Cellchromeが語るTVアニメ『名探偵コナン』EDテーマ「新一くんと蘭ちゃんのもどかしい恋愛から歌詞が生まれました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

Cellchromeが語るTVアニメ『名探偵コナン』EDテーマ「新一くんと蘭ちゃんのもどかしい恋愛から歌詞が生まれました」【インタビュー】

前々回のOP「Everything OK!!」以来TVアニメ『名探偵コナン』とは2度目のタッグとなり、新EDテーマ「Aozolighter」を歌うCellchromeからボーカルのMizki、ギターの陽介が「アニメディ …

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 前々回のOP「Everything OK!!」以来TVアニメ『名探偵コナン』とは2度目のタッグとなり、新EDテーマ「Aozolighter」を歌うCellchromeからボーカルのMizki、ギターの陽介が「アニメディア10月号」に登場。超!アニメディアでは、掲載しきれなかったロング版をご紹介する。

切ない歌詞とボーカルで、新一と蘭のもどかしい恋を応援!

──3月のシングル「Everything OK!!」はOPテーマでしたが、今回の「Aozolighter」はEDテーマですね。

陽介 前回のタイアップの際に「いつかEDテーマも担当できたらいいね」と話していたので、こんなに早くかなうとは思ってなかったです。

Mizki OPテーマのときは、とても明るくてポップで前向きな僕たちの一面を聴いてもらったんですけど、今回はそれとはまったく違う曲調なので、「こういうCellchromeもあるんだよ」って、また新しい一面を聴いてもらえると思います。『名探偵コナン』を観たあとにこの曲を聴いて、その日のストーリーを振り返ったり自分の経験を思い出したりしながら、曲にひたってもらうのもアリだと思いますね。


──作詞には今回も陽介さんが参加していますが、アニメ本編の後に流れるEDという部分では、どういうことを意識して制作しましたか?

陽介 前回はOP曲ということもあって、『コナン』ワールド全開で、作品にまつわるワードもたくさん散りばめたのですが、今回はそれを少し控えめにしました。テーマは「切ない恋愛観」で……とある男子高生が仲のいい女友達に対して恋心を抱いているんですけど、告白したら今のいい関係が壊れてしまうんじゃないかと思って告白できずにいます。そういう、恋人になりきれないもどかしさを書いています。『コナン』の新一くんと蘭ちゃんの関係とリンクさせて聴いていただけると思います。

──歌詞は、どんなことをイメージしながら書いていったのですか?

陽介 今回は作曲の川浦正大さんと共作させていただきました。青空と笑顔、その先にあるものさえも照らしたいという気持ちが浮かんで、歌詞を書き進めていきました。

Mizki 付き合ってもいない相手の笑顔を照らしてあげたいと思うのは、男のエゴでしかないのかもしれないけど、歌詞を読んでそういう気持ちも素敵だなって思いました。僕も中学生くらいのころにちょうどこういう片想いをした経験があったので、レコーディングのときには、当時好きだった子に気持ちが届いたらいいな〜と思いながら歌いました。

陽介 イケメンでも、こんなもどかしい恋をした経験があるんだね(笑)。

Mizki ずっとバンド一筋でやってきたからね!(笑)そのなかでも誰かを好きになったことくらいはあって、そのときの切なかった気持ちと重ねながら、この曲を歌ったんです。

──歌詞には、「君」と「僕」が出てきますが、「君」にはファンのことも重ねていますか?

陽介 書いたときはそこまで考えていなくて、単純に恋した気持ちを表現できればと思ったんです。でもそういうふうに、僕らとファンのみなさんとのことに重ねてくれてもうれしいですね。その場合はきっと、どっちが「君」でどっちが「僕」ということはなくて、お互いに照らし照らされている関係なのかもしれないですね。

──Bメロのちょっと早口っぽいところは、歌ってどうでしたか?

Mizki 早口ということはあまり意識していなかったですが、Bメロの歌詞はすごく好きです。気持ちを隠しながら、でも本当は伝えたいんだよという、心の奥の叫びみたいなものが表現されているような気がします。

陽介 その部分のMizkiさんの歌い方も、今までになく切なさを表現した歌い方だなと思いました。もちろんロックで「ウワ〜」って爆発するように歌う姿も格好いいけど、こういう切ない表現もすごくよくて、成長を感じました!

Mizki ありがとうございます(笑)。

──陽介さんも、歌詞のような気持ちになったことは?

陽介 昔は、まったく女の子と話ができないくらい恥ずかしがりだったので、歌詞の主人公よりもっともどかしい経験をしてきました(笑)。

──シャイなバンドですね(笑)。でもおふたりとも、バンドを始めてからは積極的になれたのでは?

陽介 そうですね。僕は人前に立つのも苦手だったのですが、バンドを始めてから少しずつ解消されていって、性格もかなり明るくなって、ステージでも自分を解放できるようになりました。

Mizki 僕もバンドをやっていくうちに、自分に自信が持てるようになりましたね。いろんなところでライブをやらせていただき、いろんな方に助けていただくなかで、もっと自分に自信を持っていいんだと思うようになりました。それはひとりでは無理で、きっとこの4人だったからだろうなって思います。メンバーがいて応援してくれる人がいて、協力してくれる人がいて。ひとりじゃないんだなって思えたときから、グンと成長できたんじゃないかって思います。

──自分に自信がなくても、好きなことに打ち込むことや仲間を持つことで自信が生まれるわけですね。

Mizki 本当にそうです。僕らもバンド活動を反対されたり親に心配された経験があって、やりたいことをやるのはそれほど単純なことではないと知っています。きっとどんなバンドでも、いろんな葛藤を抱えてステージに立っていると思うし、それでも続けてきたから今があるんです。僕らの音楽を聴いて、少しでも背中が押せたらうれしいし、頑張るきっかけになってくれたらうれしいです。もともとはシャイな少年だった僕らでも、今こうしてスポットライトを浴びる立場にいさせてもらえているのだから、みんなにもできるはずです。いろいろ悩むこともあると思うけど、立ち向かってほしいです!

