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<アニメ・マンガ妖怪よもやま話>『この音とまれ!』でフィーチャーされた楽器「箏」と「妖怪」との関係にまつわる話

2019/6/30


 
 アニメ・マンガ作品における定番ジャンルでもある「妖怪」のことを、ちょっとだけアカデミックに解説する「アニメ妖怪よもやま話」。アニメ雑誌「アニメディア」で連載していた本コーナーが「アニメ・マンガ妖怪よもやま話」としてWEBで復活。今回は『この音とまれ!』にも登場する楽器「箏(こと)」と「妖怪」「バケモノ」との関係について、奈良県在住の妖怪文化研究家・木下昌美が語る。
  

「箏」に情熱を傾ける高校生の姿を描くアニメ『この音とまれ!』がアツいです。原作は、2019年現在「ジャンプSQ.」で連載中で、アニメは1クールを終えて2クール目の放送も決定(2019年10月より)。主人公・久遠愛(くどおちか)をはじめ、その仲間たちの必死の姿に毎度、心がギュッと締めつけられ、苦しいような甘酸っぱいような、なんとも言えない気持ちにさせられます。
 
 さて、この「箏」とオバケの関係といえば、鳥山石燕が『百器徒然袋(ひゃっきつれづれぶくろ)』という画集の中で描いた「琴古主(ふることぬし)」あたりが有名でしょうか。絵を見ると箏に目が付いていて、弦が髪の毛か煙のようにうねっています。
 
 絵の脇には解説があり「八橋とかいへる瞽(こ)しやのしらべをあらためしより、つくし琴は名のみにして、その音いろをきき知れる人さへまれなれば、そのうらみをしらせんとてか、かかる姿をあらはしけんと、夢心におもいぬ」と書かれています。意味をかいつまんでお伝えすると、つくし琴(筑紫箏)という箏が廃れ、知る人がいなくなったことを受けて、そのことを知らせようと姿を現したものが「琴古主」である――といったところでしょうか。音を奏でて人を楽しませていたはずの箏ですが、その存在を忘れられてしまい、オバケになってしまったのでしょう。
 
『この音とまれ!』では次々にトラブルが起こりながらも、愛をはじめとした箏曲部のメンバーが箏と向き合い、それぞれが求める音に近づこうと奮闘しています。作中の箏も、愛たちのように大切に、そして真剣に向き合ってもらえれば、オバケになることはまずなさそうですね……。

 

解説:木下昌美
<プロフィール>
【きのした・まさみ】妖怪文化研究家。福岡県出身、奈良県在住。子どものころ『まんが日本昔ばなし』に熱中して、水木しげるのマンガ『のんのんばあとオレ』を愛読するなど、怪しく不思議な話に興味を持つ。現在、奈良県内のお化け譚を蒐集、記録を進めている。大和政経通信社より『奈良妖怪新聞』発行中。
 
●挿絵/幸餅きなこ 撮影/高旗弘之


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