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<アニメ・マンガ妖怪よもやま話>日本の説話に登場する「海王類」「海獣」のような存在にまつわる話

2019/8/19


 
  アニメ・マンガ作品における定番ジャンルでもある「妖怪」のことを、ちょっとだけアカデミックに解説する「アニメ妖怪よもやま話」。アニメ雑誌「アニメディア」で連載していた本コーナーが「アニメ・マンガ妖怪よもやま話」としてWEBで復活。「海のバケモノ」としても伝承されている「牛鬼」という存在について、奈良県在住の妖怪文化研究家・木下昌美が語る。
 
 
「海賊王に俺はなるっ!!!!」と思わず叫んでしまッた経験が……アニメ・マンガファンであれば一度ならず二度くらいはあることでしょう。おなじみ『ワンピース』の主人公モンキー・D・ルフィのセリフです。
   
 この夏はルフィら麦わらの一味をはじめ、海軍や王下七武海、革命軍や世界政府など、そうそうたるメンバーが活躍する劇場版『ONE PIECE STAMPEDE(スタンピード)』が話題です。私はまだ劇場版は観ていませんが、予告を眺めているだけでワクワクしています。
 
 さて、言うまでもなく『ワンピース』は海賊のお話ですが、個性豊かな海賊に負けないくらいにインパクトがあるのが「海王類」ではないでしょうか。海王類とは巨大な海洋生物で、魚のようなモノや爬虫類のようなモノなど、ありとあらゆるタイプのものが存在しています。『ワンピース』には「海獣」という存在もいて、海には不思議がいっぱいですね。
 
 日本の説話でも、海では不思議なことがたびたび起こります。『ワンピース』にも登場しそうな、興味深いバケモノのひとつが「牛鬼」です。主に海辺に現れ、人を襲ったりします。平安時代、清少納言による『枕草子』で「おそろしきもの」として牛鬼の名が挙がっているなど、古くからその名は知られていたことがわかります。
 
 民間伝承としては、西日本を中心に牛鬼の話が伝わっているようです。ときに山中に出ることもありますが、いずれにせよ往々にして人々に害を与えるもののようです。そのビジュアルもいくつかパターンがあり、頭が牛で胴体は鬼(もしくはその逆)とするものもあれば、『百怪図巻』などの江戸時代の絵巻物では、クモのような身体にウシのような頭がついた姿で描かれています。
 
 ひと口に牛鬼といっても、特徴も見た目も大なり小なり違うことがわかります。劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』では新たな海王類が登場するのでしょうか。海賊たちだけでなく、その脇を彩るキャラクターたちも要チェックです。

 

解説:木下昌美
<プロフィール>
【きのした・まさみ】妖怪文化研究家。福岡県出身、奈良県在住。子どものころ『まんが日本昔ばなし』に熱中して、水木しげるのマンガ『のんのんばあとオレ』を愛読するなど、怪しく不思議な話に興味を持つ。現在、奈良県内のお化け譚を蒐集、記録を進めている。大和政経通信社より『奈良妖怪新聞』発行中。
 
●挿絵/幸餅きなこ 撮影/高旗弘之


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