSF作品としては『無限のリヴァイアス』などもありました。

谷口:そうですね。ただ、『リヴァイアス』では社会システムを作ろうというところからスタートしていたのに対して、本作は区役所や警察などの行政も一緒に未来へと飛ばされます。そうなると小さいコミュニティは最初から形成されているんですよね。一から作るのとコミュニティが少しでもあるのとでは明確にやることが変わります。また、本作は堂嶋大介という主人公とそれを取り巻く多くの人たちを中心としているという点が学生だけで社会システムを作ろうとした『リヴァイアス』とは異なりますね。

――さまざまな経緯があって制作が進んでいった本作。完成したアニメの映像をご覧になったときの感想を教えてください。

谷口:久しぶりに10代の観客も想定した作品に関われたことに喜んでいます。そして、それに対する私のオーダーにここまで応えてくださった白組さんに感謝しています。テレビシリーズという枠で数多の制限がある、しかもオリジナル作品ですので大変なこともたくさんあったかと思います。それでもトライ&エラーを繰り返して、無駄になった作業もあったなかで最後までついてきてくださったことに感謝しかありません。

一方、私個人としては、実写作品でADをやったり、舞台演劇で朗読劇の演出などをお手伝いしたりした経験が役に立ちました。例えば3Dで制作した美術用のセットで、天井を作っていないならそこは画として映せないとかの判断ができたこと。こういうのは実写をやったことがある人間じゃないと即座にはわからないようなことだと思います。

――CG作品を作っていくうえで実写の経験が役に立った?

谷口:そうですね。ただ、アニメーションというのは結局お客さんに届いて完成すると私は思っています。なので、観てくださる方がどのように受け止めてもらえるのか、いまはドキドキしています。

――平川CG監督はいかがでしたか?

平川:白組としては挑戦的な作品でしたし、谷口監督とご一緒できることもあって、スタッフ一同モチベーションが元々高かったんです。その後、渋谷のスクランブル交差点が形になったときに「これはいける」と確信が持てました。全体的にスケジュールの余裕はそれほどありませんでしたが、テレビアニメの予算のなかでやれるところまでやれたと思っています。

――そもそもCGで勝負するという手法をとられた理由は?

谷口:当然、手書きという選択肢もありましたし、部分的にCGを入れるという作り方も当初の話し合いでは出ていました。ただ、結果的に白組さんにお願いしてほぼCGでやっていくという方向で落ち着いたのは、渋谷という現実にもある街を舞台にするからには、ある程度の写実性が必要であること、またメカが登場するので、それのデザインを含めて白組さんの社内で完結したほうがクオリティを維持できると思ったからです。

写実性の部分については手書きでもできますが、相当な作画カロリーが必要です。現実問題、手書きのアニメーションのいくつかは限界を露呈している現場が今はありますよね。スタッフだって好き好んでその露呈している部分を見せているわけではない。特に新しい座組で展開している本作でやるわけにはいかないと思ったんです。メカのデザインについても3Dを熟知している方であれば問題ないのですが、そうでなければ3D化するのが困難になるんです。平川さん、実際にそうですよね?

平川:はい。メカのデザインに関しては社内のデザイナーにお願いして、そこからモデリングをしていきました。社内のデザイナーであれば関節部分がどうなっているかなど見えない、細かい部分までを社内で協議して進められるので、その点は制作をスムーズに進行するうえでも大きなメリットになったと思います。

谷口:それが結果的に映像のクオリティを維持できることにも繋がると思ったので、白組さんを中心としたCGでの映像を基本軸として進めました。こういった3DCGでのメカデザインのノウハウは『ID-0』という作品の経験が大きかったと思います。あのときは海老川兼武さんにメカのデザインをしていただいただのですが、彼はCGによる作業工程を熟知していたので、モデリングで問題が起きると即座に対処していました。それを傍からですが、見ていたりする経験が本作でも活きました。

――白組さんはメカだけでなく、本作ではキャラクターのモデリングも担当されていますよね。

平川:社内には3DCGでセル画(2D)のような表現を実現するセルルックの仕事をしているチームがありました。なので、キャラクターの面でもある程度のノウハウは持っていました。

谷口:キャラクターについても非常に高いレベルで応えていただきました。また、キャラクターのポージングについてはモーションアクターさんの功績もあります。例えば各キャラクターの歩き方の違い。その差を出そうとすると手書きでは大変です。ああいう動きはモーションアクターさんがいてよかったなと実感するところです。

平川:1話の屋上で生徒たちが殺到しているシーンがあります。あそこも手書きだと途方に暮れるほどの作業になると思います。

谷口:ああいうのは手書きだともう上手な人しか描けないですよ。

――モーションアクターさんを使うという判断はどの段階でされたのですか?

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