──『名探偵コナン』にテーマソングで関わって以降、改めて気づいた『コナン』の魅力はありますか?

陽介 小さいころから観ているアニメだから、コナンくんたちとはある意味でずっと昔からの知り合いのような感覚もありますけど……僕は歌詞を書いたことで、より身近に感じられるようになりました。新一くんと蘭ちゃんのもどかしい恋愛を改めて自分のことのように感じて、切なさがより増したことで「Aozolighter」の歌詞が生まれました。

Mizki 前回のOPをきっかけに、出演されている声優の方がやっていたラジオ番組を聴いたんですけど、コナン役の高山みなみさんや灰原哀役の林原めぐみさんたちのトークを聴いて、強固なチームワークを感じました。長年一緒にやられているので、一体感がすごくあって、それがアニメにも表れているから、これほど人気があるんじゃないかと思いました。小さいころからずっと観ていたアニメで、以前は表側のストーリーの部分ばかりを追っていたけど、改めて作品作りに携わる人たちの愛情を知ったことで、作品の見方がすごく変わりました。そういう作品に携われていることが、すごくうれしくて誇らしいです。“コナンチーム”の一員と名乗るのはおこがましいけど、音楽という部分で作品をもっと盛り上げていけたらいいなとすごく思います。

──好きな声優さんがいたりするんですか?

陽介 僕は林原めぐみさんです。『シャーマンキング』という作品で林原さんが演じていた、恐山アンナちゃんがすごく好きでした。

Mizki わかる! 灰原哀ちゃんとアンナちゃんって、ちょっと似たところがあるよね。髪色も似ているし、クールなところとか、でもたまにデレるところとか。

陽介 そうそう。それに僕は、姉が林原さんのファンでCDも聴いていたので、そういう影響もあって好きになったんです。

Mizki 僕も、林原さんがやっていたラジオ番組を昔からずっと聴いていました。その時期に出演されているアニメ作品を観て、ラジオでその作品の話を聞くのがすごく好きで。『コナン』でも、林原さんが演じている哀ちゃんが、すごく好きです。知的でクールだけど、たまに見せるお茶目さがすごくいいんです!

──今後、声優の方とかアニメ関連のつながりが広がったらいいですね。

Mizki これは僕だけなんですけど、8月11日に開催された『「桜姫と魔法の本」~ミュージカルで綴る ~ Hiroko Tokumine Grand Collection Show 2018』という舞台に出演させていただいて、声優やモデル、ユーチューバーの方とか、バンドマン以外の方とこんなに出会うことはないっていうくらい、いろんな職種の方と出会わせていただいて。音楽のイベントやフェスで経験するのとはまったく違った、刺激をたくさんもらいました。僕はアニソンシンガーの黒崎真音さんが演じるラプンツェルの相手の王子役だったんですけど、初めてアニメに携わる方とお話ができて、アニメの話ができたのがとてもうれしかったです。

──そういうバンド以外の活動で、得たものは大きかったですか?

Mizki すごく大きかったです。ミュージカルとファッションショーが一体になった新しいスタイルの舞台だったんですけど、みなさんの迫力のある演技やパフォーマンスを間近で見て、すごく努力してきたんだなってことがすごく伝わってきて、そこで受けた刺激をバンドにも活かしていけたらなって思いました。今回のレコーディングは、この経験があった上でおこなわれたので、少しでも経験が活かせていたらうれしいです。

陽介 僕はその舞台の映像を観たんですけど、すごく似合っていて格好良かったです。バンドではマイクを持って歌っているので、身体全体を使って歌を表現することは初めてだったと思うけど、そこで得たものを、今後のライブでどんどん発揮してほしいですね。

──歌いながらミュージカルっぽい動きになっちゃうんじゃない?

Mizki 実は、手の動きがミュージカルっぽかったみたいで、ファンの方から「王子が抜けてないよ」って言われました(笑)。

 (プロフィール)
【Cellchrome】Mizki(Vo)、陽介(G)、ニワケン(B)、tatsuma(Dr)の4人で、2015年に名古屋で結成。2017年にアニメ『コンビニカレシ』OPテーマ「Stand Up Now」でデビュー。3rdシングル「Everything OK!!」が、アニメ『名探偵コナン』OPテーマに起用されて注目を集める。

(CD情報)
「Aozolighter」
12月26日発売 発売元/ビーイング
1500円(税込)
冬の高い空を想像させるような、澄んだ空気感と爽快感があふれるナンバー。疾走感のあるロックサウンドだが、歌詞や歌声には胸がキュンと締め付けられるような切なさがある。これまで元気で明るい楽曲を発表してきたCellchromeの、少し憂いのある一面を感じることができる楽曲だ。

取材・文=榑林史章

《超!アニメディア編集部》
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